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第39章
前哨戦
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弥三郎・さく・左月は兵を引き連れ、長浜・戸の本の西方に布陣した。敵方にも弥三郎出陣の情報は伝わっていると見え、雲霞の如く敵兵が弥三郎の陣に相対して布陣されていた。全てさくの読み通りとなった。戦とは1人が逃げると10人が逃げ、10人逃げると100人逃げるものである。つまり、多勢に勝る敵方は、一番弱く組み易いと思われる弥三郎の陣を突き崩し、敗走させ、敗色を伝播させるつもりなのである。そうなったら戦は大敗である。だが、ここを支えきれば、味方は2倍の敵に臆さず戦う弥三郎に感化され、奮起する。その勢いで手薄になっている敵の陣を打ち破るだろう。つまりこの戦は、弥三郎が鍵を握っているのである。そして、弥三郎を生かすも殺すも全て、さくの手綱に掛かっていた。弥三郎の陣の前面には女てつはう隊が布陣し、その後ろに弥三郎の考えで大量動員した農民兵が控える。まず、敵方が攻め寄せて来たら、てつはうで打撃を加え、つるべ撃ちにする。てつはうで防波堤を作るのだ。それが突破されたら、農民兵が突撃である。てつはう隊がどこまで敵の勢いを削げるか。戦の勝敗を握るのはやはり、てつはうであろう。この様な田舎でここまでの数のてつはうを揃えているのはこちらの強みである。だが一方の農民兵には呆れた。皆、ボロボロの鎧。見るからに貧相である。それでも付けているだけましな方で、中には普段と変わらぬ小袖一枚の者もいる。弓矢に寄る掃射を受けたらどうするつもりなのだろうか。
「呆れた。兜ぐらいは被った方が良いのではありませんか。」
さくは弥三郎に問いかけた。
「何がだ。」
「農民兵です。」
弥三郎は農民たちを一瞥すると、表情を緩めた。
「恐れ知らずだな。頼もしい限りだ。」
さくと左月は顔を見合わせた。恐れ知らずというよりも唯の馬鹿だろうとしか思えなかった。不安が募ったが、今となっては何を言っても仕方がない。弥三郎が考え抜いた戦略を実行するしかないのだ。その時である。陣の中に何かが飛来した。拳大の石礫である。そこかしこで悲鳴が上がった。対峙する敵陣から10人程の男達が中ほどに進み出て、石を投げてくる。投石部隊である。戦国時代、弓矢・鉄砲と同じく多用されたのが投石である。現代から見ればたかだか石ころと思うかも知れないが、当たれば骨折する事もあり、稀に死者も出た。主にいくさ前の前哨戦として行われたのが投石合戦である。さくは皆に命じた。
「怯むでない。石を投げ返すのです。」
皆、それに応じて、思い思いに石を投げて応戦するものの、敵方の投石部隊はかなり手練れている。相手の部隊を追い返すどころか、向こうはどんどん前に出て、石を雨あられと投げかけた。
「どうした、どうした。馬鹿殿の率いる部隊は兵士も腰抜けよ。石ひとつまともに投げられぬとはな。」
「悔しかったら、討って出て来るがよい。どうした。怖いのか。」
「おのれ!目にもの見せてくれる!」
左月が討って出ようとするのを、さくは押し止める。
「待ちなさい、左月。相手はこちらを誘い出そうとしているのです。討ってでては思うつぼです。」
「では、どうするのです。捨て置く訳には参りません。」
先程の兜無し、鎧無しの農民の頭に石が直撃した。昏倒してその場に崩れ落ちた。
「わっ!おい。お主、大丈夫か。」
すぐ横にいた農民を左月が助け起こそうとするが、さくは一瞥しただけで平然としている。
「それ、言わんこっちゃない。兜ぐらいは付けるものです。」
弥三郎はどうして良いか分からぬ様子で、オロオロとするばかりだ。敵の投石部隊はこちらをおびき出そうと、罵詈雑言を浴びせながら次々と石を投げ込んで来るので、味方は浮足立った。拙い。このままでは戦端が開かれる前に味方は総崩れである。弥三郎はこの通り頼りにならないので、全てはさくの決断に委ねられた。さくは石がドンドン投げ入れられるのを意に返さず、前線に歩を進めた。弥三郎、左月は腰砕けになりながら、その後に続いた。前線にはてつはう部隊が銃を構え、発砲の許可を今か今かと待っていた。
「てつはうを貸しなさい。」
さくは一人の女に命じた。言われるがまま差し出された銃を構えたさくは、敵の投石部隊の頭目らしき男に狙いを定めると、引き金を引いた。雷鳴が鋭く轟いたと同時に、玉が男の土手っ腹を貫いた。
「ぐおっ!」
崩れ落ちる男を見て、残りの雑魚は慌てて自陣に逃げ帰っていく。さくのてつはうの腕に皆、称賛の歓声を上げた。
「さく、見事じゃ。」
弥三郎は笑顔を見せた。
「てつはうの狙いは体の真ん中、どこかに当たれば良いのでしたね。」
さくは弥三郎にニヤリと笑いかけた。
「姫様、流石に御座います。これでこちらが有利に御座います。」
敵の投石部隊にてつはうの一斉射撃を浴びせれば、皆殺しに出来たであろうが、敢えてそれをしなかった。石に対して銃で答えれば、こちらが負けた事になるのだ。そこでてつはうで一発だけ撃ち、見事頭目の腹に穴を開けた。これならば卑怯と云うよりも、こちらのてつはうの腕が優れている事が強調され、こちらの勝ちになる。さくはそう計算して動揺していた兵たちの心を高揚させる事に成功したのだ。宮脇さくという女は生まれながらの器量人であった。
「皆の者、姫様が見事てつはうで敵を仕留めたぞ。」
左月がそう叫ぶと、兵たち皆が歓声を上げる。さくは浮かれる事無く、敵陣に目を凝らす。腹を撃ち抜かれた男はまだ生きている。哀れな声で助けを呼んでいた。敵陣から何人かがそれを救出せんと出てきた。そこでさくは敵をおびき出す手を閃いた。
「左月、てつはうを。」
「えっ。」
「てつはうを貸しなさい。」
さくは再度、玉の込められたてつはうを要求した。左月は何をするつもりか分からなかったが、言われるまま銃を渡した。弥三郎はポカンとしている。さくは再度、銃を構えた。狙いは救出に出てきた者たちである。
「姫様、な、何をなさるお積りなので。」
左月が驚くのも無理はなかった。小競り合いで怪我をした者を助けに来た者に対して、さくは銃で撃つと云うのである。明らかに戦場の作法に反していた。
「考えがあってやっているのです。黙って見ていなさい。」
さくは狙いを定め、引き金を引いた。再び稲妻が落ちたかと思うと、今度は哀れな男を抱えて自陣へ戻ろうとしていた者の、胸を後ろから貫いた。またもや、ヤンヤヤンヤの歓声が巻き起こった。さくは敵勢が慌てて自陣に逃げ帰るのを黙って見ていた。
「姫様、この様な行いは戦の作法に反します。」
左月が嗜めるが、さくは知らぬ顔である。ただ、敵がどう出るかだけに注視した。両軍の中間に敵の怪我人が2人放置されている状況である。何とかして救出しようとする筈だが、出てくれば狙撃されるので出て来れないのである。さて、向こうはどう出るかと窺っていると、今度は敵陣から騎馬武者が一騎、こちらへ向かって進み出てくる。そして大音声で口上を述べた。
「弥三郎殿に物申す。そなたは戦の作法をご存じないか。怪我人を救出しようとする者を、てつはうで狙撃するとは武士の風上にも置けぬ行いぞ。恥を知らぬか。」
その口上を聞き流したさくは一言。
「左月、てつはうを寄越しなさい。」
流石にこれは度を越していると思った左月と弥三郎はそれぞれ戒める。
「姫様、流石にそれはやり過ぎです。」
「さく、何を考えているのだ。怪我を負った者を助けに来ているだけだ。放っておけば良いではないか。」
さくは聞く耳を持たない。再度要求する。
「良いから早う、渡しなさい。」
こうなると従わざるを得ない。左月は不承不承てつはうを渡した。さくは狙いを定める。
「弥三郎殿。ご返答ね・・・・・。」
騎馬武者が口上を述べてる途中でまたもや、てつはうが火を吹いた。玉はまたもや胸の鎧を撃ち抜いた。騎馬から転落する武者。味方からはさくの百発百中の腕前に喝采が。敵陣からは怒号が湧き上がる。さくは自陣の前に進み出ると、大声で口上を述べる。
「本山殿に申し上げる。怪我を負った者をいちいち助けに参るとは何たる軟弱。我が軍では倒れた者は、踏みつけて前に進むのみ。軟弱者に我らの軍法を示し奉ったまで。この戦の勝敗は見えた。今すぐわが軍に降伏し、我の尻を舐めろと弥三郎様が仰せじゃ。」
さくの口上を背後で聞いていた弥三郎は、顔色を失って必死にさくに縋った。
「さ、さく。何を言っておるのだ。私はそんな事は一言も言っておらぬではないか。」
さくはその手を振り払って尚も言う。
「戦の作法がどうのと武士の風上がどうのと御託を述べる暇があるのなら、とっとと雌雄を決しようではないか。初陣の私に臆するとは本山氏も終わっているなあと、弥三郎様は笑っておられる。」
敵陣はシーンと静まり返った。弥三郎は必死になってさくの腕を引っ張って哀願する。
「さく、頼むから止めてくれ。私はそんな事は一寸も思ってはおらぬ。何故、私の名前を出すのだ。」
さくはまたもや完全無視である。そしてとどめの一言を放った。
「弥三郎様はこうも仰っている。お前たちは厠にこびり付いている糞の欠片以下だと、これからは本山では無く、糞山と名乗るのが良いだろうと。」
敵陣から凄まじい怒号が巻き起こるのがこちらまで聞こえてくる。左月は卒倒しそうになっている弥三郎を支えながら、口の悪いさくに閉口した。さくは薄笑いを浮かべながら敵陣を窺う。敵陣には慌ただしい動きが見て取れた。来る。本山勢が攻め寄せて来るのを確信し、さくは皆に号令を掛けた。
「皆、敵が攻めてきますよ。今までの訓練を思い出すのです。」
「おうーーーーー。」
皆の士気は高い。失神しかかってる弥三郎を除いては、特に戦の趨勢を握る女てつはう隊は、さくの狙撃を見て勇気百倍である。
「呆れた。兜ぐらいは被った方が良いのではありませんか。」
さくは弥三郎に問いかけた。
「何がだ。」
「農民兵です。」
弥三郎は農民たちを一瞥すると、表情を緩めた。
「恐れ知らずだな。頼もしい限りだ。」
さくと左月は顔を見合わせた。恐れ知らずというよりも唯の馬鹿だろうとしか思えなかった。不安が募ったが、今となっては何を言っても仕方がない。弥三郎が考え抜いた戦略を実行するしかないのだ。その時である。陣の中に何かが飛来した。拳大の石礫である。そこかしこで悲鳴が上がった。対峙する敵陣から10人程の男達が中ほどに進み出て、石を投げてくる。投石部隊である。戦国時代、弓矢・鉄砲と同じく多用されたのが投石である。現代から見ればたかだか石ころと思うかも知れないが、当たれば骨折する事もあり、稀に死者も出た。主にいくさ前の前哨戦として行われたのが投石合戦である。さくは皆に命じた。
「怯むでない。石を投げ返すのです。」
皆、それに応じて、思い思いに石を投げて応戦するものの、敵方の投石部隊はかなり手練れている。相手の部隊を追い返すどころか、向こうはどんどん前に出て、石を雨あられと投げかけた。
「どうした、どうした。馬鹿殿の率いる部隊は兵士も腰抜けよ。石ひとつまともに投げられぬとはな。」
「悔しかったら、討って出て来るがよい。どうした。怖いのか。」
「おのれ!目にもの見せてくれる!」
左月が討って出ようとするのを、さくは押し止める。
「待ちなさい、左月。相手はこちらを誘い出そうとしているのです。討ってでては思うつぼです。」
「では、どうするのです。捨て置く訳には参りません。」
先程の兜無し、鎧無しの農民の頭に石が直撃した。昏倒してその場に崩れ落ちた。
「わっ!おい。お主、大丈夫か。」
すぐ横にいた農民を左月が助け起こそうとするが、さくは一瞥しただけで平然としている。
「それ、言わんこっちゃない。兜ぐらいは付けるものです。」
弥三郎はどうして良いか分からぬ様子で、オロオロとするばかりだ。敵の投石部隊はこちらをおびき出そうと、罵詈雑言を浴びせながら次々と石を投げ込んで来るので、味方は浮足立った。拙い。このままでは戦端が開かれる前に味方は総崩れである。弥三郎はこの通り頼りにならないので、全てはさくの決断に委ねられた。さくは石がドンドン投げ入れられるのを意に返さず、前線に歩を進めた。弥三郎、左月は腰砕けになりながら、その後に続いた。前線にはてつはう部隊が銃を構え、発砲の許可を今か今かと待っていた。
「てつはうを貸しなさい。」
さくは一人の女に命じた。言われるがまま差し出された銃を構えたさくは、敵の投石部隊の頭目らしき男に狙いを定めると、引き金を引いた。雷鳴が鋭く轟いたと同時に、玉が男の土手っ腹を貫いた。
「ぐおっ!」
崩れ落ちる男を見て、残りの雑魚は慌てて自陣に逃げ帰っていく。さくのてつはうの腕に皆、称賛の歓声を上げた。
「さく、見事じゃ。」
弥三郎は笑顔を見せた。
「てつはうの狙いは体の真ん中、どこかに当たれば良いのでしたね。」
さくは弥三郎にニヤリと笑いかけた。
「姫様、流石に御座います。これでこちらが有利に御座います。」
敵の投石部隊にてつはうの一斉射撃を浴びせれば、皆殺しに出来たであろうが、敢えてそれをしなかった。石に対して銃で答えれば、こちらが負けた事になるのだ。そこでてつはうで一発だけ撃ち、見事頭目の腹に穴を開けた。これならば卑怯と云うよりも、こちらのてつはうの腕が優れている事が強調され、こちらの勝ちになる。さくはそう計算して動揺していた兵たちの心を高揚させる事に成功したのだ。宮脇さくという女は生まれながらの器量人であった。
「皆の者、姫様が見事てつはうで敵を仕留めたぞ。」
左月がそう叫ぶと、兵たち皆が歓声を上げる。さくは浮かれる事無く、敵陣に目を凝らす。腹を撃ち抜かれた男はまだ生きている。哀れな声で助けを呼んでいた。敵陣から何人かがそれを救出せんと出てきた。そこでさくは敵をおびき出す手を閃いた。
「左月、てつはうを。」
「えっ。」
「てつはうを貸しなさい。」
さくは再度、玉の込められたてつはうを要求した。左月は何をするつもりか分からなかったが、言われるまま銃を渡した。弥三郎はポカンとしている。さくは再度、銃を構えた。狙いは救出に出てきた者たちである。
「姫様、な、何をなさるお積りなので。」
左月が驚くのも無理はなかった。小競り合いで怪我をした者を助けに来た者に対して、さくは銃で撃つと云うのである。明らかに戦場の作法に反していた。
「考えがあってやっているのです。黙って見ていなさい。」
さくは狙いを定め、引き金を引いた。再び稲妻が落ちたかと思うと、今度は哀れな男を抱えて自陣へ戻ろうとしていた者の、胸を後ろから貫いた。またもや、ヤンヤヤンヤの歓声が巻き起こった。さくは敵勢が慌てて自陣に逃げ帰るのを黙って見ていた。
「姫様、この様な行いは戦の作法に反します。」
左月が嗜めるが、さくは知らぬ顔である。ただ、敵がどう出るかだけに注視した。両軍の中間に敵の怪我人が2人放置されている状況である。何とかして救出しようとする筈だが、出てくれば狙撃されるので出て来れないのである。さて、向こうはどう出るかと窺っていると、今度は敵陣から騎馬武者が一騎、こちらへ向かって進み出てくる。そして大音声で口上を述べた。
「弥三郎殿に物申す。そなたは戦の作法をご存じないか。怪我人を救出しようとする者を、てつはうで狙撃するとは武士の風上にも置けぬ行いぞ。恥を知らぬか。」
その口上を聞き流したさくは一言。
「左月、てつはうを寄越しなさい。」
流石にこれは度を越していると思った左月と弥三郎はそれぞれ戒める。
「姫様、流石にそれはやり過ぎです。」
「さく、何を考えているのだ。怪我を負った者を助けに来ているだけだ。放っておけば良いではないか。」
さくは聞く耳を持たない。再度要求する。
「良いから早う、渡しなさい。」
こうなると従わざるを得ない。左月は不承不承てつはうを渡した。さくは狙いを定める。
「弥三郎殿。ご返答ね・・・・・。」
騎馬武者が口上を述べてる途中でまたもや、てつはうが火を吹いた。玉はまたもや胸の鎧を撃ち抜いた。騎馬から転落する武者。味方からはさくの百発百中の腕前に喝采が。敵陣からは怒号が湧き上がる。さくは自陣の前に進み出ると、大声で口上を述べる。
「本山殿に申し上げる。怪我を負った者をいちいち助けに参るとは何たる軟弱。我が軍では倒れた者は、踏みつけて前に進むのみ。軟弱者に我らの軍法を示し奉ったまで。この戦の勝敗は見えた。今すぐわが軍に降伏し、我の尻を舐めろと弥三郎様が仰せじゃ。」
さくの口上を背後で聞いていた弥三郎は、顔色を失って必死にさくに縋った。
「さ、さく。何を言っておるのだ。私はそんな事は一言も言っておらぬではないか。」
さくはその手を振り払って尚も言う。
「戦の作法がどうのと武士の風上がどうのと御託を述べる暇があるのなら、とっとと雌雄を決しようではないか。初陣の私に臆するとは本山氏も終わっているなあと、弥三郎様は笑っておられる。」
敵陣はシーンと静まり返った。弥三郎は必死になってさくの腕を引っ張って哀願する。
「さく、頼むから止めてくれ。私はそんな事は一寸も思ってはおらぬ。何故、私の名前を出すのだ。」
さくはまたもや完全無視である。そしてとどめの一言を放った。
「弥三郎様はこうも仰っている。お前たちは厠にこびり付いている糞の欠片以下だと、これからは本山では無く、糞山と名乗るのが良いだろうと。」
敵陣から凄まじい怒号が巻き起こるのがこちらまで聞こえてくる。左月は卒倒しそうになっている弥三郎を支えながら、口の悪いさくに閉口した。さくは薄笑いを浮かべながら敵陣を窺う。敵陣には慌ただしい動きが見て取れた。来る。本山勢が攻め寄せて来るのを確信し、さくは皆に号令を掛けた。
「皆、敵が攻めてきますよ。今までの訓練を思い出すのです。」
「おうーーーーー。」
皆の士気は高い。失神しかかってる弥三郎を除いては、特に戦の趨勢を握る女てつはう隊は、さくの狙撃を見て勇気百倍である。
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