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聖夜編
370.揺らぎの滝高原
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ルカ達はホーリーの北東へとやって来た。
そこには木々が生い茂っているわけではなく、緑一面の牧草が広がっていた。
「うわぁ、綺麗だね」
「本当ですね。来てよかったです」
「そうねー」
シルヴィアが神妙な顔をしている。
何かあったのだろうか?
ルカは気になって聴いてみた。
「如何したのシルヴィ?」
「如何したもこうしたもないわよ。勝手に出てきちゃって良かったのかしら?」
「いいんじゃないかな?」
「良くないでしょ。実際戻ってきてバレたら不法侵入よ!」
ルカ達は壁を超えて直接出てきた。
それもそのはず、あれだけ溢れる人の群れに飛び込む気はない。
そこでルカの魔術を使い、存在感を極限まで薄め、空を飛んで直接出てきた。
「まあ、私もやった時点で、もう共犯なんだけどね」
「じゃあ良いでしょ?」
「良くはないわよ。はぁー。それで、揺らぎの滝高原って?」
「この変だよ」
ルカ達は揺らぎの滝高原を目指した。
とは言えどの辺りがそうなのか。
耳を澄まして、滝の音に傾ける。
「うーん、まだ聞こえないね」
「そうだねー。一体いつになったら地上に下りれるのかなー?」
「そんなの滝が見つかるまでよ。そのために歩くよりも断然早い方法を使っているんだから」
「まあそうなんだけどねー。ふはぁー……ん?」
ライラックは盛大に欠伸をした。
退屈らしく目を擦っている。
すると急に目を見開いた。何かあったのか、ルカも耳を澄まして音を辿る。
ゴォーゴォーゴォーゴォー!
(この音……)
ルカは妙に激しい音を聴いた
もしかしたらと思い、「みんな耳を澄まして」と声を掛けた。
「耳を澄ますの?」
「そうだよ。聴こえてくるはずだから」
シルヴィア達は目を瞑った。
それから耳を澄まして、聴きたい音を耳にする。
ゴォーゴォーゴォーゴォー!
「「「ん!?」」」
「着いたね」
何かが流れる音がした。
大量の水が上から下へと落ちている様子で、如何やら滝が見つかった。
「ちょっと見て、アレが揺らぎの滝よ!」
シルヴィアが指を指した。
高原の奥、人間の脚では踏み込めない場所に滝があった。
しかもただの滝ではない。降り注ぐときは激しく荒々しいのは変らないが、滝壺に降り注がれた時だけ、心地の良い音を奏でていた。
如何やら揺らぎの滝とはそういう意味らしい。
「中々いい場所じゃない」
「そうですね。これだけ牧草が生え揃っている辺り、草食種だとしても敵対するものは居ないでしょうね」
「空も晴れています。絶好のピクニック日和ですね!」
「ピクニックに来たわけじゃないけどね」
実際弁当の類を誰も用意していない。
空を飛んでいたところから地上に下りて来ると、とりあえず近くまで見に行ってみることにした。
「うわぁ! 結構高いわね。しかもこれ以上近づくと崖になっていて、空からじゃないと近づけないのね」
「でもさー、この辺までマイナスイオン? があるから涼しいよー」
「皆さん耳を澄ましてみてください。とっても心地の良い音がしますよ」
「ダリアさん、危ないので少し離れましょうね」
絶景が広がっていた。
千年前にはおそらく無かった景色なので、ルカは「凄いな」と心から感動する。
千年の間にこれだけの自然を形成してしまうなんて、この惑星は面白いと、ルカの中で拍手を送った。
それからゆっくりと腰を下ろした。
そのタイミングで、ポツリと呟いた。
「それにしても変わっているね。この辺りだけ雪が降っていないなんて」
「それは私も思っていました。如何してですか?」
ルカは不意に疑問を浮かべた。
ルカ達が居る高原。そこには綺麗な新緑の緑の牧草が生えている。
けれどおかしなことに、雪が一切積もっていない。
近くの小高い山には白い絨毯上に、雪が降り積もっていた。
けれどここだけ全くない。一体何があったのか?
「例えばだけど、この辺りの牧草は雪を嫌っているとか?」
「牧草がそんなことをするんですか?」
「例えばの話だよ。だけどそうだね。ダリアの魔眼で地面を見てくれるかな?」
「分かりました!」
「即答なんだね」
ルカの指示を受け、ダリアは即答で魔眼を使った。
ダリアは「えッ!?」と声を上げる。
何かあるのは確実だが、ダリアも少し困った様子だ。
「如何したのダリア?」
「ルカさん。それがこの地面、少し変何です。表面上じゃなく、もっと深い内側が。音声んが通っているわけでもないのに、地面自体が魔力を帯びていてとっても温かいんです!」
「地面が温かい? しかも温泉がある訳でもなく……面白いね」
ルカは珍しい地面だと分かって納得した。
多分地面の中で魔力が渦巻いていて、それが熱エネルギーを放出しながら、この牧草一体に降り注ぐ雪を溶かしてしまう。
それにより水分が注がれ、熱から放出された声明エネルギーを受けて牧草が広がる。
景色だけじゃない。この大地は千年の間で特殊に花が咲いたもの。
ルカは改めて心の内側で手を叩いた。
「ちょっと持って帰っても良いかな?」と強欲になるくらいには、ルカの心にも刺さった。
そこには木々が生い茂っているわけではなく、緑一面の牧草が広がっていた。
「うわぁ、綺麗だね」
「本当ですね。来てよかったです」
「そうねー」
シルヴィアが神妙な顔をしている。
何かあったのだろうか?
ルカは気になって聴いてみた。
「如何したのシルヴィ?」
「如何したもこうしたもないわよ。勝手に出てきちゃって良かったのかしら?」
「いいんじゃないかな?」
「良くないでしょ。実際戻ってきてバレたら不法侵入よ!」
ルカ達は壁を超えて直接出てきた。
それもそのはず、あれだけ溢れる人の群れに飛び込む気はない。
そこでルカの魔術を使い、存在感を極限まで薄め、空を飛んで直接出てきた。
「まあ、私もやった時点で、もう共犯なんだけどね」
「じゃあ良いでしょ?」
「良くはないわよ。はぁー。それで、揺らぎの滝高原って?」
「この変だよ」
ルカ達は揺らぎの滝高原を目指した。
とは言えどの辺りがそうなのか。
耳を澄まして、滝の音に傾ける。
「うーん、まだ聞こえないね」
「そうだねー。一体いつになったら地上に下りれるのかなー?」
「そんなの滝が見つかるまでよ。そのために歩くよりも断然早い方法を使っているんだから」
「まあそうなんだけどねー。ふはぁー……ん?」
ライラックは盛大に欠伸をした。
退屈らしく目を擦っている。
すると急に目を見開いた。何かあったのか、ルカも耳を澄まして音を辿る。
ゴォーゴォーゴォーゴォー!
(この音……)
ルカは妙に激しい音を聴いた
もしかしたらと思い、「みんな耳を澄まして」と声を掛けた。
「耳を澄ますの?」
「そうだよ。聴こえてくるはずだから」
シルヴィア達は目を瞑った。
それから耳を澄まして、聴きたい音を耳にする。
ゴォーゴォーゴォーゴォー!
「「「ん!?」」」
「着いたね」
何かが流れる音がした。
大量の水が上から下へと落ちている様子で、如何やら滝が見つかった。
「ちょっと見て、アレが揺らぎの滝よ!」
シルヴィアが指を指した。
高原の奥、人間の脚では踏み込めない場所に滝があった。
しかもただの滝ではない。降り注ぐときは激しく荒々しいのは変らないが、滝壺に降り注がれた時だけ、心地の良い音を奏でていた。
如何やら揺らぎの滝とはそういう意味らしい。
「中々いい場所じゃない」
「そうですね。これだけ牧草が生え揃っている辺り、草食種だとしても敵対するものは居ないでしょうね」
「空も晴れています。絶好のピクニック日和ですね!」
「ピクニックに来たわけじゃないけどね」
実際弁当の類を誰も用意していない。
空を飛んでいたところから地上に下りて来ると、とりあえず近くまで見に行ってみることにした。
「うわぁ! 結構高いわね。しかもこれ以上近づくと崖になっていて、空からじゃないと近づけないのね」
「でもさー、この辺までマイナスイオン? があるから涼しいよー」
「皆さん耳を澄ましてみてください。とっても心地の良い音がしますよ」
「ダリアさん、危ないので少し離れましょうね」
絶景が広がっていた。
千年前にはおそらく無かった景色なので、ルカは「凄いな」と心から感動する。
千年の間にこれだけの自然を形成してしまうなんて、この惑星は面白いと、ルカの中で拍手を送った。
それからゆっくりと腰を下ろした。
そのタイミングで、ポツリと呟いた。
「それにしても変わっているね。この辺りだけ雪が降っていないなんて」
「それは私も思っていました。如何してですか?」
ルカは不意に疑問を浮かべた。
ルカ達が居る高原。そこには綺麗な新緑の緑の牧草が生えている。
けれどおかしなことに、雪が一切積もっていない。
近くの小高い山には白い絨毯上に、雪が降り積もっていた。
けれどここだけ全くない。一体何があったのか?
「例えばだけど、この辺りの牧草は雪を嫌っているとか?」
「牧草がそんなことをするんですか?」
「例えばの話だよ。だけどそうだね。ダリアの魔眼で地面を見てくれるかな?」
「分かりました!」
「即答なんだね」
ルカの指示を受け、ダリアは即答で魔眼を使った。
ダリアは「えッ!?」と声を上げる。
何かあるのは確実だが、ダリアも少し困った様子だ。
「如何したのダリア?」
「ルカさん。それがこの地面、少し変何です。表面上じゃなく、もっと深い内側が。音声んが通っているわけでもないのに、地面自体が魔力を帯びていてとっても温かいんです!」
「地面が温かい? しかも温泉がある訳でもなく……面白いね」
ルカは珍しい地面だと分かって納得した。
多分地面の中で魔力が渦巻いていて、それが熱エネルギーを放出しながら、この牧草一体に降り注ぐ雪を溶かしてしまう。
それにより水分が注がれ、熱から放出された声明エネルギーを受けて牧草が広がる。
景色だけじゃない。この大地は千年の間で特殊に花が咲いたもの。
ルカは改めて心の内側で手を叩いた。
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