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鉱石編
130.如何してもっと珍しいものを
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気を取り直してシルヴィアたちに探してもらっていた納品用の指定アイテムの確認はいる。
初日にルカが勝手に納品してしまったので、最悪補習は回避することに成功したが、複数個集めるのもありだ。
その分加点してもらえるだけじゃない。
もしかしたら珍しい鉱石なら学校や魔術省が買い取ってくれる制度もある。
これは期待してもいい。
(最悪は回避したから後は副産物だけなんだよね)
ここで何が貰えるかによって話の方向性が変わってくる。
ルカからしてみれば今と昔でどのくらい産出量が変化しているかが一番気になる。
そこでシルヴィアたちに探してもらった。
完全に素人だが……
「まあいいわ。とりあえず言われたとおり探してきたわよ」
「結構大変だったよねー」
「はい。私のものは温泉の近くだったので、魔術を使ってコーティングしました」
「コーティング?」
ルカは引っ掛かりを見せる。
ダリアの発言。まず温泉があったことに驚きだが、魔術でコーティングしたってなんだ。
確かに硫黄の酸化作用で溶けだしてしまうものもあるけれど、繊細な魔石は内包している魔力で守ることができるはず。
それをしなかったのは、きっと意味があるはずだ。つまりできなかった。
「ダリアのは一番最後にしよう。シルヴィとライは上手く採取できた?」
ルカが問いかけると、シルヴィアは自信満々に腰に手を当てる。
「もちろんよ! はい、ネイチャーストーン」
「……なにこれ?」
「だからネイチャーストーンよ! 私もまさかと思ったわ。こんなところで貴重な魔石に出会えるなんて」
シルヴィアは喜びに飛んでいた。
隣ではライラックも自分の取って来た魔石を見せびらかす。
「私もさー、こういうの見つけたんだー」
「これって、手裏剣石!」
「だよねー。手裏剣の形してるよねー」
ライラックの手には手裏剣の形をした石が握られている。
絶妙に魔石ではない部類に入るが、特定の地域でしか入手不可能な石だ。
お土産などで重宝されている。軽くて丈夫。おまけに鋭い金属製。軽石を研磨したような石なんだ。
だけどルカは浮かない顔をしていた。
「なにこれ? 2人ともただの石ころを採ってきたの」
「「えっ!?」」
ルカは真っ向から否定した、
2人も取って来た石は魔石でも価値のある鉱石でもない、ただの形の面白い石ころだった。
「シルヴィ少し考えてみてよ。ネイチャーストーンはここよりももっと蒸し暑いジャングルの中、動物の糞と樹木の芽が鉱石と同化して固まったものだよ。これは蔦が絡みついただけのただの石ころ」
「キュピン」
「手裏剣石も、ライの故郷の方の特産品。これは誰かがそれを真似て作った模造品だよ」
「へぇー」
シルヴィとライラックは撃沈。残るダリアは不安そうだ。
しかしルカは優しく声をかけ、ダリアの持って来た鉱石を鑑定する。
「ダリア、怒ったりしないから見せて」
「ルカさんになら怒られてもいいですけど……はい」
「ありがと。どれどれ……えっ!?」
ルカは微動だにしなかった。
ピタリと体の動きが止まってしまう。
何か特殊な力じゃない。ダリアから受け取った石が魔石だったから驚いているんだ。
「凄い、これアルティマフレアだよ」
「あるてぃまふれあ? それって魔術よね」
「違うよ。アルティマフレア。高純度の熱線にさらされた特殊な魔石。固体としての価値が非常に高くて、中には熱核エネルギーを保有しているから相当なことがあっても壊れない。コーティングはそう言うことだったんだ」
アルティマフレア。
魔石の内部のとんでもない熱エネルギーを保有していて、様々な工業発明品に使われるエネルギー資源だ。
産出量が少ないのでかなり貴重かつ、扱いには十分な注意が必要となる。
酸性に弱いのでコーティングしないといけない。全てが一致した。
「ルカさん……」
「凄いよダリア。大手柄!」
「あ、ありがとうございます。私にはよくわかりませんが、ルカさんのお役に立てて嬉しいです」
ルカはダリアの頭を撫でまわした。
艶のある髪がボサボサになるが、ダリアは全く気にせずに頬を赤らめていた。
初日にルカが勝手に納品してしまったので、最悪補習は回避することに成功したが、複数個集めるのもありだ。
その分加点してもらえるだけじゃない。
もしかしたら珍しい鉱石なら学校や魔術省が買い取ってくれる制度もある。
これは期待してもいい。
(最悪は回避したから後は副産物だけなんだよね)
ここで何が貰えるかによって話の方向性が変わってくる。
ルカからしてみれば今と昔でどのくらい産出量が変化しているかが一番気になる。
そこでシルヴィアたちに探してもらった。
完全に素人だが……
「まあいいわ。とりあえず言われたとおり探してきたわよ」
「結構大変だったよねー」
「はい。私のものは温泉の近くだったので、魔術を使ってコーティングしました」
「コーティング?」
ルカは引っ掛かりを見せる。
ダリアの発言。まず温泉があったことに驚きだが、魔術でコーティングしたってなんだ。
確かに硫黄の酸化作用で溶けだしてしまうものもあるけれど、繊細な魔石は内包している魔力で守ることができるはず。
それをしなかったのは、きっと意味があるはずだ。つまりできなかった。
「ダリアのは一番最後にしよう。シルヴィとライは上手く採取できた?」
ルカが問いかけると、シルヴィアは自信満々に腰に手を当てる。
「もちろんよ! はい、ネイチャーストーン」
「……なにこれ?」
「だからネイチャーストーンよ! 私もまさかと思ったわ。こんなところで貴重な魔石に出会えるなんて」
シルヴィアは喜びに飛んでいた。
隣ではライラックも自分の取って来た魔石を見せびらかす。
「私もさー、こういうの見つけたんだー」
「これって、手裏剣石!」
「だよねー。手裏剣の形してるよねー」
ライラックの手には手裏剣の形をした石が握られている。
絶妙に魔石ではない部類に入るが、特定の地域でしか入手不可能な石だ。
お土産などで重宝されている。軽くて丈夫。おまけに鋭い金属製。軽石を研磨したような石なんだ。
だけどルカは浮かない顔をしていた。
「なにこれ? 2人ともただの石ころを採ってきたの」
「「えっ!?」」
ルカは真っ向から否定した、
2人も取って来た石は魔石でも価値のある鉱石でもない、ただの形の面白い石ころだった。
「シルヴィ少し考えてみてよ。ネイチャーストーンはここよりももっと蒸し暑いジャングルの中、動物の糞と樹木の芽が鉱石と同化して固まったものだよ。これは蔦が絡みついただけのただの石ころ」
「キュピン」
「手裏剣石も、ライの故郷の方の特産品。これは誰かがそれを真似て作った模造品だよ」
「へぇー」
シルヴィとライラックは撃沈。残るダリアは不安そうだ。
しかしルカは優しく声をかけ、ダリアの持って来た鉱石を鑑定する。
「ダリア、怒ったりしないから見せて」
「ルカさんになら怒られてもいいですけど……はい」
「ありがと。どれどれ……えっ!?」
ルカは微動だにしなかった。
ピタリと体の動きが止まってしまう。
何か特殊な力じゃない。ダリアから受け取った石が魔石だったから驚いているんだ。
「凄い、これアルティマフレアだよ」
「あるてぃまふれあ? それって魔術よね」
「違うよ。アルティマフレア。高純度の熱線にさらされた特殊な魔石。固体としての価値が非常に高くて、中には熱核エネルギーを保有しているから相当なことがあっても壊れない。コーティングはそう言うことだったんだ」
アルティマフレア。
魔石の内部のとんでもない熱エネルギーを保有していて、様々な工業発明品に使われるエネルギー資源だ。
産出量が少ないのでかなり貴重かつ、扱いには十分な注意が必要となる。
酸性に弱いのでコーティングしないといけない。全てが一致した。
「ルカさん……」
「凄いよダリア。大手柄!」
「あ、ありがとうございます。私にはよくわかりませんが、ルカさんのお役に立てて嬉しいです」
ルカはダリアの頭を撫でまわした。
艶のある髪がボサボサになるが、ダリアは全く気にせずに頬を赤らめていた。
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