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◇230 今回のスキルも強そうです
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ついにレベルが52になった。
アキラたちは勝利の余韻に浸る間もなく、すぐにポイントを確認する。
「そうだフェルノ。ポイントは、ポイントはどのくらい入ったのかな?」
強敵を倒した余韻に浸っていたい気分を放棄し、アキラとフェルノは今回獲得したポイントを見ようとする。
しかしかじかんだ手のせいで霜焼けを起こし、まともに指先が動いてくれない。
「い、痛い……」
「そっか、今までスキルで武装してたから。うわぁ、霜焼けになっているよー」
指先が真っ赤になっていた。
爪の中も若干白くなっていてGAMEの中なのに生きているみたいで凄いリアリティだ。
そんなアキラたちを見かねてか、先にNightが調べることにした。
ポイントがいくら入ったかはわからないが、順位くらいはわかるはずだ。
「何をやっているんだお前たちは」
「し、霜焼けだよ。Nightだって痛いでしょ?」
「霜焼けになどなったことがない」
「嘘だぁ! 人間誰だって寒かったらなるよ。ここだって-世界でしょ?」
アキラの言う通り洞窟の中は-の世界だった。
息を吐けば真っ白になり、全身が冷え込む。
霜焼けを起こすのはもっともで、Nightが霜焼けしていないことに多少腹を立てた。
しかし本人は何故怒られているのかわからず、本当に指先が霜焼けを起こしていないので事実である。
その理由は分厚い手袋をしているからだが。外してみても真っ赤ではなかった。
むしろ白く、若干冷たい。
「私は体温が上がり難いんだ」
「ズルいよ! 普通の人は寒いと血液が循環して温かくなるでしょ!」
「普通はな。だが私のようなタイプも多い」
「むぅー、ズルい」
アキラは頬を膨らませて拗ねてしまった。
するとフェルノがギュッと手を握る。
《ファイアリザード》らしく、フェルノの手は凄く温かくてアキラの頬が真っ赤になった。
朗らかな表情を浮かべ、気持ちよくなった。
「温かーい」
「よかったよかったー。それでNight、結果はどうだったの?」
「それは……まあいいだろう。それよりアキラ、今回お前はスキルを手に入れなかったのか?」
Nightが何故かフェルノからの問いをはぐらかした。
素早く話しをすり替えて、アキラに話を振った。
今回はアイスシェードンという強敵を相手にした。つまり新しいスキルが手に入っていてもおかしくない。
「それで如何なんだ? あれだけの強敵だ。何か1つも2つでも多く成果を上げないと割に合わないだろ」
「うっ。確かにそうかも。えーっと、【キメラハント】で何か……おっ!」
アキラの表情が明るくなった。
今回手に入れたスキルは何かと期待しているフェルノとNight。
そんな2人が喜ぶかはわからないが、アキラにとっては嬉しいスキルが手に入った。
【泥腕】とは違う扱いやすそうな強力スキルだった。
『新しいスキルを略奪しました。【キメラハント】:【氷牙】』
名前からしてかっこいい。私はニヤついた笑みを浮かべる。
どんなスキルかわからないので、アキラはちょっと試してみることを思いついた。
隣で期待しているフェルノに頼んで、一発受けて貰うことにした。
「フェルノ、新しいスキルのお試しがしたいから付き合って貰ってもいいかな?」
「もちろん。どんなスキルか楽しみだなー」
フェルノは特に嫌悪することもなく、アイスシェードンを倒した後にもかかわらず、「龍かをして両腕を武装してくれた。
アキラはそんな心の広いフェルノの胸を借りようと、今回新しく略奪したスキルを試すことにする。
「それじゃあ行くよ。【キメラハント】:【氷牙】!」
アキラが高らかに叫ぶと、右手の甲から氷柱が出てきた。
先は鋭くなっており、天井や軒下にできるような真っ直ぐと凛とした氷柱ではなく、まるで牙のように湾曲している。
突然のことに一瞬だけ理解するのが遅れたが、アキラは意識を切り替えることでそれをカバーする。
正しい使い方かはわからないが、右手の甲から出た氷柱を目の前のフェルノ目掛けて突きつけた。
「よくわからないけど、多分こうだよね?」
カキーン!
甲高い擦れ合う音が響いた。
氷の壁で覆われた洞窟内でこれだけはっきりとした音が聞こえるのは、きっと空気が澄んでいるからだろう。
アキラの繰り出した【氷牙】はアイスシェードンの氷の剣に比べても強度が格段に高く、単純に力比べて負けることはなかった。
さらにフェルノは炎を出してアキラの【氷牙】を溶かしてしまおうと画策するが、それも何故か失敗してしまい、フェルノはアキラが回転を掛けて繰り出した【氷牙】の一撃を食らいのけ反ってしまった。
そのまま氷の床に尻餅を突き、悔しそうな顔色をフェルノは浮かべる。
「いたたたたぁ。なかなか良いね、そのスキル」
「うん。扱いやすい上に戦いやすい。【甲蟲】【灰爪】に加えたらかなり武装は強くなるかも」
「足下や腹は疎かだがな」
Nightが久々に口を開き、白い息がもわっと出る。
大満足の新スキルに興奮が冷めないアキラはシュッシュッと意味もなくシャドーボクシングを始める。
【氷牙】で作り上げた氷の牙は美しく、振る度にキラキラとした氷の結晶を散らす。
フェルノとNightは氷が覆う洞窟でキラキラとした輝きを見ることができて綺麗だと思うのだった。
アキラたちは勝利の余韻に浸る間もなく、すぐにポイントを確認する。
「そうだフェルノ。ポイントは、ポイントはどのくらい入ったのかな?」
強敵を倒した余韻に浸っていたい気分を放棄し、アキラとフェルノは今回獲得したポイントを見ようとする。
しかしかじかんだ手のせいで霜焼けを起こし、まともに指先が動いてくれない。
「い、痛い……」
「そっか、今までスキルで武装してたから。うわぁ、霜焼けになっているよー」
指先が真っ赤になっていた。
爪の中も若干白くなっていてGAMEの中なのに生きているみたいで凄いリアリティだ。
そんなアキラたちを見かねてか、先にNightが調べることにした。
ポイントがいくら入ったかはわからないが、順位くらいはわかるはずだ。
「何をやっているんだお前たちは」
「し、霜焼けだよ。Nightだって痛いでしょ?」
「霜焼けになどなったことがない」
「嘘だぁ! 人間誰だって寒かったらなるよ。ここだって-世界でしょ?」
アキラの言う通り洞窟の中は-の世界だった。
息を吐けば真っ白になり、全身が冷え込む。
霜焼けを起こすのはもっともで、Nightが霜焼けしていないことに多少腹を立てた。
しかし本人は何故怒られているのかわからず、本当に指先が霜焼けを起こしていないので事実である。
その理由は分厚い手袋をしているからだが。外してみても真っ赤ではなかった。
むしろ白く、若干冷たい。
「私は体温が上がり難いんだ」
「ズルいよ! 普通の人は寒いと血液が循環して温かくなるでしょ!」
「普通はな。だが私のようなタイプも多い」
「むぅー、ズルい」
アキラは頬を膨らませて拗ねてしまった。
するとフェルノがギュッと手を握る。
《ファイアリザード》らしく、フェルノの手は凄く温かくてアキラの頬が真っ赤になった。
朗らかな表情を浮かべ、気持ちよくなった。
「温かーい」
「よかったよかったー。それでNight、結果はどうだったの?」
「それは……まあいいだろう。それよりアキラ、今回お前はスキルを手に入れなかったのか?」
Nightが何故かフェルノからの問いをはぐらかした。
素早く話しをすり替えて、アキラに話を振った。
今回はアイスシェードンという強敵を相手にした。つまり新しいスキルが手に入っていてもおかしくない。
「それで如何なんだ? あれだけの強敵だ。何か1つも2つでも多く成果を上げないと割に合わないだろ」
「うっ。確かにそうかも。えーっと、【キメラハント】で何か……おっ!」
アキラの表情が明るくなった。
今回手に入れたスキルは何かと期待しているフェルノとNight。
そんな2人が喜ぶかはわからないが、アキラにとっては嬉しいスキルが手に入った。
【泥腕】とは違う扱いやすそうな強力スキルだった。
『新しいスキルを略奪しました。【キメラハント】:【氷牙】』
名前からしてかっこいい。私はニヤついた笑みを浮かべる。
どんなスキルかわからないので、アキラはちょっと試してみることを思いついた。
隣で期待しているフェルノに頼んで、一発受けて貰うことにした。
「フェルノ、新しいスキルのお試しがしたいから付き合って貰ってもいいかな?」
「もちろん。どんなスキルか楽しみだなー」
フェルノは特に嫌悪することもなく、アイスシェードンを倒した後にもかかわらず、「龍かをして両腕を武装してくれた。
アキラはそんな心の広いフェルノの胸を借りようと、今回新しく略奪したスキルを試すことにする。
「それじゃあ行くよ。【キメラハント】:【氷牙】!」
アキラが高らかに叫ぶと、右手の甲から氷柱が出てきた。
先は鋭くなっており、天井や軒下にできるような真っ直ぐと凛とした氷柱ではなく、まるで牙のように湾曲している。
突然のことに一瞬だけ理解するのが遅れたが、アキラは意識を切り替えることでそれをカバーする。
正しい使い方かはわからないが、右手の甲から出た氷柱を目の前のフェルノ目掛けて突きつけた。
「よくわからないけど、多分こうだよね?」
カキーン!
甲高い擦れ合う音が響いた。
氷の壁で覆われた洞窟内でこれだけはっきりとした音が聞こえるのは、きっと空気が澄んでいるからだろう。
アキラの繰り出した【氷牙】はアイスシェードンの氷の剣に比べても強度が格段に高く、単純に力比べて負けることはなかった。
さらにフェルノは炎を出してアキラの【氷牙】を溶かしてしまおうと画策するが、それも何故か失敗してしまい、フェルノはアキラが回転を掛けて繰り出した【氷牙】の一撃を食らいのけ反ってしまった。
そのまま氷の床に尻餅を突き、悔しそうな顔色をフェルノは浮かべる。
「いたたたたぁ。なかなか良いね、そのスキル」
「うん。扱いやすい上に戦いやすい。【甲蟲】【灰爪】に加えたらかなり武装は強くなるかも」
「足下や腹は疎かだがな」
Nightが久々に口を開き、白い息がもわっと出る。
大満足の新スキルに興奮が冷めないアキラはシュッシュッと意味もなくシャドーボクシングを始める。
【氷牙】で作り上げた氷の牙は美しく、振る度にキラキラとした氷の結晶を散らす。
フェルノとNightは氷が覆う洞窟でキラキラとした輝きを見ることができて綺麗だと思うのだった。
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