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◇486 良い武器無いですか?
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アキラが足を運んだのは、言わずもがなな場所。
それはスタットにあるギルドでいつもお世話になっている。
Deep Skyのギルドホームは相変らず人気が無く、アキラはカランカラーンと心地の良い鈴の音に耳を撫でられ店内へと入った。
「ソウラさん、いますか?」
「ん? アキラ。今日はどうしたの?」
カウンターではソウラがグラスを磨いていた。
夜、バーで使ったものだろう。
とは言えアキラには関係が無く、いつも通り腰を下ろすと、アキラは早速ソウラに訊ねた。
「ソウラさん、刀って置いてませんか?」
アキラは漠然とした質問を投げた。
するとソウラの顔色は一瞬キョトンとし始める。
けれどすぐにとは行かないが状況を飲み込むと、頭の片隅をグルグルと回る文言に意識を支配される。
「えーっと、アキラ? 刀ってどういうこと?」
「まあそうなりますよね」
アキラも予想は付いていた。そこでもう少し言葉を加える。
せめて少しでも多くの情報を用意して、ソウラから手掛かりを見出す。
そのくらいしか、今はできそうにないからだ。
「実は雷斬の刀が折れちゃって」
「雷斬の? それは大変ね……でもどうしてここに?」
「それはソウラさん達のギルドがアイテム屋で、なにか心当たりがあるかもと思ったんです」
今回はいつにも増して他力本願だった。
それもそのはず、アキラたちにできることは探すこと。
となれば自然と向くのはこの店だと、アキラは踏んでいた。
「それでソウラさん、刀って置いてますか?」
「うーん、残念だけど刀は置いていないわね」
真っ先に期待を折られてしまった。
ショックを受け、一瞬放心状態になるアキラ。
とは言えそれもある程度は予想していた。ここはアイテム屋。武器屋ではないので、どれだけ洗おうがそれ以上ではなかった。
「そうですか……」
「ごめんなさい、アキラ」
「いいんです。私も高望みをし過ぎただけで……あっ、変な意味じゃないですよ!」
アキラは少しでもソウラを傷付けないように言葉を重ねる。
するとソウラも申し訳が無さそうな顔を浮かべる。
流石に感情が伝染してしまった。アキラは意識を切り替えると、にこやかな笑みを浮かべ直す。
「大丈夫ですよ、ソウラさん! 刀は私たちで見つけます」
「うーん、でも少しくらいは手伝えること……けみーならなにか知っているかしら?」
「そ、そこまでしなくても大丈夫ですよ! あっ、その……ピーコさんは?」
アキラは思い出したようにピーコの名前を口にした。
それもそのはず、ピーコはいつも地下室で作業中だ。
きっと今日も居るに違いない。そう思って地下室に視線を飛ばすと、アキラは大声を上げた。
「ピーコさん! いますかー?」
アキラは声を上げてみた。しかし返答はなにも無い。
もしかして居ないとか? 虚空に向かって叫んだことで、アキラは赤面してしまう。
「あの、ソウラさん?」
「今日はピーコ、まだログインをしていないのよ」
「ええっ!? それなら先に言ってくださいよ!」
完全に恥をかいてしまった。
アキラは顔が赤面から熱を帯び始めると、視線を右往左往させてしまう。
あまりにも恥ずかしい。気持ちが盛って全身が身震いした。
「うふふ、アキラって面白いわね」
「もう、揶揄うのは止めてくださいよ! それよりどうしよう……」
アキラは得意の意識の切り替えを発揮した。
しかし落ち込みが酷く、悩んでしまって呆れてしまう。
突っ伏した顔を見せないようにすると、頭の中で何をするべきか考える。
「アキラ。雷斬って、どんな刀でも扱えるの?」
「それは聞いてみないと……でも手刀で敵をあしらえるなら、多分使えると思いますよ?」
とは言え雷斬本来の実力を発揮するには、自分の腕とあっていないとダメだ。
今まで使っていた刀やNightが用意した黒刀では限界がある。
如何したら正解に辿り着けるのか。悩みにあぐねるアキラだったが、ふとソウラが手を差し伸べた。
「それじゃあ私も少し探してみるけど……」
「いいんですか!」
パッと顔を上げると、アキラは目をキラキラさせていた。
あまりの眩しさに、ソウラは少し引き気味。
だけどそんなことは如何でもよく、ソッと伸ばした指先で、ソウラの手を掴んだ。
「ソウラさんが探してくれるなら心強いです!」
「そ、そう? えっと、けみーとマンティ、後はピーコにも訊いてみるけど……」
「是非お願いします! できる手立ては打っておきたいんです!」
アキラは貪欲だった。自分一人ではダメでも、仲間を揃えれば意味がある。
それこそが継ぎ接ぎであり、絆になっている。
肌で感じ取ると、アキラはコクリと首を縦に振った。
「それじゃあ私は次に行ってみますね」
「アキラ、当てでもあるの?」
「無いです!」
「無いのね。それじゃあどうするの?」
「それは……」
アキラに考えはもう無い。行ってみる場所もない。
けれど武器屋辺りや商店に露天。見るべき場所はたくさんある。
だからだろうか。その目にはまだ火が灯っていた。
「とにかく行ってみます。それじゃあお願いしますね!」
「うふふ、気を付けてね」
「はい!」
アキラはDeep Skyを後にする。
ギルドホームを抜け、今度は露天にでも出向いてみる。
高揚感に包まれる体を押し上げると、アキラは軽やかなステップを踏んでいた。
それはスタットにあるギルドでいつもお世話になっている。
Deep Skyのギルドホームは相変らず人気が無く、アキラはカランカラーンと心地の良い鈴の音に耳を撫でられ店内へと入った。
「ソウラさん、いますか?」
「ん? アキラ。今日はどうしたの?」
カウンターではソウラがグラスを磨いていた。
夜、バーで使ったものだろう。
とは言えアキラには関係が無く、いつも通り腰を下ろすと、アキラは早速ソウラに訊ねた。
「ソウラさん、刀って置いてませんか?」
アキラは漠然とした質問を投げた。
するとソウラの顔色は一瞬キョトンとし始める。
けれどすぐにとは行かないが状況を飲み込むと、頭の片隅をグルグルと回る文言に意識を支配される。
「えーっと、アキラ? 刀ってどういうこと?」
「まあそうなりますよね」
アキラも予想は付いていた。そこでもう少し言葉を加える。
せめて少しでも多くの情報を用意して、ソウラから手掛かりを見出す。
そのくらいしか、今はできそうにないからだ。
「実は雷斬の刀が折れちゃって」
「雷斬の? それは大変ね……でもどうしてここに?」
「それはソウラさん達のギルドがアイテム屋で、なにか心当たりがあるかもと思ったんです」
今回はいつにも増して他力本願だった。
それもそのはず、アキラたちにできることは探すこと。
となれば自然と向くのはこの店だと、アキラは踏んでいた。
「それでソウラさん、刀って置いてますか?」
「うーん、残念だけど刀は置いていないわね」
真っ先に期待を折られてしまった。
ショックを受け、一瞬放心状態になるアキラ。
とは言えそれもある程度は予想していた。ここはアイテム屋。武器屋ではないので、どれだけ洗おうがそれ以上ではなかった。
「そうですか……」
「ごめんなさい、アキラ」
「いいんです。私も高望みをし過ぎただけで……あっ、変な意味じゃないですよ!」
アキラは少しでもソウラを傷付けないように言葉を重ねる。
するとソウラも申し訳が無さそうな顔を浮かべる。
流石に感情が伝染してしまった。アキラは意識を切り替えると、にこやかな笑みを浮かべ直す。
「大丈夫ですよ、ソウラさん! 刀は私たちで見つけます」
「うーん、でも少しくらいは手伝えること……けみーならなにか知っているかしら?」
「そ、そこまでしなくても大丈夫ですよ! あっ、その……ピーコさんは?」
アキラは思い出したようにピーコの名前を口にした。
それもそのはず、ピーコはいつも地下室で作業中だ。
きっと今日も居るに違いない。そう思って地下室に視線を飛ばすと、アキラは大声を上げた。
「ピーコさん! いますかー?」
アキラは声を上げてみた。しかし返答はなにも無い。
もしかして居ないとか? 虚空に向かって叫んだことで、アキラは赤面してしまう。
「あの、ソウラさん?」
「今日はピーコ、まだログインをしていないのよ」
「ええっ!? それなら先に言ってくださいよ!」
完全に恥をかいてしまった。
アキラは顔が赤面から熱を帯び始めると、視線を右往左往させてしまう。
あまりにも恥ずかしい。気持ちが盛って全身が身震いした。
「うふふ、アキラって面白いわね」
「もう、揶揄うのは止めてくださいよ! それよりどうしよう……」
アキラは得意の意識の切り替えを発揮した。
しかし落ち込みが酷く、悩んでしまって呆れてしまう。
突っ伏した顔を見せないようにすると、頭の中で何をするべきか考える。
「アキラ。雷斬って、どんな刀でも扱えるの?」
「それは聞いてみないと……でも手刀で敵をあしらえるなら、多分使えると思いますよ?」
とは言え雷斬本来の実力を発揮するには、自分の腕とあっていないとダメだ。
今まで使っていた刀やNightが用意した黒刀では限界がある。
如何したら正解に辿り着けるのか。悩みにあぐねるアキラだったが、ふとソウラが手を差し伸べた。
「それじゃあ私も少し探してみるけど……」
「いいんですか!」
パッと顔を上げると、アキラは目をキラキラさせていた。
あまりの眩しさに、ソウラは少し引き気味。
だけどそんなことは如何でもよく、ソッと伸ばした指先で、ソウラの手を掴んだ。
「ソウラさんが探してくれるなら心強いです!」
「そ、そう? えっと、けみーとマンティ、後はピーコにも訊いてみるけど……」
「是非お願いします! できる手立ては打っておきたいんです!」
アキラは貪欲だった。自分一人ではダメでも、仲間を揃えれば意味がある。
それこそが継ぎ接ぎであり、絆になっている。
肌で感じ取ると、アキラはコクリと首を縦に振った。
「それじゃあ私は次に行ってみますね」
「アキラ、当てでもあるの?」
「無いです!」
「無いのね。それじゃあどうするの?」
「それは……」
アキラに考えはもう無い。行ってみる場所もない。
けれど武器屋辺りや商店に露天。見るべき場所はたくさんある。
だからだろうか。その目にはまだ火が灯っていた。
「とにかく行ってみます。それじゃあお願いしますね!」
「うふふ、気を付けてね」
「はい!」
アキラはDeep Skyを後にする。
ギルドホームを抜け、今度は露天にでも出向いてみる。
高揚感に包まれる体を押し上げると、アキラは軽やかなステップを踏んでいた。
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