16 / 22
第16章
越前対習志野4番・久里
しおりを挟む
久里は越前のボールをじっくり見極めている。2ストライクになるまで手を出さないつもりだった。その考えを知ってか知らずかポンポンとストライクを投げ、あっという間に2ストライク。越前は遊び球無しで伝家の宝刀・スプリットチェンジを投じたのだが、それは高めに入った。それを逃さず捕えた久里の打球はレフト前へ。ノーアウトのランナーが出た。
「コントロールが良い。簡単にストライクが取れるのが、このピッチャーの強みだが、制球はまだまだだ。高めに甘い球が結構来る。今のは長打に出来なかった俺の打ち損じだ。」
これが久里の越前評である。咲良も全く同じ評価だ。
「打たれた球が低めに決まっていれば三振だ。高いからヒットになる。長打を喰らわなかっただけ、助かったな。」
続くバッターは6番の小川である。越前はクイックから臆する事無く、内角をクロスファイアーで抉っていく。久里に打たれても、全く臆さない越前に咲良は感心した。2ストライク2ボールから越前は外角低めにカットボールを投じた。おっつける小川。セカンドゴロ。2塁手の菊池が丸に送る。丸はファーストへ送球。またもやダブルプレー。
「やったー!!越前君凄い。」
愛菜がベンチで騒ぎ立てる。またもやダブルプレーでピンチの芽を摘む越前のナイスピッチングだ。ボールが低めに決まれば、充分、越前のピッチングは上で通用する。
「2アウト。越前君、ナイスピッチング。」
勢いに乗る越前は6番バッターを三振に退け、この回も0点に抑えた。
「コントロールが良い。簡単にストライクが取れるのが、このピッチャーの強みだが、制球はまだまだだ。高めに甘い球が結構来る。今のは長打に出来なかった俺の打ち損じだ。」
これが久里の越前評である。咲良も全く同じ評価だ。
「打たれた球が低めに決まっていれば三振だ。高いからヒットになる。長打を喰らわなかっただけ、助かったな。」
続くバッターは6番の小川である。越前はクイックから臆する事無く、内角をクロスファイアーで抉っていく。久里に打たれても、全く臆さない越前に咲良は感心した。2ストライク2ボールから越前は外角低めにカットボールを投じた。おっつける小川。セカンドゴロ。2塁手の菊池が丸に送る。丸はファーストへ送球。またもやダブルプレー。
「やったー!!越前君凄い。」
愛菜がベンチで騒ぎ立てる。またもやダブルプレーでピンチの芽を摘む越前のナイスピッチングだ。ボールが低めに決まれば、充分、越前のピッチングは上で通用する。
「2アウト。越前君、ナイスピッチング。」
勢いに乗る越前は6番バッターを三振に退け、この回も0点に抑えた。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
男子高校生の休み時間
こへへい
青春
休み時間は10分。僅かな時間であっても、授業という試練の間隙に繰り広げられる会話は、他愛もなければ生産性もない。ただの無価値な会話である。小耳に挟む程度がちょうどいい、どうでもいいお話です。
切り札の男
古野ジョン
青春
野球への未練から、毎日のようにバッティングセンターに通う高校一年生の久保雄大。
ある日、野球部のマネージャーだという滝川まなに野球部に入るよう頼まれる。
理由を聞くと、「三年の兄をプロ野球選手にするため、少しでも大会で勝ち上がりたい」のだという。
そんな簡単にプロ野球に入れるわけがない。そう思った久保は、つい彼女と口論してしまう。
その結果、「兄の球を打ってみろ」とけしかけられてしまった。
彼はその挑発に乗ってしまうが……
小説家になろう・カクヨム・ハーメルンにも掲載しています。
男装部?!
猫又うさぎ
青春
男装女子に抱かれたいっ!
そんな気持ちを持った
ただの女好き高校生のお話です。
〇登場人物 随時更新。
親松 駿(おやまつ しゅん) 3年
堀田 優希(ほった ゆうき) 3年
松浦 隼人(まつうら はやと) 3年
浦野 結華(うらの ゆいか) 3年
櫻井 穂乃果(さくらい ほのか) 3年
本田 佳那(ほんだ かな) 2年
熊谷 澪(くまがや れい) 3年 𝐧𝐞𝐰
委員会メンバー
委員長 松浦 隼人(まつうら はやと)3年
副委員長 池原 亮太(いけはら ゆうた)3年
書記 本田 佳那(ほんだ かな)2年
頑張ってます。頑張って更新するのでお待ちくださいっ!
黄昏は悲しき堕天使達のシュプール
Mr.M
青春
『ほろ苦い青春と淡い初恋の思い出は・・
黄昏色に染まる校庭で沈みゆく太陽と共に
儚くも露と消えていく』
ある朝、
目を覚ますとそこは二十年前の世界だった。
小学校六年生に戻った俺を取り巻く
懐かしい顔ぶれ。
優しい先生。
いじめっ子のグループ。
クラスで一番美しい少女。
そして。
密かに想い続けていた初恋の少女。
この世界は嘘と欺瞞に満ちている。
愛を語るには幼過ぎる少女達と
愛を語るには汚れ過ぎた大人。
少女は天使の様な微笑みで嘘を吐き、
大人は平然と他人を騙す。
ある時、
俺は隣のクラスの一人の少女の名前を思い出した。
そしてそれは大きな謎と後悔を俺に残した。
夕日に少女の涙が落ちる時、
俺は彼女達の笑顔と
失われた真実を
取り戻すことができるのだろうか。
機械娘の機ぐるみを着せないで!
ジャン・幸田
青春
二十世紀末のOVA(オリジナルビデオアニメ)作品の「ガーディアンガールズ」に憧れていたアラフィフ親父はとんでもない事をしでかした! その作品に登場するパワードスーツを本当に開発してしまった!
そのスーツを娘ばかりでなく友人にも着せ始めた! そのとき、トラブルの幕が上がるのであった。
隣の席の関さんが許嫁だった件
桜井正宗
青春
有馬 純(ありま じゅん)は退屈な毎日を送っていた。変わらない日々、彼女も出来なければ友達もいなかった。
高校二年に上がると隣の席が関 咲良(せき さくら)という女子になった。噂の美少女で有名だった。アイドルのような存在であり、男子の憧れ。
そんな女子と純は、許嫁だった……!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる