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◇303 大掃除中の発見
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「よし、とりあえず今日は使ってない部屋の掃除をしよう!」
十二月も終わり差し掛かると、日本人は忙しくなった。
年末年始は年納めとして、お正月料理を作る材料を買いこんだり、仕事を一段落付けて長い休みを取ったり、忙しない日常が一旦終わろうとするので、その分の詰め込みが発生していた。
そして明輝にもやらないといけないことがあった。
それは一年の年納め、大掃除だ。
「普段から掃除は定期的にやってるから良いんだけど……この部屋は全然なんだよね」
そこは二階の角部屋で、現在は倉庫になっている部屋だった。
そしてこの部屋の隣、明輝の母親の部屋も手付かずだった。
「まあお母さんの部屋は余計なことしない方が良いよね。掃除機くらいはかけてるから」
勝手に物を漁るのは良くないと思っていた。
だから部屋に入ることはあっても、基本的には窓を開けて空気の入れ替えをしたり、掃除機で床のごみを取るくらいだった。
だからある程度は綺麗な状態を保っていて、明輝としてもある程度は満足だった。
だけど問題はもう一つの部屋だ。
こっちの倉庫となっている部屋は色んなものがごちゃ混ぜになっていて、あまり足を踏み入れたくは無かった。
「でも一年に一回は掃除しないと……いや二回はしないと」
明輝はゴクリと喉を鳴らした。
勇気を出してドアノブを回した。
そして部屋の中に広がる宇宙を目の前にして、明輝はぐったりした。
「うわぁぁぁぁぁ……」
明輝は潔癖症ではなかった。
だけど綺麗な方が気分としては良かった。そんな、大抵の人にとっては当たり前かもしれないけれど、角部屋の倉庫として使われている部屋には物が散乱していた。
「ダンボールの山……しかもちょっと腐ってる」
明輝の乾いた声が出てしまった。
廊下と見比べると、明らかに綺麗さが違っていた。
とは言え異臭はしなかった。足の踏み場も多少はあるので、明輝は窓を開けることにした。
「このカーテン、埃まみれだ」
窓に掛かったカーテンはたくさんの小さな埃が付いていた。
汚れてはいるものの痛みは少ないから洗えば再度使用可能だ。
「よいしょ。うわぁ、やっぱり風通し良いねこの部屋!」
窓を開けると気持ちの良い風が入って来た。
住宅地の端っこの方に家がある恩恵で、気持ちの良い風が山の上を通り越して入って来た。
「今更だけど勿体ないよね。この部屋を倉庫にしちゃったの」
如何してこの部屋が倉庫になったのか、明輝は知らなかったし、考えもしなかった。
そして明輝は再び意識を切り替えた。
まずは腐ったダンボールを捨てて、新しいダンボールに詰め替えた。
「このダンボール、何が入ってたんだっけ? よいしょ。うわぁ、これお母さんのお土産だ」
ダンボールの中を開けてみた。
中には謎の埴輪と、四角い玉手箱が入っていた。
あまりにも不気味なので、明輝も流石にスルーした。
「本当変なもの多いね。えーっと、次々。こっちはお母さんが着なくなったけど、いつか古着ブームが来るからって残してるやつだよね? うわぁ、古いなー。何十年前のやつかな?」
明輝は服を広げてみた。
今とちょっとしか材質は変わらないが、デザインは個性的だった。
機能性は……明輝の胸の中に置いておいた。
「ま、まあ……これは良いよね。とりあえず収納ボックスに入れよう」
半透明な収納ボックスに服を畳んで入れておいた。
中には乾燥材も二つくらい入れ、カビが生えないように注意した。
「こんな感じかな? えーっと次々」
明輝はさらに別の箱に手を付けた。何故か他の箱よりも重量感があった。
ダンボール箱の中に入っているものが気になって、慎重に箱を開けた。
すると四角い箱が入っていた。
「箱の中に箱? マトリョーシカ?」
明輝は瞬きを何度かした。
それでも手だけは動いていて、箱の中から箱を取り出した。
パッケージの映っていたのは、乳白色を基調としたゲーム機? だった。
「な、何コレ? もしかしてテレビゲーム的なやつかな?」
それにしては珍しかった。
明輝は今までこんな湿気を気にしないといけない物を放置していたのかと、色々と不安になった。
とりあえず中身を取り出して無事か如何かを調べてみることにした。
「とは言っても、私中身とか分からないんだよね。うわぁ、ちょっと埃っぽいけど傷が無い。しかもこの材質何? 昔のプラスチックかな?」
何もかもが新鮮だった。
明輝は瞬きが止まらずその度に脳がフリーズした。
そして中に入っていたコードを見つけて更に驚愕した。
「こ、コレって噂の三色配線!?」
明輝は見たことが無かった。もしかしたら蒼伊なら何か分かるかもしれないと思った。
「う、動くかな?」
動いてくれたら嬉しいなと思ってしまった。
だけど発売から何十年も経っているので、新品同様に綺麗だけど不安になってしまうのだった。
「後で蒼伊に相談してみよう」
明輝はそう決めて大掃除に戻った。
とりあえずやるべきことがたくさんあったから、休んでいる暇はなかった。一旦ゲーム機のことを切り替えて、掃除に戻るのだった。
十二月も終わり差し掛かると、日本人は忙しくなった。
年末年始は年納めとして、お正月料理を作る材料を買いこんだり、仕事を一段落付けて長い休みを取ったり、忙しない日常が一旦終わろうとするので、その分の詰め込みが発生していた。
そして明輝にもやらないといけないことがあった。
それは一年の年納め、大掃除だ。
「普段から掃除は定期的にやってるから良いんだけど……この部屋は全然なんだよね」
そこは二階の角部屋で、現在は倉庫になっている部屋だった。
そしてこの部屋の隣、明輝の母親の部屋も手付かずだった。
「まあお母さんの部屋は余計なことしない方が良いよね。掃除機くらいはかけてるから」
勝手に物を漁るのは良くないと思っていた。
だから部屋に入ることはあっても、基本的には窓を開けて空気の入れ替えをしたり、掃除機で床のごみを取るくらいだった。
だからある程度は綺麗な状態を保っていて、明輝としてもある程度は満足だった。
だけど問題はもう一つの部屋だ。
こっちの倉庫となっている部屋は色んなものがごちゃ混ぜになっていて、あまり足を踏み入れたくは無かった。
「でも一年に一回は掃除しないと……いや二回はしないと」
明輝はゴクリと喉を鳴らした。
勇気を出してドアノブを回した。
そして部屋の中に広がる宇宙を目の前にして、明輝はぐったりした。
「うわぁぁぁぁぁ……」
明輝は潔癖症ではなかった。
だけど綺麗な方が気分としては良かった。そんな、大抵の人にとっては当たり前かもしれないけれど、角部屋の倉庫として使われている部屋には物が散乱していた。
「ダンボールの山……しかもちょっと腐ってる」
明輝の乾いた声が出てしまった。
廊下と見比べると、明らかに綺麗さが違っていた。
とは言え異臭はしなかった。足の踏み場も多少はあるので、明輝は窓を開けることにした。
「このカーテン、埃まみれだ」
窓に掛かったカーテンはたくさんの小さな埃が付いていた。
汚れてはいるものの痛みは少ないから洗えば再度使用可能だ。
「よいしょ。うわぁ、やっぱり風通し良いねこの部屋!」
窓を開けると気持ちの良い風が入って来た。
住宅地の端っこの方に家がある恩恵で、気持ちの良い風が山の上を通り越して入って来た。
「今更だけど勿体ないよね。この部屋を倉庫にしちゃったの」
如何してこの部屋が倉庫になったのか、明輝は知らなかったし、考えもしなかった。
そして明輝は再び意識を切り替えた。
まずは腐ったダンボールを捨てて、新しいダンボールに詰め替えた。
「このダンボール、何が入ってたんだっけ? よいしょ。うわぁ、これお母さんのお土産だ」
ダンボールの中を開けてみた。
中には謎の埴輪と、四角い玉手箱が入っていた。
あまりにも不気味なので、明輝も流石にスルーした。
「本当変なもの多いね。えーっと、次々。こっちはお母さんが着なくなったけど、いつか古着ブームが来るからって残してるやつだよね? うわぁ、古いなー。何十年前のやつかな?」
明輝は服を広げてみた。
今とちょっとしか材質は変わらないが、デザインは個性的だった。
機能性は……明輝の胸の中に置いておいた。
「ま、まあ……これは良いよね。とりあえず収納ボックスに入れよう」
半透明な収納ボックスに服を畳んで入れておいた。
中には乾燥材も二つくらい入れ、カビが生えないように注意した。
「こんな感じかな? えーっと次々」
明輝はさらに別の箱に手を付けた。何故か他の箱よりも重量感があった。
ダンボール箱の中に入っているものが気になって、慎重に箱を開けた。
すると四角い箱が入っていた。
「箱の中に箱? マトリョーシカ?」
明輝は瞬きを何度かした。
それでも手だけは動いていて、箱の中から箱を取り出した。
パッケージの映っていたのは、乳白色を基調としたゲーム機? だった。
「な、何コレ? もしかしてテレビゲーム的なやつかな?」
それにしては珍しかった。
明輝は今までこんな湿気を気にしないといけない物を放置していたのかと、色々と不安になった。
とりあえず中身を取り出して無事か如何かを調べてみることにした。
「とは言っても、私中身とか分からないんだよね。うわぁ、ちょっと埃っぽいけど傷が無い。しかもこの材質何? 昔のプラスチックかな?」
何もかもが新鮮だった。
明輝は瞬きが止まらずその度に脳がフリーズした。
そして中に入っていたコードを見つけて更に驚愕した。
「こ、コレって噂の三色配線!?」
明輝は見たことが無かった。もしかしたら蒼伊なら何か分かるかもしれないと思った。
「う、動くかな?」
動いてくれたら嬉しいなと思ってしまった。
だけど発売から何十年も経っているので、新品同様に綺麗だけど不安になってしまうのだった。
「後で蒼伊に相談してみよう」
明輝はそう決めて大掃除に戻った。
とりあえずやるべきことがたくさんあったから、休んでいる暇はなかった。一旦ゲーム機のことを切り替えて、掃除に戻るのだった。
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