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◇229 VS氷牙5
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Nightが【ライフ・オブ・メイク】で生み出した強固な盾によってアキラたちは間一髪守られた。
Nightが叫んだのとほぼ同タイミングで走ったからできたのだが、それでもアイスシェードンの剣の鎧はあまりにも強固であり恐れを抱かせるには十分だった。
「こ、怖いね。あんなの食らったら一発で終わりだよ」
「敗北必至だな。だが守れない攻撃じゃない」
「そうだよー。Nightの作ったたての方が強いんだもん。生身でしかも氷の刃で金属に勝つのは難しいよね」
フェルノが口にしたのは、そもそもの材質の話だった。
水分を凍らせた氷の剣をいくら纏おうが、時間を作ればNightの【ライフ・オブ・メイク】は答えてくれる。
HPのほとんどを消費し、吹けば消える体力を糧にした。
それがこの一枚だけの金属製の盾だ。今なら戦車だって止められる。そう確信していた。
「流石に2枚目は作れないぞ。もうポーションもない、おまけに【ライフ・オブ・メイク】で一回作った後はしばらく同程度のものは作れないからな」
「わかっているよ。だからここは切り替えて……倒す!」
アキラは【甲蟲】で両腕を覆った。
それから激しくかち合わせると、フェルノと一緒に左右から飛び出す。
十分以上のことをしてくれたNightのためにも絶対に負けらえない。
その想いも乗っかって、アキラとフェルノの拳が交じり合う。
まさにシンクロ。ほぼ同タイミングのストレートが炸裂した。
「まずは1本……次は2本」
「どれだけ氷の剣を纏っていても、溶かして壊せば問題なしってね!」
フェルノの炎が氷を着実に溶かしていた。
直接触れだけじゃない。常に出し続けている炎が全体的に氷を溶かしている。
そこにアキラのパンチが幾度となくヒットして、HPを削っていた。
いつもとは違う。一発ではなく、着実に削り取るスタイルだった。
「このまま一気に……」
「うんうん。アイスシェードンの動きも鈍くなってきたね。これならいけるかも」
フェルノの炎で剣の鎧は溶かされ、体当たりをして捨て身の一撃を食らわせようとスつと金属の盾に阻まれる。
怯んでいる間に横腹を殴られ、アイスシェードンのHPはもう残っていない。
「グルルガァ」
「でもまだ何か仕掛けてきてもおかしくないよね。ここは攻めて来た時に返り討ちにしよう」
「そうだね。氷はもう残ってないもんね」
アキラたちがやっているのは完全にヒット&アウェー作戦だった。
いつもの考えながら戦うスタイルが、超が付く程当たり前な基礎的な作戦を取っていた。
そのおかげか、アイスシェードンもまともに手を出せない。
つまり勝機は完全にアキラたちに傾いた。
「攻めてこないな。だったら残ったHPを削るだけだ」
Nightは投げナイフを使ってアイスシェードンを煽った。
足下に突き刺さり、苛立ちを募らせ続ける。
するとアイスシェードンは歯痒い思いをして喉を鳴らし、最後の力を振り絞り、もう一度氷の剣を纏う。
前脚後脚だけではなく、尻尾にまで氷を纏い槍状に変わる。
頭からもユニコーンのような氷柱を生み出して角を作っていた。
しなやかな身体が強固になり、全身武装で体当たりを繰り出そうとしている。
「金属の盾を破壊する気か? いいや、それはできない。アイツのパワーでも流石にそれは無理だ」
「それじゃあ何をする気なの?」
「考えられるのはこの盾を弾くだな。根元を折ってしまえば、この盾は簡単に吹き飛ぶぞ」
「それは聞いてないよ! じゃあ完璧じゃないってことだよね。如何しよう……何をしているのかな、フェルノ?」
何故か金属の盾から顔を出したフェルノはアイスシェードンの前に立った。
如何やら体当たりを直接受け止める気らしい。
ヒット&アウェーを続ければ楽に勝てるこの状況で、フェルノが前に出る必要はない。
「如何して隠れないの!」
「だって自滅じゃポイントは入らないでしょ? それにあの牙も欲しいって言ってたから、ここまで来たからには手に入れるでしょ?」
「そ、それはそうだけど……ううん、考えるのは止めだね。それじゃあやろう」
フェルノの意見を尊重することにした。
アキラは【灰爪】を煌かせ、最後の一撃に賭ける。
体当たりを繰り出したアイスシェードンも氷の剣でフェルノを襲うが、牙を掴んでへし折った。
「これだけ溶かしているんだよ? その氷も脅威じゃない!」
アイスシェードンの氷は確かに硬く鋭くて脅威だった。
けれどフェルノの前には無力で、最初に加えたダメージが蓄積されていて、牙も無事に手に入れることができた。
「行くよ、アキラ。これでトドメだ!」
「もちろん。せーのっ!」
アキラとフェルノは弱りに弱って既に気力も無くなったアイスシェードンにトドメの一撃を浴びせた。
先程までの威勢もなければ吠えることもしない。
残ったHPが削り切られてしまい、アイスシェードンは光の粒子に変わって消滅した。
「終わったな」
「そうだね。強敵だったよ」
全員の強引さが噛み合わなかったら倒せなかった。
けれど結果はアキラたちが勝利を捥ぎ取り、レベルも少し上がったようだ。
Nightが叫んだのとほぼ同タイミングで走ったからできたのだが、それでもアイスシェードンの剣の鎧はあまりにも強固であり恐れを抱かせるには十分だった。
「こ、怖いね。あんなの食らったら一発で終わりだよ」
「敗北必至だな。だが守れない攻撃じゃない」
「そうだよー。Nightの作ったたての方が強いんだもん。生身でしかも氷の刃で金属に勝つのは難しいよね」
フェルノが口にしたのは、そもそもの材質の話だった。
水分を凍らせた氷の剣をいくら纏おうが、時間を作ればNightの【ライフ・オブ・メイク】は答えてくれる。
HPのほとんどを消費し、吹けば消える体力を糧にした。
それがこの一枚だけの金属製の盾だ。今なら戦車だって止められる。そう確信していた。
「流石に2枚目は作れないぞ。もうポーションもない、おまけに【ライフ・オブ・メイク】で一回作った後はしばらく同程度のものは作れないからな」
「わかっているよ。だからここは切り替えて……倒す!」
アキラは【甲蟲】で両腕を覆った。
それから激しくかち合わせると、フェルノと一緒に左右から飛び出す。
十分以上のことをしてくれたNightのためにも絶対に負けらえない。
その想いも乗っかって、アキラとフェルノの拳が交じり合う。
まさにシンクロ。ほぼ同タイミングのストレートが炸裂した。
「まずは1本……次は2本」
「どれだけ氷の剣を纏っていても、溶かして壊せば問題なしってね!」
フェルノの炎が氷を着実に溶かしていた。
直接触れだけじゃない。常に出し続けている炎が全体的に氷を溶かしている。
そこにアキラのパンチが幾度となくヒットして、HPを削っていた。
いつもとは違う。一発ではなく、着実に削り取るスタイルだった。
「このまま一気に……」
「うんうん。アイスシェードンの動きも鈍くなってきたね。これならいけるかも」
フェルノの炎で剣の鎧は溶かされ、体当たりをして捨て身の一撃を食らわせようとスつと金属の盾に阻まれる。
怯んでいる間に横腹を殴られ、アイスシェードンのHPはもう残っていない。
「グルルガァ」
「でもまだ何か仕掛けてきてもおかしくないよね。ここは攻めて来た時に返り討ちにしよう」
「そうだね。氷はもう残ってないもんね」
アキラたちがやっているのは完全にヒット&アウェー作戦だった。
いつもの考えながら戦うスタイルが、超が付く程当たり前な基礎的な作戦を取っていた。
そのおかげか、アイスシェードンもまともに手を出せない。
つまり勝機は完全にアキラたちに傾いた。
「攻めてこないな。だったら残ったHPを削るだけだ」
Nightは投げナイフを使ってアイスシェードンを煽った。
足下に突き刺さり、苛立ちを募らせ続ける。
するとアイスシェードンは歯痒い思いをして喉を鳴らし、最後の力を振り絞り、もう一度氷の剣を纏う。
前脚後脚だけではなく、尻尾にまで氷を纏い槍状に変わる。
頭からもユニコーンのような氷柱を生み出して角を作っていた。
しなやかな身体が強固になり、全身武装で体当たりを繰り出そうとしている。
「金属の盾を破壊する気か? いいや、それはできない。アイツのパワーでも流石にそれは無理だ」
「それじゃあ何をする気なの?」
「考えられるのはこの盾を弾くだな。根元を折ってしまえば、この盾は簡単に吹き飛ぶぞ」
「それは聞いてないよ! じゃあ完璧じゃないってことだよね。如何しよう……何をしているのかな、フェルノ?」
何故か金属の盾から顔を出したフェルノはアイスシェードンの前に立った。
如何やら体当たりを直接受け止める気らしい。
ヒット&アウェーを続ければ楽に勝てるこの状況で、フェルノが前に出る必要はない。
「如何して隠れないの!」
「だって自滅じゃポイントは入らないでしょ? それにあの牙も欲しいって言ってたから、ここまで来たからには手に入れるでしょ?」
「そ、それはそうだけど……ううん、考えるのは止めだね。それじゃあやろう」
フェルノの意見を尊重することにした。
アキラは【灰爪】を煌かせ、最後の一撃に賭ける。
体当たりを繰り出したアイスシェードンも氷の剣でフェルノを襲うが、牙を掴んでへし折った。
「これだけ溶かしているんだよ? その氷も脅威じゃない!」
アイスシェードンの氷は確かに硬く鋭くて脅威だった。
けれどフェルノの前には無力で、最初に加えたダメージが蓄積されていて、牙も無事に手に入れることができた。
「行くよ、アキラ。これでトドメだ!」
「もちろん。せーのっ!」
アキラとフェルノは弱りに弱って既に気力も無くなったアイスシェードンにトドメの一撃を浴びせた。
先程までの威勢もなければ吠えることもしない。
残ったHPが削り切られてしまい、アイスシェードンは光の粒子に変わって消滅した。
「終わったな」
「そうだね。強敵だったよ」
全員の強引さが噛み合わなかったら倒せなかった。
けれど結果はアキラたちが勝利を捥ぎ取り、レベルも少し上がったようだ。
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