470 / 582
◇466 夜に咲く椿の星
しおりを挟む
アキラたちは温泉に足を運んだ。
天然温泉らしい硫黄の臭いを嗅ぐと、温泉に来たんだと納得させる。
「うわぁ、凄い湯気」
「そうだな。前が見えない……って、先客か」
露天風呂にやって来ると、大量の白い湯気が立っている。
きっと温泉の熱気が空気の冷気と反応して、これだけの湯気を放つ。
正直前が見えない。アキラたちは眉根を寄せると、段々と寒暖の差で発生していた湯気が消え始め、視界が開けて来る。
すると浮かび上がったシルエットは、二つの人影を見せた。
「あっ、来ましたよ天狐!」
「ん? あー、いい湯加減やでー」
そこに居たのは椿姫と天狐の二人。
先に温泉を頂いているようで、肩までしっかりと浸かっていた。
けれど椿姫は申し訳なさそうにしている。礼儀正しく謙虚だ。
一方天狐はいつもの通り自由人全開。申し訳内の欠片も無く、頭だけを湯船から覗かせていた。
完全に自分の世界に入っていて、今だって首だけ振り向けている。
それ以外では微動だにせず、きっと十分以上使っているはずなのに、顔色が白かった。
「天狐さん、椿さん、こんばんは」
「こんばんは、アキラさん。それから継ぎ接ぎの皆さん」
「こんばんはー」
椿姫は丁寧だった。けれど天狐はくつろいでいる。
顔は白いのに決してのぼせた訳ではない。
ましてやだらりとくつろいでいる。
「相変わらずだな」
「そうだねー。天狐は相変わらずだよー」
その様子にジト目になってしまった。
特にNightは呆れてしまっているようで、その後ろではクロユリが頭を抱えている。
初見だと流石に引いてしまうが、アキラたちは慣れ切ってしまったので、平常運転でしかなかった。
「どないしたん? 早う入らなさぶいやん」
「そうですね。お言葉に甘えて入らせていただきましょうか」
首を捻る天狐は、寒そうに突っ立っているアキラたちにそう言った。
雷斬は相槌を入れて言葉に甘えることにする。
「ひやぁー。体に沁みるねー」
「うん、ポカポカするね」
「外気との寒暖差の影響だろ。それからこの温泉に含まれる成分だな」
戦った後の温泉は非常に体と心に効く。
気持ちがいいというのはまさにこのことだ。
そのおかげか以前二度、この温泉に入った時もそうだったが、あの時とはまた感じ方が変わる。
如何変わったのか。それは雪将軍のような強敵と戦った後でないと、絶対に味わうことができない。
アキラたちは温泉の湯で顔を洗うと、疲労から解放され、全身から解れて行くのが伝染した。
「なんやろ。みんなぐったりしてるなぁ」
「そうですね。なにかあったんですか?」
「いいや、何も無かったわよ。実際今日までログインしてないから」
あまりにも全員が疲れすぎていたせいか、天狐と椿姫に心配されてしまう。
けれどベルが機転を利かせ、変に心配される前に答えた。
久しぶりのログインのせいか、まだ体が付いて行けていない。そんな嘘で塗り固めると、風邪を引いてしまったことを上手く隠した。
「しばらくログインしていないと、なかなかGAMEとの感覚の差異に気が付けませんからね。しっかりと休めてこその祝勝会です。温泉で疲れを取ってください」
「そうですよ。この温泉の効能は大したものです。疲労回復はもちろんですが、心のケアにも十分効果が有るんです」
「どんな理屈かは知らへんけどなぁ」
確かにどんな理屈でそんな効能がGAME内の温泉に含まれているのかは知らない。
けれどそれだけで十分納得はできた。
心の奥に取り残されていたモヤモヤがドンドン洗い流されている。そんな気持ちに胸躍り、ドンドン湯船に沈んで行く。
「沈むのはいいですけど、溺れないでくださいね」
「大丈夫ですよ」
「ほんま? 前にうちも沈んだことあるけど?」
「それは天狐が遊んでいたからでしょ」
「そら言わんといてや」
天孤は自分から墓穴を掘って怒られてしまった。
多分遊んでいたせいで沈んだんだろうけど、天孤ならそこまで気にも留めない。
そんな態度で笑みを浮かべていると、クロユリは椿姫と意味深な目配せをする。
「さてと、本日は夜です。モミジヤは現実と違って灯りが極端に少ないですからね」
「うん。だからこれが映えるんですよ。天狐!」
「はいはい。灯れ!」
椿姫は両手を湯船から上げて掲げる。すると何処からともなく【椿蔦】によって空に椿の花が咲く。
それに合わせて天狐も手を前に突き出すと、ボワッ! と【朧狐火】が発動。椿の花に灯ると、幻術を使わずにキラキラと輝く。
「ん? なにをする気だ」
「あれ? Nightも予定に無いことなの?」
如何やらNightも知らなかったらしい。
予定に無いことが起こっており、困惑した表情を浮かべる。
けれどそれを抜きにしても綺麗。アキラたちの視線が自然と惹き付けられていた。
「どや? 綺麗やろ」
「は、はい。でも急にどうして……?」
アキラは尋ね返した。すると天狐はにやけた笑みを浮かべる。
呼応するように【朧狐火】の色も淡く変化して、椿の花がまるで星のように輝いている。
とても綺麗で可愛らしい。幻想的な雰囲気にミニマムに浸った。
「これだけさぶいと目に映るもの全部が綺麗。それってえらいリラックスするわなぁ」
「そ、それはそうですけど」
「そやさかい言うことや。なっ、クロユリ」
「ええ。皆さんは大変頑張ったんです。この景色はそんな皆さんに送る小さな幻想。と言うことにしませんか?」
正直ピンとは来なかった。だって雪将軍たちを倒したのは継ぎ接ぎの絆じゃなくて、継ぎ接ぎの絆と妖帖の雅だからだ。
どちらかを引き立たせるなんて真似はしたくない。
そう思ってアキラは口を出した。
「しませんかって……はい」
けれどそんな野暮な真似は止めた。気が付けばNightに腕を掴まれていた。
余計なことは言うなの合図だと、すぐに理解し意識を切り替える。
だからこそここは妖帖の雅に甘える。
こんなプレゼント滅多に得られないと思い、ただ首ったけになる。
それでも満足な世界がキラキラと満点の星として描かれ、アキラたちの気持ちが澄んでいく。こんな体験を身近にできたこと、CUで繋がった今に感謝した。
天然温泉らしい硫黄の臭いを嗅ぐと、温泉に来たんだと納得させる。
「うわぁ、凄い湯気」
「そうだな。前が見えない……って、先客か」
露天風呂にやって来ると、大量の白い湯気が立っている。
きっと温泉の熱気が空気の冷気と反応して、これだけの湯気を放つ。
正直前が見えない。アキラたちは眉根を寄せると、段々と寒暖の差で発生していた湯気が消え始め、視界が開けて来る。
すると浮かび上がったシルエットは、二つの人影を見せた。
「あっ、来ましたよ天狐!」
「ん? あー、いい湯加減やでー」
そこに居たのは椿姫と天狐の二人。
先に温泉を頂いているようで、肩までしっかりと浸かっていた。
けれど椿姫は申し訳なさそうにしている。礼儀正しく謙虚だ。
一方天狐はいつもの通り自由人全開。申し訳内の欠片も無く、頭だけを湯船から覗かせていた。
完全に自分の世界に入っていて、今だって首だけ振り向けている。
それ以外では微動だにせず、きっと十分以上使っているはずなのに、顔色が白かった。
「天狐さん、椿さん、こんばんは」
「こんばんは、アキラさん。それから継ぎ接ぎの皆さん」
「こんばんはー」
椿姫は丁寧だった。けれど天狐はくつろいでいる。
顔は白いのに決してのぼせた訳ではない。
ましてやだらりとくつろいでいる。
「相変わらずだな」
「そうだねー。天狐は相変わらずだよー」
その様子にジト目になってしまった。
特にNightは呆れてしまっているようで、その後ろではクロユリが頭を抱えている。
初見だと流石に引いてしまうが、アキラたちは慣れ切ってしまったので、平常運転でしかなかった。
「どないしたん? 早う入らなさぶいやん」
「そうですね。お言葉に甘えて入らせていただきましょうか」
首を捻る天狐は、寒そうに突っ立っているアキラたちにそう言った。
雷斬は相槌を入れて言葉に甘えることにする。
「ひやぁー。体に沁みるねー」
「うん、ポカポカするね」
「外気との寒暖差の影響だろ。それからこの温泉に含まれる成分だな」
戦った後の温泉は非常に体と心に効く。
気持ちがいいというのはまさにこのことだ。
そのおかげか以前二度、この温泉に入った時もそうだったが、あの時とはまた感じ方が変わる。
如何変わったのか。それは雪将軍のような強敵と戦った後でないと、絶対に味わうことができない。
アキラたちは温泉の湯で顔を洗うと、疲労から解放され、全身から解れて行くのが伝染した。
「なんやろ。みんなぐったりしてるなぁ」
「そうですね。なにかあったんですか?」
「いいや、何も無かったわよ。実際今日までログインしてないから」
あまりにも全員が疲れすぎていたせいか、天狐と椿姫に心配されてしまう。
けれどベルが機転を利かせ、変に心配される前に答えた。
久しぶりのログインのせいか、まだ体が付いて行けていない。そんな嘘で塗り固めると、風邪を引いてしまったことを上手く隠した。
「しばらくログインしていないと、なかなかGAMEとの感覚の差異に気が付けませんからね。しっかりと休めてこその祝勝会です。温泉で疲れを取ってください」
「そうですよ。この温泉の効能は大したものです。疲労回復はもちろんですが、心のケアにも十分効果が有るんです」
「どんな理屈かは知らへんけどなぁ」
確かにどんな理屈でそんな効能がGAME内の温泉に含まれているのかは知らない。
けれどそれだけで十分納得はできた。
心の奥に取り残されていたモヤモヤがドンドン洗い流されている。そんな気持ちに胸躍り、ドンドン湯船に沈んで行く。
「沈むのはいいですけど、溺れないでくださいね」
「大丈夫ですよ」
「ほんま? 前にうちも沈んだことあるけど?」
「それは天狐が遊んでいたからでしょ」
「そら言わんといてや」
天孤は自分から墓穴を掘って怒られてしまった。
多分遊んでいたせいで沈んだんだろうけど、天孤ならそこまで気にも留めない。
そんな態度で笑みを浮かべていると、クロユリは椿姫と意味深な目配せをする。
「さてと、本日は夜です。モミジヤは現実と違って灯りが極端に少ないですからね」
「うん。だからこれが映えるんですよ。天狐!」
「はいはい。灯れ!」
椿姫は両手を湯船から上げて掲げる。すると何処からともなく【椿蔦】によって空に椿の花が咲く。
それに合わせて天狐も手を前に突き出すと、ボワッ! と【朧狐火】が発動。椿の花に灯ると、幻術を使わずにキラキラと輝く。
「ん? なにをする気だ」
「あれ? Nightも予定に無いことなの?」
如何やらNightも知らなかったらしい。
予定に無いことが起こっており、困惑した表情を浮かべる。
けれどそれを抜きにしても綺麗。アキラたちの視線が自然と惹き付けられていた。
「どや? 綺麗やろ」
「は、はい。でも急にどうして……?」
アキラは尋ね返した。すると天狐はにやけた笑みを浮かべる。
呼応するように【朧狐火】の色も淡く変化して、椿の花がまるで星のように輝いている。
とても綺麗で可愛らしい。幻想的な雰囲気にミニマムに浸った。
「これだけさぶいと目に映るもの全部が綺麗。それってえらいリラックスするわなぁ」
「そ、それはそうですけど」
「そやさかい言うことや。なっ、クロユリ」
「ええ。皆さんは大変頑張ったんです。この景色はそんな皆さんに送る小さな幻想。と言うことにしませんか?」
正直ピンとは来なかった。だって雪将軍たちを倒したのは継ぎ接ぎの絆じゃなくて、継ぎ接ぎの絆と妖帖の雅だからだ。
どちらかを引き立たせるなんて真似はしたくない。
そう思ってアキラは口を出した。
「しませんかって……はい」
けれどそんな野暮な真似は止めた。気が付けばNightに腕を掴まれていた。
余計なことは言うなの合図だと、すぐに理解し意識を切り替える。
だからこそここは妖帖の雅に甘える。
こんなプレゼント滅多に得られないと思い、ただ首ったけになる。
それでも満足な世界がキラキラと満点の星として描かれ、アキラたちの気持ちが澄んでいく。こんな体験を身近にできたこと、CUで繋がった今に感謝した。
11
お気に入りに追加
223
あなたにおすすめの小説
後輩と一緒にVRMMO!~弓使いとして精一杯楽しむわ~
夜桜てる
SF
世界初の五感完全没入型VRゲームハードであるFUTURO発売から早二年。
多くの人々の希望を受け、遂に発売された世界初のVRMMO『Never Dream Online』
一人の男子高校生である朝倉奈月は、後輩でありβ版参加勢である梨原実夜と共にNDOを始める。
主人公が後輩女子とイチャイチャしつつも、とにかくVRゲームを楽しみ尽くす!!
小説家になろうからの転載です。
最強と言われてたのに蓋を開けたら超難度不遇職
鎌霧
ファンタジー
『To The World Road』
倍率300倍の新作フルダイブ系VRMMOの初回抽選に当たり、意気揚々と休暇を取りβテストの情報を駆使して快適に過ごそうと思っていた。
……のだが、蓋をひらけば選択した職業は調整入りまくりで超難易度不遇職として立派に転生していた。
しかしそこでキャラ作り直すのは負けた気がするし、不遇だからこそ使うのがゲーマーと言うもの。
意地とプライドと一つまみの反骨精神で私はこのゲームを楽しんでいく。
小説家になろう、カクヨムにも掲載
最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。
【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。
沢山寝たい少女のVRMMORPG〜武器と防具は枕とパジャマ?!〜
雪雪ノ雪
ファンタジー
世界初のフルダイブ型のVRゲーム『Second World Online』通称SWO。
剣と魔法の世界で冒険をするVRMMORPGだ。
このゲームの1番の特徴は『ゲーム内での3時間は現実世界の1時間である』というもの。
これを知った少女、明日香 睡月(あすか すいげつ)は
「このゲームをやれば沢山寝れる!!」
と言いこのゲームを始める。
ゲームを始めてすぐ、ある問題点に気づく。
「お金がないと、宿に泊まれない!!ベットで寝れない!!....敷布団でもいいけど」
何とかお金を稼ぐ方法を考えた明日香がとった行動は
「そうだ!!寝ながら戦えばお金も経験値も入って一石三鳥!!」
武器は枕で防具はパジャマ!!少女のVRMMORPGの旅が今始まる!!
..........寝ながら。
転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。
襲
ファンタジー
〈あらすじ〉
信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。
目が覚めると、そこは異世界!?
あぁ、よくあるやつか。
食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに……
面倒ごとは御免なんだが。
魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。
誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。
やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。
日本VS異世界国家! ー政府が、自衛隊が、奮闘する。
スライム小説家
SF
令和5年3月6日、日本国は唐突に異世界へ転移してしまった。
地球の常識がなにもかも通用しない魔法と戦争だらけの異世界で日本国は生き延びていけるのか!?
異世界国家サバイバル、ここに爆誕!
生臭坊主の異世界転生 死霊術師はスローライフを送れない
しめさば
ファンタジー
急遽異世界へと転生することになった九条颯馬(30)
小さな村に厄介になるも、生活の為に冒険者に。
ギルドに騙され、与えられたのは最低ランクのカッパープレート。
それに挫けることなく日々の雑務をこなしながらも、不慣れな異世界生活を送っていた。
そんな九条を優しく癒してくれるのは、ギルドの担当職員であるミア(10)と、森で助けた狐のカガリ(モフモフ)。
とは言えそんな日常も長くは続かず、ある日を境に九条は人生の転機を迎えることとなる。
ダンジョンで手に入れた魔法書。村を襲う盗賊団に、新たなる出会い。そして見直された九条の評価。
冒険者ギルドの最高ランクであるプラチナを手にし、目標であるスローライフに一歩前進したかのようにも見えたのだが、現実はそう甘くない。
今度はそれを利用しようと擦り寄って来る者達の手により、日常は非日常へと変化していく……。
「俺は田舎でモフモフに囲まれ、ミアと一緒にのんびり暮らしていたいんだ!!」
降りかかる火の粉は魔獣達と死霊術でズバッと解決!
面倒臭がりの生臭坊主は死霊術師として成り上がり、残念ながらスローライフは送れない。
これは、いずれ魔王と呼ばれる男と、勇者の少女の物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる