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◇394 【キメラハント】VS【AS】2
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アキラたちは人が滅多にやって来ない場所にやって来た。
そこはスタットからは程近いが、マップではかなり置く。
樹海の中の一角で、大分開けた土地を有していた。
こんな何も無い所にやって来るようなプレイヤーはまず居るはずがない。おまけにこの辺りはモンスターのレベルも高いので、高レベルのプレイヤーも好んでは近付きたくないのだろう。
「この辺りでいいかな?」
「大丈夫です。それじゃあ、PvPでしたよね。決闘申請を……」
「こっちから出したよ」
けみーはいち早くアキラに決闘申請を出した。
目の前に表示されると、タッチして申請を了承した。
「申請を受けました」
「そうかい。それじゃあルールを確認しようか」
けみーはルールを確認してくれた。
今回の決闘はあくまでも模擬戦と言う形だ。
賭けは発生しないから、負けてもアイテムを失うことはない。
さらに追加ルールとしてどちらかが一発貰ったらその時点で決闘は終了になる。
範囲も今見えている円形の平地のみ。この外に出た場合はダメージを受けるシステムになっていた。
「それじゃあボーダーを設定するよ」
「ボーダー?」
アキラは首を捻った。なにが起きるのか気になりキョロキョロしていると、急に視界の端が半透明の何かに覆われ始めた。
如何やら周囲にボーダーと言うものが発生し、気が付くとアキラとけみーは空間に閉じ込められていた。
コレがボーダーライン。一瞬にしてドーム状に形成され、初めての感覚に目を丸くした。
「凄い。こんなシステムが用意されていたんだ」
「驚いている所悪いけど、そろそろ始めようか。開始の宣言をするよ」
「は、はい!」
けみーは決闘の宣言を行った。
その奥では唯一の見物客として観に来ているソウラが応援してくれていた。
「二人とも頑張ってね!」
「「はい」」
二人はソウラの応援に答えようと思った。
お互いに距離を一定数取るや、決闘が開始された。
「それじゃあ早速……」
「遅いよ」
アキラは【キメラハント】を使って早速構えようとした。
けれどその隙すら与えて貰えず、けみーは飛び込んできた。
本当に一瞬だった。頭から猫の耳、それから猫の尻尾を生やしている。これがケットシー特有の【猫化】。だけどそれだけではない。もう一つのスキル【AS】も使っているのだ。
「危なっ!」
アキラは身を逸らして躱した。
けみーの鋭いパンチを何とか避けると、今度は反撃するために拳を繰り出した。
けれどこの攻撃は空を切る。何も無い虚空をすり抜けると、いつの間にかけみーはアキラの真後ろに入り込んでいた。
「嘘っ!?」
「甘いね。僕の見込み違いかな?」
そんな謂れをされる筋合いはない。
アキラはけみーの眼が鋭い猫のようで不気味に思うと、後ろ回し蹴りを繰り出して抵抗する。
流石にこの位置なら当たる。そう思ったのも束の間。アキラの繰り出した左脚を掴むと、勢いそのままに放り投げる。
「うわぁぁぁぁぁ! ……なんて、ねっ!」
放り投げられたアキラは近くに生えていた木の幹に足の裏を叩き付けた。
【キメラハント】:【月跳】を発動し、ダメージ0で抑えた。
如何やら上手く力を逃がすことができたようで、衝撃を反転させけみーに飛び掛かる。
「そりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「流石はアキラだね。でも、そんな直線的な移動だと僕には追いつけないよ」
けみーは期待感を膨らませつつも、一瞬で目の前から姿を消す。
反対方向に【AS】を使って逃げてしまった。
距離を取られ、目の前から姿を消されたアキラ。けれどそれくらいは想定の範囲内だったようで、地面に着地するとすぐさま勢いを殺さずにバネとして活用し、逃げたけみーを追撃する。
「本当にアキラは面白いね。だったら、こっちも負けられないかな」
けみーは両腕にブレードを装備していた。
向かってくるアキラのことを切り伏せようというのだ。
そうはさせない。アキラも付き出されたブレードを目の当たりにし今更止まれないので、ブレードを逆手に取ることにした。
「この攻撃、アキラなら躱せるよね」
「もちろんですよっ!」
期待に応える様にブレードの平らな部分に手を付いた。
軽い身のこなしで空中に体をやると、けみーの背後を奪う。
これなら隙を突ける……など、甘い考えを抱くことはしなかった。
その場であえて動かずにけみーの動作を待つ。
「如何して攻撃して来なかったのかな?」
そのことを不審がられてしまったらしい。
流石はけみーだと感心すると、アキラはけみーの思惑通りのことを口にした。
「近付いたら切られてましたよね」
「ふん。やっぱり面白い……僕の見えない殺気に気付けるなんてね」
「ありがとうございます。でも、ここからは……」
「うん。本気で行くよ!」
アキラとけみーは互いにぶつかり合った。
先程よりも若干ヒートアップしている。全身から熱量を感じ取れるくらいだ。
それもそのはず、お互いの力は互角以上。にもかかわらず、どちらも表情を変えることなく口元をニヤリとさせていた。
そこはスタットからは程近いが、マップではかなり置く。
樹海の中の一角で、大分開けた土地を有していた。
こんな何も無い所にやって来るようなプレイヤーはまず居るはずがない。おまけにこの辺りはモンスターのレベルも高いので、高レベルのプレイヤーも好んでは近付きたくないのだろう。
「この辺りでいいかな?」
「大丈夫です。それじゃあ、PvPでしたよね。決闘申請を……」
「こっちから出したよ」
けみーはいち早くアキラに決闘申請を出した。
目の前に表示されると、タッチして申請を了承した。
「申請を受けました」
「そうかい。それじゃあルールを確認しようか」
けみーはルールを確認してくれた。
今回の決闘はあくまでも模擬戦と言う形だ。
賭けは発生しないから、負けてもアイテムを失うことはない。
さらに追加ルールとしてどちらかが一発貰ったらその時点で決闘は終了になる。
範囲も今見えている円形の平地のみ。この外に出た場合はダメージを受けるシステムになっていた。
「それじゃあボーダーを設定するよ」
「ボーダー?」
アキラは首を捻った。なにが起きるのか気になりキョロキョロしていると、急に視界の端が半透明の何かに覆われ始めた。
如何やら周囲にボーダーと言うものが発生し、気が付くとアキラとけみーは空間に閉じ込められていた。
コレがボーダーライン。一瞬にしてドーム状に形成され、初めての感覚に目を丸くした。
「凄い。こんなシステムが用意されていたんだ」
「驚いている所悪いけど、そろそろ始めようか。開始の宣言をするよ」
「は、はい!」
けみーは決闘の宣言を行った。
その奥では唯一の見物客として観に来ているソウラが応援してくれていた。
「二人とも頑張ってね!」
「「はい」」
二人はソウラの応援に答えようと思った。
お互いに距離を一定数取るや、決闘が開始された。
「それじゃあ早速……」
「遅いよ」
アキラは【キメラハント】を使って早速構えようとした。
けれどその隙すら与えて貰えず、けみーは飛び込んできた。
本当に一瞬だった。頭から猫の耳、それから猫の尻尾を生やしている。これがケットシー特有の【猫化】。だけどそれだけではない。もう一つのスキル【AS】も使っているのだ。
「危なっ!」
アキラは身を逸らして躱した。
けみーの鋭いパンチを何とか避けると、今度は反撃するために拳を繰り出した。
けれどこの攻撃は空を切る。何も無い虚空をすり抜けると、いつの間にかけみーはアキラの真後ろに入り込んでいた。
「嘘っ!?」
「甘いね。僕の見込み違いかな?」
そんな謂れをされる筋合いはない。
アキラはけみーの眼が鋭い猫のようで不気味に思うと、後ろ回し蹴りを繰り出して抵抗する。
流石にこの位置なら当たる。そう思ったのも束の間。アキラの繰り出した左脚を掴むと、勢いそのままに放り投げる。
「うわぁぁぁぁぁ! ……なんて、ねっ!」
放り投げられたアキラは近くに生えていた木の幹に足の裏を叩き付けた。
【キメラハント】:【月跳】を発動し、ダメージ0で抑えた。
如何やら上手く力を逃がすことができたようで、衝撃を反転させけみーに飛び掛かる。
「そりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「流石はアキラだね。でも、そんな直線的な移動だと僕には追いつけないよ」
けみーは期待感を膨らませつつも、一瞬で目の前から姿を消す。
反対方向に【AS】を使って逃げてしまった。
距離を取られ、目の前から姿を消されたアキラ。けれどそれくらいは想定の範囲内だったようで、地面に着地するとすぐさま勢いを殺さずにバネとして活用し、逃げたけみーを追撃する。
「本当にアキラは面白いね。だったら、こっちも負けられないかな」
けみーは両腕にブレードを装備していた。
向かってくるアキラのことを切り伏せようというのだ。
そうはさせない。アキラも付き出されたブレードを目の当たりにし今更止まれないので、ブレードを逆手に取ることにした。
「この攻撃、アキラなら躱せるよね」
「もちろんですよっ!」
期待に応える様にブレードの平らな部分に手を付いた。
軽い身のこなしで空中に体をやると、けみーの背後を奪う。
これなら隙を突ける……など、甘い考えを抱くことはしなかった。
その場であえて動かずにけみーの動作を待つ。
「如何して攻撃して来なかったのかな?」
そのことを不審がられてしまったらしい。
流石はけみーだと感心すると、アキラはけみーの思惑通りのことを口にした。
「近付いたら切られてましたよね」
「ふん。やっぱり面白い……僕の見えない殺気に気付けるなんてね」
「ありがとうございます。でも、ここからは……」
「うん。本気で行くよ!」
アキラとけみーは互いにぶつかり合った。
先程よりも若干ヒートアップしている。全身から熱量を感じ取れるくらいだ。
それもそのはず、お互いの力は互角以上。にもかかわらず、どちらも表情を変えることなく口元をニヤリとさせていた。
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