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◇301 アイドル何て興味ないけど
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「つ、疲れたー」
十二月二六日。クリスマスイヴ、それから当日と過ぎ去ると、世間ではクリスマスムード一色は消え、すぐさま年末とお正月シーズンへと切り替わっていた。
明輝も今日一日はログインしない予定なので、家の大掃除をしていた。
昨日、一昨日とGAMEに時間を費やしていた。
その分、脳に疲労が蓄積していると思うけど、何故か明輝たちはその様子が無かった。
むしろ快調な程で、体がやけに軽くなった。
そのせいで無茶して色々やってしまい、今はベッドの上に寝転がっていた。
「お疲れー」
そこに烈火が声を掛けた。
漫画を読みながら、明輝の部屋でくつろいでいた。
「烈火も手伝ってよー」
「えー、私は自分の部屋でも掃除めんどくさいのにさー」
「それで私の家に避難しに来たの?」
「まあねー。って、疲れているところ悪いんだけどさー」
「何も作らないよ。今そんな気分じゃないもん」
「そうじゃないって」
烈火は明輝に話しかけていた。
ベッドにうつ伏せで眠っていたが、首だけ烈火の方に向けた。
するとスマホを操作していた。
何か面白い話でもあったのかと思い、目と耳を向けていた。
「今日から冬休みでしょ?」
「そうだね。午前中は授業あったけど……」
「本当は学校で話しても良かったんだけどね、コレ見てよ」
「ん? 何コレ、『双子姉妹、大空ドームを埋める。観客大興奮の末……』?」
全く分からない見出しだった。
肝心の写真もなく、明輝は首を捻ってしまった。
「えーっと、何の話?」
「ほら、この間話したよね。双子姉妹アイドル」
「あー、蒼伊に誘われた日だよね。覚えてるよ」
あの時は急に烈火が話を切り替えた。
内容はあまり入ってこなかった。もしかしてこの記事はその話とリンクするのではないかと、今更合点が行った。明輝は素早く意識を切り替えた。
「もしかしてその子たちの話?」
「もちろん。こうやってエンタメ系のネット記事で一番上に来るってさ、結構ヤバくない?」
「や、ヤバい?」
正直な話、明輝はアイドルにはあまり興味が無かった。
この間知り合った鬼都と羽衣から何かしらのチケット貰ったは良いものの、結局机の引き出しに入ったままだった。
と言うことで明輝は話の繋ぎ方に困った。
だけど正直に思ったことをぶつけた。
「えーっと、人気者何だね。でもテレビとかって……」
「あー、そっちにはあんまり出ないんだー。でも可愛いし、笑顔素敵で、勇気を貰えるって人もいるんだよ。実際正統派っていうか……クオリティ高いからさー。予定が合えば行きたかったんだけどねー」
「そっか。何かごめんね」
明輝は少し心にぐさりと刺さった。
けれど烈火は「あーでもでも」と言って話を繋げた。
「明輝たちと一緒に居る方が楽しいから、どのみち行かなかったんだけどねー。あくまで何も無かったらって話」
「無理してない?」
「してないしてない。それに私が無理するタイプに見えるー?」
「見えないけど」
それだけは流石に即答できた。
すると烈火は「酷いなー」と頬をむくれさせていた。
「まあとにかく、凄いんだよ。色んな意味で」
「色んな意味って?」
「倍率がえぐくて、即完売だったんだよ。ライブなんてほとんどやらないから、生で見たい人がヤバくてさー。まあ、仕方ないんだけどさー」
烈火はちょっと落ち込んでいた。
可哀そうに思いつつも、やっぱり共感が薄くなってしまう明輝だった。
「でも基本的にはネットなんでしょ? 今の時代ネット配信とか、DVDとかもあるんじゃ」
「そう言うことじゃないんだよ。やっぱりそこで盛り上がりたいって言うのかなー? まあ、後でストリーミング配信を観るけど」
「あっ、観るんだね」
余計に明輝は共感や反応に困ってしまった。
すると烈火がダラーンとしてしまい、「チケットだけでも価値があるんだけどなー。ナンバー入っててさ」と口走った。
それを聞いた明輝は思い出したように机の引き出しをおもむろに開けだした。
鬼都と羽衣から何かしらのチケットを貰った後、不思議なシリアルナンバーが書かれていたのを思い出した。
「因みにチケットってどんななの?」
「ちょっと待ってよー。確かサンプルが公式に……あったあった。コレだよ」
烈火はチケットの画像を見せてくれた。
明輝はチケットの画像を見るや否や、「あっ、コレだ」と口走った。
「烈火、チケットってコレ?」
「まさかー、あの明輝が持っているわけ。私を揶揄ってるんだねー、面白くないなー……って本物!? しかもプレミアムチケットじゃんかー!」
「あー、このPはプレミアムのPだったんだね」
明輝はようやく納得できた。
だけど烈火はムスッとした顔をしていた。
「ど、如何したの?」
「何処で手に入れたのこのチケット。一般でもあんなに倍率えぐいのにさー。プレミアムチケットなんて、確か枚数指の本数よりも少ないんだよー?」
そうは言われても明輝にも分からなかった。
烈火に詰め寄られてしまったので白状した。黙っていても仕方ないからだ。
「も、貰った」
「誰に?」
「中学生の友達に。お礼だって言われて……」
「かつあげ?」
「そんなことしないよ!」
流石に烈火も分かってはいた。
だけどどうやってプレミアムチケットを手に入れたのか、終始疑問が残り続けてしまった。
十二月二六日。クリスマスイヴ、それから当日と過ぎ去ると、世間ではクリスマスムード一色は消え、すぐさま年末とお正月シーズンへと切り替わっていた。
明輝も今日一日はログインしない予定なので、家の大掃除をしていた。
昨日、一昨日とGAMEに時間を費やしていた。
その分、脳に疲労が蓄積していると思うけど、何故か明輝たちはその様子が無かった。
むしろ快調な程で、体がやけに軽くなった。
そのせいで無茶して色々やってしまい、今はベッドの上に寝転がっていた。
「お疲れー」
そこに烈火が声を掛けた。
漫画を読みながら、明輝の部屋でくつろいでいた。
「烈火も手伝ってよー」
「えー、私は自分の部屋でも掃除めんどくさいのにさー」
「それで私の家に避難しに来たの?」
「まあねー。って、疲れているところ悪いんだけどさー」
「何も作らないよ。今そんな気分じゃないもん」
「そうじゃないって」
烈火は明輝に話しかけていた。
ベッドにうつ伏せで眠っていたが、首だけ烈火の方に向けた。
するとスマホを操作していた。
何か面白い話でもあったのかと思い、目と耳を向けていた。
「今日から冬休みでしょ?」
「そうだね。午前中は授業あったけど……」
「本当は学校で話しても良かったんだけどね、コレ見てよ」
「ん? 何コレ、『双子姉妹、大空ドームを埋める。観客大興奮の末……』?」
全く分からない見出しだった。
肝心の写真もなく、明輝は首を捻ってしまった。
「えーっと、何の話?」
「ほら、この間話したよね。双子姉妹アイドル」
「あー、蒼伊に誘われた日だよね。覚えてるよ」
あの時は急に烈火が話を切り替えた。
内容はあまり入ってこなかった。もしかしてこの記事はその話とリンクするのではないかと、今更合点が行った。明輝は素早く意識を切り替えた。
「もしかしてその子たちの話?」
「もちろん。こうやってエンタメ系のネット記事で一番上に来るってさ、結構ヤバくない?」
「や、ヤバい?」
正直な話、明輝はアイドルにはあまり興味が無かった。
この間知り合った鬼都と羽衣から何かしらのチケット貰ったは良いものの、結局机の引き出しに入ったままだった。
と言うことで明輝は話の繋ぎ方に困った。
だけど正直に思ったことをぶつけた。
「えーっと、人気者何だね。でもテレビとかって……」
「あー、そっちにはあんまり出ないんだー。でも可愛いし、笑顔素敵で、勇気を貰えるって人もいるんだよ。実際正統派っていうか……クオリティ高いからさー。予定が合えば行きたかったんだけどねー」
「そっか。何かごめんね」
明輝は少し心にぐさりと刺さった。
けれど烈火は「あーでもでも」と言って話を繋げた。
「明輝たちと一緒に居る方が楽しいから、どのみち行かなかったんだけどねー。あくまで何も無かったらって話」
「無理してない?」
「してないしてない。それに私が無理するタイプに見えるー?」
「見えないけど」
それだけは流石に即答できた。
すると烈火は「酷いなー」と頬をむくれさせていた。
「まあとにかく、凄いんだよ。色んな意味で」
「色んな意味って?」
「倍率がえぐくて、即完売だったんだよ。ライブなんてほとんどやらないから、生で見たい人がヤバくてさー。まあ、仕方ないんだけどさー」
烈火はちょっと落ち込んでいた。
可哀そうに思いつつも、やっぱり共感が薄くなってしまう明輝だった。
「でも基本的にはネットなんでしょ? 今の時代ネット配信とか、DVDとかもあるんじゃ」
「そう言うことじゃないんだよ。やっぱりそこで盛り上がりたいって言うのかなー? まあ、後でストリーミング配信を観るけど」
「あっ、観るんだね」
余計に明輝は共感や反応に困ってしまった。
すると烈火がダラーンとしてしまい、「チケットだけでも価値があるんだけどなー。ナンバー入っててさ」と口走った。
それを聞いた明輝は思い出したように机の引き出しをおもむろに開けだした。
鬼都と羽衣から何かしらのチケットを貰った後、不思議なシリアルナンバーが書かれていたのを思い出した。
「因みにチケットってどんななの?」
「ちょっと待ってよー。確かサンプルが公式に……あったあった。コレだよ」
烈火はチケットの画像を見せてくれた。
明輝はチケットの画像を見るや否や、「あっ、コレだ」と口走った。
「烈火、チケットってコレ?」
「まさかー、あの明輝が持っているわけ。私を揶揄ってるんだねー、面白くないなー……って本物!? しかもプレミアムチケットじゃんかー!」
「あー、このPはプレミアムのPだったんだね」
明輝はようやく納得できた。
だけど烈火はムスッとした顔をしていた。
「ど、如何したの?」
「何処で手に入れたのこのチケット。一般でもあんなに倍率えぐいのにさー。プレミアムチケットなんて、確か枚数指の本数よりも少ないんだよー?」
そうは言われても明輝にも分からなかった。
烈火に詰め寄られてしまったので白状した。黙っていても仕方ないからだ。
「も、貰った」
「誰に?」
「中学生の友達に。お礼だって言われて……」
「かつあげ?」
「そんなことしないよ!」
流石に烈火も分かってはいた。
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