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悪魔教会編
213.《オーロラウィング》
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ブルースターの肩甲骨から虹色の光が迸った。
その姿はまるで翼のようで、ブルースターは形成した翼の力で立ち上がる。
ルカは確信した。これはブルースターの魔法。魔術ではなく、本物の魔法だ。
「《オーロラウィング》!」
ブルースターが魔法を発動すると、空間の重力が和らいだ。
強力な光が重力の障壁をぶち壊したんだ。
だけどまだ足りない。ブルースターは《星の銃》も同時に使うと、教祖に撃ち出した。
「また《星の銃》。そんなもの私には効かない!」
「それはどうでしょうか。これが本当の私の実力です」
ブルースターが撃ち出した《星の銃》は教祖を捉えていた。
重力場の網を抜けその体を捉えると、左肺を貫いた。
「ぐはっ! な、何だと……」
教祖は左肺を抑えると、真っ赤な血が垂れていた。
しかしそれでも苦しむだけで死ぬ様子もない。
ブルースターの攻撃は確かに届いたが、まだ足りないようだ。
「まだ。何度も何発でも撃てばいい!」
ブルースターは《オーロラウィング》をずっと発動したままだった。
その状態で《星の銃》を極太レーザーで何発も撃とまくると、重力場を貫通して教祖の身体を貫いた。しかし教祖は何度撃たれてもどれだけ体に穴が空こうが倒れることはない。
何度も何度も再生してしまった。流石は教祖の魔法と言うべきか、かなりしぶとい。
「私はこれでも教祖ですよ? バルトラをこの体に降ろすために再生魔術は心得ていて当たり前です」
「はぁはぁ……どれだけ《星の銃》を撃ち込めば……」
「撃ち込んでもきりがない。それに《星の銃》が致命傷にはならない!」
ルカは声を張り上げてブルースターに伝えた。
するとブルースターはルカの声が聞こえてホッとしたのか、表情が凛々しくなった。
「無事でよかったです。ですがルカさんはそのままでいてください」
「本当で大丈夫?」
明らかに劣勢だった。
《オーロラウィング》は魔力をたくさん消費する。
本来、一番の強みである高速な飛行を封じられている今、《オーロラウィング》はただの重力場を緩和するカンフル剤でしかない。
「さあどうしますか? もう降参でしょうか?」
「降参なんてしませんよ。《星の銃》が効かないのでしたらこうするだけです」
ブルースターは狭い地下空間を超高速で移動した。
飛行能力はないが、そのスピードは健在でルカの目でも追いつけない。
しかしブルースターは衝撃を全身で受けた。だが教祖はブルースターのこの魔法を知らない。何故ならこの攻撃は魔術ではなく魔法。再生魔術では再生が間に合わないとブルースターは睨んでいた。
「無駄なことを……重力の前に質量を持つ全てのものは無力!」
「そう思うなら止めてみてください」
教祖はバルトラの魔法を使った。《星の銃》が効いたのはまぐれだ。そう思い込んでいる。
しかし《オーロラウィング》がカンフル剤としての硬貨だけではないことに気が付いていないようだ。
教祖が魔法を使う前に、ルカの予想通りブルースターの《オーロラウィング》は教祖の左足を持って行った。
「うがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! 痛い、うがぁっ、痛い痛い。何でです。何で重力場が……光すら飲み込むブラックホールを生み出せるはずが」
「はぁはぁ……もう、無理です」
しかしブルースターも体力が尽きてしまった。
全身から乾いた生温かい汗を流してうつ伏せで倒れてしまった。
力尽きたブルースターは息を荒げながら、筋肉だけが披露してピクピクと痙攣している。
「くっ、再生できない。この、よくも私の足を!」
教祖は怒り狂って冷静さを欠いていた。
倒れているブルースターの傍ににじり寄ると、怒りを顕わにした瞳で睨んでいる。
重力でブルースターの体を粉々にする気だ。
それだけはさせない。ルカはわざと重力の攻撃を受けたふりをしていたのだが、ついに解くことにした。
「死ねっ!」
「させないよ」
ルカは立ち上がり魔法を使って教祖の体を宙に浮かせた。
そのまま後ろの壁に向かって吹き飛ばすと、教祖は口から血を吐いた。
「がはっ!」
「ブルースターはよくやってくれたよ。おかげで本気が出せる」
気絶してくれてルカはようやく本気を出すことができた。
気絶状態ならいくら本気を出そうが影響をほとんど受けないからだ。
そのためわざと危険な目に追いやってしまったが、そのおかげでブルースターの本気を見ることができた。
「どうして立っていられるんです……ここには《オーロラウィング》はもうない!」
「確かにカンフル剤として働いてくれていた《オーロラウィング》はたくさん魔力を奪う魔法だけど、その効果は絶大だよ。みんな魔術としての《オーロラウィング》だけ知っているみたいだけど、意識しているのか無意識なのか、ブルースターは魔法に昇華させていた。引き出してくれてありがとう。だから後は私がボコボコにするからね」
ルカは平気でそう言い切った。
しかし教祖にはその余裕な表情が不気味で仕方なく、同時に屈辱を受けた気分になった。
その姿はまるで翼のようで、ブルースターは形成した翼の力で立ち上がる。
ルカは確信した。これはブルースターの魔法。魔術ではなく、本物の魔法だ。
「《オーロラウィング》!」
ブルースターが魔法を発動すると、空間の重力が和らいだ。
強力な光が重力の障壁をぶち壊したんだ。
だけどまだ足りない。ブルースターは《星の銃》も同時に使うと、教祖に撃ち出した。
「また《星の銃》。そんなもの私には効かない!」
「それはどうでしょうか。これが本当の私の実力です」
ブルースターが撃ち出した《星の銃》は教祖を捉えていた。
重力場の網を抜けその体を捉えると、左肺を貫いた。
「ぐはっ! な、何だと……」
教祖は左肺を抑えると、真っ赤な血が垂れていた。
しかしそれでも苦しむだけで死ぬ様子もない。
ブルースターの攻撃は確かに届いたが、まだ足りないようだ。
「まだ。何度も何発でも撃てばいい!」
ブルースターは《オーロラウィング》をずっと発動したままだった。
その状態で《星の銃》を極太レーザーで何発も撃とまくると、重力場を貫通して教祖の身体を貫いた。しかし教祖は何度撃たれてもどれだけ体に穴が空こうが倒れることはない。
何度も何度も再生してしまった。流石は教祖の魔法と言うべきか、かなりしぶとい。
「私はこれでも教祖ですよ? バルトラをこの体に降ろすために再生魔術は心得ていて当たり前です」
「はぁはぁ……どれだけ《星の銃》を撃ち込めば……」
「撃ち込んでもきりがない。それに《星の銃》が致命傷にはならない!」
ルカは声を張り上げてブルースターに伝えた。
するとブルースターはルカの声が聞こえてホッとしたのか、表情が凛々しくなった。
「無事でよかったです。ですがルカさんはそのままでいてください」
「本当で大丈夫?」
明らかに劣勢だった。
《オーロラウィング》は魔力をたくさん消費する。
本来、一番の強みである高速な飛行を封じられている今、《オーロラウィング》はただの重力場を緩和するカンフル剤でしかない。
「さあどうしますか? もう降参でしょうか?」
「降参なんてしませんよ。《星の銃》が効かないのでしたらこうするだけです」
ブルースターは狭い地下空間を超高速で移動した。
飛行能力はないが、そのスピードは健在でルカの目でも追いつけない。
しかしブルースターは衝撃を全身で受けた。だが教祖はブルースターのこの魔法を知らない。何故ならこの攻撃は魔術ではなく魔法。再生魔術では再生が間に合わないとブルースターは睨んでいた。
「無駄なことを……重力の前に質量を持つ全てのものは無力!」
「そう思うなら止めてみてください」
教祖はバルトラの魔法を使った。《星の銃》が効いたのはまぐれだ。そう思い込んでいる。
しかし《オーロラウィング》がカンフル剤としての硬貨だけではないことに気が付いていないようだ。
教祖が魔法を使う前に、ルカの予想通りブルースターの《オーロラウィング》は教祖の左足を持って行った。
「うがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! 痛い、うがぁっ、痛い痛い。何でです。何で重力場が……光すら飲み込むブラックホールを生み出せるはずが」
「はぁはぁ……もう、無理です」
しかしブルースターも体力が尽きてしまった。
全身から乾いた生温かい汗を流してうつ伏せで倒れてしまった。
力尽きたブルースターは息を荒げながら、筋肉だけが披露してピクピクと痙攣している。
「くっ、再生できない。この、よくも私の足を!」
教祖は怒り狂って冷静さを欠いていた。
倒れているブルースターの傍ににじり寄ると、怒りを顕わにした瞳で睨んでいる。
重力でブルースターの体を粉々にする気だ。
それだけはさせない。ルカはわざと重力の攻撃を受けたふりをしていたのだが、ついに解くことにした。
「死ねっ!」
「させないよ」
ルカは立ち上がり魔法を使って教祖の体を宙に浮かせた。
そのまま後ろの壁に向かって吹き飛ばすと、教祖は口から血を吐いた。
「がはっ!」
「ブルースターはよくやってくれたよ。おかげで本気が出せる」
気絶してくれてルカはようやく本気を出すことができた。
気絶状態ならいくら本気を出そうが影響をほとんど受けないからだ。
そのためわざと危険な目に追いやってしまったが、そのおかげでブルースターの本気を見ることができた。
「どうして立っていられるんです……ここには《オーロラウィング》はもうない!」
「確かにカンフル剤として働いてくれていた《オーロラウィング》はたくさん魔力を奪う魔法だけど、その効果は絶大だよ。みんな魔術としての《オーロラウィング》だけ知っているみたいだけど、意識しているのか無意識なのか、ブルースターは魔法に昇華させていた。引き出してくれてありがとう。だから後は私がボコボコにするからね」
ルカは平気でそう言い切った。
しかし教祖にはその余裕な表情が不気味で仕方なく、同時に屈辱を受けた気分になった。
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