6 / 165
第1部
第1章:碧の瞳ー005ー
しおりを挟む
円眞が助け起こすはずの腕は雪南まで届かなかった。背中から羽交い締めされて、後方へ引きずられていく。
「いつかやるんじゃないかと思ってたんじゃ、エンくんは」
雪南の前へ、杖をついた白髪の老人が割って入ってきた。
「え、えっ、何がですか?」
拘束された円眞は訳が解らない。
続いて現れた、黒と白が入り混じる髪の小柄な老人が嘆いてくる。
「いい若いモンが我慢できるわけがないと睨んでおったが、いきなり暴発とは。ジィちゃんたち、悲しいぞ」
ん? といった円眞の向こうで、頭髪のない恰幅いい老人が跪いている。「大丈夫ですかな、お嬢さん」と雪南の上体を抱え起こしていた。
ようやく意味を呑み込めた円眞は真っ赤になって叫んだ。
「ち、違いますよ、ヘンな誤解、しないでください!」
「いかんな、エンくん。ウソはいかんぞ、ウソは。いやらしい手つきを伸ばしておったじゃないか」
「やってくれ、なんて女性の諦めたセリフも、『今すぐやる』なんてエンくんが言っていたのも、ちゃーんと聞いておったわ」
頭を抱えたくなる円眞だった。
老人たちが聞き咎めたのは、能力でも何でもなくただの地獄耳だ。無類のゴシップ好きが招いた勘違いだ。逢魔ヶ刻に毎日のように通ってくれる常連さんなので解る。円眞の説明など聞く耳を持たずだろう。
彩香の表現を借りるなら『ジイちゃんズ』の説得が難しそうであれば、背後の人物に期待するしかない。
「寛江さん。華坂さんたち、完全に勘違いしてますよ。ボクが女の人を襲うわけないじゃないですか」
「すみません、エンさん。恩義のある方々の言いつけには逆らえない立場をご理解していただないでしょうか」
すまなさそうに答えるは、銀髪に染めた壮年男性だ。スマートながら鍛え上げられていることはシャツ越しでも解る。ここ最近『ジィちゃんズ』にお供するようになった人物である。
「でも理解した場合、ボクの立場はどうなるんですか?」
円眞のもっともな疑問に、「すみません」をひたすら連発してくる寛江だ。そのくせ羽交い締めした腕へいっそう力を込めてくる。
「情けないのぉ~」嘆息するは杖をつく老人だ。
「信じておったのに」腕を目頭に当てて泣く格好は小柄な老人である。
円眞は抗議へ打って出るしかない。
「おい、円眞」
呼んでくる相手が相手だった。円眞だけでなく、その場にいる全員の注目を集めた。
「おい、円眞」
もう一度繰り返し呼んだ雪南は、自由の利く碧い瞳を向けてくる。
「このジィさん、手つきがイヤらしい。だから円眞がワタシを抱きかかえろ」
告発が終わるや否や、老人コンビは頭髪のない老人へ喰ってかかっていく。
「こやつ若い女とみれば、すぐこれじゃ」
「うっちーは、死ぬまでスケベじじぃなんかいっ」
ほっほっほぅー、うっちーと呼ばれた頭髪ない恰幅いい老人は笑うばかりで否定しない。
「や、やっぱり多田さん、ウソ泣きだったんじゃないですか」
円眞の向かう不満は小柄な老人のパフォーマンスだ。
「やれやれ、元気なご老体たちだ」
苦笑混じりの寛江は、やっと円眞への羽交い締めを解いた。
拘束から放たれた両肩を回しつつ円眞は振り返る。
「もう、みなさん。いったいボクをどういう目で見ているんですか」
「あまりにも生真面目な若者だからこそ、性犯罪くらい犯してもおかしくはない、といったところではないでしょうか」
そう言った寛江が、急に口元を押さえて笑いを堪えだす。犯しとおかしだって、と自分で口にしたダジャレにウケている。紳士然とした雰囲気からは想像つかない。馴染みでなければ唖然としてしまうところだ。
はぁ~、と円眞がため息を吐いて行こうとしたらである。
「みなさん、エンさんを可愛く思っていることは間違いないです」
行きかけた足を止めて円眞は発言者へ振り返る。
「寛江さんもですか?」
「私はまだ日が浅いため、御老人たちほどではないかもしれません。それでもエンさんが婦女暴行するなど思いませんがね」
おいっ円眞、と雪南の呼ぶ声がする。
軽く首筋を撫でてから円眞は急いで向かった。
うっちーと呼ばれた禿頭の恰幅いい老人に変わって、円眞が雪南の肩と背を支える。彩香の攻撃は相当なダメージだったらしく、未だ身体の自由は覚束ない。
おんぶを円眞が提案したら、雪南は言わずにはいられないかのように叫ぶ。
「おい、円眞、わかっているのか。オマエを殺すと言ってるワタシを背中に抱えることは非常に危険だぞ」
「でも、わざわざ忠告してくれるんだから」
だから大丈夫とするのか、と雪南は指摘したくなる。だが円眞には無駄だと学んでいた。
「それに、ほら。いくら慎重にしたって、敵わない相手にはどうにもならないから。雪南なら解るだろ」
円眞の問いかけに雪南は動くようになった首を、こくりと落とす。
雪南の代理人体が振るう戦斧と、間合いなどと表現できないほど素早い彩香の太刀さばきをことごとく見切った円眞である。背中から向かってきた切先さえ避けた。
黎銕円眞は気配を察することに尋常でないほど長けている。ぼさぼさ髪の黒縁メガネをかけたイメージから想像できない、噂通りの達人だった。
寛江はその背後をいとも容易く取ってみせた。つまりその首筋へ刃を突き立てられるという、雪南や彩香では出来ない行動へ移れるわけだ。
銀髪にした寛江と呼ばれる人物は、只者でない。円眞の伝えたいことは雪南にも呑み込めた。
「とんでもない連中ばかりだな」
雪南は口の中で呟いたつもりだったが、声に出ていたらしい。
「でもいい人たちばかりだよ」
人の良さそうな顔で円眞が応える。
雪南はとてもそうは考えられない。
「円眞はお人好しすぎる」
「そ、そうかな」
雪南の断定に、円眞は頭をかいた。
だから雪南は言わずにいられない。
「いいな、円眞。オマエを殺すのはワタシだ。だから他の連中に殺させれるのは許さないからな」
「うん、わかった。がんばるよ」
そう言いながら背を見せてくる円眞だ。
まったく、と呆れながらも雪南は思う。確かに惚けたところはあるものの、背中を取られたことに対する冷静な分析といい、戦闘に関する感覚は凄い。弱点とするならば性格だ。人が良くて、初心ときている。
女に弱い分はワタシが、なんて考えた矢先だったから雪南は驚いた。
円眞が強く雪南を抱き締めてきたからだ。
「いつかやるんじゃないかと思ってたんじゃ、エンくんは」
雪南の前へ、杖をついた白髪の老人が割って入ってきた。
「え、えっ、何がですか?」
拘束された円眞は訳が解らない。
続いて現れた、黒と白が入り混じる髪の小柄な老人が嘆いてくる。
「いい若いモンが我慢できるわけがないと睨んでおったが、いきなり暴発とは。ジィちゃんたち、悲しいぞ」
ん? といった円眞の向こうで、頭髪のない恰幅いい老人が跪いている。「大丈夫ですかな、お嬢さん」と雪南の上体を抱え起こしていた。
ようやく意味を呑み込めた円眞は真っ赤になって叫んだ。
「ち、違いますよ、ヘンな誤解、しないでください!」
「いかんな、エンくん。ウソはいかんぞ、ウソは。いやらしい手つきを伸ばしておったじゃないか」
「やってくれ、なんて女性の諦めたセリフも、『今すぐやる』なんてエンくんが言っていたのも、ちゃーんと聞いておったわ」
頭を抱えたくなる円眞だった。
老人たちが聞き咎めたのは、能力でも何でもなくただの地獄耳だ。無類のゴシップ好きが招いた勘違いだ。逢魔ヶ刻に毎日のように通ってくれる常連さんなので解る。円眞の説明など聞く耳を持たずだろう。
彩香の表現を借りるなら『ジイちゃんズ』の説得が難しそうであれば、背後の人物に期待するしかない。
「寛江さん。華坂さんたち、完全に勘違いしてますよ。ボクが女の人を襲うわけないじゃないですか」
「すみません、エンさん。恩義のある方々の言いつけには逆らえない立場をご理解していただないでしょうか」
すまなさそうに答えるは、銀髪に染めた壮年男性だ。スマートながら鍛え上げられていることはシャツ越しでも解る。ここ最近『ジィちゃんズ』にお供するようになった人物である。
「でも理解した場合、ボクの立場はどうなるんですか?」
円眞のもっともな疑問に、「すみません」をひたすら連発してくる寛江だ。そのくせ羽交い締めした腕へいっそう力を込めてくる。
「情けないのぉ~」嘆息するは杖をつく老人だ。
「信じておったのに」腕を目頭に当てて泣く格好は小柄な老人である。
円眞は抗議へ打って出るしかない。
「おい、円眞」
呼んでくる相手が相手だった。円眞だけでなく、その場にいる全員の注目を集めた。
「おい、円眞」
もう一度繰り返し呼んだ雪南は、自由の利く碧い瞳を向けてくる。
「このジィさん、手つきがイヤらしい。だから円眞がワタシを抱きかかえろ」
告発が終わるや否や、老人コンビは頭髪のない老人へ喰ってかかっていく。
「こやつ若い女とみれば、すぐこれじゃ」
「うっちーは、死ぬまでスケベじじぃなんかいっ」
ほっほっほぅー、うっちーと呼ばれた頭髪ない恰幅いい老人は笑うばかりで否定しない。
「や、やっぱり多田さん、ウソ泣きだったんじゃないですか」
円眞の向かう不満は小柄な老人のパフォーマンスだ。
「やれやれ、元気なご老体たちだ」
苦笑混じりの寛江は、やっと円眞への羽交い締めを解いた。
拘束から放たれた両肩を回しつつ円眞は振り返る。
「もう、みなさん。いったいボクをどういう目で見ているんですか」
「あまりにも生真面目な若者だからこそ、性犯罪くらい犯してもおかしくはない、といったところではないでしょうか」
そう言った寛江が、急に口元を押さえて笑いを堪えだす。犯しとおかしだって、と自分で口にしたダジャレにウケている。紳士然とした雰囲気からは想像つかない。馴染みでなければ唖然としてしまうところだ。
はぁ~、と円眞がため息を吐いて行こうとしたらである。
「みなさん、エンさんを可愛く思っていることは間違いないです」
行きかけた足を止めて円眞は発言者へ振り返る。
「寛江さんもですか?」
「私はまだ日が浅いため、御老人たちほどではないかもしれません。それでもエンさんが婦女暴行するなど思いませんがね」
おいっ円眞、と雪南の呼ぶ声がする。
軽く首筋を撫でてから円眞は急いで向かった。
うっちーと呼ばれた禿頭の恰幅いい老人に変わって、円眞が雪南の肩と背を支える。彩香の攻撃は相当なダメージだったらしく、未だ身体の自由は覚束ない。
おんぶを円眞が提案したら、雪南は言わずにはいられないかのように叫ぶ。
「おい、円眞、わかっているのか。オマエを殺すと言ってるワタシを背中に抱えることは非常に危険だぞ」
「でも、わざわざ忠告してくれるんだから」
だから大丈夫とするのか、と雪南は指摘したくなる。だが円眞には無駄だと学んでいた。
「それに、ほら。いくら慎重にしたって、敵わない相手にはどうにもならないから。雪南なら解るだろ」
円眞の問いかけに雪南は動くようになった首を、こくりと落とす。
雪南の代理人体が振るう戦斧と、間合いなどと表現できないほど素早い彩香の太刀さばきをことごとく見切った円眞である。背中から向かってきた切先さえ避けた。
黎銕円眞は気配を察することに尋常でないほど長けている。ぼさぼさ髪の黒縁メガネをかけたイメージから想像できない、噂通りの達人だった。
寛江はその背後をいとも容易く取ってみせた。つまりその首筋へ刃を突き立てられるという、雪南や彩香では出来ない行動へ移れるわけだ。
銀髪にした寛江と呼ばれる人物は、只者でない。円眞の伝えたいことは雪南にも呑み込めた。
「とんでもない連中ばかりだな」
雪南は口の中で呟いたつもりだったが、声に出ていたらしい。
「でもいい人たちばかりだよ」
人の良さそうな顔で円眞が応える。
雪南はとてもそうは考えられない。
「円眞はお人好しすぎる」
「そ、そうかな」
雪南の断定に、円眞は頭をかいた。
だから雪南は言わずにいられない。
「いいな、円眞。オマエを殺すのはワタシだ。だから他の連中に殺させれるのは許さないからな」
「うん、わかった。がんばるよ」
そう言いながら背を見せてくる円眞だ。
まったく、と呆れながらも雪南は思う。確かに惚けたところはあるものの、背中を取られたことに対する冷静な分析といい、戦闘に関する感覚は凄い。弱点とするならば性格だ。人が良くて、初心ときている。
女に弱い分はワタシが、なんて考えた矢先だったから雪南は驚いた。
円眞が強く雪南を抱き締めてきたからだ。
0
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
小さな大魔法使いの自分探しの旅 親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします
藤なごみ
ファンタジー
※2024年10月下旬に、第2巻刊行予定です
2024年6月中旬に第一巻が発売されます
2024年6月16日出荷、19日販売となります
発売に伴い、題名を「小さな大魔法使いの自分探しの旅~親に見捨てられたけど、元気いっぱいに無自覚チートで街の人を笑顔にします~」→「小さな大魔法使いの自分探しの旅~親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします~」
中世ヨーロッパに似ているようで少し違う世界。
数少ないですが魔法使いがが存在し、様々な魔導具も生産され、人々の生活を支えています。
また、未開発の土地も多く、数多くの冒険者が活動しています
この世界のとある地域では、シェルフィード王国とタターランド帝国という二つの国が争いを続けています
戦争を行る理由は様ながら長年戦争をしては停戦を繰り返していて、今は辛うじて平和な時が訪れています
そんな世界の田舎で、男の子は産まれました
男の子の両親は浪費家で、親の資産を一気に食いつぶしてしまい、あろうことかお金を得るために両親は行商人に幼い男の子を売ってしまいました
男の子は行商人に連れていかれながら街道を進んでいくが、ここで行商人一行が盗賊に襲われます
そして盗賊により行商人一行が殺害される中、男の子にも命の危険が迫ります
絶体絶命の中、男の子の中に眠っていた力が目覚めて……
この物語は、男の子が各地を旅しながら自分というものを探すものです
各地で出会う人との繋がりを通じて、男の子は少しずつ成長していきます
そして、自分の中にある魔法の力と向かいながら、色々な事を覚えていきます
カクヨム様と小説家になろう様にも投稿しております
憧れのスローライフを異世界で?
さくらもち
ファンタジー
アラフォー独身女子 雪菜は最近ではネット小説しか楽しみが無い寂しく会社と自宅を往復するだけの生活をしていたが、仕事中に突然目眩がして気がつくと転生したようで幼女だった。
日々成長しつつネット小説テンプレキターと転生先でのんびりスローライフをするための地盤堅めに邁進する。
高校からの帰り道、錬金術が使えるようになりました。
マーチ・メイ
ファンタジー
女子校に通う高校2年生の橘優奈は学校からの帰り道、突然『【職業】錬金術師になりました』と声が聞こえた。
空耳かと思い家に入り試しにステータスオープンと唱えるとステータスが表示された。
しばらく高校生活を楽しみつつ家で錬金術を試してみることに 。
すると今度はダンジョンが出現して知らない外国の人の名前が称号欄に現れた。
緩やかに日常に溶け込んでいく黎明期メインのダンジョン物です。
小説家になろう、カクヨムでも掲載しております。
転生王子はダラけたい
朝比奈 和
ファンタジー
大学生の俺、一ノ瀬陽翔(いちのせ はると)が転生したのは、小さな王国グレスハートの末っ子王子、フィル・グレスハートだった。
束縛だらけだった前世、今世では好きなペットをモフモフしながら、ダラけて自由に生きるんだ!
と思ったのだが……召喚獣に精霊に鉱石に魔獣に、この世界のことを知れば知るほどトラブル発生で悪目立ち!
ぐーたら生活したいのに、全然出来ないんだけどっ!
ダラけたいのにダラけられない、フィルの物語は始まったばかり!
※2016年11月。第1巻
2017年 4月。第2巻
2017年 9月。第3巻
2017年12月。第4巻
2018年 3月。第5巻
2018年 8月。第6巻
2018年12月。第7巻
2019年 5月。第8巻
2019年10月。第9巻
2020年 6月。第10巻
2020年12月。第11巻 出版しました。
PNもエリン改め、朝比奈 和(あさひな なごむ)となります。
投稿継続中です。よろしくお願いします!
捨てられた転生幼女は無自重無双する
紅 蓮也
ファンタジー
スクラルド王国の筆頭公爵家の次女として生を受けた三歳になるアイリス・フォン・アリステラは、次期当主である年の離れた兄以外の家族と兄がつけたアイリスの専属メイドとアイリスに拾われ恩義のある専属騎士以外の使用人から疎まれていた。
アイリスを疎ましく思っている者たちや一部の者以外は知らないがアイリスは転生者でもあった。
ある日、寝ているとアイリスの部屋に誰かが入ってきて、アイリスは連れ去られた。
アイリスは、肌寒さを感じ目を覚ますと近くにその場から去ろうとしている人の声が聞こえた。
去ろうとしている人物は父と母だった。
ここで声を出し、起きていることがバレると最悪、殺されてしまう可能性があるので、寝たふりをして二人が去るのを待っていたが、そのまま本当に寝てしまい二人が去った後に近づいて来た者に気づくことが出来ず、また何処かに連れていかれた。
朝になり起こしに来た専属メイドが、アイリスがいない事を当主に報告し、疎ましく思っていたくせに当主と夫人は騒ぎたて、当主はアイリスを探そうともせずに、その場でアイリスが誘拐された責任として、専属メイドと専属騎士にクビを言い渡した。
クビを言い渡された専属メイドと専属騎士は、何も言わず食堂を出て行き身支度をして、公爵家から出ていった。
しばらく歩いていると、次期当主であるカイルが後を追ってきて、カイルの腕にはいなくなったはずのアイリスが抱かれていた。
アイリスの無事に安心した二人は、カイルの話を聞き、三人は王城に向かった。
王城で、カイルから話を聞いた国王から広大なアイリス公爵家の領地の端にあり、昔の公爵家本邸があった場所の管理と魔の森の開拓をカイルは、国王から命られる。
アイリスは、公爵家の目がなくなったので、無自重でチートし続け管理と開拓を命じられた兄カイルに協力し、辺境の村々の発展や魔の森の開拓をしていった。
※諸事情によりしばらく連載休止致します。
※小説家になろう様、カクヨム様でも掲載しております。
転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。
襲
ファンタジー
〈あらすじ〉
信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。
目が覚めると、そこは異世界!?
あぁ、よくあるやつか。
食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに……
面倒ごとは御免なんだが。
魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。
誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。
やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる