戦国ニート~さくは弥三郎の天下一統の志を信じるか~

軽部雄二

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第11章

家族の団欒

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 翌朝。辰の刻。
 朝餉の時間である。さくとはるは弥三郎に付き添って大殿の元へ。大殿と大殿の正室・祥鳳の方は既に席に着いていた。
「おお。弥三郎。よう来たの。」
「・・・・・・・・・。」
 弥三郎は黙って自分の席に着いた。大殿が話しかけているのにも関わらず、だんまりである。微妙な空気が流れるのを察知し、さくは努めて明るく振舞った。
「さあさあ、弥三郎様。大殿が歓迎してくれているのですよ。挨拶ぐらいなさいませ。」
 さくに促されて、弥三郎は一言、
「お早うございます。」
 と、素っ気なく言った。
「うむうむ。今日は機嫌が良い様じゃの。さくが来て元気になったと見える。」
 その大殿の一言に、さくは思わず仰け反った。これで機嫌が良いとは。今までどんな生活だったのか。
「では、飯を食おう。これ。」
 大殿が声を上げると、膳が運ばれて来る。玄米が主食の一汁一菜である。一汁一菜とは飯に味噌汁等の汁物と、漬物や梅干し等のおかず。現代に比べれば粗食だが、その代わり飯は山盛りで茶碗五杯分は食べた。一日二食なのでそれ位食べないと持たないのである。
「さく。お主の言った通り、長岡・香美には三男を養子に出す事にした。戦わずしてあの地域を抑えることにしたぞ。」
 大殿は上機嫌でさくに言う。
「左様に御座いましたか。よくご決断なさいました。戦わずして長岡・香美の重要地帯を抑えるのは大きゅう御座います。」
 さくが祝辞を述べると、弥三郎が口を挟んだ。
「その策はさくが考えましたので?」
「そうじゃ。さくがおのこじゃったらのう。おなごにしておくのが惜しいわ。」
 大殿は国の事に弥三郎が関心を示した事が嬉しいようで、そこから話を拡げようとする。
「さすがは弥三郎が所望しただけの事はある。」
 さくは大殿の言葉が引っ掛かった。弥三郎がさくを所望した?どういう事だ。大殿がさくを見込んで弥三郎の教育係にしたのではなかったのか?さくの困惑した表情を見た祥鳳の方が説明した。
「弥三郎が殿に誘われて、そなたの館に行った折、さくを見初めてのお。賢そうなおなごなので是非、傍に置きたいと。弥三郎がその様な事を言うのは初めての事なので、殿がそなたを呼んだのですよ。まさか、そなたがこれ程の知恵者だったとはのお・・・・・。」
「ほんに。弥三郎は人を見る目があるのお。将に必要な資質じゃ。」
 祥鳳の方と大殿が弥三郎を褒めそやすのを、さくは冷めた目で見つめていた。弥三郎はさくの資質を認めて呼んだのではない。単に処女が欲しかっただけなのである。弥三郎はさくの白い眼差しを無視して、黙々と箸を進めていた。その後も話をするのは大殿と祥鳳の方で、弥三郎はだんまりを決め込んだ。さくが何とか話をさせられないかと思案していると、唐突に弥三郎が口を開いた。
「ではこれで。」
 そう言うとおもむろに立ち上がり部屋を去ろうとする。さくは必死にそれを押し止めた。
「弥三郎様。暫し。お待ちください。」
「なんじゃ。食事はした。帰る。」
 この餓鬼め。本当に食事だけして帰るつもりらしかった。さくは力づくで肩をぐいと押さえ付け、強制的に座らせた。大殿たちは唖然として二人を見ている。
「なんじゃ。もう喰わぬのか?」
 大殿がそう言うのを聞き、さくが弥三郎の膳を見ると、黙って箸を動かしていた割には、殆ど食べていない。赤子でももっと食べるであろう。道理でさくに簡単に投げ飛ばされる訳である。この食の細さはいずれなんとかしなくてはならないなと考えながら、今は兎にも角にも家族の団欒を演出しなくてはならない。
「弥三郎様。食事と云うものは、自分だけ済ませればそれで終わりと云うものではありませぬ。皆が食べている間はそれに付き合うものです。そんな事では家臣から愛想を尽かされますぞ。」
「その通りじゃ。弥三郎、儂らが食べ終わるまでそこに居るのじゃ。」
 大殿は珍しく弥三郎に強気に出たので、弥三郎も黙ってそれに従う。気まずい雰囲気が流れたのを見て、さくは話題を変えた。
「弥三郎様。あれを大殿に見せて差し上げたら如何ですか。あの団子球を。」
 弥三郎はさくに促され、団子球(地球儀)を大殿と祥鳳の方に示した。二人ともそれが何か分からず、怪訝な表情を見せた。さくは口下手な弥三郎に代わり、話の糸口を作る。
「大殿、お方様。これはこの世の地形図に御座います。」
「地形図?この世の?」
 祥鳳の方が話に喰い付いてきた。よし、いける。
「実はこの日の本の外には唐・天竺の他にも国があり、そこには髪の色が赤い者や目が四つある者などもおるらしいのです。」
「嘘を付くな。誰がその様な事を言うのだ。」
 さくは弥三郎に目で合図を送る。
「父上、全て本当に御座います。」
 弥三郎は力強く答えた。

 弥三郎は大殿と祥鳳の方にさくに聞かせた話を雄弁に語った。二人共々、初めて聞く話に疑心暗鬼だったが、話さないだけで話せば弁舌巧みな弥三郎の話は説得力があり、それが真実だと思わせる力があった。
「う~~む。その様な話、一体何処から聞いたのだ?」
「全て上方の書から学びました。」
「大殿。弥三郎様は上方から珍しきものや書物を手に入れる伝手を城下に持っているそうです。」
 さくはさり気なく、弥三郎が上方に情報網を持っている事に触れた。
「・・・・・・・。何の為に上方の情報を集めているのだ?」
「将来、上方に打って出る時に、その地の事情が分からなくては話になりませぬ。」
 その言葉にその場にいた一同、びっくりする。田舎の土豪に過ぎないのにも関わらず、将来は上方に打って出ると言うのだから。
「・・・・・・・。そなたは誇大妄想の気があるのではないか?」
 大殿は弥三郎にぼそりと言った。それを聞いた弥三郎は顔を真っ赤にし、おもむろに立ち上がると凄い勢いで部屋を後にした。
「あっ!弥三郎様。お待ちを。」
 さくは声を掛けたが、その時には既に遅かった。弥三郎は怒って部屋を出て行ってしまった。
「大殿!何と酷い事を仰せになります。弥三郎様はあくまでお家の為に、上方の情報を収集なさっておいででありますのに・・・・・。」
 さくは厳重に抗議する。
「いや、しかしだな・・・・・・。我らは田舎の土豪に過ぎぬのだぞ。僅かな領地を巡って小競り合いを繰り返している我らが・・・・‥上方に本気で討って出られると思っているとしたら、相当危ない奴だぞ。」
 大殿は率直な意見を口にする。それは内心さくも同意見なのであったが、立場上、擁護しなくてはならない。
「そんな事は御座いません。お家の棟梁たる者、天下を狙う気構えがなければ、到底、領地を保つ事なりません。大殿は天下を狙う気構えが無いので御座いますか。」
 さくの詰問に大殿はあっさり答える。
「ないな。全く。」
「大殿!」
「いや、だって考えて見よ。この国で小競り合いを繰り返しているのが現状じゃ。儂の頭には父の仇である本山を討つという気構えはあるが、上方に打って出る等とはとてもとても。」
「成程、大殿の本願は本山氏を討つ事。では大願叶いましたとして、その先は如何しますか?」
「その先?・・・・・」
「大殿は仇を討つために本山氏を討ちたいと。それは何の為に。当然、先の目標の通過点という事ですよね。」
「・・・・・・。正直言うと、その先の事は考えておらぬ。」
「大殿は器がちいそう御座います!」
 さくは声を大にして言った。これには人の話をよく聞く大殿も気色ばんだ。
「何を言うか!儂の何処が器が小さいのだ!」
「恐れながら申し上げます。」
「なんじゃ!申せ!」
 大殿は怒り心頭である。場合によってはさくの首が飛ぶ。だが、さくにはこの場を切り抜ける自信があった。理路整然と捲し立てる。
「本山氏が大殿に取って不倶戴天の敵という事は良く存じております。しかし、大殿の頭の中には復讐の事しかありませんのでは。その先の計画がまるで無い。復讐だけの人生など空しいのでは。」
「・・・・・・・。」
「その点、弥三郎様は本山氏を討った後の事を今からお考えでいらっしゃいます。上方の情報を仕入れ、諸国の動向を抜け目なく探っておられる。大殿などより余程、弥三郎様の方がご立派ではありませんか。」
「・・・・・・・。」
「それにも関わらず、弥三郎様に対して「誇大妄想の気がある」等とよく言えましたな。その様な事ですから、共に語るに足らずと、弥三郎様は部屋に閉じこもり、心を開かないのです。」
「・・・・・・・。」
「大殿は弥三郎様を廃嫡もあると軽んじておられますが、それは浅慮な大殿が弥三郎様の器を図り間違えておるからです。」
「なに!儂が浅慮だと!」
 大殿の顔に朱が満ちるのを見て、はるは顔色を変えた。しかし、さくは一向に怯む様子がない。
「浅慮も浅慮、大浅慮に御座います。痴呆の入った大殿では弥三郎様の器は分かりません。弥三郎様の事をなんだかんだと申しておりますが、はっきり言わせてもらうと馬鹿者が孔子に徳を説くが如きに御座います。」
「な、なんだと・・・・・!おのれ!さっきから言わせておけば、痴呆だの馬鹿者だの言いたい放題言いおって・・・・・。」
 大殿は怒りにわなわなと体を震わせながら、脇差をさくに向かって放り投げた。
「さく!そなたの放言、許し難し。今ここで自決せよ。」
 はるは真っ青になりながら、大殿に許しを請うた。
「大殿。姫様の無礼はお詫び致します。どうか、その儀だけは・・・・・。」
「ならぬ。潔く自決せよ。」
 大殿の最後通牒にもさくは顔色を変えない。
「何故、私が自害せねばならぬのですか。その理由がとんと分かりません。」
「何を惚けるか!先程から儂に暴言を吐き続けているではないか!」
「暴言など吐いておりませぬ。」
「命が惜しくて、今になって臆したか!」
 大殿の怒りを前にして、はるは只々、声も無く震えあがったが、さくは全く怯まず言い放った。
「暴言ではなく事実です。事実をありのまま、お話しただけです。」
「な、なんだと・・・・・・・!」
 大殿は血の気が頭に一気に上がった為、ふらつきながら立ち上がった。怒りに任せさくを斬り捨てるつもりであったが、さくはそれを言葉で鋭く制した。
「さくはお方様に聞いてみとう御座います。私が言った事は暴言か事実か。お方様が大殿と同じ意見ならば、さくは潔く自害致します。」
「何を抜かすか!」
 大殿が大刀を抜かんとしたその時、祥鳳の方が口を開いた。
「私もさくと同意見です。」
「な、なに?」
 自分の妻に思わぬ横槍を入れられ、大殿は足元を掬われた形になり、その場に立ち尽くした。祥鳳の方は静かな口調で大殿を諭す。
「今回が殿が全面的に悪う御座います。弥三郎が珍しく色々と話してくれたにも関わらず「誇大妄想」等と。さくが怒るのも尤もな事。私も怒っています。」
「・・・・・・・。」
「大体、弥三郎が部屋から出て来て、一緒に食事をし、異国の話をしてくれたのも、全てお気に入りのさくのお陰なのです。もし、ここでさくを斬ったら、弥三郎はもう部屋から一生出てこないやもしれませんよ。それで宜しいのですか?」
「・・・・・・しかしだな。・・・・・この者の放言を看過する訳にはいかぬであろう。」
 大殿は弱々しく言った。さくの目には明らかに気勢を削がれている様に見えた。さくはここで勝負に出る。
「確かにさくは大殿の面子を傷付けました。その罪、万死に値します。潔く自害致しとお御座います。」
 さくは大殿が投げつけた脇差を拾い上げると、刀を抜き、喉元に突き付けた。
「さく!止めなさい!」
 祥鳳の方が悲鳴を上げた。
「わ~~~。ま、待て。早まるでない。」
 先程まで自害を迫った大殿であったが、祥鳳の方の話を聞き、もし、さくを死に追いやりでもしたら、弥三郎は又、引き籠ると思い直し、さくの自害を必死に押し止める。全てさくの計算通りである。さくは祥鳳の方の人となり、夫婦の主導権は祥鳳の方にある事など全て調べ尽くしていたのだから。さくは脇差を引っ手繰ろうとする大殿と争いながら言った。
「御放し下さい。自分の進退は自分で蹴りを付けます。」
 勿論、さくには自害する気などさらさら無い。あくまで自害するふりだけである。だが、大殿の肝を冷やさせるには充分であった。
「まて、待て。儂が悪かった。頼むから死なんでくれ。」
 大殿は顔色を青くしながら、刀を取り上げた。
「刀をお返しください。大殿のご命令通り、自害致しとう御座います。」
「本気で死ぬつもりか。それはならぬ。そなたは弥三郎の教育係じゃ。弥三郎をなんとかするのが、そなたの仕事ぞ。弥三郎を一人立ちさせるまで死ぬことまかりならん。」
「そうですよ。こんな事で死ぬことは許しません。その命は弥三郎の為に使ってくれぬかえ。」
 全てさくの目論見通り事は運んだ。大殿に自らの過ちを認識させたばかりか、大殿・祥鳳の方二人共々、さくの価値を認めさせ、一目置かせることに成功した、さくの完勝であった。さくは愉悦を噛み殺し、澄ました顔で言う。
「そうですか。大殿ばかりか、お方様までがそう仰るのでしたら、もう一働きしとう御座います。」
 さくの耳には後ろに控える、はるの安堵の溜息が聞こえた。
「そうか、そうか。もうひと働きしてくれるか。それは頼もしい。」
「ほんに。弥三郎にはさくしかおらぬのです。頼りにしてますよ。」
 二人は心からさくの事を頼っている様であった。もし弥三郎の事をうまく立ち直らせることが出来れば、この二人はさくに、敷いては宮脇家に頭が上がらなくなるであろう等と、さくは計算高く考えながら言った。
「弥三郎様がせっかく心を開きかけていましたのに、大殿の所為で台無しです。どうしますか。」
「・・・・・どうすれば良い?」
 大殿は先程の憤激は何処へやら、弱々しく言った。
「そうですね・・・・・。」
 どうすれば良いかさくは悩んだ。ここは思案の為所であろう。
「今後も食事は一緒にされるのが宜しいと思います。が、弥三郎様は繊細な方。先程の事でもう一緒には食事はしないと、仰る可能性大に御座います。」
「それでどうすれば良いのです?」
 祥鳳の方が不安げに口を挟んだ。
「さくが取りなしましょう。夕餉の席に連れてきます。そこで大殿から一言、詫びて下さい。」
「な、なんと言って詫びればよい?」
 さくは大殿の物言いに呆れた。謀略に長けた大殿も、弥三郎の前には形無しである。
「見識不足から酷い事を言った。反省していると。」
「見識不足!儂の何処が見識不足だというのだ。」
「大殿は日の本の外の事を何も知らなかったではないですか。対して弥三郎様は海の向こうの事も視野に入れておられます。大殿は考えが及ばない。だから誇大妄想などと言い出したのでは。」
「確かに弥三郎は国の外にも関心を持ち、色々と調べてる様だが、言ってることは疑わしいぞ。儂が思うに、弥三郎の知識は多くが出鱈目じゃ。」
 大殿は先程、弥三郎が話した事を信じてはいない様だった。無理もない。さくも初めは疑っていた。固定観念に囚われている程、今までの常識から離れるのは難しい。
「どの辺りが出鱈目だと思われるので。」
「まず、それじゃ。」
 大殿は弥三郎が出て行く時に、引っくり返したまま放っていった団子球を指差す。
「まず、その球が怪しい。この世がその球の様に丸いと言うのがな。儂はいつもこの城から海の向こうを眺めるが、何処迄行っても真っすぐじゃ。丸くはないぞ。」
「それは私も同じことを思いました。ですが、弥三郎様の説明を聞いて納得致しました。説明致します。」
「よし、納得いくように説明せよ。」
「はい。まず、大殿は海を眺めていると、どこまでも真っすぐだと仰りました。それは人がこの世の中で余りにも小さすぎるからだそうです。例えば、海の中からこちらへ船が向かってくる事があると思います。最初、船は見えませんが、段々と帆が最初に見えてきませんか。それから全体がはっきりと見えて来る筈です。それがこの世が丸いという事なのだそうです。」
 大殿は首を傾げる。
「?????どういう事じゃ。何故、船が帆から姿を現すと、この世が丸い事になるのじゃ。」
「もし、この世が平らなら、最初はぼやけていたものが段々とはっきり見える筈です。それが船の上部から段々と姿を現す。」
「あっ!」
 それを聞いて大殿はようやく、さくの説明の意味が分かった。団子球に指を這わせながら言った。
「つまりここの丸い部分じゃと?」
「そうです。そういう事です。」
「・・・・・・・。う~~む。一応、説明は付く事は付くが。」
 大殿は胸の前で腕を組んで考え込んだ。そこへ祥鳳の方が口を挟む。
「それでは海の向こうの者どもが、目の色が髪の色が違うと言うのは本当なのかえ。」
「本当の様です。」
「それに付いては本当かもと思わないでもない。しかし、目が四つあるというのは・・・・。まるで物の怪ではないか?」
 大殿の疑問は、さくが最初に思った事そのものである。さくは笑顔で説明する。
「お二人の疑念はごもっとも。さくも最初は同じように思いました。」
 さくは同調の意を示した上で尚も続ける。
「実は海の向こうの者どもは、目に「目器」と云うものを着けるのだそうな。」
「目器?」
 祥鳳の方は耳慣れぬ言葉に、不思議そうな顔をした。
「目器とはなんだ?」
 大殿は好奇心が抑えられぬ様だ。
「この様な感じの物だそうです。」
 さくは両の手で輪を作ると、左右の目に合わせる。
「なんでも目の悪い者が着けると、遠くのものが近くに見えるそうです。目器を付けた様はまるで目が四つある様に見えるらしいとの事。本当に目が四つあるわけではないのです。あくまで弥三郎様は全て踏まえた上、皆に喜んで貰おうというお考えで、目が四つあると仰っているのです。
「成程、そういう事であったか。それならば理解できる。弥三郎の言う事は全て本当の事なのじゃな。」
「はい。」
「儂が未熟であったわ。弥三郎がそこまで海の向こうの事に詳しいとは。驚きじゃ。
「ほんに。」
 大殿と祥鳳の方は心から感心している様である。
「納得頂けましたでしょうか。」
「うむ、した。素晴らしい見識だ。先程の事を謝って、もっと話を聞いてみたい。」
 大殿の言葉を聞き、さくは笑顔で答えた。
「さくが話して参りましょう。」
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