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13.さらに油
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「女子高校に僕が入学する件は母さんが悪ノリしたのが悪いけど、今日の件は全部チョウちゃんが悪いよね?」
そう問いかけると、しっかりと自分が悪いと理解しているチョウちゃんはサッと横を向いて目線を反らした。
「なんで待ち合わせ場所を新幹線の駅にしたのかは知らないけど、そこで待ち合わせするのなら普通チョウちゃんが迎えに来るべきだよね?それなのになんでヒサコさんに迎えにこさせてるの?しかも、あんなデカデカとした派手なプラカードなんて持たせようとして。それに、写真を送ってくるのを渋ったかと思えば僕にはヒサコさんが恥ずかしがる写真を送ってきて、ヒサコさんには僕が男だと勘違いするような写真を送るってどういうこと?そして最後はバズーカ型クラッカーでの出迎え。しかも、この部屋の中の至るところにまで仕掛ける2段構えって。おかげでビニールテープまみれになっちゃって動けないし、後片付けだって本当ならスゴくめんどくさいことになっていたのだからね?
ホントにどういうことかな~?」
今日あったチョウちゃんが原因で僕の怒りにさらに油を注いだ出来事を全て言葉にしてチョウちゃんにぶつけると、僕の怒りを感じ取ったチョウちゃんは少しだけど体を震わせ始めた。
そんな風に震えるなら止めておけばいいのに、その場の楽しさをとるあたりはやっぱりチョウちゃんらしさだと思う。
しかし、このままでは話し合いにもならないし、話をする時には相手の目を見るべきなので、横を向いているチョウちゃんの顔を両手で挟むと、ムリヤリ僕の方に向けて笑顔で問いかける。
「どういうことかな~?」
「え~と、それは、あの」
顔を背けれなくなったチョウちゃんは目をあっちこっちに泳がせ、しどろもどろになりながらも言い訳を考えていた。
「私が迎えに行けなかったのは片付けないといけない書類があったからで」
まずは出迎えに来なかった言い訳を始めたチョウちゃん。
「そうなんですか?ヒサコさん」
「なんでヒサコに聞くの!?」
チョウちゃんは驚いているが、それはもちろんチョウちゃんが信用出来ないからに決まっている。
そして、ヒサコさんという裏付けを取れる相手がいるのだから聞くに決まっている。
「えぇ。片付けないといけない書類があったのは確かですが、それ以上に、プラカードを作ってたら徹夜しちゃって眠いからお願い~、と言われましたね」
まぁ、そんなことだとは思ったけど。
「ヒサコ!」
チョウちゃんにとっては予想外の暴露をされたので、ヒサコさんに怒っているが、それ以上に僕が怒っていることを忘れてもらっては困るね。
「チョウちゃん」
両手に軽く力を込めてあげる。
「イタい!これはダメだよ!アイアンクロー以上にダメだよ!」
ハハッ。罪人にかける情けなどないので聞く耳すら持つ気はない。
「そもそも、あんなプラカードを作る必要すらなかったのじゃないかな?」
そしたら徹夜する必要もなくなるし、チョウちゃんが自分で迎えに来ることも出来るようになるのに。
「いや!ヒサコはコウくんの顔知らないし、コウくんはヒサコの顔を知らないんだから目印になるモノは必要でしょ!」
昔ならチョウちゃんの言い分もわかるが、現代では簡単に連絡を取り合える手段がいくつもあるので、その言い訳は言い訳にすらならない。
「プラカードを作る暇があるのだったら僕達に写真を送るか互いの連絡先を送るかして互いに連絡しあえるようにすればプラカードなんて必要なかったでしょうが」
ということで込める力を少しあげた。
「イタイタイタイタいから!ホントにこれは危ないから!」
両腕をタップしてくるが、もちろん止めるつもりはない。それに、
「大丈夫。危なくない加減はわかっているから」
トラブルメーカー達を散々お仕置きしてきたので、どれくらい力を入れれば本気でやばいのかはわかっている。
「私は全然大丈夫じゃない!」
そうでなければお仕置きの意味がなくなるのでそれでいいのだ。
「はいはい。それでなんであんな写真を送ってきたのかな?僕はともかくヒサコさんの写真はもっと普通な写真があったのじゃないの?」
チョウちゃんの手元にある僕の写真が母さんから送られてきたモノである時点でマトモであることはほぼほぼないだろう。そう言いきれてしまうくらい、あっても全然嬉しくない信頼が母さんにはあってしまう。
しかし、ヒサコさんの写真はもっと普通な写真があるはずだ。
「それは、送り間違えたんだよ」
「だそうです」
確実にウソだとわかる言い訳だが、これについてはヒサコさんが判決をくだすことなのでヒサコさんを見ると、大きくため息を吐いたヒサコさんはチョウちゃんに近づくと背中に1発ビンタを打ちこんだ。
「イタっ!強い!ヒサコ強いよ!それに行く前にもビンタしたよね!?」
そういえばヒサコさんがビンタしてきたと言っていたね。
顔は僕に抑えられていて正座しているので声だけで抗議をするチョウちゃんだが、ヒサコさん気に留めた様子はなく、ため息を吐くだけでまた離れた。
「でだ。最後の部屋中に仕掛けたバズーカ型クラッカーでの出迎えだけど、明らかにやり過ぎだし驚かす気満々だったよね?それに、理由をつけて僕を迎えに来なかったのってバズーカ型クラッカーを仕掛けるためでもあるのじゃない?」
こうして話ているうちにそういう考えろに思い至ったので問いかけると、わかりやすいぐらいにチョウちゃんは目を泳がせはじめた。
「いや!あれはホントに久しぶり会うコウくんを歓迎するために用意しただけであって、驚かす意味なんてないよ!それに、バズーカ型クラッカーは昨日のうちに仕掛け終えてたし!」
焦って自らカミングアウトしてくれたチョウちゃん。
なるほど。徹夜の原因はプラカードとバズーカ型クラッカーの仕込みのせいだったのか。
「そもそも今日の件はホントにコウくんを出迎えるために用意したことだし!ちょっと間違えたりやりすぎたりはしたけど歓迎しているのも確かで!」
「はぁ~」
そう問いかけると、しっかりと自分が悪いと理解しているチョウちゃんはサッと横を向いて目線を反らした。
「なんで待ち合わせ場所を新幹線の駅にしたのかは知らないけど、そこで待ち合わせするのなら普通チョウちゃんが迎えに来るべきだよね?それなのになんでヒサコさんに迎えにこさせてるの?しかも、あんなデカデカとした派手なプラカードなんて持たせようとして。それに、写真を送ってくるのを渋ったかと思えば僕にはヒサコさんが恥ずかしがる写真を送ってきて、ヒサコさんには僕が男だと勘違いするような写真を送るってどういうこと?そして最後はバズーカ型クラッカーでの出迎え。しかも、この部屋の中の至るところにまで仕掛ける2段構えって。おかげでビニールテープまみれになっちゃって動けないし、後片付けだって本当ならスゴくめんどくさいことになっていたのだからね?
ホントにどういうことかな~?」
今日あったチョウちゃんが原因で僕の怒りにさらに油を注いだ出来事を全て言葉にしてチョウちゃんにぶつけると、僕の怒りを感じ取ったチョウちゃんは少しだけど体を震わせ始めた。
そんな風に震えるなら止めておけばいいのに、その場の楽しさをとるあたりはやっぱりチョウちゃんらしさだと思う。
しかし、このままでは話し合いにもならないし、話をする時には相手の目を見るべきなので、横を向いているチョウちゃんの顔を両手で挟むと、ムリヤリ僕の方に向けて笑顔で問いかける。
「どういうことかな~?」
「え~と、それは、あの」
顔を背けれなくなったチョウちゃんは目をあっちこっちに泳がせ、しどろもどろになりながらも言い訳を考えていた。
「私が迎えに行けなかったのは片付けないといけない書類があったからで」
まずは出迎えに来なかった言い訳を始めたチョウちゃん。
「そうなんですか?ヒサコさん」
「なんでヒサコに聞くの!?」
チョウちゃんは驚いているが、それはもちろんチョウちゃんが信用出来ないからに決まっている。
そして、ヒサコさんという裏付けを取れる相手がいるのだから聞くに決まっている。
「えぇ。片付けないといけない書類があったのは確かですが、それ以上に、プラカードを作ってたら徹夜しちゃって眠いからお願い~、と言われましたね」
まぁ、そんなことだとは思ったけど。
「ヒサコ!」
チョウちゃんにとっては予想外の暴露をされたので、ヒサコさんに怒っているが、それ以上に僕が怒っていることを忘れてもらっては困るね。
「チョウちゃん」
両手に軽く力を込めてあげる。
「イタい!これはダメだよ!アイアンクロー以上にダメだよ!」
ハハッ。罪人にかける情けなどないので聞く耳すら持つ気はない。
「そもそも、あんなプラカードを作る必要すらなかったのじゃないかな?」
そしたら徹夜する必要もなくなるし、チョウちゃんが自分で迎えに来ることも出来るようになるのに。
「いや!ヒサコはコウくんの顔知らないし、コウくんはヒサコの顔を知らないんだから目印になるモノは必要でしょ!」
昔ならチョウちゃんの言い分もわかるが、現代では簡単に連絡を取り合える手段がいくつもあるので、その言い訳は言い訳にすらならない。
「プラカードを作る暇があるのだったら僕達に写真を送るか互いの連絡先を送るかして互いに連絡しあえるようにすればプラカードなんて必要なかったでしょうが」
ということで込める力を少しあげた。
「イタイタイタイタいから!ホントにこれは危ないから!」
両腕をタップしてくるが、もちろん止めるつもりはない。それに、
「大丈夫。危なくない加減はわかっているから」
トラブルメーカー達を散々お仕置きしてきたので、どれくらい力を入れれば本気でやばいのかはわかっている。
「私は全然大丈夫じゃない!」
そうでなければお仕置きの意味がなくなるのでそれでいいのだ。
「はいはい。それでなんであんな写真を送ってきたのかな?僕はともかくヒサコさんの写真はもっと普通な写真があったのじゃないの?」
チョウちゃんの手元にある僕の写真が母さんから送られてきたモノである時点でマトモであることはほぼほぼないだろう。そう言いきれてしまうくらい、あっても全然嬉しくない信頼が母さんにはあってしまう。
しかし、ヒサコさんの写真はもっと普通な写真があるはずだ。
「それは、送り間違えたんだよ」
「だそうです」
確実にウソだとわかる言い訳だが、これについてはヒサコさんが判決をくだすことなのでヒサコさんを見ると、大きくため息を吐いたヒサコさんはチョウちゃんに近づくと背中に1発ビンタを打ちこんだ。
「イタっ!強い!ヒサコ強いよ!それに行く前にもビンタしたよね!?」
そういえばヒサコさんがビンタしてきたと言っていたね。
顔は僕に抑えられていて正座しているので声だけで抗議をするチョウちゃんだが、ヒサコさん気に留めた様子はなく、ため息を吐くだけでまた離れた。
「でだ。最後の部屋中に仕掛けたバズーカ型クラッカーでの出迎えだけど、明らかにやり過ぎだし驚かす気満々だったよね?それに、理由をつけて僕を迎えに来なかったのってバズーカ型クラッカーを仕掛けるためでもあるのじゃない?」
こうして話ているうちにそういう考えろに思い至ったので問いかけると、わかりやすいぐらいにチョウちゃんは目を泳がせはじめた。
「いや!あれはホントに久しぶり会うコウくんを歓迎するために用意しただけであって、驚かす意味なんてないよ!それに、バズーカ型クラッカーは昨日のうちに仕掛け終えてたし!」
焦って自らカミングアウトしてくれたチョウちゃん。
なるほど。徹夜の原因はプラカードとバズーカ型クラッカーの仕込みのせいだったのか。
「そもそも今日の件はホントにコウくんを出迎えるために用意したことだし!ちょっと間違えたりやりすぎたりはしたけど歓迎しているのも確かで!」
「はぁ~」
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