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◇452 雷斬・天狐VS雪将軍1
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アキラたちがツユヨミの執拗な攻撃に対抗している間、雷斬と天狐また雪将軍と睨み合いをしていた。
その姿は壮絶なもので、お互いに一切退く気が無い。
けれどそれは状況から当り前のもので、何よりも全身から溢れ出る見えない気配。この場合は殺気と呼ぶに相応しいものが湯気のように立っていて、距離感を詰める気も無く立ち尽くしていた。
「それでどうすんねん」
「どうすると言われましても困りますね」
「今のとこ攻撃されへんけど、このまま立ち尽くしとっても始まらへんで」
「それは確かにそうですね。ですが、このまま距離間を維持し続け膠着を続ける……気はありませんよね」
「ほなやることは一つやな」
「ですね。では動きましょうか」
雷斬と天狐は覚悟を決める。
このまま動かずに倒せるほど、雪将軍は甘い相手ではない。
もっと現実味を帯びさせるのならば、二人の武器は刀。
所詮は近接武器なので、近付かなければまともな攻撃力は得られない。
あまりにも悲しい事実なのだが、二人は鼻っから遠距離で戦う気などなかった。
その証拠に雷斬の動きは顕著だった。
利き足が先に前に出ると、上半身を不自然に倒す。
明らかに何かしようとしている合図で、天狐にはその動きから縮地だと伝わる。
「やっぱり使えるんやな」
「やっぱりとは?」
「その動きやわぁ」
すると天狐も上半身を倒した。
その瞬間雷斬にも動きだけで意図が伝わるが、そんなことは如何だっていい。
何よりも天狐がこの動きを平然と取ったことが凄いのだ。
「凄いですね、天狐さん。流石は凄まじい剣士です」
「褒めるんは後にしよう。今は速攻で倒すんやで」
「そうですね」
こんな流ちょうな会話を繰り広げている暇は無い。そもそも余裕は無い。
にもかかわらず、ここまでのやり取りを雪将軍は見逃してくれていた。
わざとだろうか? それとも何か意図があるのか? 分からないことだらけで、余計に悩まされてしまうと、動きが鈍ってしまいそうだった。
「考えても仕方ありませんね。天狐さん、行きましょうか」
「そうやな」
雷斬と天狐は縮地を使おうとした。
一気に雪将軍に詰め寄り、刀を振り下ろそうというのだ。
けれどその策はあまりにも単純で、雪将軍は到底許してくれるはずもなかった。
「ヌルイワ!」
先に動いたのは雪将軍だった。
ドッシリ構えた状態で太刀を振り上げると、刀身を凍らせていた。
分厚く装われた太刀を振り抜くと、頬を凍て付き引き裂く氷の刃が向かってきた。
バリッバリッバリッバリッバリッバリッ!
轟音が耳元で爆散した。
雷斬と天狐は動こうとしたのだが、音に惑わされた挙句、動きがほんの一瞬だけ止まってしまった。
氷がぶつかり合って弾けると、細かくなって痛みが伴う。
「くっ、ここに来て絡めてですか」
「やるなぁ。そやけど、動きは一瞬しか止めへんけどなぁ」
「そうですね。動きを止めるのは一瞬で十分です!」
雷斬はスキルを発動した。動きが止まったことすらも自分の技へと好転させる。
種族スキル【雷鳴】と固有スキル【陣刃】を同時に発動。
重ね合わせると、直線距離を一気に稼いだ。
「ほぇ。えらい速いんやなぁ。ほな、うちも消えてみようかな」
天孤は一瞬にして雷と同化し、完全に姿が見えなくなった雷斬のことを讃える。
けれど讃えるだけでは終わらない。
自分自身も固有スキル【朧狐火】を発動させ、存在感を狐火の中に閉じ込める。
姿を見せなくし、風景に溶け込んで雪将軍の視界から完全に消失した。
「マタキエルカ! ツマランナ!」
雪将軍は悪態をついた。
けれど冷静な思考は溜まっており、怒りが伴った瞳は周囲を見極める。
所詮は姿を消しているにすぎない。即ち殺気も存在もそこにあるのだ。
「ダカラヌルイワ!」
雪将軍は全身を使って太刀を振り抜いた。
反時計回りで半回転をすると、忍び寄っていた雷斬と天狐を打ち払う。
まともに刀が触れ合って、痛みは軽減したのだが、そのまま慣性の赴くままに吹っ飛ばされた。
「「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」」
雷斬と天狐は叫んでいた。
まさか果敢に攻めた一撃が、校も容易く払われるなんて思わなかったのだ。
けれどまるでやられた感じはしない。吹っ飛ばされる中で冷静に思考は働いてくれて、無防備な体勢で受け身は取らずに、的確に着地をした。
「やられましたね」
「痛い。まさかまだこないに力が残っているなんて」
「そうですね。雪将軍は、まだまだ余力を残しているようです。これは全力を引き出しましょう」
「その方が面白そうやな」
雷斬も天狐も気が付いていた。
雪将軍は痛みを負いながらもまだまだ余裕。
この空気を怒りを断ち切らなければ勝利は無いと、二人は互いに目配せをしていた。
その姿は壮絶なもので、お互いに一切退く気が無い。
けれどそれは状況から当り前のもので、何よりも全身から溢れ出る見えない気配。この場合は殺気と呼ぶに相応しいものが湯気のように立っていて、距離感を詰める気も無く立ち尽くしていた。
「それでどうすんねん」
「どうすると言われましても困りますね」
「今のとこ攻撃されへんけど、このまま立ち尽くしとっても始まらへんで」
「それは確かにそうですね。ですが、このまま距離間を維持し続け膠着を続ける……気はありませんよね」
「ほなやることは一つやな」
「ですね。では動きましょうか」
雷斬と天狐は覚悟を決める。
このまま動かずに倒せるほど、雪将軍は甘い相手ではない。
もっと現実味を帯びさせるのならば、二人の武器は刀。
所詮は近接武器なので、近付かなければまともな攻撃力は得られない。
あまりにも悲しい事実なのだが、二人は鼻っから遠距離で戦う気などなかった。
その証拠に雷斬の動きは顕著だった。
利き足が先に前に出ると、上半身を不自然に倒す。
明らかに何かしようとしている合図で、天狐にはその動きから縮地だと伝わる。
「やっぱり使えるんやな」
「やっぱりとは?」
「その動きやわぁ」
すると天狐も上半身を倒した。
その瞬間雷斬にも動きだけで意図が伝わるが、そんなことは如何だっていい。
何よりも天狐がこの動きを平然と取ったことが凄いのだ。
「凄いですね、天狐さん。流石は凄まじい剣士です」
「褒めるんは後にしよう。今は速攻で倒すんやで」
「そうですね」
こんな流ちょうな会話を繰り広げている暇は無い。そもそも余裕は無い。
にもかかわらず、ここまでのやり取りを雪将軍は見逃してくれていた。
わざとだろうか? それとも何か意図があるのか? 分からないことだらけで、余計に悩まされてしまうと、動きが鈍ってしまいそうだった。
「考えても仕方ありませんね。天狐さん、行きましょうか」
「そうやな」
雷斬と天狐は縮地を使おうとした。
一気に雪将軍に詰め寄り、刀を振り下ろそうというのだ。
けれどその策はあまりにも単純で、雪将軍は到底許してくれるはずもなかった。
「ヌルイワ!」
先に動いたのは雪将軍だった。
ドッシリ構えた状態で太刀を振り上げると、刀身を凍らせていた。
分厚く装われた太刀を振り抜くと、頬を凍て付き引き裂く氷の刃が向かってきた。
バリッバリッバリッバリッバリッバリッ!
轟音が耳元で爆散した。
雷斬と天狐は動こうとしたのだが、音に惑わされた挙句、動きがほんの一瞬だけ止まってしまった。
氷がぶつかり合って弾けると、細かくなって痛みが伴う。
「くっ、ここに来て絡めてですか」
「やるなぁ。そやけど、動きは一瞬しか止めへんけどなぁ」
「そうですね。動きを止めるのは一瞬で十分です!」
雷斬はスキルを発動した。動きが止まったことすらも自分の技へと好転させる。
種族スキル【雷鳴】と固有スキル【陣刃】を同時に発動。
重ね合わせると、直線距離を一気に稼いだ。
「ほぇ。えらい速いんやなぁ。ほな、うちも消えてみようかな」
天孤は一瞬にして雷と同化し、完全に姿が見えなくなった雷斬のことを讃える。
けれど讃えるだけでは終わらない。
自分自身も固有スキル【朧狐火】を発動させ、存在感を狐火の中に閉じ込める。
姿を見せなくし、風景に溶け込んで雪将軍の視界から完全に消失した。
「マタキエルカ! ツマランナ!」
雪将軍は悪態をついた。
けれど冷静な思考は溜まっており、怒りが伴った瞳は周囲を見極める。
所詮は姿を消しているにすぎない。即ち殺気も存在もそこにあるのだ。
「ダカラヌルイワ!」
雪将軍は全身を使って太刀を振り抜いた。
反時計回りで半回転をすると、忍び寄っていた雷斬と天狐を打ち払う。
まともに刀が触れ合って、痛みは軽減したのだが、そのまま慣性の赴くままに吹っ飛ばされた。
「「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」」
雷斬と天狐は叫んでいた。
まさか果敢に攻めた一撃が、校も容易く払われるなんて思わなかったのだ。
けれどまるでやられた感じはしない。吹っ飛ばされる中で冷静に思考は働いてくれて、無防備な体勢で受け身は取らずに、的確に着地をした。
「やられましたね」
「痛い。まさかまだこないに力が残っているなんて」
「そうですね。雪将軍は、まだまだ余力を残しているようです。これは全力を引き出しましょう」
「その方が面白そうやな」
雷斬も天狐も気が付いていた。
雪将軍は痛みを負いながらもまだまだ余裕。
この空気を怒りを断ち切らなければ勝利は無いと、二人は互いに目配せをしていた。
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