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◇527 聖レッドローズ騎士団幹部
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アキラたちはブローズに付いて行く。
如何やらギルドメンバーは上の階に居るらしい。
だけど二つも変なことがあった。
その一つ目は単純で、如何してギルドメンバーを紹介してくれるのかだ。
「ねぇ、ブローズ」
「なによ?」
「どうしてギルドメンバーを紹介してくれるの?」
「ふん、そんなの決まっているでしょ。私たちが……」
「最強だと豪語しているからだろ。聖レッドローズ騎士団のギルマスは強いが驕りが酷い。だから煽られやすいって噂だぞ」
Nightは爆弾発言した上で、ブローズのことをおちょくる。
ブローズの言葉を奪っただけではなく、煽ってしまい、ブローズは眉間に怒りの皺を寄せる。
「ふん、私は貴女のことは知らないわ」
「そうだろうな。私は自分の影を殺す」
「足跡を残さないってことだよね。じゃないとNightのこと、もっとたくさんの人が知ってる筈だもん」
「黙れ。私は目立つのは嫌いなんだ」
「嫌いならここに来ていない気もしますが……仲間想いですよね、Nightさんは」
「黙れ」
Nightはブローズに悪口を言われた。
堂々と言う辺り、ブローズは凄い人だ。
だけどNightには一切響いておらず、ましてやそれに乗っかる始末。
だからだろうか。Nightのことをアキラと雷斬は優しく支えた。
「愛されてるのね」
「ブローズもじゃないの?」
「私の場合は……じゃないわよ! どうしてそんなことまで言わないとダメなの? バカでしょ」
「そんなに罵倒しなくても……」
「そうですよ、姉さん!」
「うっ!?」
ブローズに何故か罵倒をされてしまった。
アキラたちは別に傷付かなかったけれど、流石に言葉の棘が強かった。
そのせいだろうか。一つ上の階に来た瞬間、ブローズは声を掛けられ、同時にビクついていた。
「ブローズ?」
「姉さん、何処に行ってたんですか? それに他のプレイヤーさんを罵倒するのは、あまりよろしくないですよ」
「うっ、ブルーズ」
ブローズは固まってしまった。
委縮してしまい、肩が震えている。
一体どんな相手なのか、そう思って肩越しから先を見ると、そこに居たのはブローズとうり二つの顔立ち。だけどブローズよりも十センチ以上背の高い女性だった。
「えっと、誰?」
「後、さっき姉さんって」
「はい、私はここにいるブローズこと、ブレイズローズの実の妹で、聖レッドローズ騎士団サブマスのブルーローズと申します。以後、お見知りおきを」
疑問に対して、本人が直接答えてくれた。
しかし簡潔な自己紹介を聞いた瞬間、頭の中で試行していたものが全て弾ける。
同時にあたふたし始めると、ブローズに確認を取った。
「ブローズ、今の話本当なの!?」
「ええ」
「えっ、本当なの?」
「そうよ、そう言ってるでしょ!」
「姉さん」
「ああ、もう、妹にだけは会わせたくなかったわ!」
ブローズは頭を抱えて嘆いてしまった。
しかしもう既に遅い。
ブローズの妹、ブルーローズに全てを聞いてしまい、当の本人だけが肩を落として項垂れていた。
「ブローズ……」
「慰めは要らないわよ。はぁ、全く、ってなわけで、この子が私の妹、ブルーローズ。略してブルーズよ」
ブローズは妹のことを略す。
しかしプレイヤーネームはブルーローズだ。
本人は略されたことをよしと思っているが、流石に初対面だと慣れ慣れしいので、一度正式に呼ぶ。
「ブルーローズ。ブローズはいつもこうなの?」
「はい。姉さんはいつも敵を作ってしまうので」
「ちょっとブルーズ! 余計なこと言わないでよ」
ブローズはブルーローズに告げ口をされた。
ムキになってしまい、顔を真っ赤にする半面、そんな姉を支えていることに、満足げな表情をブルーローズは浮かべていた。
「それより姉さん、皆さん揃っていますよ?」
「揃ってるって言っても、何人かでしょ?」
「三人です」
「三人!? まあ、平日だからよね。仕方ないわ」
如何やら聖レッドローズ騎士団の幹部は集まっていないらしい。
ブローズは仕方ないとばかりに諦めると、アキラたちに視線を移す。
「ってことで、今の私達の最大戦力よ」
「いや、最大戦力って……」
「少ないだろ」
「うっ! それを言わないでよ」
ブローズは気にしていたらしい。
そこまで大したことでも無いのだが、人数の多さと質の高さが売りだった筈なのに、それが一切機能していない。
「とにかく、みんなは何処にいるの?」
「屋上です」
「「屋上に行けるの?」」
「はい。皆さんも是非」
ブルーローズは手招きをする。
しかしブローズはアキラたち継ぎ接ぎの絆とは敵同士なので、それを拒否。
ブルーローズの手を軽く払った。
「なにやってるのよ、ブルーズ!」
「姉さん、どうしてそこまで邪険にするのです?」
「それはこの子たちが継ぎ接ぎの絆だからよ」
「継ぎ接ぎの絆? ああ」
ブローズは今更ながらにアキラたちの正体を明かす。
それを受けてか、ブルーローズは理解を示す。
これはマズい。ここで敵対意識を向けられる。そう思った瞬間、アキラたちは身構えるが、ブルーローズにそんな仕草は無い。
「分かった? これで分かったでしょ? この子たちは私たちのライバルで……」
「では行きましょうか」
「ちょっと、ブルーズ! 話聞いてたの?」
ブローズはブルーローズの反射的な対応に抗議を入れる。
この流れは流石に敵になると、ブローズは期待していた。
しかしギャグみたいにブルーローズは突っぱねると、アキラたちの先導になる。
「姉さん、例え敵だとしても繋がりは大事ですよ」
「うっ! それは言わないでよ」
「理解ができているのでしたら、私はなにも言いませんよ。少なくとも、今は敵ではありませんので、一緒に向かいましょうか」
「ううっ、どうして、いつもこうなの?」
何だか不憫な姉に見えてしまった。
アキラたちはブローズのことを蔑む目で見てしまうと、ブローズは更にムキになる。
耳の先まで真っ赤になると、何だか可愛く見えてしまった。
如何やらギルドメンバーは上の階に居るらしい。
だけど二つも変なことがあった。
その一つ目は単純で、如何してギルドメンバーを紹介してくれるのかだ。
「ねぇ、ブローズ」
「なによ?」
「どうしてギルドメンバーを紹介してくれるの?」
「ふん、そんなの決まっているでしょ。私たちが……」
「最強だと豪語しているからだろ。聖レッドローズ騎士団のギルマスは強いが驕りが酷い。だから煽られやすいって噂だぞ」
Nightは爆弾発言した上で、ブローズのことをおちょくる。
ブローズの言葉を奪っただけではなく、煽ってしまい、ブローズは眉間に怒りの皺を寄せる。
「ふん、私は貴女のことは知らないわ」
「そうだろうな。私は自分の影を殺す」
「足跡を残さないってことだよね。じゃないとNightのこと、もっとたくさんの人が知ってる筈だもん」
「黙れ。私は目立つのは嫌いなんだ」
「嫌いならここに来ていない気もしますが……仲間想いですよね、Nightさんは」
「黙れ」
Nightはブローズに悪口を言われた。
堂々と言う辺り、ブローズは凄い人だ。
だけどNightには一切響いておらず、ましてやそれに乗っかる始末。
だからだろうか。Nightのことをアキラと雷斬は優しく支えた。
「愛されてるのね」
「ブローズもじゃないの?」
「私の場合は……じゃないわよ! どうしてそんなことまで言わないとダメなの? バカでしょ」
「そんなに罵倒しなくても……」
「そうですよ、姉さん!」
「うっ!?」
ブローズに何故か罵倒をされてしまった。
アキラたちは別に傷付かなかったけれど、流石に言葉の棘が強かった。
そのせいだろうか。一つ上の階に来た瞬間、ブローズは声を掛けられ、同時にビクついていた。
「ブローズ?」
「姉さん、何処に行ってたんですか? それに他のプレイヤーさんを罵倒するのは、あまりよろしくないですよ」
「うっ、ブルーズ」
ブローズは固まってしまった。
委縮してしまい、肩が震えている。
一体どんな相手なのか、そう思って肩越しから先を見ると、そこに居たのはブローズとうり二つの顔立ち。だけどブローズよりも十センチ以上背の高い女性だった。
「えっと、誰?」
「後、さっき姉さんって」
「はい、私はここにいるブローズこと、ブレイズローズの実の妹で、聖レッドローズ騎士団サブマスのブルーローズと申します。以後、お見知りおきを」
疑問に対して、本人が直接答えてくれた。
しかし簡潔な自己紹介を聞いた瞬間、頭の中で試行していたものが全て弾ける。
同時にあたふたし始めると、ブローズに確認を取った。
「ブローズ、今の話本当なの!?」
「ええ」
「えっ、本当なの?」
「そうよ、そう言ってるでしょ!」
「姉さん」
「ああ、もう、妹にだけは会わせたくなかったわ!」
ブローズは頭を抱えて嘆いてしまった。
しかしもう既に遅い。
ブローズの妹、ブルーローズに全てを聞いてしまい、当の本人だけが肩を落として項垂れていた。
「ブローズ……」
「慰めは要らないわよ。はぁ、全く、ってなわけで、この子が私の妹、ブルーローズ。略してブルーズよ」
ブローズは妹のことを略す。
しかしプレイヤーネームはブルーローズだ。
本人は略されたことをよしと思っているが、流石に初対面だと慣れ慣れしいので、一度正式に呼ぶ。
「ブルーローズ。ブローズはいつもこうなの?」
「はい。姉さんはいつも敵を作ってしまうので」
「ちょっとブルーズ! 余計なこと言わないでよ」
ブローズはブルーローズに告げ口をされた。
ムキになってしまい、顔を真っ赤にする半面、そんな姉を支えていることに、満足げな表情をブルーローズは浮かべていた。
「それより姉さん、皆さん揃っていますよ?」
「揃ってるって言っても、何人かでしょ?」
「三人です」
「三人!? まあ、平日だからよね。仕方ないわ」
如何やら聖レッドローズ騎士団の幹部は集まっていないらしい。
ブローズは仕方ないとばかりに諦めると、アキラたちに視線を移す。
「ってことで、今の私達の最大戦力よ」
「いや、最大戦力って……」
「少ないだろ」
「うっ! それを言わないでよ」
ブローズは気にしていたらしい。
そこまで大したことでも無いのだが、人数の多さと質の高さが売りだった筈なのに、それが一切機能していない。
「とにかく、みんなは何処にいるの?」
「屋上です」
「「屋上に行けるの?」」
「はい。皆さんも是非」
ブルーローズは手招きをする。
しかしブローズはアキラたち継ぎ接ぎの絆とは敵同士なので、それを拒否。
ブルーローズの手を軽く払った。
「なにやってるのよ、ブルーズ!」
「姉さん、どうしてそこまで邪険にするのです?」
「それはこの子たちが継ぎ接ぎの絆だからよ」
「継ぎ接ぎの絆? ああ」
ブローズは今更ながらにアキラたちの正体を明かす。
それを受けてか、ブルーローズは理解を示す。
これはマズい。ここで敵対意識を向けられる。そう思った瞬間、アキラたちは身構えるが、ブルーローズにそんな仕草は無い。
「分かった? これで分かったでしょ? この子たちは私たちのライバルで……」
「では行きましょうか」
「ちょっと、ブルーズ! 話聞いてたの?」
ブローズはブルーローズの反射的な対応に抗議を入れる。
この流れは流石に敵になると、ブローズは期待していた。
しかしギャグみたいにブルーローズは突っぱねると、アキラたちの先導になる。
「姉さん、例え敵だとしても繋がりは大事ですよ」
「うっ! それは言わないでよ」
「理解ができているのでしたら、私はなにも言いませんよ。少なくとも、今は敵ではありませんので、一緒に向かいましょうか」
「ううっ、どうして、いつもこうなの?」
何だか不憫な姉に見えてしまった。
アキラたちはブローズのことを蔑む目で見てしまうと、ブローズは更にムキになる。
耳の先まで真っ赤になると、何だか可愛く見えてしまった。
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