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第13章
穏やかなひと時
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その日の夕餉は和気藹々としたもので、大殿は弥三郎に詫び、それに機嫌を直した弥三郎も饒舌に海外や上方の世情を語った。弥三郎は人と話をしないと言われていたが、喋り出すと饒舌な質だと分かる。頭の良い弥三郎は論理的に説得力を持って話すので、聞いている者を魅了する力があった。
「父上、上方の戦は今や、てつはうが主流です。数を集めた者が戦を制します。」
「てつはうのう。」
てつはうとは倭寇により異国から日本各地に伝わったとされる。時の最先端の武器、火縄銃の事である。
「しかしのう、てつはうは値が張る。上方の国々は数を揃えられようが、この国では・・・・・・。」
大殿はこの国の現実を口にした。豊かではない国では貧しい武具しか揃えられない。どうしても上方と比べると見劣りするのは否めないのだ。
「それについては私に考えがあります。」
「うん?また、考えがあるのか?」
大殿は弥三郎の知恵を認めている。それはさくも同じだ。
「城下でてつはうを製造できないかと。」
「なに!てつはうを作るのか?」
「はい。」
これには大殿・祥鳳の方・さくもはるも驚いた。弥三郎は更に続ける。
「上方には鍛冶屋にてつはうを作らせて、足軽に撃つ訓練をさせる、てつはう町があります。それを我が領内でも真似るのです。」
「う~~む・・・・・・。しかしな。さくはどう思う?」
大殿は躊躇し、さくに意見を求める。
「良きお考えかと。農民を大量動員させ、てつはうを装備させる。この軍令を先んじて徹底させれば、周辺の土豪たちなど恐れるに足りません。」
「・・・・・。しかし、てつはうはそれ程、戦に有用かのう?乱戦になれば殆ど使えぬ。雨の時も火縄が湿って使えぬではないか。」
「戦の初めに相手方に一斉射撃を加えれば、気勢を削ぎ、勢いを殺して、こちら側に有利に戦を進められます。相手の馬も音に驚き、突進が鈍ります。」
さくは弥三郎が自室に籠りながら考えたらしい、てつはうを使った戦略を黙って聞いていた。成程、説得力がある様に聞こえるのだが、弥三郎は戦場に出た事が無い筈なのである。果たして弥三郎の考え通り上手くいくものなのだろうか?
「雨の時はどうするのだ?」
「てつはうに藁を捲いて被せれば、火縄が濡れるのを防げます。」
大殿はさくの顔をちらりと伺う。さく同様、弥三郎の事を値踏みしている様だ。さくは大殿に力強く頷く。
「見事な策じゃぞ、弥三郎。早速、その策を取り入れるように、城下に触れを出そう。」
大殿は腹を決めた様だ。跡目を継ぐのは弥三郎だと。この国の命運は弥三郎に託されたのである。
翌朝。
朝早く起きたさくは台所に向かった。そこには更に早く起きたはるが食事の準備に勤しんでいた。
「あっ!おはよう御座います。姫様、如何しました?こんなに早く。」
はるは、さくが朝早く台所に現れた事に驚いた様子だった。
「私も手伝います。」
さくはそう言うと、はると2人で朝餉の支度に掛かった。
「七種類、揃いましたか?」
「いいえ。まだ。ですが、後は引割飯が揃えば完成です。」
「それでは、それは私が。」
さくは自ら完成させた御膳を弥三郎の元へ運ぶ。
「なんじゃそれは!」
「まあ、豪勢ですこと!」
弥三郎に運ばれた御膳を見た、大殿と祥鳳の方は感嘆の声を上げた。七つの器に七種類の飯が盛られていたからである。
「これはなんだ?」
「七色飯に御座います。」
さくは弥三郎の問いにそう答えた。
「弥三郎様から向かって右上から菜飯、麦飯、栗飯、小豆飯、湯取飯、引割飯、干し飯に御座います。」
さくは手で示しながら説明した。
「こんなには食えん。」
「全部食べろとは申しません。これだけ揃えれば、本日の嗜好に合ったものがある筈、それを好きなだけ食べて下さい。」
「好きなだけのう・・・・・。」
弥三郎は困惑した面持ちで恐々と飯に箸を付けた。七色飯はさくが弥三郎に少しでも多く飯を食わせようとする為、考え出した苦肉の策である。これだけ揃えれば、好きなものが一つぐらいはある筈だという考えだ。又、食べる量が少なくとも、七つの膳全部に箸を付ければ、食べる量を水増しできるだろうという、さくの計算もあった。
「さくは食べぬのか?」
弥三郎は口を動かしながら、向かいの席の御膳を箸で示した。弥三郎の向かいには、一つ空席の御膳が。弥三郎はさくが一緒に食べると思った様だった。
「これは、はるの席に御座います。」
「えっ!私の!」
はるは驚いて素っ頓狂な声を出した。
「大殿。はるを同席させて頂いて宜しいでしょうか?」
大殿の家族の食事に使用人が同席するなど考えられない事である。だが、賢明な大殿は何かしらの考えがあるのだろうと瞬時に察し、それを許した。
「はる、そなたも一緒に食べよ。」
「そんな、恐れ多い事で御座います。私は後で頂きます。」
はるは畏まって言う。
「構わん、構わん。皆で食べた方が飯も美味いではないか。」
大殿は構えて鷹揚に言った。困ったはるは、さくの顔を窺う。
「姫様、如何致しましょう?」
「一緒に頂きなさい。」
「ですが・・・・。」
「考えがあるのです。そなたはいつも通り食事すれば良いのです。
さくにその様に耳打ちされ、はるは腹を決めた。なにか考えがあって言っているらしかった。それが何かは分からないが、飯を食えば良いらしく難しい事ではない。それなら食うか。もともと七色飯は弥三郎の為に作っていたものだったが、はるは作りながら食欲をそそられ腹を鳴らしていた。姫様が自分の為に御膳を用意し、大殿も一緒に食べろという。それなら食べても良いだろう。はるはいそいそと自分の席に着く。
「それでは頂きます。」
はるは高らかにそう述べると、勢いよく飯をかき込んだ。
「おう。見事な食べっぷりじゃな。」
遠慮なく食欲の赴くままのはるに、大殿は感嘆の声を上げた。祥鳳の方も目を白黒。さくは苦笑した。腹を空かせていたはるは馬車馬の如く飯をかき込んでいく。
「どうですか?七色御膳は。」
「はい。美味しゅう御座います。こんなに色々な御膳を特別な日でもありませんのに、ご相伴預かりまして光栄に存じます。」
食べるのに夢中なはるは口から飯を飛ばしながらそう言った。それを正面の席に座る弥三郎はじっと見ている。さくはその様子を目線の端に入れて窺っていた。はるは御膳を全てあっという間に平らげてしまった。
「あ~~あ~。美味しかった。」
はるは大殿の前だという事を忘れ、無邪気に言った。
「まだ、足りぬのではありませんか。」
「えっ!」
「おかわりがありますよ。」
「でも・・・・。」
図太いはるでも流石におかわりまでするのは気が引けるらしかった。大殿と祥鳳の方の顔色を窺う。
「遠慮するな。食いたいだけ食うが良い。」
大殿はさくの意を組んで、あくまで鷹揚である。
「ですが・・・・。」
「こちらもはるの気持ちの良い食べっぷりを見ていると箸が進みます。無理はいけませんが、食べたいのであれば食べなさい。遠慮は入りませんよ。」
祥鳳の方にそう言われ、はるは安心しておかわりを所望する。
「おかわり頂きます。」
「はいはい。」
さくははるの膳に飯を山盛りによそってやる。
「頂きます。」
出た。はるの大飯喰らい。暗黒の胃袋は食べても食べても満腹にはならない。その食いっぷりは見ている人を爽快な気分にさせる。弥三郎も正面に座る、はるの食いっぷりに釣られ、今日は箸が進んでいる様だ、これこそがさくの策略。はるの大喰らいを弥三郎に見せ、それに釣られて食事をさせるのだ。江戸時代に徳川三代将軍・家光の食の細さを心配した春日局がさくと同じことをしたが、これは文献に書かれていた、さくの行動を真似たものであった。はるに釣られて箸を進める弥三郎を見ていた大殿とさくの目が合うと、大殿はにんまりとほほ笑んだ。さくの考えを察してくれたらしい。さくは目をぱちりと瞬きし、合図したのであった。
「父上、上方の戦は今や、てつはうが主流です。数を集めた者が戦を制します。」
「てつはうのう。」
てつはうとは倭寇により異国から日本各地に伝わったとされる。時の最先端の武器、火縄銃の事である。
「しかしのう、てつはうは値が張る。上方の国々は数を揃えられようが、この国では・・・・・・。」
大殿はこの国の現実を口にした。豊かではない国では貧しい武具しか揃えられない。どうしても上方と比べると見劣りするのは否めないのだ。
「それについては私に考えがあります。」
「うん?また、考えがあるのか?」
大殿は弥三郎の知恵を認めている。それはさくも同じだ。
「城下でてつはうを製造できないかと。」
「なに!てつはうを作るのか?」
「はい。」
これには大殿・祥鳳の方・さくもはるも驚いた。弥三郎は更に続ける。
「上方には鍛冶屋にてつはうを作らせて、足軽に撃つ訓練をさせる、てつはう町があります。それを我が領内でも真似るのです。」
「う~~む・・・・・・。しかしな。さくはどう思う?」
大殿は躊躇し、さくに意見を求める。
「良きお考えかと。農民を大量動員させ、てつはうを装備させる。この軍令を先んじて徹底させれば、周辺の土豪たちなど恐れるに足りません。」
「・・・・・。しかし、てつはうはそれ程、戦に有用かのう?乱戦になれば殆ど使えぬ。雨の時も火縄が湿って使えぬではないか。」
「戦の初めに相手方に一斉射撃を加えれば、気勢を削ぎ、勢いを殺して、こちら側に有利に戦を進められます。相手の馬も音に驚き、突進が鈍ります。」
さくは弥三郎が自室に籠りながら考えたらしい、てつはうを使った戦略を黙って聞いていた。成程、説得力がある様に聞こえるのだが、弥三郎は戦場に出た事が無い筈なのである。果たして弥三郎の考え通り上手くいくものなのだろうか?
「雨の時はどうするのだ?」
「てつはうに藁を捲いて被せれば、火縄が濡れるのを防げます。」
大殿はさくの顔をちらりと伺う。さく同様、弥三郎の事を値踏みしている様だ。さくは大殿に力強く頷く。
「見事な策じゃぞ、弥三郎。早速、その策を取り入れるように、城下に触れを出そう。」
大殿は腹を決めた様だ。跡目を継ぐのは弥三郎だと。この国の命運は弥三郎に託されたのである。
翌朝。
朝早く起きたさくは台所に向かった。そこには更に早く起きたはるが食事の準備に勤しんでいた。
「あっ!おはよう御座います。姫様、如何しました?こんなに早く。」
はるは、さくが朝早く台所に現れた事に驚いた様子だった。
「私も手伝います。」
さくはそう言うと、はると2人で朝餉の支度に掛かった。
「七種類、揃いましたか?」
「いいえ。まだ。ですが、後は引割飯が揃えば完成です。」
「それでは、それは私が。」
さくは自ら完成させた御膳を弥三郎の元へ運ぶ。
「なんじゃそれは!」
「まあ、豪勢ですこと!」
弥三郎に運ばれた御膳を見た、大殿と祥鳳の方は感嘆の声を上げた。七つの器に七種類の飯が盛られていたからである。
「これはなんだ?」
「七色飯に御座います。」
さくは弥三郎の問いにそう答えた。
「弥三郎様から向かって右上から菜飯、麦飯、栗飯、小豆飯、湯取飯、引割飯、干し飯に御座います。」
さくは手で示しながら説明した。
「こんなには食えん。」
「全部食べろとは申しません。これだけ揃えれば、本日の嗜好に合ったものがある筈、それを好きなだけ食べて下さい。」
「好きなだけのう・・・・・。」
弥三郎は困惑した面持ちで恐々と飯に箸を付けた。七色飯はさくが弥三郎に少しでも多く飯を食わせようとする為、考え出した苦肉の策である。これだけ揃えれば、好きなものが一つぐらいはある筈だという考えだ。又、食べる量が少なくとも、七つの膳全部に箸を付ければ、食べる量を水増しできるだろうという、さくの計算もあった。
「さくは食べぬのか?」
弥三郎は口を動かしながら、向かいの席の御膳を箸で示した。弥三郎の向かいには、一つ空席の御膳が。弥三郎はさくが一緒に食べると思った様だった。
「これは、はるの席に御座います。」
「えっ!私の!」
はるは驚いて素っ頓狂な声を出した。
「大殿。はるを同席させて頂いて宜しいでしょうか?」
大殿の家族の食事に使用人が同席するなど考えられない事である。だが、賢明な大殿は何かしらの考えがあるのだろうと瞬時に察し、それを許した。
「はる、そなたも一緒に食べよ。」
「そんな、恐れ多い事で御座います。私は後で頂きます。」
はるは畏まって言う。
「構わん、構わん。皆で食べた方が飯も美味いではないか。」
大殿は構えて鷹揚に言った。困ったはるは、さくの顔を窺う。
「姫様、如何致しましょう?」
「一緒に頂きなさい。」
「ですが・・・・。」
「考えがあるのです。そなたはいつも通り食事すれば良いのです。
さくにその様に耳打ちされ、はるは腹を決めた。なにか考えがあって言っているらしかった。それが何かは分からないが、飯を食えば良いらしく難しい事ではない。それなら食うか。もともと七色飯は弥三郎の為に作っていたものだったが、はるは作りながら食欲をそそられ腹を鳴らしていた。姫様が自分の為に御膳を用意し、大殿も一緒に食べろという。それなら食べても良いだろう。はるはいそいそと自分の席に着く。
「それでは頂きます。」
はるは高らかにそう述べると、勢いよく飯をかき込んだ。
「おう。見事な食べっぷりじゃな。」
遠慮なく食欲の赴くままのはるに、大殿は感嘆の声を上げた。祥鳳の方も目を白黒。さくは苦笑した。腹を空かせていたはるは馬車馬の如く飯をかき込んでいく。
「どうですか?七色御膳は。」
「はい。美味しゅう御座います。こんなに色々な御膳を特別な日でもありませんのに、ご相伴預かりまして光栄に存じます。」
食べるのに夢中なはるは口から飯を飛ばしながらそう言った。それを正面の席に座る弥三郎はじっと見ている。さくはその様子を目線の端に入れて窺っていた。はるは御膳を全てあっという間に平らげてしまった。
「あ~~あ~。美味しかった。」
はるは大殿の前だという事を忘れ、無邪気に言った。
「まだ、足りぬのではありませんか。」
「えっ!」
「おかわりがありますよ。」
「でも・・・・。」
図太いはるでも流石におかわりまでするのは気が引けるらしかった。大殿と祥鳳の方の顔色を窺う。
「遠慮するな。食いたいだけ食うが良い。」
大殿はさくの意を組んで、あくまで鷹揚である。
「ですが・・・・。」
「こちらもはるの気持ちの良い食べっぷりを見ていると箸が進みます。無理はいけませんが、食べたいのであれば食べなさい。遠慮は入りませんよ。」
祥鳳の方にそう言われ、はるは安心しておかわりを所望する。
「おかわり頂きます。」
「はいはい。」
さくははるの膳に飯を山盛りによそってやる。
「頂きます。」
出た。はるの大飯喰らい。暗黒の胃袋は食べても食べても満腹にはならない。その食いっぷりは見ている人を爽快な気分にさせる。弥三郎も正面に座る、はるの食いっぷりに釣られ、今日は箸が進んでいる様だ、これこそがさくの策略。はるの大喰らいを弥三郎に見せ、それに釣られて食事をさせるのだ。江戸時代に徳川三代将軍・家光の食の細さを心配した春日局がさくと同じことをしたが、これは文献に書かれていた、さくの行動を真似たものであった。はるに釣られて箸を進める弥三郎を見ていた大殿とさくの目が合うと、大殿はにんまりとほほ笑んだ。さくの考えを察してくれたらしい。さくは目をぱちりと瞬きし、合図したのであった。
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