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22話 ストーカーみたいで怖い
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「いや、いやいやいやいや、流石に……気が付かれてないはず」
俺は首をブンブン振り回した。
と言うのも、今聞こえた声、それから気配、両方が合致する人物を俺は知っている。
しかし、その人に俺がここに居る事を伝えてはいない。
何故なら伝えたら面倒なことになると思ったからだ。
だから今聞こえてきた声はきっと何かの気のせい。
他人の空似という奴で、俺は思い込むことにして小屋に戻る。
「気のせい、気のせい、きーっと、気のせい!」
俺は小屋へと戻ると、怯えた様子のラウリィが居た。
投げナイフの音と、男性の悲鳴、ノイズ混じりの女性声に、不気味さを感じざるを得なかった。
「ひ、ヒジリさん! 今の今までの音って、なんですか!」
ラウリィは机の下に隠れてガクガク震えていた。
しかしその手には剣が握られている。
身を守る用意はできており、ラウリィなりの力強さがある。
「さあ、なんだろうね?」
「と、とぼけないでください」
「まあまあ、いざとなったら俺が前に出るから。全員切れば、証拠隠滅」
「物騒なことは言わないでくださいよ。それに、私だってヒジリさんの従者なんです。私だって前に出ますよ!」
頼もしいのか臆病なのか、いまいちピンとは来なかった。
しかしラウリィは優しい。自分のことだけじゃなくて、俺のことをしっかりと見ている。
それが嬉しくて笑みを浮かべると、ラウリィに手を差し伸べる。
「ラウリィ、大丈夫。ほら、机の下から出てきて」
「ううっ、はい」
まるで小動物をあやすみたいだった。
俺は何してるんだろうと、変な気分になってしまう。
しかしラウリィの伸ばした指先に触れると、そんな気持ちもどうでも良くなるくらい、フワフワした気持ちにさせられた。
『ヒジリ様、彼女は何者でしょうか?』
不意にノイズ混じりの女性の声が聞こえる。
俺の名前を入れながら、ラウリィのことを咎める。
嫌な感触がすると、俺とラウリィは、互いに警戒する。
「ひいっ、ヒジリさん!」
「聞こえたよ。うーん、この小屋の中にまで魔法の影響があるなんて、普通の魔法じゃない?」
この小屋には俺の【固有魔法:付与】が施されている。
そのおかげか、外部からの魔法攻撃を遮断できる。
安全安心を確保しているのだが、扉を開けていることもあり、無害判定も加わってか、魔法が貫通していた。
「マジで追って来たってこと?」
(暇なのか、それともメンヘラストーカーなのか、怖い。マジで怖い)
俺は恐れてしまった。
全身が身震いすると共に、小屋の外から何かを引き摺る音が聞こえる。
ズサァーズサァー!
俺とラウリィは扉越しに森の中を覗き込む。
浮かび上がる背の高い影。
人影のようだな、何かを片手で引き寄せていた。
向かう先はこの小屋。
敵意は無さそうだが、一仕事を終えた雰囲気を合わ持つ。
「だ、誰ですかね?」
「あれは……やっぱり」
「やっぱり? と言うことは、ヒジリさんのお知り合いですか?」
「知り合いっていうか、なんというか、ねー」
俺はその人物を知っていた。
性別は女性。背は俺よりも高いし、年齢も百パーセント上。
しかし若々しく、銀に揺らめく美しい髪と、青い聡明な瞳を併せ持つ女性は、動きやすいとは言え改造したメイド服に身を包み、スッとした表情で小屋へと近づいて来ていた。
俺は首をブンブン振り回した。
と言うのも、今聞こえた声、それから気配、両方が合致する人物を俺は知っている。
しかし、その人に俺がここに居る事を伝えてはいない。
何故なら伝えたら面倒なことになると思ったからだ。
だから今聞こえてきた声はきっと何かの気のせい。
他人の空似という奴で、俺は思い込むことにして小屋に戻る。
「気のせい、気のせい、きーっと、気のせい!」
俺は小屋へと戻ると、怯えた様子のラウリィが居た。
投げナイフの音と、男性の悲鳴、ノイズ混じりの女性声に、不気味さを感じざるを得なかった。
「ひ、ヒジリさん! 今の今までの音って、なんですか!」
ラウリィは机の下に隠れてガクガク震えていた。
しかしその手には剣が握られている。
身を守る用意はできており、ラウリィなりの力強さがある。
「さあ、なんだろうね?」
「と、とぼけないでください」
「まあまあ、いざとなったら俺が前に出るから。全員切れば、証拠隠滅」
「物騒なことは言わないでくださいよ。それに、私だってヒジリさんの従者なんです。私だって前に出ますよ!」
頼もしいのか臆病なのか、いまいちピンとは来なかった。
しかしラウリィは優しい。自分のことだけじゃなくて、俺のことをしっかりと見ている。
それが嬉しくて笑みを浮かべると、ラウリィに手を差し伸べる。
「ラウリィ、大丈夫。ほら、机の下から出てきて」
「ううっ、はい」
まるで小動物をあやすみたいだった。
俺は何してるんだろうと、変な気分になってしまう。
しかしラウリィの伸ばした指先に触れると、そんな気持ちもどうでも良くなるくらい、フワフワした気持ちにさせられた。
『ヒジリ様、彼女は何者でしょうか?』
不意にノイズ混じりの女性の声が聞こえる。
俺の名前を入れながら、ラウリィのことを咎める。
嫌な感触がすると、俺とラウリィは、互いに警戒する。
「ひいっ、ヒジリさん!」
「聞こえたよ。うーん、この小屋の中にまで魔法の影響があるなんて、普通の魔法じゃない?」
この小屋には俺の【固有魔法:付与】が施されている。
そのおかげか、外部からの魔法攻撃を遮断できる。
安全安心を確保しているのだが、扉を開けていることもあり、無害判定も加わってか、魔法が貫通していた。
「マジで追って来たってこと?」
(暇なのか、それともメンヘラストーカーなのか、怖い。マジで怖い)
俺は恐れてしまった。
全身が身震いすると共に、小屋の外から何かを引き摺る音が聞こえる。
ズサァーズサァー!
俺とラウリィは扉越しに森の中を覗き込む。
浮かび上がる背の高い影。
人影のようだな、何かを片手で引き寄せていた。
向かう先はこの小屋。
敵意は無さそうだが、一仕事を終えた雰囲気を合わ持つ。
「だ、誰ですかね?」
「あれは……やっぱり」
「やっぱり? と言うことは、ヒジリさんのお知り合いですか?」
「知り合いっていうか、なんというか、ねー」
俺はその人物を知っていた。
性別は女性。背は俺よりも高いし、年齢も百パーセント上。
しかし若々しく、銀に揺らめく美しい髪と、青い聡明な瞳を併せ持つ女性は、動きやすいとは言え改造したメイド服に身を包み、スッとした表情で小屋へと近づいて来ていた。
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