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◇449 継ぎ接ぎ・妖帖VSツユヨミ3
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ツユヨミが消えた。また露を使って幻術を展開し、アキラたちの注意を散漫にさせる狙いだ。
隙ができた瞬間がツユヨミにとっての最大のチャンス。
逆に言えば、出て来た瞬間がアキラたちにとっての最大のチャンスになる。
表裏一体のこの状況。先に打破するのはどちらかと我慢比べで無言になった。
「……」
「……」
「……」
「……」
けれどアキラとNight、それからフェルノにベルの四人は、アイコンタクトで会話を成立させた。
目配せを取りながら、おしくらまんじゅうをするように固まる。
こうすることで背後は取られないで、みるべき視界は狭められた。
「椿、いざと言う時は……」
「【椿蔦】と【黒百合】ですね。分かっているよ」
クロユリと椿姫は流石のコミュニケーション能力だった。
互いの意思を一言ずつで理解すると、ツユヨミに崩されないように準備を終えた。
けれどそれすらツユヨミは想定していた。
まとまりを見せてくれる。まさにこの瞬間、ツユヨミは幻術を解放し、その姿を露わにした。
「イキマスヨ」
ツユヨミの声に反応して身を硬直させる。
しかしアキラたちは唖然としてしまった。
何を隠そう、ツユヨミが目の前に至って普通に現れたからだ。
「あ、あれ? 普通に現れたよ?」
「アキラ、焦るなよ。ツユヨミの体は露でできている。つまり攻撃はいくらやっても透過する」
「それじゃあ倒せないよ?」
「方法ならある。だがその前にツユヨミを捕まえるぞ」
Nightには考えがあるらしい。
けれどそのためにはツユヨミを捕まえる必要があった。
だけどツユヨミは捕まる気など更々ない。
姿を現したのは、アキラたちを倒すためだった。
「ツカマルツマリハナイデスヨ。イマココデキリフセマス」
ツユヨミは体を露に変化させ始めた。
この瞬間をNightは見過ごさない。
フェルノに視線を飛ばすと、その足で雪の上を蹴り上げる。
ツユヨミが幻術を使う前に、幻術を露を使って現実にする前に勝負を決めるのだ。
「OKが出たから、一気に燃やすよー!」
フェルノは【吸炎竜化】で炎を灯す。
それに加えて【熱量吸動】で更に炎を燃やし続ける。
フェルノの作戦。それはツユヨミは露になった瞬間を狙うもの。
炎を灯してツユヨミが幻術を使えなくなるまで水分を蒸発させる作戦だった。
あまりにもシンプル。そしてあまりに単調。
こんな技が無事に通るとは流石に誰も思っていなかったが、少しでも削れればそれで良かった。
視線を飛ばす暇はないが、雷斬と天狐も頑張っているはず。馳せる気持ちに背中を押され、勝負を即時決着させたいと考えていたのだが、ツユヨミは想定以上に面倒なことをした。
「ええっ!?」
目の前でツユヨミの姿が幾つにも分身した。
よくある分身の術。かと思えば少し違って、ツユヨミは体を露にしながら無数に分裂を繰り返す。
同じサイズのツユヨミがまるで影のようにアキラたちの周りを取り囲み、各々が短刀を手にして向かって来る。
「カズノボウリョクニクッスルノデス」
ツユヨミは単純な動きだったが、それを複数のパターンで作りだし、アキラたちに飛び掛かる。
纏まっていたせいか狙いが付きやすくなってしまい、唯一自由に動けていたフェルノですら、あまりの圧迫感に気圧される。
「ちょ、ちょっと待ってよ。流石にそれは反則……うわぁ!」
フェルノは二人のツユヨミに押し返された。
竜の鎧によって致命傷は防ぐものの、体勢を簡単に崩されてしまう。
担当の刃が眼球を狙い、それから首筋を狙って横薙ぎされそうになった。
けれどフェルノも負ける気はなく、炎を使って抗った。
「くそっ、全部に実体を持たせているのか。また面倒な」
「感心している場合じゃないわよ!」
Nightたちも苦汁を舐めさせられていた。
ツユヨミの猛攻が全然止まらないのだ。
それもそのはず数が多い。
おそらく三十人は居るはずで、分裂に対してアキラたちの手数が絶望的に足りていない。
一人一人がHPを削りながら、何度も湧いて来るツユヨミを対処していた。
「おっと、よっと! 流石に数が多くない? 一人倒しても、また次が向かって来るよ!」
「恐らくは、本体を分身させる際に、一つだけが本物ではなく、全体に少しずつ自分を込めたのでしょうね」
「そんなことできるのー? 流石に強すぎないかなー?」
確かにフェルノの言う通り嘆いても文句はなかった。
ツユヨミがクロユリの想像通り、体を無数に分裂され、それぞれの自分を入れることができるのなら、攻撃に実態があっても良い。
現に強く殴り付ければ幻術は簡単に崩れてしまうが、担当には確実に本物が使われていて、無謀に掴み掛れば切り裂かれていた。
「ソノテイドデスカ! ドウデス、ワタシノゲンジュツハ」
「凄いよ。それに強いよ。だからもう止めてくれないかな?」
ツユヨミは頭が良い。だから話し合いができるとアキラは思った。
褒めることで気分を良くさせ、できれば戦いを止めたいと提案する。
「ヤメルワケガアリマセンヨ」
「ですよねー。でもこれって幻術なのかな?」
だけどそんな真似できなかった。完全に聞き入れて貰えなかった。
むしろそれで火が付いてしまったのか、幻術で作った分身がよりエキサイティングに宙を舞う。
今度は空中も利用した三次元攻撃だった。
「ゲンジュツデスヨ。モットモ、ジッタイヲモッタゲンジュツデスガネ」
「実体を持ってたら、それって幻術じゃない気もするけど」
アキラたちが分身に対応してい間、ツユヨミは軽快に話してくれた。
完全に勝ちを確信している証拠だが、実体を持った幻術であると自らの口で明かす。
そうすることでより明確にアキラたちに認識させる狙いなのだろうが、アキラからしてみれば実体がある時点で幻術ではない気がした。
「これも幻術か……いた、その前にこのままじゃ押し切られるな」
「Nightさん、なにか手は無いんですか?」
とは言えその言葉に何か策を閃くNight。
十字架状の剣を大振りに振るい上げながら考えを巡らせるが、椿姫にこの状況の打開を頼まれる。
同時に処理することができるマルチタスクで、息が上がった状態では思うように働かない。
仕方ないとばかりに目の前のことに注力する道を選んだ。
「手はあるが、これで私のできることは終わるぞ」
「そんなの私たちが頑張ればいいでしょ! とにかくこの状況をなんとかしてよ!」
ベルにも急かされてしまった。
確かにこの状況は危機的すぎる。
悠々と飛び回り、攻撃の手を最小の動きだけで実現するツユヨミを一旦止めるべく、Nightは自分のできる最善を尽くした。
「そうだな。後は頼んだぞ、【ライフ・オブ・メイク】!」
Nightは地面を強く叩いた。
するとNightを中心に巨大な円が展開する。
ツユヨミは警戒して後方に下がるが、フェルノは押し返されて戻って来る。
それを見届け、的確なタイミングで【ライフ・オブ・メイク】で構築を完了させる。
するとNightたちは巨大な黒いドームに覆われた。その瞬間、外で待機していた何人かのツユヨミは吹き飛び、アキラたちは一時的な防御に成功した。
隙ができた瞬間がツユヨミにとっての最大のチャンス。
逆に言えば、出て来た瞬間がアキラたちにとっての最大のチャンスになる。
表裏一体のこの状況。先に打破するのはどちらかと我慢比べで無言になった。
「……」
「……」
「……」
「……」
けれどアキラとNight、それからフェルノにベルの四人は、アイコンタクトで会話を成立させた。
目配せを取りながら、おしくらまんじゅうをするように固まる。
こうすることで背後は取られないで、みるべき視界は狭められた。
「椿、いざと言う時は……」
「【椿蔦】と【黒百合】ですね。分かっているよ」
クロユリと椿姫は流石のコミュニケーション能力だった。
互いの意思を一言ずつで理解すると、ツユヨミに崩されないように準備を終えた。
けれどそれすらツユヨミは想定していた。
まとまりを見せてくれる。まさにこの瞬間、ツユヨミは幻術を解放し、その姿を露わにした。
「イキマスヨ」
ツユヨミの声に反応して身を硬直させる。
しかしアキラたちは唖然としてしまった。
何を隠そう、ツユヨミが目の前に至って普通に現れたからだ。
「あ、あれ? 普通に現れたよ?」
「アキラ、焦るなよ。ツユヨミの体は露でできている。つまり攻撃はいくらやっても透過する」
「それじゃあ倒せないよ?」
「方法ならある。だがその前にツユヨミを捕まえるぞ」
Nightには考えがあるらしい。
けれどそのためにはツユヨミを捕まえる必要があった。
だけどツユヨミは捕まる気など更々ない。
姿を現したのは、アキラたちを倒すためだった。
「ツカマルツマリハナイデスヨ。イマココデキリフセマス」
ツユヨミは体を露に変化させ始めた。
この瞬間をNightは見過ごさない。
フェルノに視線を飛ばすと、その足で雪の上を蹴り上げる。
ツユヨミが幻術を使う前に、幻術を露を使って現実にする前に勝負を決めるのだ。
「OKが出たから、一気に燃やすよー!」
フェルノは【吸炎竜化】で炎を灯す。
それに加えて【熱量吸動】で更に炎を燃やし続ける。
フェルノの作戦。それはツユヨミは露になった瞬間を狙うもの。
炎を灯してツユヨミが幻術を使えなくなるまで水分を蒸発させる作戦だった。
あまりにもシンプル。そしてあまりに単調。
こんな技が無事に通るとは流石に誰も思っていなかったが、少しでも削れればそれで良かった。
視線を飛ばす暇はないが、雷斬と天狐も頑張っているはず。馳せる気持ちに背中を押され、勝負を即時決着させたいと考えていたのだが、ツユヨミは想定以上に面倒なことをした。
「ええっ!?」
目の前でツユヨミの姿が幾つにも分身した。
よくある分身の術。かと思えば少し違って、ツユヨミは体を露にしながら無数に分裂を繰り返す。
同じサイズのツユヨミがまるで影のようにアキラたちの周りを取り囲み、各々が短刀を手にして向かって来る。
「カズノボウリョクニクッスルノデス」
ツユヨミは単純な動きだったが、それを複数のパターンで作りだし、アキラたちに飛び掛かる。
纏まっていたせいか狙いが付きやすくなってしまい、唯一自由に動けていたフェルノですら、あまりの圧迫感に気圧される。
「ちょ、ちょっと待ってよ。流石にそれは反則……うわぁ!」
フェルノは二人のツユヨミに押し返された。
竜の鎧によって致命傷は防ぐものの、体勢を簡単に崩されてしまう。
担当の刃が眼球を狙い、それから首筋を狙って横薙ぎされそうになった。
けれどフェルノも負ける気はなく、炎を使って抗った。
「くそっ、全部に実体を持たせているのか。また面倒な」
「感心している場合じゃないわよ!」
Nightたちも苦汁を舐めさせられていた。
ツユヨミの猛攻が全然止まらないのだ。
それもそのはず数が多い。
おそらく三十人は居るはずで、分裂に対してアキラたちの手数が絶望的に足りていない。
一人一人がHPを削りながら、何度も湧いて来るツユヨミを対処していた。
「おっと、よっと! 流石に数が多くない? 一人倒しても、また次が向かって来るよ!」
「恐らくは、本体を分身させる際に、一つだけが本物ではなく、全体に少しずつ自分を込めたのでしょうね」
「そんなことできるのー? 流石に強すぎないかなー?」
確かにフェルノの言う通り嘆いても文句はなかった。
ツユヨミがクロユリの想像通り、体を無数に分裂され、それぞれの自分を入れることができるのなら、攻撃に実態があっても良い。
現に強く殴り付ければ幻術は簡単に崩れてしまうが、担当には確実に本物が使われていて、無謀に掴み掛れば切り裂かれていた。
「ソノテイドデスカ! ドウデス、ワタシノゲンジュツハ」
「凄いよ。それに強いよ。だからもう止めてくれないかな?」
ツユヨミは頭が良い。だから話し合いができるとアキラは思った。
褒めることで気分を良くさせ、できれば戦いを止めたいと提案する。
「ヤメルワケガアリマセンヨ」
「ですよねー。でもこれって幻術なのかな?」
だけどそんな真似できなかった。完全に聞き入れて貰えなかった。
むしろそれで火が付いてしまったのか、幻術で作った分身がよりエキサイティングに宙を舞う。
今度は空中も利用した三次元攻撃だった。
「ゲンジュツデスヨ。モットモ、ジッタイヲモッタゲンジュツデスガネ」
「実体を持ってたら、それって幻術じゃない気もするけど」
アキラたちが分身に対応してい間、ツユヨミは軽快に話してくれた。
完全に勝ちを確信している証拠だが、実体を持った幻術であると自らの口で明かす。
そうすることでより明確にアキラたちに認識させる狙いなのだろうが、アキラからしてみれば実体がある時点で幻術ではない気がした。
「これも幻術か……いた、その前にこのままじゃ押し切られるな」
「Nightさん、なにか手は無いんですか?」
とは言えその言葉に何か策を閃くNight。
十字架状の剣を大振りに振るい上げながら考えを巡らせるが、椿姫にこの状況の打開を頼まれる。
同時に処理することができるマルチタスクで、息が上がった状態では思うように働かない。
仕方ないとばかりに目の前のことに注力する道を選んだ。
「手はあるが、これで私のできることは終わるぞ」
「そんなの私たちが頑張ればいいでしょ! とにかくこの状況をなんとかしてよ!」
ベルにも急かされてしまった。
確かにこの状況は危機的すぎる。
悠々と飛び回り、攻撃の手を最小の動きだけで実現するツユヨミを一旦止めるべく、Nightは自分のできる最善を尽くした。
「そうだな。後は頼んだぞ、【ライフ・オブ・メイク】!」
Nightは地面を強く叩いた。
するとNightを中心に巨大な円が展開する。
ツユヨミは警戒して後方に下がるが、フェルノは押し返されて戻って来る。
それを見届け、的確なタイミングで【ライフ・オブ・メイク】で構築を完了させる。
するとNightたちは巨大な黒いドームに覆われた。その瞬間、外で待機していた何人かのツユヨミは吹き飛び、アキラたちは一時的な防御に成功した。
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