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◇249 柴刈りに行こう1
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いよいよクリスマスイベントが始まった。
スタットは活気に溢れ、まだクリスマス当日でもないのにお祭り騒ぎだった。
空模様は雲一つない。
澄み渡る青空が広がっていて、空気も何処か澄んでいた。
アキラはログインし、噴水広場でぼーっとしていた。
ベンチに腰を下ろし、これから何をしようか考える。
「これから如何しよっかな。やっぱりクリスマス限定クエストを探した方が良いのかな?」
クリスマス限定クエストはたくさんある。
冒険者ギルドに足を運べば以来という形で普段とは一味違う、行事になぞらえたクエストが用意されているらしい。
他にも街中で困っているNPCを助けたりすると、自然とクエストが発生する例もあるそうだ。
ログインする前にSNSを少し見ると、色んなクエストの報告が上がっていた。
例えばこの間多くのプレイヤーで頑張って立てたもみの木。
あのもみの木を、クリスマスらしい装飾品で飾り付けるクエストがあった。
アキラは先程見に行くと、たった一夜にしてかなりの装飾品が飾られていた。
「そう言えば結構装飾品集めのクエストあったよね。まずはそれっぽいクエストを受けた方が良いのかな?」
クリスマスイベント内で受けることができるクエストの詳細は完全には出切っていない。
この間読んだパンフレットにはあくまでも一部だけが載っていて、他にもあるらしい。
あくまで噂だけどもっとクリスマスらしいイベントも用意されているとか。
アキラはふと考えつつ、ベンチから立ち上がった。
「よし。私も何かクエストを受けよう!」
一人でできるようなクエストがないか探してみる。
アキラは噴水広場から街の中の方に移動する。
「とは言っても、何処にクエストがあるかわからないもんね。うーん、やっぱり草原とか現地に行ってみたら何かわかるかな?」
もちろんクエストは何処で発生するかわからない。
特定のモンスターを倒すことで勝手に達成されるタイプもある。
いつものアキラならソロで活動している時はソウラのところに遊び行ったり、一人で狩りに行く。
けれど今日はそんな気分じゃない。まずは街の中を探索してみたかった。
「もうちょっと歩いてみよう。そうしたら何かわかるかも」
ギュッと拳を作り、街の中を探索し始めた。
中央通りを歩いて回ると、たくさんのプレイヤーの姿があった。
みんな楽しそうにしていて、アキラも何だか心地が良い。
「やっぱり楽しい方が良いよね」
そう言いつつ今度は一本外れた道を行く。
路地の方に向かうと、煉瓦作りの建物で左右を囲われた細い道がある。
ちょっぴり薄暗く、人通りもかなり少ない。
アキラは不気味に思ったが勇気を振り絞り通ろうとした。
その瞬間、何かにぶつかった。
「「うわぁ!」」
アキラはお爺さんとぶつかった。
腰が曲がっていて、背中には木の実金次郎の銅像が背負っている物と同じものをしている。
前にNightから聞いたことがある。確か背負子とか言っていた。
「大丈夫ですか! ごめんなさい、よそ見してました」
アキラはすぐに自分から謝る。
相手はご年配の方だ。もしも体に何かあれば大変だ。
例えNPCであったとしてもこの世界で暮らしている人達に迷惑をかけるわけにはいかなかった。
「いんや、儂の方が悪かったんじゃよ。気にせんでくれ、お嬢ちゃん」
しかしお爺さんは首を横に振る。
腰を痛そうにしつつも、背負子一度下した。
地面に散らばった薪が湿ってしまう。昨晩雨が降ったらしく、水溜りの中に落ちて水分を吸ってしまった。これじゃあ売り物にならない。
「わ、私も拾います」
「すまんの。でもこれじゃあ火が点けられんな」
お爺さんは気にしないでと言ってくれたが、アキラは優しいので気になってしまう。
すぐに散らばっていた薪を拾い上げ、湿って火が点けられそうになった薪を睨んだ。
「ど、如何しよう……」
「お嬢ちゃんのせいじゃないんじゃ。儂が腰を曲げすぎてしもうたからな」
それは理由にならない。
よそ見をしていたのは私も同じだと、アキラは食い下がらなかった。
「あの弁償します! それか今から集めてきます!」
アキラは不意にそう口にした。
するとお爺さんは「しかしのー」と言いながら考え込む。
「若いもんが言ってくれてありがたいんじゃが、流石に悪いからの」
「大丈夫です。もっと燃えやすくて水に濡れても使える薪を探してきます!」
アキラは胸を張ってお爺さんに宣言した。
するとピコン! と可愛らしい音が鳴った。
目の前に突然ポップアウトした文章をアキラは目を落とす。
何とクリスマス限定クエストを引き当ててしまった。
こんな偶然があるのかと、アキラは驚く。
内容は『トレントディアの角の採取』だった。
聞いたこともない名前のモンスターにアキラは首を捻る。
「トレントディア?」
「お嬢ちゃん、やっぱり悪いからの。ありがたい話じゃが……」
「大丈夫です。今すぐ言って来るので、少しだけ待っていてください。噴水広場のベンチに座って待っててくださいね!」
アキラは敬礼をしてお爺さんを安心させた。
突き動かされる行動力に身を任せ、何かわかっていないけど何とかなるだろうと、アキラは精神力で強行突破した。
スタットは活気に溢れ、まだクリスマス当日でもないのにお祭り騒ぎだった。
空模様は雲一つない。
澄み渡る青空が広がっていて、空気も何処か澄んでいた。
アキラはログインし、噴水広場でぼーっとしていた。
ベンチに腰を下ろし、これから何をしようか考える。
「これから如何しよっかな。やっぱりクリスマス限定クエストを探した方が良いのかな?」
クリスマス限定クエストはたくさんある。
冒険者ギルドに足を運べば以来という形で普段とは一味違う、行事になぞらえたクエストが用意されているらしい。
他にも街中で困っているNPCを助けたりすると、自然とクエストが発生する例もあるそうだ。
ログインする前にSNSを少し見ると、色んなクエストの報告が上がっていた。
例えばこの間多くのプレイヤーで頑張って立てたもみの木。
あのもみの木を、クリスマスらしい装飾品で飾り付けるクエストがあった。
アキラは先程見に行くと、たった一夜にしてかなりの装飾品が飾られていた。
「そう言えば結構装飾品集めのクエストあったよね。まずはそれっぽいクエストを受けた方が良いのかな?」
クリスマスイベント内で受けることができるクエストの詳細は完全には出切っていない。
この間読んだパンフレットにはあくまでも一部だけが載っていて、他にもあるらしい。
あくまで噂だけどもっとクリスマスらしいイベントも用意されているとか。
アキラはふと考えつつ、ベンチから立ち上がった。
「よし。私も何かクエストを受けよう!」
一人でできるようなクエストがないか探してみる。
アキラは噴水広場から街の中の方に移動する。
「とは言っても、何処にクエストがあるかわからないもんね。うーん、やっぱり草原とか現地に行ってみたら何かわかるかな?」
もちろんクエストは何処で発生するかわからない。
特定のモンスターを倒すことで勝手に達成されるタイプもある。
いつものアキラならソロで活動している時はソウラのところに遊び行ったり、一人で狩りに行く。
けれど今日はそんな気分じゃない。まずは街の中を探索してみたかった。
「もうちょっと歩いてみよう。そうしたら何かわかるかも」
ギュッと拳を作り、街の中を探索し始めた。
中央通りを歩いて回ると、たくさんのプレイヤーの姿があった。
みんな楽しそうにしていて、アキラも何だか心地が良い。
「やっぱり楽しい方が良いよね」
そう言いつつ今度は一本外れた道を行く。
路地の方に向かうと、煉瓦作りの建物で左右を囲われた細い道がある。
ちょっぴり薄暗く、人通りもかなり少ない。
アキラは不気味に思ったが勇気を振り絞り通ろうとした。
その瞬間、何かにぶつかった。
「「うわぁ!」」
アキラはお爺さんとぶつかった。
腰が曲がっていて、背中には木の実金次郎の銅像が背負っている物と同じものをしている。
前にNightから聞いたことがある。確か背負子とか言っていた。
「大丈夫ですか! ごめんなさい、よそ見してました」
アキラはすぐに自分から謝る。
相手はご年配の方だ。もしも体に何かあれば大変だ。
例えNPCであったとしてもこの世界で暮らしている人達に迷惑をかけるわけにはいかなかった。
「いんや、儂の方が悪かったんじゃよ。気にせんでくれ、お嬢ちゃん」
しかしお爺さんは首を横に振る。
腰を痛そうにしつつも、背負子一度下した。
地面に散らばった薪が湿ってしまう。昨晩雨が降ったらしく、水溜りの中に落ちて水分を吸ってしまった。これじゃあ売り物にならない。
「わ、私も拾います」
「すまんの。でもこれじゃあ火が点けられんな」
お爺さんは気にしないでと言ってくれたが、アキラは優しいので気になってしまう。
すぐに散らばっていた薪を拾い上げ、湿って火が点けられそうになった薪を睨んだ。
「ど、如何しよう……」
「お嬢ちゃんのせいじゃないんじゃ。儂が腰を曲げすぎてしもうたからな」
それは理由にならない。
よそ見をしていたのは私も同じだと、アキラは食い下がらなかった。
「あの弁償します! それか今から集めてきます!」
アキラは不意にそう口にした。
するとお爺さんは「しかしのー」と言いながら考え込む。
「若いもんが言ってくれてありがたいんじゃが、流石に悪いからの」
「大丈夫です。もっと燃えやすくて水に濡れても使える薪を探してきます!」
アキラは胸を張ってお爺さんに宣言した。
するとピコン! と可愛らしい音が鳴った。
目の前に突然ポップアウトした文章をアキラは目を落とす。
何とクリスマス限定クエストを引き当ててしまった。
こんな偶然があるのかと、アキラは驚く。
内容は『トレントディアの角の採取』だった。
聞いたこともない名前のモンスターにアキラは首を捻る。
「トレントディア?」
「お嬢ちゃん、やっぱり悪いからの。ありがたい話じゃが……」
「大丈夫です。今すぐ言って来るので、少しだけ待っていてください。噴水広場のベンチに座って待っててくださいね!」
アキラは敬礼をしてお爺さんを安心させた。
突き動かされる行動力に身を任せ、何かわかっていないけど何とかなるだろうと、アキラは精神力で強行突破した。
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