40 / 536
シルヴィアの休日
40.シルヴィアの休日③
しおりを挟む
シルヴィアたちは、アルカード魔術学校に、注文したものを送ることにした。
流石に重すぎるからだ。
けど、これでやるべきことを終わった。
「ふあー、終わったね」
「終わったって。ライは何もしていないでしょ!」
「む!?」
シルヴィアはライラックにそう言いつけた。
でも言い返せない。何せ、ここまでライラックは物を運んだだけ。しかも、シルヴィアと一緒で、基本的に何もしていないんだ。
すると、シルヴィアは気を変えて、
「でも、助かったわ」
「なにが?」
「何がって。ライのおかげで早く終わったのよ。ありがとう、ライ」
「はいはい」
シルヴィアはライラックを褒めた。
するとライラックは、目を丸くする。
だけど、流石のライラックもこんなことでにやけたりしない。
だって、ライラックはシルヴィアのことが嫌いではない。
それを抜きにした親友だった。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
時刻は正午。
シルヴィアたちは、ちょっとよさそうなレストランでご飯を食べることにした。
しかし、ちょっぴり高かった。
「結構するわね」
「そうだねー。如何する?」
「私はこのサンドイッチにするわ」
「じゃあハンバーガーにしょうかなー」
二人は思い思いに注文した。
値段に気を配りつつ。
高級な装い。ホールを回る、ウエイトレスたち。
その笑顔は作り笑いを張り付けたみたいで、シルヴィアたちは顔を顰める。
何せ負の感情を直に浴びた身だ。
この程度であれ、気を張っている様子と、高級な宝石を身に着けたアクセサリーが嫌だった。
「見てよあれ。こってりな揚げ物だよ」
「おまけに高そうだよ」
シルヴィアたちは偏見だった。
しかしいざ運ばれてきた料理を口にした途端、下をビリリと電気が走る。
「なにこれ。うへぇ!」
「がはぁがはぁ! ま、マズい」
「こら。そんなことお店の中で言っちゃ駄目でしょ。この町で一番の人気店なのよ」
「でもさー」
二人は目を真っ赤にしていた。
しかし周りのお客たちは満足そう。
「本当に味がわかってるのかしら?」
「見てよシルヴィ」
ライラックはシルヴィアの服の袖を引っ張る。
すると顔を顰めていた。
ハンバーガーの中身を見せ、包装紙を解くと、中にはへんてこな草が入っていた。
これは香草だ。
「シルヴィ。これって、前にルカが言ってた」
「まやかし草? これって、嘘でしょ!」
「いや、マジみたいだよー」
シルヴィアたちが目を見開くのも無理はない。
すると、急に気持ち悪くなる。
何せこの草。魔力の耐性がないと、すぐに暗示にかかる凶悪な香草で、毒草だった。
つまり香草と言う名の、麻薬だ。
そのことに気が付いた、シルヴィアは一言文句を言いに行こうとした。
こんなもの食べちゃ駄目なのに。
法律違反だ。
「料理長は何をしているのかしら!」
「やめときなよ、シルヴィ」
「何でよ。だって、こんなの!」
「無駄だよ。それより、早く行こ」
ライラックは気づいていた。
こんなもの、何の役にも立たない。
証拠が証拠になっていない。
監査が入っても、その時に入っていなかったら、意味がないんだ。
だからこそ、ライラックの判断は依然として正しく。
シルヴィアを連れて、急いで出た。
食べかけのものは吐き出して、すぐに口をすすぐ。
それからお店を一睨みした。
流石に重すぎるからだ。
けど、これでやるべきことを終わった。
「ふあー、終わったね」
「終わったって。ライは何もしていないでしょ!」
「む!?」
シルヴィアはライラックにそう言いつけた。
でも言い返せない。何せ、ここまでライラックは物を運んだだけ。しかも、シルヴィアと一緒で、基本的に何もしていないんだ。
すると、シルヴィアは気を変えて、
「でも、助かったわ」
「なにが?」
「何がって。ライのおかげで早く終わったのよ。ありがとう、ライ」
「はいはい」
シルヴィアはライラックを褒めた。
するとライラックは、目を丸くする。
だけど、流石のライラックもこんなことでにやけたりしない。
だって、ライラックはシルヴィアのことが嫌いではない。
それを抜きにした親友だった。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
時刻は正午。
シルヴィアたちは、ちょっとよさそうなレストランでご飯を食べることにした。
しかし、ちょっぴり高かった。
「結構するわね」
「そうだねー。如何する?」
「私はこのサンドイッチにするわ」
「じゃあハンバーガーにしょうかなー」
二人は思い思いに注文した。
値段に気を配りつつ。
高級な装い。ホールを回る、ウエイトレスたち。
その笑顔は作り笑いを張り付けたみたいで、シルヴィアたちは顔を顰める。
何せ負の感情を直に浴びた身だ。
この程度であれ、気を張っている様子と、高級な宝石を身に着けたアクセサリーが嫌だった。
「見てよあれ。こってりな揚げ物だよ」
「おまけに高そうだよ」
シルヴィアたちは偏見だった。
しかしいざ運ばれてきた料理を口にした途端、下をビリリと電気が走る。
「なにこれ。うへぇ!」
「がはぁがはぁ! ま、マズい」
「こら。そんなことお店の中で言っちゃ駄目でしょ。この町で一番の人気店なのよ」
「でもさー」
二人は目を真っ赤にしていた。
しかし周りのお客たちは満足そう。
「本当に味がわかってるのかしら?」
「見てよシルヴィ」
ライラックはシルヴィアの服の袖を引っ張る。
すると顔を顰めていた。
ハンバーガーの中身を見せ、包装紙を解くと、中にはへんてこな草が入っていた。
これは香草だ。
「シルヴィ。これって、前にルカが言ってた」
「まやかし草? これって、嘘でしょ!」
「いや、マジみたいだよー」
シルヴィアたちが目を見開くのも無理はない。
すると、急に気持ち悪くなる。
何せこの草。魔力の耐性がないと、すぐに暗示にかかる凶悪な香草で、毒草だった。
つまり香草と言う名の、麻薬だ。
そのことに気が付いた、シルヴィアは一言文句を言いに行こうとした。
こんなもの食べちゃ駄目なのに。
法律違反だ。
「料理長は何をしているのかしら!」
「やめときなよ、シルヴィ」
「何でよ。だって、こんなの!」
「無駄だよ。それより、早く行こ」
ライラックは気づいていた。
こんなもの、何の役にも立たない。
証拠が証拠になっていない。
監査が入っても、その時に入っていなかったら、意味がないんだ。
だからこそ、ライラックの判断は依然として正しく。
シルヴィアを連れて、急いで出た。
食べかけのものは吐き出して、すぐに口をすすぐ。
それからお店を一睨みした。
10
お気に入りに追加
188
あなたにおすすめの小説
私がいなくなった部屋を見て、あなた様はその心に何を思われるのでしょうね…?
新野乃花(大舟)
恋愛
貴族であるファーラ伯爵との婚約を結んでいたセイラ。しかし伯爵はセイラの事をほったらかしにして、幼馴染であるレリアの方にばかり愛情をかけていた。それは溺愛と呼んでもいいほどのもので、そんな行動の果てにファーラ伯爵は婚約破棄まで持ち出してしまう。しかしそれと時を同じくして、セイラはその姿を伯爵の前からこつぜんと消してしまう。弱気なセイラが自分に逆らう事など絶対に無いと思い上がっていた伯爵は、誰もいなくなってしまったセイラの部屋を見て…。
※カクヨム、小説家になろうにも投稿しています!
殿下から婚約破棄されたけど痛くも痒くもなかった令嬢の話
ルジェ*
ファンタジー
婚約者である第二王子レオナルドの卒業記念パーティーで突然婚約破棄を突きつけられたレティシア・デ・シルエラ。同様に婚約破棄を告げられるレオナルドの側近達の婚約者達。皆唖然とする中、レオナルドは彼の隣に立つ平民ながらも稀有な魔法属性を持つセシリア・ビオレータにその場でプロポーズしてしまうが───
「は?ふざけんなよ。」
これは不運な彼女達が、レオナルド達に逆転勝利するお話。
********
「冒険がしたいので殿下とは結婚しません!」の元になった物です。メモの中で眠っていたのを見つけたのでこれも投稿します。R15は保険です。プロトタイプなので深掘りとか全くなくゆるゆる設定で雑に進んで行きます。ほぼ書きたいところだけ書いたような状態です。細かいことは気にしない方は宜しければ覗いてみてやってください!
*2023/11/22 ファンタジー1位…⁉︎皆様ありがとうございます!!
晴れて国外追放にされたので魅了を解除してあげてから出て行きました [完]
ラララキヲ
ファンタジー
卒業式にて婚約者の王子に婚約破棄され義妹を殺そうとしたとして国外追放にされた公爵令嬢のリネットは一人残された国境にて微笑む。
「さようなら、私が産まれた国。
私を自由にしてくれたお礼に『魅了』が今後この国には効かないようにしてあげるね」
リネットが居なくなった国でリネットを追い出した者たちは国王の前に頭を垂れる──
◇婚約破棄の“後”の話です。
◇転生チート。
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇なろうにも上げてます。
◇人によっては最後「胸糞」らしいです。ごめんね;^^
◇なので感想欄閉じます(笑)
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
婚約者に犯されて身籠り、妹に陥れられて婚約破棄後に国外追放されました。“神人”であるお腹の子が復讐しますが、いいですね?
サイコちゃん
ファンタジー
公爵令嬢アリアは不義の子を身籠った事を切欠に、ヴント国を追放される。しかも、それが冤罪だったと判明した後も、加害者である第一王子イェールと妹ウィリアは不誠実な謝罪を繰り返し、果てはアリアを罵倒する。その行為が、ヴント国を破滅に導くとも知らずに――
※昨年、別アカウントにて削除した『お腹の子「後になってから謝っても遅いよ?」』を手直しして再投稿したものです。
《勘違い》で婚約破棄された令嬢は失意のうちに自殺しました。
友坂 悠
ファンタジー
「婚約を考え直そう」
貴族院の卒業パーティーの会場で、婚約者フリードよりそう告げられたエルザ。
「それは、婚約を破棄されるとそういうことなのでしょうか?」
耳を疑いそう聞き返すも、
「君も、その方が良いのだろう?」
苦虫を噛み潰すように、そう吐き出すフリードに。
全てに絶望し、失意のうちに自死を選ぶエルザ。
絶景と評判の観光地でありながら、自殺の名所としても知られる断崖絶壁から飛び降りた彼女。
だったのですが。
【完結】婚約破棄されて修道院へ送られたので、今後は自分のために頑張ります!
猫石
ファンタジー
「ミズリーシャ・ザナスリー。 公爵の家門を盾に他者を蹂躙し、悪逆非道を尽くしたお前の所業! 決して許してはおけない! よって我がの名の元にお前にはここで婚約破棄を言い渡す! 今後は修道女としてその身を神を捧げ、生涯後悔しながら生きていくがいい!」
無実の罪を着せられた私は、その瞬間に前世の記憶を取り戻した。
色々と足りない王太子殿下と婚約破棄でき、その後の自由も確約されると踏んだ私は、意気揚々と王都のはずれにある小さな修道院へ向かったのだった。
注意⚠️このお話には、妊娠出産、新生児育児のお話がバリバリ出てきます。(訳ありもあります)お嫌いな方は自衛をお願いします!
2023/10/12 作者の気持ち的に、断罪部分を最後の番外にしました。
2023/10/31第16回ファンタジー小説大賞奨励賞頂きました。応援・投票ありがとうございました!
☆このお話は完全フィクションです、創作です、妄想の作り話です。現実世界と混同せず、あぁ、ファンタジーだもんな、と、念頭に置いてお読みください。
☆作者の趣味嗜好作品です。イラッとしたり、ムカッとしたりした時には、そっと別の素敵な作家さんの作品を検索してお読みください。(自己防衛大事!)
☆誤字脱字、誤変換が多いのは、作者のせいです。頑張って音読してチェックして!頑張ってますが、ごめんなさい、許してください。
★小説家になろう様でも公開しています。
婚約破棄され、聖女を騙った罪で国外追放されました。家族も同罪だから家も取り潰すと言われたので、領民と一緒に国から出ていきます。
SHEILA
ファンタジー
ベイリンガル侯爵家唯一の姫として生まれたエレノア・ベイリンガルは、前世の記憶を持つ転生者で、侯爵領はエレノアの転生知識チートで、とんでもないことになっていた。
そんなエレノアには、本人も家族も嫌々ながら、国から強制的に婚約を結ばされた婚約者がいた。
国内で領地を持つすべての貴族が王城に集まる「豊穣の宴」の席で、エレノアは婚約者である第一王子のゲイルに、異世界から転移してきた聖女との真実の愛を見つけたからと、婚約破棄を言い渡される。
ゲイルはエレノアを聖女を騙る詐欺師だと糾弾し、エレノアには国外追放を、ベイリンガル侯爵家にはお家取り潰しを言い渡した。
お読みいただき、ありがとうございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる