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◇337 結局何も釣れなかった
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「はぁー」
明輝はベッドの上に横になった。
仰向けで天井を見上げると、LEDの光がちょっと眩しく目に入った。
「はぁー、結局その後は何にも釣れなかった」
明輝が溜息をついているのは他でもなかった。
あの後頑張ってポイントを変えながら釣りをしてみたけれど、何にも釣れなかった。
もちろんそう甘くないことは予測していた。
Nightからも「仕方ないだろ」と言われてしまったが、まさか六時間も頑張ったのに何も成果が無かった。
しかも明輝が最初に鯉を釣り上げて以来、普通の魚すら釣れなくなった。もちろんモンスターも見かけなかった。
「モンスターにすら出遭えなかったけど……そう言う日もあるってことかな?」
明輝は考えるのを止めることにする。今更気にしても仕方ないし、意識を切り替えて無視することにした。
ベッドから起き上がってリビングでテレビでも観ることにした。
部屋の扉を開けて廊下に出ようとすると、不意に明輝は頭痛とまではいかない立ち眩みに襲われた。
「うっ! ……」
明輝は頭を抑えた。何が起きたのか分からなかったけれど、不意にドライブを手に取っていた。
理由は明輝にも分からない。だけど明輝に頭痛がしたのと同時にドライブが光った気がしたのだ。
「な、なに?」
今一瞬光った? 明輝は首を捻りドライブを取りに行く。
すると急に頭痛が無くなった。
明輝がドライブを手にした瞬間だったので、まるで呼応しているみたいで不思議に思った。だけどきっとただの偶然のはずだと、明輝は思いうことにした。
「何でドライブが……メッセージ?」
突然のメッセージに明輝は首を捻った。
誰からだろうと思い差出人の名前を見てみると[リュー]と書いてあった。
(誰?)
そんな名前の人とIDを交換した覚えはない。明輝は恐怖すら感じたが、メッセージが不穏だった。
[ごめんなさい]
「ごめんなさい? 誰に謝っているんだろ?」
何故か謝られてしまった。もしかしたら明輝宛じゃないのかもと思ったが、次のメッセージが返ってきた。
[頭痛は治まりましたか?]
「な、何で頭痛のこと……えっ!?」
今の状況にピッタリすぎて明輝は恐怖を覚えてしまう。
けれど「とりあえず大丈夫だけど……」と口にしながらメッセージを返そうとした途端、今度は[良かったです]と返る。
まるで明輝の言葉を盗聴器か何かで聞いているみたいで怖かったが、メッセージはまだまだ続いた。
[龍の髭は見つかりませんか?]
しかも龍の髭のことに付いての話題だった。
明輝はタイムリーな話に瞬きを何度も繰り返すと、「な、なにか知っているの?」と不安混じりに言葉を吐き出した。
[詳しくは知りませんが……]
すると答えが返ってきた。
完全にメッセージと言葉で会話が成立していて、明輝は額を抑える。
だけどこれは逆に面白いかもと思い、リモート感覚で会話を続ける。
コレができるのも、明輝が疑いつつも意識の切り替えから本質的に危険じゃないと判断したからだろう。
「えっと、リューさんだっけ? 龍の髭に付いて知っているんだよね?」
[はい]
「仕様的に詳しくは教えられないかもだけど、少しだけヒントをくれないかな?」
[仕様的?]
明輝は誰かも分からない相手と会話を続けた。
するとしばらくメッセージが返ってこず、何か引っかかることでもあったのかと不安がよぎる。
しかしメッセージがものの一分後には普通に返ってきた。
[構いませんよ。龍の髭は確かにあの池に居ます]
「やっぱり居るってことは生き物なんだ……」
既にそのレベルで疑っていた。
だけど何故か確信を持つことができて、明輝はホッと胸を撫で下ろす。
「どんな生き物なの?」
[何の変哲もない生き物ですよ]
やっぱり何が居るのかは教えてくれなかった。
完全にぼやかしに来ていて、明輝は「うーん」と唸ってしまう。
「どうやったら釣れるの? 何が居るかは別にいいから、せめて何か釣れて欲しくて」
[諦めずに釣りのポイントを変えながら挑戦することです。そうすれば道は開けます]
「諦めないってことだね……うん、やっぱりそうだよね」
あの世界は楽勝何て文字は何処にもない。
だから根気よく粘って頑張るしかない。明輝は意識を切り替えて、その言葉の重みを再度捉えた。
「ありがとう。リューさん」
明輝は誰かもよく分からない相手に感謝を伝えた。
するとメッセージが送られてこなくて、これで終わりかなと雰囲気が立ち込める。
しかしドライブを置こうとした瞬間、次のメッセージが届いた。
[……一つ、教えておきたいことがあります]
「な、なに?」
何だか神妙な雰囲気が流れた。
明輝はジッと固まると、メッセージが続いた。
そこにはこう書かれている。
[七日……池の奥に一人で行ってみると面白いことになるかもしれませんよ]
「面白いこと?」
[健闘を祈ります]
そこでプッツリ、メッセージは途絶えた。
何だか不思議な体験をした明輝は、そのままベッドの上に横になる。
仰向けのまま天井を見つめていたが、何だか急に眠たくなって目を閉じていた。
明輝はベッドの上に横になった。
仰向けで天井を見上げると、LEDの光がちょっと眩しく目に入った。
「はぁー、結局その後は何にも釣れなかった」
明輝が溜息をついているのは他でもなかった。
あの後頑張ってポイントを変えながら釣りをしてみたけれど、何にも釣れなかった。
もちろんそう甘くないことは予測していた。
Nightからも「仕方ないだろ」と言われてしまったが、まさか六時間も頑張ったのに何も成果が無かった。
しかも明輝が最初に鯉を釣り上げて以来、普通の魚すら釣れなくなった。もちろんモンスターも見かけなかった。
「モンスターにすら出遭えなかったけど……そう言う日もあるってことかな?」
明輝は考えるのを止めることにする。今更気にしても仕方ないし、意識を切り替えて無視することにした。
ベッドから起き上がってリビングでテレビでも観ることにした。
部屋の扉を開けて廊下に出ようとすると、不意に明輝は頭痛とまではいかない立ち眩みに襲われた。
「うっ! ……」
明輝は頭を抑えた。何が起きたのか分からなかったけれど、不意にドライブを手に取っていた。
理由は明輝にも分からない。だけど明輝に頭痛がしたのと同時にドライブが光った気がしたのだ。
「な、なに?」
今一瞬光った? 明輝は首を捻りドライブを取りに行く。
すると急に頭痛が無くなった。
明輝がドライブを手にした瞬間だったので、まるで呼応しているみたいで不思議に思った。だけどきっとただの偶然のはずだと、明輝は思いうことにした。
「何でドライブが……メッセージ?」
突然のメッセージに明輝は首を捻った。
誰からだろうと思い差出人の名前を見てみると[リュー]と書いてあった。
(誰?)
そんな名前の人とIDを交換した覚えはない。明輝は恐怖すら感じたが、メッセージが不穏だった。
[ごめんなさい]
「ごめんなさい? 誰に謝っているんだろ?」
何故か謝られてしまった。もしかしたら明輝宛じゃないのかもと思ったが、次のメッセージが返ってきた。
[頭痛は治まりましたか?]
「な、何で頭痛のこと……えっ!?」
今の状況にピッタリすぎて明輝は恐怖を覚えてしまう。
けれど「とりあえず大丈夫だけど……」と口にしながらメッセージを返そうとした途端、今度は[良かったです]と返る。
まるで明輝の言葉を盗聴器か何かで聞いているみたいで怖かったが、メッセージはまだまだ続いた。
[龍の髭は見つかりませんか?]
しかも龍の髭のことに付いての話題だった。
明輝はタイムリーな話に瞬きを何度も繰り返すと、「な、なにか知っているの?」と不安混じりに言葉を吐き出した。
[詳しくは知りませんが……]
すると答えが返ってきた。
完全にメッセージと言葉で会話が成立していて、明輝は額を抑える。
だけどこれは逆に面白いかもと思い、リモート感覚で会話を続ける。
コレができるのも、明輝が疑いつつも意識の切り替えから本質的に危険じゃないと判断したからだろう。
「えっと、リューさんだっけ? 龍の髭に付いて知っているんだよね?」
[はい]
「仕様的に詳しくは教えられないかもだけど、少しだけヒントをくれないかな?」
[仕様的?]
明輝は誰かも分からない相手と会話を続けた。
するとしばらくメッセージが返ってこず、何か引っかかることでもあったのかと不安がよぎる。
しかしメッセージがものの一分後には普通に返ってきた。
[構いませんよ。龍の髭は確かにあの池に居ます]
「やっぱり居るってことは生き物なんだ……」
既にそのレベルで疑っていた。
だけど何故か確信を持つことができて、明輝はホッと胸を撫で下ろす。
「どんな生き物なの?」
[何の変哲もない生き物ですよ]
やっぱり何が居るのかは教えてくれなかった。
完全にぼやかしに来ていて、明輝は「うーん」と唸ってしまう。
「どうやったら釣れるの? 何が居るかは別にいいから、せめて何か釣れて欲しくて」
[諦めずに釣りのポイントを変えながら挑戦することです。そうすれば道は開けます]
「諦めないってことだね……うん、やっぱりそうだよね」
あの世界は楽勝何て文字は何処にもない。
だから根気よく粘って頑張るしかない。明輝は意識を切り替えて、その言葉の重みを再度捉えた。
「ありがとう。リューさん」
明輝は誰かもよく分からない相手に感謝を伝えた。
するとメッセージが送られてこなくて、これで終わりかなと雰囲気が立ち込める。
しかしドライブを置こうとした瞬間、次のメッセージが届いた。
[……一つ、教えておきたいことがあります]
「な、なに?」
何だか神妙な雰囲気が流れた。
明輝はジッと固まると、メッセージが続いた。
そこにはこう書かれている。
[七日……池の奥に一人で行ってみると面白いことになるかもしれませんよ]
「面白いこと?」
[健闘を祈ります]
そこでプッツリ、メッセージは途絶えた。
何だか不思議な体験をした明輝は、そのままベッドの上に横になる。
仰向けのまま天井を見つめていたが、何だか急に眠たくなって目を閉じていた。
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