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◇496 ザクロ剣の実力
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真っ暗な部屋の中、パソコンのディスプレイだけが眩しく光っていた。
椅子に背中を預け、マウスをクリックする蒼伊は、今日もネットの海を泳いでいた。
様々な情報が日夜透過される情報社会。
そこから選び取る情報が正しいのかどうか、それは誰にも分からないのだが、蒼伊は欲しい情報を見つける能力が人一倍高かった。
「そろそろ出ているはずだが……」
そんな中、蒼伊は今日もCUの情報を洗っていた。
何か面白イベントや掲示板は無いだろうか。
短時間の間に調べを尽くすと、蒼伊は気になるリンクを見つける。
「公式ホームページが更新されている。と言うことは!」
蒼伊はこの日を待っていた。
意気揚々とイベント情報が公開されたと思い、公式ホームページをクリックする。
深夜帯のおかげか、ネット環境が少し軽い。
おかげですぐさま公式ホームページと公式SNSを閲覧することができ、マウスをスクロールして、イベント情報を確認する。
「思った通りだな。ん?」
案の定、イベント情報が更新されていた。
しかし蒼伊は眉根を寄せ、表情を訝しめる。
これは如何いうことなのか。確かに面白いことは書いてあるが、時間の配分が難しそうで仕方がない。
「こんなこともしてくるのか。流石はエルエスタコーポレーションだな」
蒼伊は口元を覆って達観する。
今回のイベントはオンラインゲームではなかなか厳しいもの。
それを上手く調整していて、拍手を自然と送りたくなる仕様だった。
「とは言え、難しそうだな」
蒼伊は今回のイベントはかなり難しいことを悟る。
いち早くギルドで共有した方が良いだろう。
そう思うと、蒼伊は得られた情報をまとめると、自分なりの解釈も交えてメモを取ることにした。
「それっ、そやっ、はっ!」
アキラは一人草原に来ていた。
この間、ちょっとしたミスで依頼を失敗してしまった草原だ。
そこにはもう、寒天スライムの残骸も残っていない。
代わりに点々とスライム達が生息していて、静かだけど賑やかで面白い。
「一回退いてから……そらぁ!」
アキラは片足を引くと、前傾姿勢になって剣を突き出す。
ギラギラとザクロ色をした剣が鋭く、空を切る。
切っ先に衝撃が伝わると、力強い一撃を放てる。
特に特別な効果が付与されているわけではないだろうけど、アキラはこの剣がしっくりと来ていた。
「うんうん。この剣は良い。扱いやすいし、重くも無いし、おまけに威力も……」
アキラは近くを徘徊していたスライムを見つける。
これは丁度良い的だと思い、ニコリ笑みを浮かべる。
【キメラハント】:【月跳】を発動させると、脚を白いモフモフの毛で覆い尽くすと、そのまま地面を蹴り上げて高く跳び上がった。
「せーのっ!」
アキラはザクロ剣を突き出すと、スライムの頭上を取った。
スライムはクルンとした目で上を見上げると、体を震わせる。
怯えるのも無理はない。アキラが頭上から迫りより、身動き一つ取る前に脳天を突き破った。
「プギュゥ!」
スライムは悲鳴を上げると、HPが一瞬でゼロになる。
この武器の攻撃力自体はそこまで高くはない。
けれど耐久値が高く、アキラの動きをしっかりと剣身に伝えてくれる。
とても心地よく使える剣だった。
「スライム、ごめんね」
正直、経験値は全然美味しくない。
レベルアップには程遠く、スライム相手となると、ザクロ剣の真の実力も推し量れない。
とは言え、アキラは良い笑みを浮かべると、今一度ザクロ剣を突き付けた。
「もしかして、これなら……」
アキラは少し試してみたいことがあった。
何も無い空に向かって、ザクロ剣を叩き込む。
利き足を軸にすると、思いっきり貫くと、右腕に衝撃が伝わる。
ズキン、ズキン!
たったの一振りで腕に二回分のダメージ。
腕に加わる衝撃が痛く、通常の倍のダメージを与えたらしい。
久々に発動したスキル。狙って使うのは難しいのだが、【二連撃】が繰り出せた。
「これなら今まで以上に戦えるかも。やっぱり武器を使うと、幅が広がって楽しい」
アキラは今までの剣では耐久面でできなかったことをできて、とても嬉しかった。
おまけに技術面でも成長できた気がする。
心地よい胸の高鳴りを感じると、ザクロ剣を鞘に納めた。
「練習はこのくらいでいいかな? うーん、私がこの剣を使いこなせていれば、寒天スライムも……ううん、気にしない気にしない。終わったことは終わったことだもんね。よし、帰ろ……ん?」
アキラはギルドホームに戻ろうとした。
するとメッセージが丁度良いタイミングで届くと、そこにはNightの名前がある。
如何やら呼び出しらしい。
「Nightから? えーっと、[全員ギルドホームに集合]か。一言ってことは、そんなに大事じゃないのかな?」
アキラはギルドホームに戻る予定なので特に気にしなかった。
気負うことも無く、アキラは満足感を抱えたまま草原を後にする。
せっかく得られた剣捌きを早く見せたい。そんな気持ちを抱えると、アキラはNightが恐らく待っているであろう、ギルドホームに戻るのだった。
椅子に背中を預け、マウスをクリックする蒼伊は、今日もネットの海を泳いでいた。
様々な情報が日夜透過される情報社会。
そこから選び取る情報が正しいのかどうか、それは誰にも分からないのだが、蒼伊は欲しい情報を見つける能力が人一倍高かった。
「そろそろ出ているはずだが……」
そんな中、蒼伊は今日もCUの情報を洗っていた。
何か面白イベントや掲示板は無いだろうか。
短時間の間に調べを尽くすと、蒼伊は気になるリンクを見つける。
「公式ホームページが更新されている。と言うことは!」
蒼伊はこの日を待っていた。
意気揚々とイベント情報が公開されたと思い、公式ホームページをクリックする。
深夜帯のおかげか、ネット環境が少し軽い。
おかげですぐさま公式ホームページと公式SNSを閲覧することができ、マウスをスクロールして、イベント情報を確認する。
「思った通りだな。ん?」
案の定、イベント情報が更新されていた。
しかし蒼伊は眉根を寄せ、表情を訝しめる。
これは如何いうことなのか。確かに面白いことは書いてあるが、時間の配分が難しそうで仕方がない。
「こんなこともしてくるのか。流石はエルエスタコーポレーションだな」
蒼伊は口元を覆って達観する。
今回のイベントはオンラインゲームではなかなか厳しいもの。
それを上手く調整していて、拍手を自然と送りたくなる仕様だった。
「とは言え、難しそうだな」
蒼伊は今回のイベントはかなり難しいことを悟る。
いち早くギルドで共有した方が良いだろう。
そう思うと、蒼伊は得られた情報をまとめると、自分なりの解釈も交えてメモを取ることにした。
「それっ、そやっ、はっ!」
アキラは一人草原に来ていた。
この間、ちょっとしたミスで依頼を失敗してしまった草原だ。
そこにはもう、寒天スライムの残骸も残っていない。
代わりに点々とスライム達が生息していて、静かだけど賑やかで面白い。
「一回退いてから……そらぁ!」
アキラは片足を引くと、前傾姿勢になって剣を突き出す。
ギラギラとザクロ色をした剣が鋭く、空を切る。
切っ先に衝撃が伝わると、力強い一撃を放てる。
特に特別な効果が付与されているわけではないだろうけど、アキラはこの剣がしっくりと来ていた。
「うんうん。この剣は良い。扱いやすいし、重くも無いし、おまけに威力も……」
アキラは近くを徘徊していたスライムを見つける。
これは丁度良い的だと思い、ニコリ笑みを浮かべる。
【キメラハント】:【月跳】を発動させると、脚を白いモフモフの毛で覆い尽くすと、そのまま地面を蹴り上げて高く跳び上がった。
「せーのっ!」
アキラはザクロ剣を突き出すと、スライムの頭上を取った。
スライムはクルンとした目で上を見上げると、体を震わせる。
怯えるのも無理はない。アキラが頭上から迫りより、身動き一つ取る前に脳天を突き破った。
「プギュゥ!」
スライムは悲鳴を上げると、HPが一瞬でゼロになる。
この武器の攻撃力自体はそこまで高くはない。
けれど耐久値が高く、アキラの動きをしっかりと剣身に伝えてくれる。
とても心地よく使える剣だった。
「スライム、ごめんね」
正直、経験値は全然美味しくない。
レベルアップには程遠く、スライム相手となると、ザクロ剣の真の実力も推し量れない。
とは言え、アキラは良い笑みを浮かべると、今一度ザクロ剣を突き付けた。
「もしかして、これなら……」
アキラは少し試してみたいことがあった。
何も無い空に向かって、ザクロ剣を叩き込む。
利き足を軸にすると、思いっきり貫くと、右腕に衝撃が伝わる。
ズキン、ズキン!
たったの一振りで腕に二回分のダメージ。
腕に加わる衝撃が痛く、通常の倍のダメージを与えたらしい。
久々に発動したスキル。狙って使うのは難しいのだが、【二連撃】が繰り出せた。
「これなら今まで以上に戦えるかも。やっぱり武器を使うと、幅が広がって楽しい」
アキラは今までの剣では耐久面でできなかったことをできて、とても嬉しかった。
おまけに技術面でも成長できた気がする。
心地よい胸の高鳴りを感じると、ザクロ剣を鞘に納めた。
「練習はこのくらいでいいかな? うーん、私がこの剣を使いこなせていれば、寒天スライムも……ううん、気にしない気にしない。終わったことは終わったことだもんね。よし、帰ろ……ん?」
アキラはギルドホームに戻ろうとした。
するとメッセージが丁度良いタイミングで届くと、そこにはNightの名前がある。
如何やら呼び出しらしい。
「Nightから? えーっと、[全員ギルドホームに集合]か。一言ってことは、そんなに大事じゃないのかな?」
アキラはギルドホームに戻る予定なので特に気にしなかった。
気負うことも無く、アキラは満足感を抱えたまま草原を後にする。
せっかく得られた剣捌きを早く見せたい。そんな気持ちを抱えると、アキラはNightが恐らく待っているであろう、ギルドホームに戻るのだった。
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