先輩と僕

先輩だいすき

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反抗

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夜、母に自宅まで送って貰った僕「先輩だいすき」は「怒られん様にね~」と最後に言われて見送られた。


最近は七先輩は帰ってこない と聞いた日から糸が切れた様な思いを感じていた。
いつか帰ってくる、また楽しい時間が戻ると信じて
自分になりに頑張っいた結果だ。


「お前は自分の今の場所を頑張れ」と七先輩に言われてあと何日頑張ればどれくらいで帰ってくるのかななんて少し期待し思い馳せていた。

なのに、先輩は帰ってこない。
上司から聞かされ釘をさされた。

それに対して悲しくて仕方なかった。
だから僕は真似た。

たまに七先輩の悪いところを真似をしたくなることがある。
髪を染めたり、カラコンしたり、ピアスをあけてみたり、七先輩の鎧を被ったような気持ちになれる。
そんな気がするから今回も僕は先輩の皮を被って自分を守る事にした。


今回は「ネイル」を初めてやった。
完全に薄いとかではなく派手派手の色。
元気がでるかなと思いやってしまったけれど、
大丈夫かな。
なんて言い訳しよう、痣です?とでも言おうか…

怒られた時の為に何かを考えるなら「しなければ良かったのに」なんて事は思ってはいないけど……
確かに先の事を考えると少し面倒で「あぁ、」位は思ってる。

でも、これは幼い僕からのちょっとした反抗だ。
帰ってくるって上司は僕たちに約束をした。
戻ってくるって言ったのに結果は帰ってこない。
嘘つき……

七先輩がいるから辞めずにここまで来れたのに、
これじゃ、僕は……なんて事を考えてしまう。



顔を見ただけで安心する。
先輩にどんなにいじめられたって…
先輩の優しさはそれを優るから僕は憧れを抱いた。


日々、話題に勝とうとしてしまうかなのか舐められてるMさんに負けてしまう。
だけど、七先輩がいればもしかしたら自分の気持ちをちゃんと言えたかもしれない。

怖い、言葉を知らないから言い返せない事が。
相手を傷つけてしまうことに対しての罪悪感に負けてしまう自分が嫌で逃げたくて……。
楽な方へ楽な方へ歩く僕はまだ弱い。

僕がもっと頑張れば七先輩に褒められるかな。
上が取り合ってくれるかな。
飽きず、またも期待を胸に今日のところはベットに横になり夜を過ごした。

というか、今どきネイルとか見かけより仕事に対しての実力を見てほしいとは僕は思う。
そういう社会になりつつあるよね、助かります
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