1000年ぶりに目覚めた「永久の魔女」が最強すぎるので、現代魔術じゃ話にもならない件について

水定ゆう

文字の大きさ
53 / 716
魔術運動会編1

53.練習風景①

しおりを挟む
  ルカがクラスメイト達から称賛される中、中庭では、クラスメイトたちが、運動会に向けて練習をしていた。
 そもそも、運動会の競技とは一体何なのか。ルカはまだ知らなかった。
 そこで、

「見てよルカ。皆んな頑張ってるよ」
「うん。頑張ってるのはいいけど、あれは何をしてるの?」
「何って、玉入れよ?」

 シルヴィアはルカを連れて中庭にやって来た。
 そこにいたのはクラスの代表たち。
 運動能力に優れ、剛腕で戦うギルレス。彼は《ブースト》が上手く、頼りになる存在。それこそ、アタッカーです。

「ギルレス、これ頼んだよ」
「任せてくれ。おんどりゃぁ!」

 うちのクラスのスピードスター、アレックス。
 彼は、《ソニック》や《アクセル》などの、スピード系の魔術が得意で、高速詠唱を得意とする。

「じゃあ僕は、次の玉を回収してくるから。こっちは頼むよ。ビビュン!」
「任せておいて。《ツインバレル》!」

 アレックスから受け取った玉を、餅みたいにくっつけた。
 それを放り投げる少女は、ペタン。両腕に装填した玉をまるで樽を抱えるみたいに投飛ばして、一気に籠の中に叩き込む。

 ネットが急激な重さを受けて倒れそうになるが、それを支えるもう一人の力自慢、

「ゴス!」
「いいよいいよ、ゴレイン。じゃあ僕も、そりゃ!」

 小柄な獣人の少年は、大柄な少年の肩を借りて跳んだ。すると、玉を押し出すようにしながら、次々に籠の中に叩き込む。
 その間大柄な少年はその横に広がったガタイのいい体を利用して、皆んなを支える。
 二人の少年は、ゴレインと、マーチス。とても仲が良かった。

 しかし、ルカはこの状況を茫然と眺めていた。
 何故なら、ルカはこの競技を含めて概要を知らないまま、さらには初見で見ていた。

「これって、何をしたらいいの?」
「何って、見たら分かるでしょ?」
「そうかな?」
「そうでしょ? あの籠の中にたくさん入れたら勝ちなのよ」

 それを聞いて、ルカはこう思った。それこそ、元も子もないようなくだらない発想だったので、自重する。

「じゃあ普通に手で持って投げれば……」
「馬鹿ね。あの玉、一つ一つが一キロぐらいあって、おまけに本番はもっと高い位置なのよ? 距離も離されるし、魔術を使わないと」
「そうかな?」

 ルカは聞き分けが悪かった。
 何故なのか。その理由は実際に見せれば、判るだろう。それこそルカは、少ししゃがみ込んで、

「要するに、遠い位置から投げて、さらには一つ一つが少し重たい。安全を考慮した結果、そうすることにしたってことでしょ?」
「そうよ」
「でも素手で投げる行為は許されている。ってことはつまり、手のひらに集める魔力や、腰や足の軽減に使う魔力は必要ないってことだよね」
「そ、それはそうだけど……」
「じゃあこれでよくない。ほい」

 ルカは落ちていた玉を拾い上げる。しかも軽々とと言った感じで、手の中には三つの玉が重さの概念を吹き飛ばして、持たれていた。それから何をするのかと思えば、軽々と投げ、同時に投げたことで、空気圧で、玉が一つになっていて、そのまま投げていた。
 しかも入らないわけがない。
 ルカの投げた玉は、皆んながやっている距離よりもかなり遠い距離から、投げたにもかかわらず簡単に入っていた。

「う、嘘でしょ?」
「ね、言ったとおりでしょ?」
「な、何か魔術を使ったのよね?」
「ううん、筋力と気合と、呼吸法?」

 まるで武闘家の言い方。
 それこそ、ルカは魔法だけではない、生き残るために、武術ではないが、独自の呼吸法を編み出していた。
 それこそが、

「呼吸法?」
「うん。基本的な精神の統一化や、呼吸のリズム、筋力の使い方に、あえて魔力を絶つ・・・・・・・・ことかな・・・・
「そ、そんな無茶苦茶な。それじゃあ魔術師って」
「言わないよねー」

 ライラックが締めに入った。それを聞いてシルヴィアは落胆して溜息を吐いていた。それこそ、大きくだ。
 しかし肝心のルカは、なんてことのない感じで、動揺すらしないんだ。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

慈愛と復讐の間

レクフル
ファンタジー
 とある国に二人の赤子が生まれた。  一人は慈愛の女神の生まれ変わりとされ、一人は復讐の女神の生まれ変わりとされた。  慈愛の女神の生まれ変わりがこの世に生を得た時、必ず復讐の女神の生まれ変わりは生を得る。この二人は対となっているが、決して相容れるものではない。  これは古より語り継がれている伝承であり、慈愛の女神の加護を得た者は絶大なる力を手にするのだと言う。  だが慈愛の女神の生まれ変わりとして生を亨けた娘が、別の赤子と取り換えられてしまった。 大切に育てられる筈の慈愛の女神の生まれ変わりの娘は、母親から虐げられながらも懸命に生きようとしていた。  そんな中、森で出会った迷い人の王子と娘は、互いにそれと知らずに想い合い、数奇な運命を歩んで行くこととなる。  そして、変わりに育てられた赤子は大切に育てられていたが、その暴虐ぶりは日をまして酷くなっていく。  慈愛に満ちた娘と復讐に駆られた娘に翻弄されながら、王子はあの日出会った想い人を探し続ける。  想い合う二人の運命は絡み合うことができるのか。その存在に気づくことができるのか……

異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。

もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。 異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。 ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。 残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、 同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、 追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、 清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……

3歳で捨てられた件

玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。 それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。 キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。

私はもう必要ないらしいので、国を護る秘術を解くことにした〜気づいた頃には、もう遅いですよ?〜

AK
ファンタジー
ランドロール公爵家は、数百年前に王国を大地震の脅威から護った『要の巫女』の子孫として王国に名を残している。 そして15歳になったリシア・ランドロールも一族の慣しに従って『要の巫女』の座を受け継ぐこととなる。 さらに王太子がリシアを婚約者に選んだことで二人は婚約を結ぶことが決定した。 しかし本物の巫女としての力を持っていたのは初代のみで、それ以降はただ形式上の祈りを捧げる名ばかりの巫女ばかりであった。 それ故に時代とともにランドロール公爵家を敬う者は減っていき、遂に王太子アストラはリシアとの婚約破棄を宣言すると共にランドロール家の爵位を剥奪する事を決定してしまう。 だが彼らは知らなかった。リシアこそが初代『要の巫女』の生まれ変わりであり、これから王国で発生する大地震を予兆し鎮めていたと言う事実を。 そして「もう私は必要ないんですよね?」と、そっと術を解き、リシアは国を後にする決意をするのだった。 ※小説家になろう・カクヨムにも同タイトルで投稿しています。

神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします

夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。 アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。 いわゆる"神々の愛し子"というもの。 神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。 そういうことだ。 そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。 簡単でしょう? えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか?? −−−−−− 新連載始まりました。 私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。 会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。 余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。 会話がわからない!となるよりは・・ 試みですね。 誤字・脱字・文章修正 随時行います。 短編タグが長編に変更になることがございます。 *タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。

断罪後のモブ令息、誰にも気づかれずに出奔する

まる
ファンタジー
断罪後のモブ令息が誰にも気づかれないよう出奔して幸せを探す話

魔法が使えない落ちこぼれ貴族の三男は、天才錬金術師のたまごでした

茜カナコ
ファンタジー
魔法使いよりも錬金術士の方が少ない世界。 貴族は生まれつき魔力を持っていることが多いが錬金術を使えるものは、ほとんどいない。 母も魔力が弱く、父から「できそこないの妻」と馬鹿にされ、こき使われている。 バレット男爵家の三男として生まれた僕は、魔力がなく、家でおちこぼれとしてぞんざいに扱われている。 しかし、僕には錬金術の才能があることに気づき、この家を出ると決めた。

スキルが農業と豊穣だったので追放されました~辺境伯令嬢はおひとり様を満喫しています~

白雪の雫
ファンタジー
「アールマティ、当主の名において穀潰しのお前を追放する!」 マッスル王国のストロング辺境伯家は【軍神】【武神】【戦神】【剣聖】【剣豪】といった戦闘に関するスキルを神より授かるからなのか、代々優れた軍人・武人を輩出してきた家柄だ。 そんな家に産まれたからなのか、ストロング家の者は【力こそ正義】と言わんばかりに見事なまでに脳筋思考の持ち主だった。 だが、この世には例外というものがある。 ストロング家の次女であるアールマティだ。 実はアールマティ、日本人として生きていた前世の記憶を持っているのだが、その事を話せば病院に送られてしまうという恐怖があるからなのか誰にも打ち明けていない。 そんなアールマティが授かったスキルは【農業】と【豊穣】 戦いに役に立たないスキルという事で、アールマティは父からストロング家追放を宣告されたのだ。 「仰せのままに」 父の言葉に頭を下げた後、屋敷を出て行こうとしているアールマティを母と兄弟姉妹、そして家令と使用人達までもが嘲笑いながら罵っている。 「食糧と食料って人間の生命活動に置いて一番大事なことなのに・・・」 脳筋に何を言っても無駄だと子供の頃から悟っていたアールマティは他国へと亡命する。 アールマティが森の奥でおひとり様を満喫している頃 ストロング領は大飢饉となっていた。 農業系のゲームをやっていた時に思い付いた話です。 主人公のスキルはゲームがベースになっているので、作物が実るのに時間を要しないし、追放された後は現代的な暮らしをしているという実にご都合主義です。 短い話という理由で色々深く考えた話ではないからツッコミどころ満載です。

処理中です...