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◇467 雷斬だから選ばれた
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妖帖の雅の人たちは継ぎ接ぎの絆を満足させてくれた。
本当に良い人たち。アキラは笑顔を浮かべる。
「ふぅ」
口元まで湯船に浸かってのんびりと過ごす。
隣ではNightが天狐に絡まれている。非常に面倒臭そうにしていた。
更に奥では珍しい取り合わせが見られた。
フェルノが目を回しながらクロユリと椿姫の話を聞いている。
もしかすると武勇伝的なものを語っては見たものの、そこから現実成績的な話題に発展したのかもしれない。
「自分で墓穴掘ったんだ。まあ、いっか」
アキラはしっかりと体も心も休めることにした。
ふと空を見上げると、夜の静寂がそこにある。
椿の星はもう見えないが、チラチラと小さな光が出始め、満天の星……ではないけれど、ジッと視線をくべるだけで心を満たしてくれた。
「綺麗な星」
「そうですね」
「そうよね。この世界の星座なんて分からないけど、きっとあるのよね」
隣には雷斬とベルがやって来た。
私の隣に並ぶと、肩まで浸かる訳ではなく、半身浴で夜空を楽しむ。
もしかすると二人もこの星空をと思ったが、それは一部あるよう。だけど本当はアキラと話したかったようで、ふと口を開いた。
「ところでアキラさん、雪将軍を倒した後のこと覚えていますか?」
「ん? 急に如何したの」
「ずっと気になっていたんです。アキラさん言っていましたよね? 雪将軍の遺した太刀を拾い上げた際、私だけが軽くアキラさんとベルが持った際には重かったこと。その際、もしかして雷斬だから扱えるのかな? とアキラさんが口走ったこと」
アキラは驚いてしまった。隣で湯船に半身を浸かるベルもそうだ。
いつも以上に饒舌。ましてや急かすような口調が雷斬らしくない。
盲目と言ってもいいほど、瞳が焦がれアキラを見つめていた。
「アレは如何いう意味ですか?」
雷斬はマジマジとアキラを見つめる。
その瞳に迷いは一切無く、真にアキラの発した言葉に興味を抱いているようだ。
そこにこそ謎を解き明かす手がかりがあるのではないか。
そのためであれば雷斬は踏み出すことだって容易。
アキラは圧倒的なまでの意思の強さを感じ取ると、少しだけ気圧されてしまう。
「もしかして、そんなことが気になるの?」
「はい。大変気になります」
「えー。うーん、名前が刻まれてたからもしかしてって思ったけど……私の回答だよ? 根拠ないよ?」
「構いません。お願いします」
アキラは自分の言葉を恨んだ。まさかこんなに詰められるとは思わなかった。
あの時はあくまでも何となく、アキラなりの直感が結びついただけ。
けれどそれを求めているのなら黙っているのは野暮だと思い、アキラは口走った言葉の続きを話す。
「私が思うのはね、太刀が雷斬を使い手だって選んだからだと思うんだ」
「私が、使い手ですか?」
雷斬は目を回していた。
まさかそんな言い方をされるとは思わなかったらしい。
けれど使い手だけではまだピンと来ていない。そこでアキラはもう少し詳しく話した。
「あの太刀、元々は雪将軍のものだったよね。だけど雪将軍は雷斬と天狐さんのおかげで無事に倒せた。そうだよね?」
「はい。強敵でしたよ」
確かに強敵だったらしい。
雷斬と天狐があれだけ苦戦したとなれば、それだけ強敵だったのは言うまでもない。
実際その片鱗を喰らってしまい、アキラたちも恐怖した。けれど今はそんな話は如何でもいい。
「だけど太刀だけは残った。つまり太刀はあくまでも別物で、雪将軍も使い手の一人だったんだよ」
アキラの理屈だとこうだった。
雪将軍と太刀は元は別々。けれどお互いに理に適う間からと言うことで、使い手と使われる物。両者にとって利害関係が一致していたからこそ力を貸し合っていた。
だがしかし、雪将軍が雷斬と天狐に敗れたことで、その利害関係は崩壊。
ましてや自分はその場に取り残され、もう二度と使われないかもしれない。
そう思ったのなら、太刀だって足搔くはずだ。その場に居た雷斬に自分の身を預けたいと考えたのだろう。
「雪将軍がやられちゃったから、代わりに雷斬を次の使い手として選んだ。だから自分自身に使い手の名前を刻印して、使い手にだけ使えるようにした。それが軽くなった原因じゃないかな?」
名前を刻むことが太刀にとっての敬意。自分の使い手を主張する決定的な証拠。
使い手には使って欲しいから、それ相応の重さになる。
それが軽く成ったことに繋がった。
「私もベルもあの太刀を使うには筋力は足りない。それになにより選ばれていない。だから私たちが持った時はやけに重くて、まともに使えなかったんだよ、きっと」
アキラはあの太刀から感じた重さに他の誰にも使わせない強い意思があるように思えた。
だからこそ、雷斬には使えてアキラもベルもまともに触れなかった。
元々筋力のパラメータが足りていないとは思っていたけれど、こうもはっきり否定されると、そう考えたくもなる。
「ってことなんだけど、如何かな?」
私は少し考察の余地に不安はあったが、自分では納得ができた。
雷斬とベルに感想を訊ねると、ベルは目を閉じたまま賛同してくれる。
「なるほどね。確かに納得はできるわ」
「だよね? 雷斬も納得してくれた?」
ここまででベルは納得した様子。その証拠に瞳を閉じ、ゆるりと時を過ごしていた。
けれど当の本人はまだ納得がいかないらしい。
申し訳なさそうにしつつも、ここまで来たのならばと、アキラに新たに訊ねた。
「ですがそれでは些か疑問が残ります。何故私だったのでしょうか? あの場には天狐さんも居ましたよ?」
「そんなの簡単だよ。真に雪将軍を打ち破ったのは雷斬でしょ? だからだよ」
「だからとは?」
「私の【キメラハント】みたいなものだよ。最後まで食らいついて、渾身の一撃をできる全てをぶつけたんだ。その想いに応えたい。太刀にもしも命があるんだったら、そう思って雷斬の手元に、使い手に選んだんじゃないかな? あくまで私の回答だけどね」
アキラの回答はある程度は的を射ているはずだ。
アキラ自身の固有スキル【キメラハント】。これは相手の固有スキルを奪える。
けれどそのためには命懸けの気概と、それに至る強い想いが引き金になる。
だから最近はスキルを手に入れることができていない。そんな状況と重ね合わせて、ある種の対比構造として説明してみた。
不格好で足りない回答だった。
けれど雷斬は何処か納得した様子に見える。
自分を選んでくれた太刀。その想いに敬意を表すべきだと、剣士としての心が馳せる。
胸に手を当て、まるで祈るような仕草を見せた。
如何やら自分の中で折が付いたらしく、表情に迷いが無い。ましてやしがらみが取れ、清々しい程だった。
「ありがとうございました、アキラさん。私、あの太刀に応えて見たいと思います」
「そうだね。その方が良いかも」
良い具合に話がまとまった。
ギルマスとして最高の結果を生んだとアキラは鼻が高い。
お互いにニコッと微笑み返す中、ベルは間に割って入った。
「って、腰を折るようで悪いけど、雷斬は太刀使ったことないでしょ?」
「えっ、そうなの?」
それは聞いていなかった。確かに雷斬が太刀を手にした所を見たことがない。
ましてやまともに使っている所なんて……と思い視線を動かすと、雷斬の表情は汗でダクダクだった。相当焦っているのが誰の目から見ても分かる。
「もしかして本当なの、雷斬?」
「そ、そうですね。ですがご心配には及びません。私には……」
「刀も折れちゃったでしょ?」
「あっ……」
「如何やって戦うのよ? 気合じゃないわよね?」
ベルは完全に逃げ道を潰しにかかった。その様子はまるでNight。
親友である雷斬を追い詰めるだけのNightと化したベルはまさに無敵。
雷斬が隣で必死に弁明するのだがそのほとんどを食い潰す。
(これは……うん)
アキラはスッとその空気から抜けた。
雷斬のことを完全に見捨てると、耳を塞いで湯船に浸かる。
気持ちが良い。雑音もない。完全に一人の世界に入ったアキラは星に心を奪われそうになるのだった。
本当に良い人たち。アキラは笑顔を浮かべる。
「ふぅ」
口元まで湯船に浸かってのんびりと過ごす。
隣ではNightが天狐に絡まれている。非常に面倒臭そうにしていた。
更に奥では珍しい取り合わせが見られた。
フェルノが目を回しながらクロユリと椿姫の話を聞いている。
もしかすると武勇伝的なものを語っては見たものの、そこから現実成績的な話題に発展したのかもしれない。
「自分で墓穴掘ったんだ。まあ、いっか」
アキラはしっかりと体も心も休めることにした。
ふと空を見上げると、夜の静寂がそこにある。
椿の星はもう見えないが、チラチラと小さな光が出始め、満天の星……ではないけれど、ジッと視線をくべるだけで心を満たしてくれた。
「綺麗な星」
「そうですね」
「そうよね。この世界の星座なんて分からないけど、きっとあるのよね」
隣には雷斬とベルがやって来た。
私の隣に並ぶと、肩まで浸かる訳ではなく、半身浴で夜空を楽しむ。
もしかすると二人もこの星空をと思ったが、それは一部あるよう。だけど本当はアキラと話したかったようで、ふと口を開いた。
「ところでアキラさん、雪将軍を倒した後のこと覚えていますか?」
「ん? 急に如何したの」
「ずっと気になっていたんです。アキラさん言っていましたよね? 雪将軍の遺した太刀を拾い上げた際、私だけが軽くアキラさんとベルが持った際には重かったこと。その際、もしかして雷斬だから扱えるのかな? とアキラさんが口走ったこと」
アキラは驚いてしまった。隣で湯船に半身を浸かるベルもそうだ。
いつも以上に饒舌。ましてや急かすような口調が雷斬らしくない。
盲目と言ってもいいほど、瞳が焦がれアキラを見つめていた。
「アレは如何いう意味ですか?」
雷斬はマジマジとアキラを見つめる。
その瞳に迷いは一切無く、真にアキラの発した言葉に興味を抱いているようだ。
そこにこそ謎を解き明かす手がかりがあるのではないか。
そのためであれば雷斬は踏み出すことだって容易。
アキラは圧倒的なまでの意思の強さを感じ取ると、少しだけ気圧されてしまう。
「もしかして、そんなことが気になるの?」
「はい。大変気になります」
「えー。うーん、名前が刻まれてたからもしかしてって思ったけど……私の回答だよ? 根拠ないよ?」
「構いません。お願いします」
アキラは自分の言葉を恨んだ。まさかこんなに詰められるとは思わなかった。
あの時はあくまでも何となく、アキラなりの直感が結びついただけ。
けれどそれを求めているのなら黙っているのは野暮だと思い、アキラは口走った言葉の続きを話す。
「私が思うのはね、太刀が雷斬を使い手だって選んだからだと思うんだ」
「私が、使い手ですか?」
雷斬は目を回していた。
まさかそんな言い方をされるとは思わなかったらしい。
けれど使い手だけではまだピンと来ていない。そこでアキラはもう少し詳しく話した。
「あの太刀、元々は雪将軍のものだったよね。だけど雪将軍は雷斬と天狐さんのおかげで無事に倒せた。そうだよね?」
「はい。強敵でしたよ」
確かに強敵だったらしい。
雷斬と天狐があれだけ苦戦したとなれば、それだけ強敵だったのは言うまでもない。
実際その片鱗を喰らってしまい、アキラたちも恐怖した。けれど今はそんな話は如何でもいい。
「だけど太刀だけは残った。つまり太刀はあくまでも別物で、雪将軍も使い手の一人だったんだよ」
アキラの理屈だとこうだった。
雪将軍と太刀は元は別々。けれどお互いに理に適う間からと言うことで、使い手と使われる物。両者にとって利害関係が一致していたからこそ力を貸し合っていた。
だがしかし、雪将軍が雷斬と天狐に敗れたことで、その利害関係は崩壊。
ましてや自分はその場に取り残され、もう二度と使われないかもしれない。
そう思ったのなら、太刀だって足搔くはずだ。その場に居た雷斬に自分の身を預けたいと考えたのだろう。
「雪将軍がやられちゃったから、代わりに雷斬を次の使い手として選んだ。だから自分自身に使い手の名前を刻印して、使い手にだけ使えるようにした。それが軽くなった原因じゃないかな?」
名前を刻むことが太刀にとっての敬意。自分の使い手を主張する決定的な証拠。
使い手には使って欲しいから、それ相応の重さになる。
それが軽く成ったことに繋がった。
「私もベルもあの太刀を使うには筋力は足りない。それになにより選ばれていない。だから私たちが持った時はやけに重くて、まともに使えなかったんだよ、きっと」
アキラはあの太刀から感じた重さに他の誰にも使わせない強い意思があるように思えた。
だからこそ、雷斬には使えてアキラもベルもまともに触れなかった。
元々筋力のパラメータが足りていないとは思っていたけれど、こうもはっきり否定されると、そう考えたくもなる。
「ってことなんだけど、如何かな?」
私は少し考察の余地に不安はあったが、自分では納得ができた。
雷斬とベルに感想を訊ねると、ベルは目を閉じたまま賛同してくれる。
「なるほどね。確かに納得はできるわ」
「だよね? 雷斬も納得してくれた?」
ここまででベルは納得した様子。その証拠に瞳を閉じ、ゆるりと時を過ごしていた。
けれど当の本人はまだ納得がいかないらしい。
申し訳なさそうにしつつも、ここまで来たのならばと、アキラに新たに訊ねた。
「ですがそれでは些か疑問が残ります。何故私だったのでしょうか? あの場には天狐さんも居ましたよ?」
「そんなの簡単だよ。真に雪将軍を打ち破ったのは雷斬でしょ? だからだよ」
「だからとは?」
「私の【キメラハント】みたいなものだよ。最後まで食らいついて、渾身の一撃をできる全てをぶつけたんだ。その想いに応えたい。太刀にもしも命があるんだったら、そう思って雷斬の手元に、使い手に選んだんじゃないかな? あくまで私の回答だけどね」
アキラの回答はある程度は的を射ているはずだ。
アキラ自身の固有スキル【キメラハント】。これは相手の固有スキルを奪える。
けれどそのためには命懸けの気概と、それに至る強い想いが引き金になる。
だから最近はスキルを手に入れることができていない。そんな状況と重ね合わせて、ある種の対比構造として説明してみた。
不格好で足りない回答だった。
けれど雷斬は何処か納得した様子に見える。
自分を選んでくれた太刀。その想いに敬意を表すべきだと、剣士としての心が馳せる。
胸に手を当て、まるで祈るような仕草を見せた。
如何やら自分の中で折が付いたらしく、表情に迷いが無い。ましてやしがらみが取れ、清々しい程だった。
「ありがとうございました、アキラさん。私、あの太刀に応えて見たいと思います」
「そうだね。その方が良いかも」
良い具合に話がまとまった。
ギルマスとして最高の結果を生んだとアキラは鼻が高い。
お互いにニコッと微笑み返す中、ベルは間に割って入った。
「って、腰を折るようで悪いけど、雷斬は太刀使ったことないでしょ?」
「えっ、そうなの?」
それは聞いていなかった。確かに雷斬が太刀を手にした所を見たことがない。
ましてやまともに使っている所なんて……と思い視線を動かすと、雷斬の表情は汗でダクダクだった。相当焦っているのが誰の目から見ても分かる。
「もしかして本当なの、雷斬?」
「そ、そうですね。ですがご心配には及びません。私には……」
「刀も折れちゃったでしょ?」
「あっ……」
「如何やって戦うのよ? 気合じゃないわよね?」
ベルは完全に逃げ道を潰しにかかった。その様子はまるでNight。
親友である雷斬を追い詰めるだけのNightと化したベルはまさに無敵。
雷斬が隣で必死に弁明するのだがそのほとんどを食い潰す。
(これは……うん)
アキラはスッとその空気から抜けた。
雷斬のことを完全に見捨てると、耳を塞いで湯船に浸かる。
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