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◇497 半チャーハン・バトルズ
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アキラはギルドホームに戻って来た。
リビングには全員集まっていて、如何やらアキラが最後らしい。
「ごめん、遅れちゃった」
「いや、今全員が集まった所だ」
Night曰く、集まったのはここ数分の間だった。
おかげでアキラも悪くはなくなる。
桜色の椅子に座り腰を据えると、Nightは全員の顔をグルリと見回し、一呼吸置いてから話し出す。
「分かっていると思うが、今回全員を集めたのは他でもない。いよいよ今年度最後のイベントが来た」
「「「イベント!?」」」
アキラたちはワクワクした。
これまでの期間に、充分できることはした。
武器も揃え、体も動かし、様々な思考を巡らせると、アキラたちはNightがどんな情報を集めたのか気になってしまい仕方がない。
「それでどんなイベントが来たの?」
「見た方が早い」
そう言うと、Nightはキーボードを打った。
カタカタと音を立てて打ち込み、空中にディスプレイを表示する。
そこに映し出されたものを確認し、継ぎ接ぎの絆、全員の前に映した。
「えーっと、CUの公式ホームページだよね?」
「そうだ。ここを見るのが一番早い。それで、注目して欲しいのはここだな」
Nightはマウスをスクロールして、表示したい箇所を拡大する。
そこには今回開催される予定のイベントがある程度情報として開示されていた。
如何やらツッコミどころが多々あるらしく、パッと見だけで首を捻った。
「なに、このタイトル」
「あはは、変なのー」
「変なのというよりも適当よね?」
あまりにも弁解の余地が無かった。
今回のイベントタイトル、名付けて〔半チャーハン・バトルズ〕。
情報が一切なく、とりあえずバトルすることだけは理解できる。
「バトルズ、と言うことは戦闘が多いのでしょうか?」
「恐らくそうだな。とは言え、問題はどんなバトルかだ」
Nightは冷静に分析を始める。
半チャーハンと言う単語には一切興味を抱かない。
マウスをスクロールして、分析の結果、この部分だと察したイベント内容を紐解いてみる。
「あっ、三つも戦うの?」
「そう言うことだ。今回のイベントは、三つの戦闘がある」
「三つの戦闘……フェーズと言うことですね」
「お前が言うと何だか噛み砕き難いが、今回のイベントは完全に戦闘がメインになる。つまるところ、今まで私達がやって来たことは意味があった訳だ」
Nightの言うことを、全員が「確かに」と頷く。
ここまでの数日から数週間は、常に戦闘を繰り広げて来た。
おかげだろうか。アキラたちはかなり調子が良く、「望むところだよー」とフェルノは言い出す始末だった。
「それでNight、どうして半チャーハンなの?」
「……アキラ、お前はまずそこが気になるのか?」
「うん」
「イベントの内容じゃないのか?」
「そこも気になるけど……ねぇ、みんな」
アキラは仲間にも同意を促した。
するとNightを除いた継ぎ接ぎの絆の面々は、コクコクと首を縦に振る。
「お前ら……」
「でも半チャーハンって不思議ですよね。どうして半チャーハンなんでしょうか?」
「そうだよね。Nightは心当たりあるの?」
「ある訳がないだろ」
Nightはキッパリ突き跳ねた。
いつも情報を集めてくれるNightにもまるで分からないらしい。
そのせいか、この話題には首を突っ込んで欲しくなかったのだ。
答えを得ることができず、アキラたちは腰を椅子に据え直した。
「そっか。分からないんだ」
「私にも分からないことはある。それよりも、今回のイベントは、ある規則性を持ったイベントになる」
「「「ある規則性?」」」
Nightはマウススクロールをすると、日程の欄を拡大する。
そこには今回のイベントの規則性を持った日程が表示されている。
「あ、あれ? 一日置きで開いてるよ!」
「そうですね。今回のイベントは、一日置きに異なる……ん?」
「気が付いたか。つまり今回のイベントはそう言うことだ」
雷斬が声を上げて気が付いた。
口元を覆い、信じがたい事実に気が付く。
今回のイベントでは三つの異なる戦闘が待っている。
しかしその時間帯もまちまちで、何故か一日を三分の一に分けていた。
「あれ? イベントの時間、一回一回が短いねー」
「おまけに一日の内に参加できるイベントの時間も限りが……」
「まるで計ったみたいだけど……もしかして!」
「気が付いたな。そうだ、今回のイベントは多くのプレイヤーが参加する。そのせいもあり、難易度調整も中間くらいだろうが、そこでどれだけポイントが稼げるのか。それが私たちが事前にできる最大の準備だ」
時間の調整。プレイヤーの人数。
様々な情報が錯綜する中、Nightの話は待たずに続いた。
けれどもその一つ一つが噛み砕けば分かりやすい。
要するにイベントを楽しみこと。
今までやって来たことは無駄ではないこと。
アキラは内心のワクワクがより一層昂ると、席を立ってしまった。
「面白そうだね。特に三日目」
「そうだな。三日目は正念場になる」
「みんなで勝とうね。絶対」
「当り前だ。負ける気など更々ない」
全員の意見を代弁するかのように、Nightはニヤリと口角を上げる。
笑みを零しながら表情で伝えると、闘志が剥き出しになっていた。
イベントまではまだ数日ある。
それまでにできる準備は怠らないと決意すると、継ぎ接ぎの絆は半チャーハン・バトルズの意味が分からないまま過ごすのだった。
リビングには全員集まっていて、如何やらアキラが最後らしい。
「ごめん、遅れちゃった」
「いや、今全員が集まった所だ」
Night曰く、集まったのはここ数分の間だった。
おかげでアキラも悪くはなくなる。
桜色の椅子に座り腰を据えると、Nightは全員の顔をグルリと見回し、一呼吸置いてから話し出す。
「分かっていると思うが、今回全員を集めたのは他でもない。いよいよ今年度最後のイベントが来た」
「「「イベント!?」」」
アキラたちはワクワクした。
これまでの期間に、充分できることはした。
武器も揃え、体も動かし、様々な思考を巡らせると、アキラたちはNightがどんな情報を集めたのか気になってしまい仕方がない。
「それでどんなイベントが来たの?」
「見た方が早い」
そう言うと、Nightはキーボードを打った。
カタカタと音を立てて打ち込み、空中にディスプレイを表示する。
そこに映し出されたものを確認し、継ぎ接ぎの絆、全員の前に映した。
「えーっと、CUの公式ホームページだよね?」
「そうだ。ここを見るのが一番早い。それで、注目して欲しいのはここだな」
Nightはマウスをスクロールして、表示したい箇所を拡大する。
そこには今回開催される予定のイベントがある程度情報として開示されていた。
如何やらツッコミどころが多々あるらしく、パッと見だけで首を捻った。
「なに、このタイトル」
「あはは、変なのー」
「変なのというよりも適当よね?」
あまりにも弁解の余地が無かった。
今回のイベントタイトル、名付けて〔半チャーハン・バトルズ〕。
情報が一切なく、とりあえずバトルすることだけは理解できる。
「バトルズ、と言うことは戦闘が多いのでしょうか?」
「恐らくそうだな。とは言え、問題はどんなバトルかだ」
Nightは冷静に分析を始める。
半チャーハンと言う単語には一切興味を抱かない。
マウスをスクロールして、分析の結果、この部分だと察したイベント内容を紐解いてみる。
「あっ、三つも戦うの?」
「そう言うことだ。今回のイベントは、三つの戦闘がある」
「三つの戦闘……フェーズと言うことですね」
「お前が言うと何だか噛み砕き難いが、今回のイベントは完全に戦闘がメインになる。つまるところ、今まで私達がやって来たことは意味があった訳だ」
Nightの言うことを、全員が「確かに」と頷く。
ここまでの数日から数週間は、常に戦闘を繰り広げて来た。
おかげだろうか。アキラたちはかなり調子が良く、「望むところだよー」とフェルノは言い出す始末だった。
「それでNight、どうして半チャーハンなの?」
「……アキラ、お前はまずそこが気になるのか?」
「うん」
「イベントの内容じゃないのか?」
「そこも気になるけど……ねぇ、みんな」
アキラは仲間にも同意を促した。
するとNightを除いた継ぎ接ぎの絆の面々は、コクコクと首を縦に振る。
「お前ら……」
「でも半チャーハンって不思議ですよね。どうして半チャーハンなんでしょうか?」
「そうだよね。Nightは心当たりあるの?」
「ある訳がないだろ」
Nightはキッパリ突き跳ねた。
いつも情報を集めてくれるNightにもまるで分からないらしい。
そのせいか、この話題には首を突っ込んで欲しくなかったのだ。
答えを得ることができず、アキラたちは腰を椅子に据え直した。
「そっか。分からないんだ」
「私にも分からないことはある。それよりも、今回のイベントは、ある規則性を持ったイベントになる」
「「「ある規則性?」」」
Nightはマウススクロールをすると、日程の欄を拡大する。
そこには今回のイベントの規則性を持った日程が表示されている。
「あ、あれ? 一日置きで開いてるよ!」
「そうですね。今回のイベントは、一日置きに異なる……ん?」
「気が付いたか。つまり今回のイベントはそう言うことだ」
雷斬が声を上げて気が付いた。
口元を覆い、信じがたい事実に気が付く。
今回のイベントでは三つの異なる戦闘が待っている。
しかしその時間帯もまちまちで、何故か一日を三分の一に分けていた。
「あれ? イベントの時間、一回一回が短いねー」
「おまけに一日の内に参加できるイベントの時間も限りが……」
「まるで計ったみたいだけど……もしかして!」
「気が付いたな。そうだ、今回のイベントは多くのプレイヤーが参加する。そのせいもあり、難易度調整も中間くらいだろうが、そこでどれだけポイントが稼げるのか。それが私たちが事前にできる最大の準備だ」
時間の調整。プレイヤーの人数。
様々な情報が錯綜する中、Nightの話は待たずに続いた。
けれどもその一つ一つが噛み砕けば分かりやすい。
要するにイベントを楽しみこと。
今までやって来たことは無駄ではないこと。
アキラは内心のワクワクがより一層昂ると、席を立ってしまった。
「面白そうだね。特に三日目」
「そうだな。三日目は正念場になる」
「みんなで勝とうね。絶対」
「当り前だ。負ける気など更々ない」
全員の意見を代弁するかのように、Nightはニヤリと口角を上げる。
笑みを零しながら表情で伝えると、闘志が剥き出しになっていた。
イベントまではまだ数日ある。
それまでにできる準備は怠らないと決意すると、継ぎ接ぎの絆は半チャーハン・バトルズの意味が分からないまま過ごすのだった。
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