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◇441 頼もしい援軍
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空から鬼火が降って来る。
アキラたちは魅了されてしまい、視線を釘付けになってしまった。
とっても綺麗な火だった。
意識がボーっとしてしまい、アキラの意識は遠のいていく。
しかしそんなアキラのことを引き戻す声がした。
すぐ耳元で、ふと肩に手を置かれるのが分かる。
「いける、怪我してへん?」
聞き馴染みのある声だった。
アキラは目を見開くと、視線の先に金髪の髪に、狐の耳と尻尾。
それから鬼火を携えた刀を振りかざした。
「ここはうちに任せて、少し下がった方がええわぁ」
少女=天狐はそう答えた。
すると胸を突かれると、そのまま戦線を離脱する。
「えっ!? うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
離脱すると言っても全然安全じゃなかった。
高いところから突き飛ばされてしまい、咄嗟に絶叫を上げた。
それと同時に何を使うべきか、こここそ【幽体化】の筈だ。
「ゆ、【幽体……今度はなにぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!」
アキラはスキルを使おうとした。
けれどそれすら間に合わなかった。
今度はなにが起きたのか、腰に植物に蔦が巻き付いて、反発する力で引き寄せられたのだ。
痛い、痛すぎる。腰が裂けそうだった。
骨が軋み呻き声を上げる。
これは死んだなと直感で理解するが、突然柔らかい何かに受け止められた。
「うへっ!」
「ご無事ですか、アキラさん?」
今度も聞いたことが声だった。
目を開けて薄っすら視線を移動させると、そこに居たのはクロユリだった。
「クロユリさん?」
「ご無事ですか、皆さん?」
クロユリは妖艶な笑みを浮かべた。
如何やらクロユリたち妖帖の雅もここに来ているらしい。
「どうしてここに?」
「雪将軍は強いと聞いていたので、どうしても天狐が見に行きたいと言い出しましてね。乗り掛かった舟です。私たちも手伝おうと思えば、案の状強敵でしたね」
妖帖の雅はアキラたちの行動を知っていた。逐一連絡を取り情報共有もしていた。
だからだろうか、雪将軍の出現時間や場所、私達の行動パターンもある程度解釈を取っていた。
おかげで私たちの窮地に駆け付けてくれたようで本当に助かった。おまけに傍には【椿蔦】を使い全員を回収してくれた椿姫の姿もある。全員無事なようで、誰もやられてはいなかった。
「皆さん、大丈夫ですか?」
「椿さん。は、はい。なんとか……って、なんですか、これ!?」
アキラは自分を受け止めてくれたものに今気が付いた。
巨大な黒い百合の花。それがクッションになって体を受け止めてくれていた。
衝撃を吸収し、地面へと伝わせている。
見ての通りだが、これがクロユリの種族スキルだった。
「これは私のスキルです。【黒百合】、実に私に合ってはいませんか?」
「は、はい。それにしても便利ですよね」
「そうですね。では、少し距離を取りましょうか」
距離を取る? この大人数でそんなことができるのか。
アキラとNightは互いに顔を見合わせると、クロユリは天狐に伝えた。
「天狐、五分程時間を稼げますか? 貴女の狐火が頼りですよ」
「五分でええの?」
「それでは私たちは体勢を立て直しますね。絶対に負けないでください」
「そんなん分かってんで。そやさかいみんなも無事に戻って来てな」
クロユリはそう言うと、天狐一人を残してその場を一旦離れる。
動ける人は足で、動けない人は蔦で掬われる。
「クロユリさん、何処まで逃げるんですか? それに天狐さん一人置いて!」
「天狐は大丈夫ですよ。それと何処までと言われればそうですね。武家屋敷の敷地内です」
如何して武家屋敷の敷地内なのか。アキラは嫌な予感が直感した。
まさかそんなはずと思ったのだが、椿姫は口走る。
「この武家屋敷は、入るのは簡単ですが外に出ることはできないようですよ」
「つまり外に出られないの?」
「そう言うことです。幻術ではなく、仕様みたいですよ」
ボス戦らしかった。一度戦いに赴けば逃げることは叶わない。
弱った状態で果たして突破できるだろうか。
アキラは雪将軍の厄介さを見て、少しだけ弱音を吐いてしまった。
「出る方法は無いのか?」
「Nightさんなら分かると思いますよ?」
「やはりか」
Nightが分かり切っていることを口走る。
クロユリも同感のようで、お互いに唇を噛んでいた。
そうこうしていると、ほんの少しだけ距離を取った。
まだ武家屋敷の中、入り口付近ではあるが、何やら障壁が張られていてこれ以上先には行けない。
本当に外に出て逃げおおせることは不可能になっていた。
「本当に出られない」
武家屋敷の外には出られない。
となればやれることは限られる。
アキラもそれを痛感すると、動けないでは行けなかった。
「それじゃあ倒さないとですね」
「当り前だ。落とし前はきっちりつける。もちろん勝利で終わらせるぞ」
Nightはそう答えると、【ライフ・オブ・メイク】で何かを作った。
形的には如何やら即興の刀。
誰用かなど問う必要もない。
「立てるか雷斬」
「もちろんです。ここで終わらせます。ですので私が終わる気はありませんから」
全回復ではないが雷斬は立ち上がった。
まだ全身に痺れが期待している。満足には動けないだろう。
それが分かっているのに立ち上がる姿は感慨深く、アキラたちも負ける気になれない。
「それじゃあ行くよ、みんな」
「私たちもここまで来たからには手伝います。共に打ち勝ちましょう」
アキラとクロユリ、双方のギルドマスターが宣言した。
雪将軍もツユヨミもここで倒すと決め、武家屋敷へと戻る。
そのために回復をしっかり摂り、五分後に動き出した。
アキラたちは魅了されてしまい、視線を釘付けになってしまった。
とっても綺麗な火だった。
意識がボーっとしてしまい、アキラの意識は遠のいていく。
しかしそんなアキラのことを引き戻す声がした。
すぐ耳元で、ふと肩に手を置かれるのが分かる。
「いける、怪我してへん?」
聞き馴染みのある声だった。
アキラは目を見開くと、視線の先に金髪の髪に、狐の耳と尻尾。
それから鬼火を携えた刀を振りかざした。
「ここはうちに任せて、少し下がった方がええわぁ」
少女=天狐はそう答えた。
すると胸を突かれると、そのまま戦線を離脱する。
「えっ!? うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
離脱すると言っても全然安全じゃなかった。
高いところから突き飛ばされてしまい、咄嗟に絶叫を上げた。
それと同時に何を使うべきか、こここそ【幽体化】の筈だ。
「ゆ、【幽体……今度はなにぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!」
アキラはスキルを使おうとした。
けれどそれすら間に合わなかった。
今度はなにが起きたのか、腰に植物に蔦が巻き付いて、反発する力で引き寄せられたのだ。
痛い、痛すぎる。腰が裂けそうだった。
骨が軋み呻き声を上げる。
これは死んだなと直感で理解するが、突然柔らかい何かに受け止められた。
「うへっ!」
「ご無事ですか、アキラさん?」
今度も聞いたことが声だった。
目を開けて薄っすら視線を移動させると、そこに居たのはクロユリだった。
「クロユリさん?」
「ご無事ですか、皆さん?」
クロユリは妖艶な笑みを浮かべた。
如何やらクロユリたち妖帖の雅もここに来ているらしい。
「どうしてここに?」
「雪将軍は強いと聞いていたので、どうしても天狐が見に行きたいと言い出しましてね。乗り掛かった舟です。私たちも手伝おうと思えば、案の状強敵でしたね」
妖帖の雅はアキラたちの行動を知っていた。逐一連絡を取り情報共有もしていた。
だからだろうか、雪将軍の出現時間や場所、私達の行動パターンもある程度解釈を取っていた。
おかげで私たちの窮地に駆け付けてくれたようで本当に助かった。おまけに傍には【椿蔦】を使い全員を回収してくれた椿姫の姿もある。全員無事なようで、誰もやられてはいなかった。
「皆さん、大丈夫ですか?」
「椿さん。は、はい。なんとか……って、なんですか、これ!?」
アキラは自分を受け止めてくれたものに今気が付いた。
巨大な黒い百合の花。それがクッションになって体を受け止めてくれていた。
衝撃を吸収し、地面へと伝わせている。
見ての通りだが、これがクロユリの種族スキルだった。
「これは私のスキルです。【黒百合】、実に私に合ってはいませんか?」
「は、はい。それにしても便利ですよね」
「そうですね。では、少し距離を取りましょうか」
距離を取る? この大人数でそんなことができるのか。
アキラとNightは互いに顔を見合わせると、クロユリは天狐に伝えた。
「天狐、五分程時間を稼げますか? 貴女の狐火が頼りですよ」
「五分でええの?」
「それでは私たちは体勢を立て直しますね。絶対に負けないでください」
「そんなん分かってんで。そやさかいみんなも無事に戻って来てな」
クロユリはそう言うと、天狐一人を残してその場を一旦離れる。
動ける人は足で、動けない人は蔦で掬われる。
「クロユリさん、何処まで逃げるんですか? それに天狐さん一人置いて!」
「天狐は大丈夫ですよ。それと何処までと言われればそうですね。武家屋敷の敷地内です」
如何して武家屋敷の敷地内なのか。アキラは嫌な予感が直感した。
まさかそんなはずと思ったのだが、椿姫は口走る。
「この武家屋敷は、入るのは簡単ですが外に出ることはできないようですよ」
「つまり外に出られないの?」
「そう言うことです。幻術ではなく、仕様みたいですよ」
ボス戦らしかった。一度戦いに赴けば逃げることは叶わない。
弱った状態で果たして突破できるだろうか。
アキラは雪将軍の厄介さを見て、少しだけ弱音を吐いてしまった。
「出る方法は無いのか?」
「Nightさんなら分かると思いますよ?」
「やはりか」
Nightが分かり切っていることを口走る。
クロユリも同感のようで、お互いに唇を噛んでいた。
そうこうしていると、ほんの少しだけ距離を取った。
まだ武家屋敷の中、入り口付近ではあるが、何やら障壁が張られていてこれ以上先には行けない。
本当に外に出て逃げおおせることは不可能になっていた。
「本当に出られない」
武家屋敷の外には出られない。
となればやれることは限られる。
アキラもそれを痛感すると、動けないでは行けなかった。
「それじゃあ倒さないとですね」
「当り前だ。落とし前はきっちりつける。もちろん勝利で終わらせるぞ」
Nightはそう答えると、【ライフ・オブ・メイク】で何かを作った。
形的には如何やら即興の刀。
誰用かなど問う必要もない。
「立てるか雷斬」
「もちろんです。ここで終わらせます。ですので私が終わる気はありませんから」
全回復ではないが雷斬は立ち上がった。
まだ全身に痺れが期待している。満足には動けないだろう。
それが分かっているのに立ち上がる姿は感慨深く、アキラたちも負ける気になれない。
「それじゃあ行くよ、みんな」
「私たちもここまで来たからには手伝います。共に打ち勝ちましょう」
アキラとクロユリ、双方のギルドマスターが宣言した。
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