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シルヴィアの休日
38.シルヴィアの休日①
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ポカポカの陽気。
今日も暖かな日が続いていた。
そんな中、芝生の庭に生えた、木にハンモックを引っかける。
「ふんにゃー」
まあこんなところで眠っているのは、一人しかいない。
横になって眠る少女。
オレンジ色の髪に、青紫色の瞳。
まるで猫のように自由気ままな女の子。
「ちょっとライ。休日にまで寝てないで、起きなさい」
「えー? 私、眠いんだけどー」
「昨日も一日中眠ってたでしょ。いいから起きなさい」
怒鳴りつける少女。
この家の娘で、ライラックの親友。
そう、シルヴィアだった。
シルヴィアはハンモックを揺らした。
グラグラと不安定になり、ハンモックが捩じれてしまう。
しかしライラックはその並外れたバランスと体幹の良さを駆使し、なんとか踏ん張るも、
「こら!」
「うわぁ!」
シルヴィアは逆に捻り倒す。
するとハンモックが元に戻り、急なことで対処できずに振り落とされた。
ドサァー!——
滑り落ちてしまった。
ライラックは頭を押さえ、全身に付いた芝生の草が気持ち悪いのか、突き刺さる。
「か、痒いし痛い!」
「ライ、大丈夫?」
「ま、まあねー」
ライラックはいつもの調子。
だけどやった本人は相も変わらずで、ライラックに言い聞かせる。
「いい。今日は休日で、ちょっとでもいいから起きてないと明日が大変よ」
「大変って。明日何かあるの?」
「何って。明日は学校よ!」
「ま、マジで?」
ライラックは絶望した。
ここまで数日。ロッセルのことがあって、しばらく学校は休みだったが、明日からついにだ。
だけど事情聴取と、一度学校に行ったのもあって、ルカ達は疲れが完全には取れていない。
何もしてなくても、人は人との会話で疲れるから、精神が止む。
「とにかく起きなさい。私達は校長先生から頼まれごとをしているのよ」
「ふえ? 頼まれごと?」
「そうよ。授業の遅れの分、免除の代わりに、お使いを頼まれたでしょうが!」
「お使い? そんなのあったっけ?」
「はあー。本当にあなたって覚えてないのね。どれだけ興味ないのよ。何でこんな子に負けて……」
かなりの卑屈モードだった。
だけどライラックは首を傾げ、シルヴィアは悔しそうだった。
何せ、シルヴィアはあんなに勉強しているのに、全く勉強していないいつも寝ているライラックに成績で負けているんだ。それが、シルヴィアの黒い部分を助長させる。
「ほら立って。それから部屋着を着替えて」
「外に出るの? えー、めんどくさいよー」
ライラックは常に面倒だった。
しかしシルヴィアの強引なところはいつも慣れていて、そこまでだった。
つまりは平常運転だ。
「さてと、髪も乾かして。服も着替えて。そろそろ準備できたわね」
「ういー」
「ういー、じゃない。少しは自覚持ちなさい!」
「はあー」
ライラックは大きな溜息を吐いた。
けれど未だにわからないことがある。
このうやむやを取り払うことにした。
「そう言えばさー、何を買ってくればいいの?」
「それも忘れたの? ライ、本気で言ってる?」
「本気も本気。って言うか、さっきまでお使いの事すら忘れてたのよ。そんなの覚えてないって」
「まったく仕方ないわね。私達は……」
ライラックは聞いて呆れた。
当然シルヴィアも同じだ。
ただし顔に出さないだけで、それは……
「折り紙よ。大量にね」
今日も暖かな日が続いていた。
そんな中、芝生の庭に生えた、木にハンモックを引っかける。
「ふんにゃー」
まあこんなところで眠っているのは、一人しかいない。
横になって眠る少女。
オレンジ色の髪に、青紫色の瞳。
まるで猫のように自由気ままな女の子。
「ちょっとライ。休日にまで寝てないで、起きなさい」
「えー? 私、眠いんだけどー」
「昨日も一日中眠ってたでしょ。いいから起きなさい」
怒鳴りつける少女。
この家の娘で、ライラックの親友。
そう、シルヴィアだった。
シルヴィアはハンモックを揺らした。
グラグラと不安定になり、ハンモックが捩じれてしまう。
しかしライラックはその並外れたバランスと体幹の良さを駆使し、なんとか踏ん張るも、
「こら!」
「うわぁ!」
シルヴィアは逆に捻り倒す。
するとハンモックが元に戻り、急なことで対処できずに振り落とされた。
ドサァー!——
滑り落ちてしまった。
ライラックは頭を押さえ、全身に付いた芝生の草が気持ち悪いのか、突き刺さる。
「か、痒いし痛い!」
「ライ、大丈夫?」
「ま、まあねー」
ライラックはいつもの調子。
だけどやった本人は相も変わらずで、ライラックに言い聞かせる。
「いい。今日は休日で、ちょっとでもいいから起きてないと明日が大変よ」
「大変って。明日何かあるの?」
「何って。明日は学校よ!」
「ま、マジで?」
ライラックは絶望した。
ここまで数日。ロッセルのことがあって、しばらく学校は休みだったが、明日からついにだ。
だけど事情聴取と、一度学校に行ったのもあって、ルカ達は疲れが完全には取れていない。
何もしてなくても、人は人との会話で疲れるから、精神が止む。
「とにかく起きなさい。私達は校長先生から頼まれごとをしているのよ」
「ふえ? 頼まれごと?」
「そうよ。授業の遅れの分、免除の代わりに、お使いを頼まれたでしょうが!」
「お使い? そんなのあったっけ?」
「はあー。本当にあなたって覚えてないのね。どれだけ興味ないのよ。何でこんな子に負けて……」
かなりの卑屈モードだった。
だけどライラックは首を傾げ、シルヴィアは悔しそうだった。
何せ、シルヴィアはあんなに勉強しているのに、全く勉強していないいつも寝ているライラックに成績で負けているんだ。それが、シルヴィアの黒い部分を助長させる。
「ほら立って。それから部屋着を着替えて」
「外に出るの? えー、めんどくさいよー」
ライラックは常に面倒だった。
しかしシルヴィアの強引なところはいつも慣れていて、そこまでだった。
つまりは平常運転だ。
「さてと、髪も乾かして。服も着替えて。そろそろ準備できたわね」
「ういー」
「ういー、じゃない。少しは自覚持ちなさい!」
「はあー」
ライラックは大きな溜息を吐いた。
けれど未だにわからないことがある。
このうやむやを取り払うことにした。
「そう言えばさー、何を買ってくればいいの?」
「それも忘れたの? ライ、本気で言ってる?」
「本気も本気。って言うか、さっきまでお使いの事すら忘れてたのよ。そんなの覚えてないって」
「まったく仕方ないわね。私達は……」
ライラックは聞いて呆れた。
当然シルヴィアも同じだ。
ただし顔に出さないだけで、それは……
「折り紙よ。大量にね」
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