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6話 〔少女を狙う盗賊を倒せ〕だってさ
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俺は頭の中でそれなりの体を保った。
何も無く盗賊を倒してしまうのは少しだけ忍びないからだ。
けれどその余裕はここには無い。
むしろあるのは殺伐とした空気で、PvPを思わせる。
それ程までにヒリつくものがあり、俺にも盗賊達にも油断も隙も無かった。
「隠れてないで出てきたらいいよ。俺は逃げたりしないから」
俺は森の中で様子を窺っている盗賊達に声を掛けた。
剣を天にかざして隙を敢えて作るも、遠距離武器を使ってくる気配はない。
如何やら魔法使いも居なければ、盗賊なのに弓もボウガンも居ない様子だ。
(マジか。ってことは全員近距離武器? おまけに柄は見えないから、長物じゃない……剣とナイフか?)
俺は頭の中で想像力を膨らませ、盗賊達の姿形をイメージした。
恐らく全員当たっている。
けれど万が一に備えていると、森の中から痺れを切らした盗賊達が姿を現した。
「チッ、ガキが舐めてんのか?」
「まあまあ、よしとけよ。どうせ殺すんだ。捨て台詞くらい吐かせてやりな」
「流石は兄貴! それにしてもよかったんですか? 捕まえた奴ら、見張りも付けずに」
「ハッ、縄で縛りあげているんだ。おまけに脚の腱も切ってある。逃げられるわけねぇよ」
「そうでしたね兄貴。んじゃお前ら、いっちょやったるぞ!」
「「ふんがぁ!!」」
森の中から雑音を響かせて現れたのは、これこそTHE盗賊達だった。
しかも全員剣とナイフを装備していて、魔法を使う気も無ければ、暗具を容易さえしていない。
あまりにも杜撰。流石にReaRising Magicでもそんなバカは初心者だけだった。
(よ、弱そう……いやいや、久々の対人戦だ。しかも下手したらマジで死ぬ。さてと、子供の体で何処までやれるか……不安だ)
俺は少しだけ臆してしまった。
その瞬間、俺の崩した姿勢がへっぴり腰に出も見えたらしい。
盗賊達はゲラゲラ笑い声を上げると、俺を指指して挑発した。
「がははははっ! おいおい、あいつ怖気づいてるぞ」
「マジで弱そうだな」
「あはは……弱そうだって。そうだよね、流石にこれだけ隙を作っておいて、魔法も使わないなんて、そりゃ雑魚判定されてもおかしく無いよな」
俺は笑って誤魔化した。
この世界は魔法が主流だ。ReaRising Magicと構造は似ていて、ファンタジー色が強いだけ。
だからこそ、遠距離同士で魔法を使わないとなれば、お互いに遠距離で戦える魔法が無いのだ。
「雑魚だってよ。自分で雑魚って言ったぞ。やっぱあいつ弱いぜ」
「ふん、そうだな。んじゃ、とっとと殺しちまうか!」
「「ふんがぁ!!」」
ボス格の盗賊以外は、全員ケタケタゲラゲラ笑っている。
正直舐められたものだった。
俺は気に入らないと心で騒ぎ立てると、少女に一言だけ呟いた。
「少しだけ離れるけど、一分だけ身を守れる?」
「えっ?」
「ちょっと行って来るよ。【固有魔法:付与強化(体)】」
俺は魔法名を唱えた。
すると体内から魔力が溢れ出すと、俺自身の体を魔法でコーティングする。
その足で地面を蹴り上げると、一瞬にして盗賊の前に姿を現した。
「はっ、なんだお前!?」
「とりあえず寝てて」
俺は実剣の切れない面を壊す勢いで、偉そうな盗賊の蟀谷に叩き付けた。
すると軽い脳震盪を起こし、微かに血を流して倒れ込む。
横たわる姿で草原の上に崩れると、隣に居た小物感の強い盗賊の腹目掛けて剣を突き出した。
「死んでくれるなよ」
「げっ、今度は俺かよ、あああああああああああああああっ!!」
小物感の強い盗賊は絶叫を上げた。
腹部に実剣が突き刺されると、あまりの痛みに苦しみあぐねた。
けれど俺はそこまで突き刺していない。微かに当てる程度にもかかわらず、刺されたと勘違いして勝手に倒れてしまった。
「あれ? 俺、刺してないんだけど……いや、刺したんだけどさ」
俺は蟀谷辺りを指で掻いた。
流石にここまであっさりやられてしまうとは思わなかったのだ。
油断を見せてしまうと、俺の背中を狙って大柄の盗賊兄弟が丈に合っていない剣を叩き付けようとする。
「「ふんがらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「うるさい、今考え事してるから」
俺は剣を蹴り一本で破壊してしまった。
左足を軸にした右回し蹴りをぶちかますと、大柄な盗賊兄弟が持っていた、安くて手入れもされていない剣はボロボロになって破壊されてしまった。
「ふんがらぁ!?」
「ふんがらららぁ!?」
「なに言ってるか分かんないから。とりあえず黙って欲しいな」
俺は動揺していた大柄な盗賊兄弟の頭に剣を叩き付ける。
これも脳震盪を起こして倒してしまうと、盗賊達五人の内、早くも四人を撃破した。
「さてと、後は貴方だけだけど、どうする?」
「ふん、なかなかやるな。むやみな攻めは首を絞めるだけか」
「そうだな。で、どうする?」
「どうもしない。俺はお前を殺して、あのガキを取っ捕まえるだけだ」
そう言うと、ボス格の盗賊は懐に忍ばせていたナイフを俺に突き付ける。
リーチの差は明らかだが、油断できない構えを取った。
俺もそれに興じて姿勢を落とすと、ボス格の盗賊はニヤリと笑みを浮かべるのだった。
何も無く盗賊を倒してしまうのは少しだけ忍びないからだ。
けれどその余裕はここには無い。
むしろあるのは殺伐とした空気で、PvPを思わせる。
それ程までにヒリつくものがあり、俺にも盗賊達にも油断も隙も無かった。
「隠れてないで出てきたらいいよ。俺は逃げたりしないから」
俺は森の中で様子を窺っている盗賊達に声を掛けた。
剣を天にかざして隙を敢えて作るも、遠距離武器を使ってくる気配はない。
如何やら魔法使いも居なければ、盗賊なのに弓もボウガンも居ない様子だ。
(マジか。ってことは全員近距離武器? おまけに柄は見えないから、長物じゃない……剣とナイフか?)
俺は頭の中で想像力を膨らませ、盗賊達の姿形をイメージした。
恐らく全員当たっている。
けれど万が一に備えていると、森の中から痺れを切らした盗賊達が姿を現した。
「チッ、ガキが舐めてんのか?」
「まあまあ、よしとけよ。どうせ殺すんだ。捨て台詞くらい吐かせてやりな」
「流石は兄貴! それにしてもよかったんですか? 捕まえた奴ら、見張りも付けずに」
「ハッ、縄で縛りあげているんだ。おまけに脚の腱も切ってある。逃げられるわけねぇよ」
「そうでしたね兄貴。んじゃお前ら、いっちょやったるぞ!」
「「ふんがぁ!!」」
森の中から雑音を響かせて現れたのは、これこそTHE盗賊達だった。
しかも全員剣とナイフを装備していて、魔法を使う気も無ければ、暗具を容易さえしていない。
あまりにも杜撰。流石にReaRising Magicでもそんなバカは初心者だけだった。
(よ、弱そう……いやいや、久々の対人戦だ。しかも下手したらマジで死ぬ。さてと、子供の体で何処までやれるか……不安だ)
俺は少しだけ臆してしまった。
その瞬間、俺の崩した姿勢がへっぴり腰に出も見えたらしい。
盗賊達はゲラゲラ笑い声を上げると、俺を指指して挑発した。
「がははははっ! おいおい、あいつ怖気づいてるぞ」
「マジで弱そうだな」
「あはは……弱そうだって。そうだよね、流石にこれだけ隙を作っておいて、魔法も使わないなんて、そりゃ雑魚判定されてもおかしく無いよな」
俺は笑って誤魔化した。
この世界は魔法が主流だ。ReaRising Magicと構造は似ていて、ファンタジー色が強いだけ。
だからこそ、遠距離同士で魔法を使わないとなれば、お互いに遠距離で戦える魔法が無いのだ。
「雑魚だってよ。自分で雑魚って言ったぞ。やっぱあいつ弱いぜ」
「ふん、そうだな。んじゃ、とっとと殺しちまうか!」
「「ふんがぁ!!」」
ボス格の盗賊以外は、全員ケタケタゲラゲラ笑っている。
正直舐められたものだった。
俺は気に入らないと心で騒ぎ立てると、少女に一言だけ呟いた。
「少しだけ離れるけど、一分だけ身を守れる?」
「えっ?」
「ちょっと行って来るよ。【固有魔法:付与強化(体)】」
俺は魔法名を唱えた。
すると体内から魔力が溢れ出すと、俺自身の体を魔法でコーティングする。
その足で地面を蹴り上げると、一瞬にして盗賊の前に姿を現した。
「はっ、なんだお前!?」
「とりあえず寝てて」
俺は実剣の切れない面を壊す勢いで、偉そうな盗賊の蟀谷に叩き付けた。
すると軽い脳震盪を起こし、微かに血を流して倒れ込む。
横たわる姿で草原の上に崩れると、隣に居た小物感の強い盗賊の腹目掛けて剣を突き出した。
「死んでくれるなよ」
「げっ、今度は俺かよ、あああああああああああああああっ!!」
小物感の強い盗賊は絶叫を上げた。
腹部に実剣が突き刺されると、あまりの痛みに苦しみあぐねた。
けれど俺はそこまで突き刺していない。微かに当てる程度にもかかわらず、刺されたと勘違いして勝手に倒れてしまった。
「あれ? 俺、刺してないんだけど……いや、刺したんだけどさ」
俺は蟀谷辺りを指で掻いた。
流石にここまであっさりやられてしまうとは思わなかったのだ。
油断を見せてしまうと、俺の背中を狙って大柄の盗賊兄弟が丈に合っていない剣を叩き付けようとする。
「「ふんがらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「うるさい、今考え事してるから」
俺は剣を蹴り一本で破壊してしまった。
左足を軸にした右回し蹴りをぶちかますと、大柄な盗賊兄弟が持っていた、安くて手入れもされていない剣はボロボロになって破壊されてしまった。
「ふんがらぁ!?」
「ふんがらららぁ!?」
「なに言ってるか分かんないから。とりあえず黙って欲しいな」
俺は動揺していた大柄な盗賊兄弟の頭に剣を叩き付ける。
これも脳震盪を起こして倒してしまうと、盗賊達五人の内、早くも四人を撃破した。
「さてと、後は貴方だけだけど、どうする?」
「ふん、なかなかやるな。むやみな攻めは首を絞めるだけか」
「そうだな。で、どうする?」
「どうもしない。俺はお前を殺して、あのガキを取っ捕まえるだけだ」
そう言うと、ボス格の盗賊は懐に忍ばせていたナイフを俺に突き付ける。
リーチの差は明らかだが、油断できない構えを取った。
俺もそれに興じて姿勢を落とすと、ボス格の盗賊はニヤリと笑みを浮かべるのだった。
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