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◇278 お店を手伝いました
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アキラたちはピーコを先導にソウラの下に向かった。
先程のお皿作戦で上々の宣伝効果を生むと、ようやくお店に戻ってくることができた。
「はいはーい。次のお客様如何ぞ」
ソウラの明るい声が聞こえた。
凄い人だかりができていて、姿を拝めなかった。
「凄い人だね」
「そうだな。しかも何だこのニオイは……あの煙もそうだ」
Nightは眉を寄せて訝しんだ。
果たして本当にクリスマスのイベントなのか疑いたくなるレベルだった。
何故ならこのニオイはアキラも知っていた。
本当は祭りで出すはずの屋台な気がした。
「私もそんな気はした。だけどクリスマスだからと言って、西洋の神聖な雰囲気になるとは限らない」
「そうかもしれないですけど……流石にこれは」
ちょっと違う気がした。
しかし普通とは違うことをすることで、人目を引いているのだとアキラは納得した。
「ソウラさんに挨拶しておこっか」
「そうだな」
正直、Nightとソウラはあまり面識がなかった。
いつもギルドホームに立ち寄るのはアキラなので、こうして顔を合わせるのはほとんどなかった。もはや初対面と言っても良い仲だった。
「ソウラ、戻った」
「ピーコお帰りなさい。あれ? アキラとNightだったわよね? 如何したの?」
アキラとNightは忙しそうなソウラに軽く会釈をした。
全身から吹き出した汗を払い除け、一瞬だけ時間を貰うとアキラたちとお話をした。
「アキラこんばんは。それとNightは久しぶり……もしかして、買いに来てくれた?」
「こんばんはですソウラさん。買いに来たって?」
「うちの屋台。今日はね、クリスマス限定で焼きそばを売っているのよ」
「「や、焼きそば!」」
アキラとNightは目を丸くした。
如何してクリスマスに焼きそばを売っているのかよく分からなかった。
「は、はい?」
「如何して焼きそばなんだ? Deep Skyは食品系のギルドなのか?」
Nightは質問した。
ギルドホームに立ち寄ったことが無いため、未だにどんなギルドなのか知らなかった。
しかしソウラは真っ向から否定した。
今回は発案があっただけで、場違い感は否めていなかった。
「ううん、違うわよ。これはね、マンティがやりたいって言ったの」
「「マンティが?」」
普通に意外だった。
屋台の中を覗き込むと、高温の鉄板をへらで掻き上げているマンティの姿があった。
目が本気モードで、もの凄く熱中していた。
「あ、アレがマンティさん?」
「別人のようだな。目が本気で怖い」
「そうなの。マンティは焼き系の料理をする時だけ真剣になるのよね。って、こんなことしてたら次のお客様が……」
ソウラは急いで戻った。
すると注文が即座に入った。
「すいませーん、焼きそば一人前!」
「はいはーい!」
しかし対応したのは別の人だった。
けみーかと思ったのも束の間、そこに居たのはフェルノだった。
「フェ、フェルノ?」
「あれ? アキラとNight。如何したの?」
「如何したのじゃないよ! 急にいなくなったと思ったらこんなところに居たんだね」
「ごめんごめん。ちょっと喉が渇いちゃってさー、二人の分も買ってこようと思ったらたまたま忙しそうにしているソウラたちを見つけて……それで」
経緯は大体把握した。
それにしても客足が全く減らないので、マンティはともかくソウラとピーコは限界を迎えつつあった。
しかもピーコは宣伝も兼ねて再び一人で歩かされていた。
死んだ魚のような目をしていたのだが、余計に屍に近づいていた。
可哀そうと思ったものの、トコトコと歩きに行ってしまっていた。
「ソウラーフェルノー。早く早く。巻にならないと客足止まんなからね」
「分かってるから」
「それじゃあこれ運んじゃうねー」
もの凄く忙しそうだった。
アキラとNightはその様子を見ていると蟀谷から汗が噴き出た。
熱気が充満していて蒸し暑かった。
「如何する、Night?」
「如何するも何も関わらないが一番だ……」
Nightはドライだった。
しかしアキラは違った。困っている上に手伝えそうなので手伝ってあげたかった。
「私行くよ」
「おいお前! はぁー」
アキラはソウラの下に駆け寄った。
余っていたエプロンを貰うと早速接客を始めた。
「フェルノ、私も手伝うよ」
「ありがとー。それじゃあ早速……」
「「いらっしゃいませー。クリスマスなのに何故か焼きそば。香ばしい匂いに釣られてこのギャップを体感してくださいねー。さぁさぁ、出来立て熱々の焼きそばだよ。もちろん鉄板で焼いているよー!」
「どんな謳い文句だ。しかも合わせるな」
Nightは冷ややかな目をしていた。
しかしエプロンを着ていないにもかかわらず、屋台のテントに居たせいで定員と間違えられてしまっていた。
「すいません、焼きそば二つ……」
「はぁ? ……えっ、マジか」
何故か巻き込まれてしまったのでNightは一瞬固まった。
しかし置いてあった焼きそばのパックを二つ手渡すと、お金を渡されてしまった。
ジッと眺めてしまっていた。
何故か自分も定員の一部にされていたことに一瞬理解ができず、「はぁー」と大きな溜息を吐くのだった。
先程のお皿作戦で上々の宣伝効果を生むと、ようやくお店に戻ってくることができた。
「はいはーい。次のお客様如何ぞ」
ソウラの明るい声が聞こえた。
凄い人だかりができていて、姿を拝めなかった。
「凄い人だね」
「そうだな。しかも何だこのニオイは……あの煙もそうだ」
Nightは眉を寄せて訝しんだ。
果たして本当にクリスマスのイベントなのか疑いたくなるレベルだった。
何故ならこのニオイはアキラも知っていた。
本当は祭りで出すはずの屋台な気がした。
「私もそんな気はした。だけどクリスマスだからと言って、西洋の神聖な雰囲気になるとは限らない」
「そうかもしれないですけど……流石にこれは」
ちょっと違う気がした。
しかし普通とは違うことをすることで、人目を引いているのだとアキラは納得した。
「ソウラさんに挨拶しておこっか」
「そうだな」
正直、Nightとソウラはあまり面識がなかった。
いつもギルドホームに立ち寄るのはアキラなので、こうして顔を合わせるのはほとんどなかった。もはや初対面と言っても良い仲だった。
「ソウラ、戻った」
「ピーコお帰りなさい。あれ? アキラとNightだったわよね? 如何したの?」
アキラとNightは忙しそうなソウラに軽く会釈をした。
全身から吹き出した汗を払い除け、一瞬だけ時間を貰うとアキラたちとお話をした。
「アキラこんばんは。それとNightは久しぶり……もしかして、買いに来てくれた?」
「こんばんはですソウラさん。買いに来たって?」
「うちの屋台。今日はね、クリスマス限定で焼きそばを売っているのよ」
「「や、焼きそば!」」
アキラとNightは目を丸くした。
如何してクリスマスに焼きそばを売っているのかよく分からなかった。
「は、はい?」
「如何して焼きそばなんだ? Deep Skyは食品系のギルドなのか?」
Nightは質問した。
ギルドホームに立ち寄ったことが無いため、未だにどんなギルドなのか知らなかった。
しかしソウラは真っ向から否定した。
今回は発案があっただけで、場違い感は否めていなかった。
「ううん、違うわよ。これはね、マンティがやりたいって言ったの」
「「マンティが?」」
普通に意外だった。
屋台の中を覗き込むと、高温の鉄板をへらで掻き上げているマンティの姿があった。
目が本気モードで、もの凄く熱中していた。
「あ、アレがマンティさん?」
「別人のようだな。目が本気で怖い」
「そうなの。マンティは焼き系の料理をする時だけ真剣になるのよね。って、こんなことしてたら次のお客様が……」
ソウラは急いで戻った。
すると注文が即座に入った。
「すいませーん、焼きそば一人前!」
「はいはーい!」
しかし対応したのは別の人だった。
けみーかと思ったのも束の間、そこに居たのはフェルノだった。
「フェ、フェルノ?」
「あれ? アキラとNight。如何したの?」
「如何したのじゃないよ! 急にいなくなったと思ったらこんなところに居たんだね」
「ごめんごめん。ちょっと喉が渇いちゃってさー、二人の分も買ってこようと思ったらたまたま忙しそうにしているソウラたちを見つけて……それで」
経緯は大体把握した。
それにしても客足が全く減らないので、マンティはともかくソウラとピーコは限界を迎えつつあった。
しかもピーコは宣伝も兼ねて再び一人で歩かされていた。
死んだ魚のような目をしていたのだが、余計に屍に近づいていた。
可哀そうと思ったものの、トコトコと歩きに行ってしまっていた。
「ソウラーフェルノー。早く早く。巻にならないと客足止まんなからね」
「分かってるから」
「それじゃあこれ運んじゃうねー」
もの凄く忙しそうだった。
アキラとNightはその様子を見ていると蟀谷から汗が噴き出た。
熱気が充満していて蒸し暑かった。
「如何する、Night?」
「如何するも何も関わらないが一番だ……」
Nightはドライだった。
しかしアキラは違った。困っている上に手伝えそうなので手伝ってあげたかった。
「私行くよ」
「おいお前! はぁー」
アキラはソウラの下に駆け寄った。
余っていたエプロンを貰うと早速接客を始めた。
「フェルノ、私も手伝うよ」
「ありがとー。それじゃあ早速……」
「「いらっしゃいませー。クリスマスなのに何故か焼きそば。香ばしい匂いに釣られてこのギャップを体感してくださいねー。さぁさぁ、出来立て熱々の焼きそばだよ。もちろん鉄板で焼いているよー!」
「どんな謳い文句だ。しかも合わせるな」
Nightは冷ややかな目をしていた。
しかしエプロンを着ていないにもかかわらず、屋台のテントに居たせいで定員と間違えられてしまっていた。
「すいません、焼きそば二つ……」
「はぁ? ……えっ、マジか」
何故か巻き込まれてしまったのでNightは一瞬固まった。
しかし置いてあった焼きそばのパックを二つ手渡すと、お金を渡されてしまった。
ジッと眺めてしまっていた。
何故か自分も定員の一部にされていたことに一瞬理解ができず、「はぁー」と大きな溜息を吐くのだった。
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