218 / 570
◇218 AS
しおりを挟む
けみーとマンティの活躍を目の当たりにしたアキラたちは、負けられないなと思った。
勝つだけが全てではないけれど、これだと話しにならない。
連携と個人のパワーもDeep Skyの戦闘員は強かった。
「圧倒的だね」
「そうだねー。私たちが数で圧倒されてた親玉を一瞬で倒しちゃったよ」
悔しいとかではなく、達観した連携に磨きがかかっていた。
だからだろう。アキラたちは一種の憧れのような輝きを持ってしまった。
けれどそれを一蹴したのはNightだった。
「おい、アイツらはアイツらだ。私たちの戦い方とは違うだろ」
超スピードと超パワーで押し切るスタイルがけみーとマンティの特徴だと、Nightは分析していた。
そのスタイルが継ぎ接ぎにはないものだから無い物ねだりの憧れを抱き、幻想を追いかけてしまう。
その姿が無残すぎて、Nightが止めに入ったようだ。
「私たちは今のやり方で十分だ。対面最強連携。それで十分だ」
個のパワーバランスの連携。
それもそれで面白い。だからこそ、他人と同じなんてできないんだ。
「そうと決まれば行くぞ。私たちもポイント集めだ」
「そうですね。私たちらしいやり方です」
「ってことは、強すぎて誰も戦わないような相手と戦うのね」
「「いや、それは今回無しで」」
アキラとフェルノはベルの提案は真っ向拒否した。
ベルは瞬きをしてしまったが、今回のイベントの重きはそこじゃないらしい。
一発逆転でもないのに、わざわざ強敵に挑むのは遠慮したい様子だ。
「とりあえず行こっか。Nightと雷斬の言う通り、別のモンスターを……」
「そんなところで何してるの?」
アキラたちに話しかけたのはマンティだった。
隣にはけみーもいて、仲間内で話し込んでいたアキラたちに気が付き話しかけてみたらしい。
流石にうるさかったようで、退散する前に聞いておこうと思ったようだ。
「こんなところで何をしているんだい?」
「えっと……けみーさんたちの活躍を見ていたんです」
アキラは正直に話した。
嘘をついても仕方ない場面だったので、けみーとマンティの見事な連携に見惚れて頑張ろうと再確認したことを伝える。
けみーとマンティはアキラたちが自分たちの連携に感銘を受けたのと思い、少し恥ずかしそうにしていた。
しかしけみーの口からはNightと同じ言葉が出る。
「それはありがとう。でも、君たちには君たちなりの戦い方があるはずだよ。僕たちの戦法やスタイルを参考にするのはいいけれど、それで型が崩れたら意味がない」
「そうですよね。Nightにも言われました」
「君がこのギルドの頭脳なら集団をしっかりとコントロールすることだね。これは先輩からの助言だから気にしないで」
「そんなこと百も承知だ。だがコイツらはコントロールできるほど、生易しくない」
Nightはアキラたちを非難した。けれど個々の能力がソロでもやっていけるからこそ扱いが難しいことを言いたかった。
「確かにそうだね。それじゃあ、僕たちはもう行くよ」
「またね」
けみーとマンティの2人は森を後にしようとした。
アキラは聞きたいことがあったので、2人を呼び止める。
「あの、けみーさんマンティさん。さっきの無茶苦茶な三次元戦法って、何かのスキル何ですか?」
「ん? そうだよ」
「凄い。どんなスキルか聞いてもいいですか?」
「アキラ。固有スキルなんて最大の武器を教える奴がいると思うな」
アキラは気になってしまったのでけみーに尋ねた。
するとNightがもっともなことを口にして間を割く。
固有スキルは種族スキルと違って見えない武器だ。
公開情報でないことはどんな状況に置いても唯一の情報戦に繋がる。
自分の武器を手放した相手が勝てるほど少年誌のような甘い考えはこの世界にはない。
例えばアキラのような特異性を持っているスキルならまだしも、攻略法が見出せるような者ならまず教えてくれるはずがない。けみーは頭が切れるので、Nightは無駄話になってしまうことを避けたかった。
ところはけみーの反応は何故か面白そうに笑みを浮かべていた。
考える仕草を取ってから、好意的に接してくれる。
「僕の種族スキルは見ての通りだけど、固有スキルは理解しても理解しきれないものなんだよ」
「理解してもしきれない?」
「難解なスキルだな。どんな効果だ」
「名前は【AS】僕が指定したポイントに動作をイメージすることで、その通りに体を実行させるものだよ」
「「「はい?」」」
ちょっとわからなかった。アキラたちは首を捻る。
Nightだけは理解しているようで、笑みを浮かべた。
「なるほどな。面白いが難しい」
「今の説明でわかったの!」
「今の説明が全てだ」
Nightだけ理解していた。
アキラたちは置いてけぼりを食らったが、仲間であるはずのマンティですら首を捻っている。
もう理解することを諦めているようで、アキラたちも同じことをすることにした。
しかしけみーとNightは意気投合。
お互いに難しいスキルなので、話が合うらしい。
「なるほど。決まった行動を取るスキルか」
「知識を糧にものを生み出す能力。知識量とイメージ力がものをいうね」
2人だけの空間が展開されていた。
暇なのでアキラたちはマンティと遊ぶことにしました。
勝つだけが全てではないけれど、これだと話しにならない。
連携と個人のパワーもDeep Skyの戦闘員は強かった。
「圧倒的だね」
「そうだねー。私たちが数で圧倒されてた親玉を一瞬で倒しちゃったよ」
悔しいとかではなく、達観した連携に磨きがかかっていた。
だからだろう。アキラたちは一種の憧れのような輝きを持ってしまった。
けれどそれを一蹴したのはNightだった。
「おい、アイツらはアイツらだ。私たちの戦い方とは違うだろ」
超スピードと超パワーで押し切るスタイルがけみーとマンティの特徴だと、Nightは分析していた。
そのスタイルが継ぎ接ぎにはないものだから無い物ねだりの憧れを抱き、幻想を追いかけてしまう。
その姿が無残すぎて、Nightが止めに入ったようだ。
「私たちは今のやり方で十分だ。対面最強連携。それで十分だ」
個のパワーバランスの連携。
それもそれで面白い。だからこそ、他人と同じなんてできないんだ。
「そうと決まれば行くぞ。私たちもポイント集めだ」
「そうですね。私たちらしいやり方です」
「ってことは、強すぎて誰も戦わないような相手と戦うのね」
「「いや、それは今回無しで」」
アキラとフェルノはベルの提案は真っ向拒否した。
ベルは瞬きをしてしまったが、今回のイベントの重きはそこじゃないらしい。
一発逆転でもないのに、わざわざ強敵に挑むのは遠慮したい様子だ。
「とりあえず行こっか。Nightと雷斬の言う通り、別のモンスターを……」
「そんなところで何してるの?」
アキラたちに話しかけたのはマンティだった。
隣にはけみーもいて、仲間内で話し込んでいたアキラたちに気が付き話しかけてみたらしい。
流石にうるさかったようで、退散する前に聞いておこうと思ったようだ。
「こんなところで何をしているんだい?」
「えっと……けみーさんたちの活躍を見ていたんです」
アキラは正直に話した。
嘘をついても仕方ない場面だったので、けみーとマンティの見事な連携に見惚れて頑張ろうと再確認したことを伝える。
けみーとマンティはアキラたちが自分たちの連携に感銘を受けたのと思い、少し恥ずかしそうにしていた。
しかしけみーの口からはNightと同じ言葉が出る。
「それはありがとう。でも、君たちには君たちなりの戦い方があるはずだよ。僕たちの戦法やスタイルを参考にするのはいいけれど、それで型が崩れたら意味がない」
「そうですよね。Nightにも言われました」
「君がこのギルドの頭脳なら集団をしっかりとコントロールすることだね。これは先輩からの助言だから気にしないで」
「そんなこと百も承知だ。だがコイツらはコントロールできるほど、生易しくない」
Nightはアキラたちを非難した。けれど個々の能力がソロでもやっていけるからこそ扱いが難しいことを言いたかった。
「確かにそうだね。それじゃあ、僕たちはもう行くよ」
「またね」
けみーとマンティの2人は森を後にしようとした。
アキラは聞きたいことがあったので、2人を呼び止める。
「あの、けみーさんマンティさん。さっきの無茶苦茶な三次元戦法って、何かのスキル何ですか?」
「ん? そうだよ」
「凄い。どんなスキルか聞いてもいいですか?」
「アキラ。固有スキルなんて最大の武器を教える奴がいると思うな」
アキラは気になってしまったのでけみーに尋ねた。
するとNightがもっともなことを口にして間を割く。
固有スキルは種族スキルと違って見えない武器だ。
公開情報でないことはどんな状況に置いても唯一の情報戦に繋がる。
自分の武器を手放した相手が勝てるほど少年誌のような甘い考えはこの世界にはない。
例えばアキラのような特異性を持っているスキルならまだしも、攻略法が見出せるような者ならまず教えてくれるはずがない。けみーは頭が切れるので、Nightは無駄話になってしまうことを避けたかった。
ところはけみーの反応は何故か面白そうに笑みを浮かべていた。
考える仕草を取ってから、好意的に接してくれる。
「僕の種族スキルは見ての通りだけど、固有スキルは理解しても理解しきれないものなんだよ」
「理解してもしきれない?」
「難解なスキルだな。どんな効果だ」
「名前は【AS】僕が指定したポイントに動作をイメージすることで、その通りに体を実行させるものだよ」
「「「はい?」」」
ちょっとわからなかった。アキラたちは首を捻る。
Nightだけは理解しているようで、笑みを浮かべた。
「なるほどな。面白いが難しい」
「今の説明でわかったの!」
「今の説明が全てだ」
Nightだけ理解していた。
アキラたちは置いてけぼりを食らったが、仲間であるはずのマンティですら首を捻っている。
もう理解することを諦めているようで、アキラたちも同じことをすることにした。
しかしけみーとNightは意気投合。
お互いに難しいスキルなので、話が合うらしい。
「なるほど。決まった行動を取るスキルか」
「知識を糧にものを生み出す能力。知識量とイメージ力がものをいうね」
2人だけの空間が展開されていた。
暇なのでアキラたちはマンティと遊ぶことにしました。
1
お気に入りに追加
221
あなたにおすすめの小説
VRゲームでも身体は動かしたくない。
姫野 佑
SF
多種多様な武器やスキル、様々な【称号】が存在するが職業という概念が存在しない<Imperial Of Egg>。
古き良きPCゲームとして稼働していた<Imperial Of Egg>もいよいよ完全没入型VRMMO化されることになった。
身体をなるべく動かしたくないと考えている岡田智恵理は<Imperial Of Egg>がVRゲームになるという発表を聞いて気落ちしていた。
しかしゲーム内の親友との会話で落ち着きを取り戻し、<Imperial Of Egg>にログインする。
当作品は小説家になろう様で連載しております。
章が完結次第、一日一話投稿致します。
【完結】実はチートの転生者、無能と言われるのに飽きて実力を解放する
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング1位獲得作品!!】
最強スキル『適応』を与えられた転生者ジャック・ストロングは16歳。
戦士になり、王国に潜む悪を倒すためのユピテル英才学園に入学して3ヶ月がたっていた。
目立たないために実力を隠していたジャックだが、学園長から次のテストで成績がよくないと退学だと脅され、ついに実力を解放していく。
ジャックのライバルとなる個性豊かな生徒たち、実力ある先生たちにも注目!!
彼らのハチャメチャ学園生活から目が離せない!!
※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿中
VRMMO~鍛治師で最強になってみた!?
ナイム
ファンタジー
ある日、友人から進められ最新フルダイブゲーム『アンリミテッド・ワールド』を始めた進藤 渚
そんな彼が友人たちや、ゲーム内で知り合った人たちと協力しながら自由気ままに過ごしていると…気がつくと最強と呼ばれるうちの一人になっていた!?
【第1章完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。
鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。
鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。
まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。
VRMMOでチュートリアルを2回やった生産職のボクは最強になりました
鳥山正人
ファンタジー
フルダイブ型VRMMOゲームの『スペードのクイーン』のオープンベータ版が終わり、正式リリースされる事になったので早速やってみたら、いきなりのサーバーダウン。
だけどボクだけ知らずにそのままチュートリアルをやっていた。
チュートリアルが終わってさぁ冒険の始まり。と思ったらもう一度チュートリアルから開始。
2度目のチュートリアルでも同じようにクリアしたら隠し要素を発見。
そこから怒涛の快進撃で最強になりました。
鍛冶、錬金で主人公がまったり最強になるお話です。
※この作品は「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過した【第1章完結】デスペナのないVRMMOで〜をブラッシュアップして、続きの物語を描いた作品です。
その事を理解していただきお読みいただければ幸いです。
【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。
最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。
最悪のゴミスキルと断言されたジョブとスキルばかり山盛りから始めるVRMMO
無謀突撃娘
ファンタジー
始めまして、僕は西園寺薫。
名前は凄く女の子なんだけど男です。とある私立の学校に通っています。容姿や行動がすごく女の子でよく間違えられるんだけどさほど気にしてないかな。
小説を読むことと手芸が得意です。あとは料理を少々出来るぐらい。
特徴?う~ん、生まれた日にちがものすごい運気の良い星ってぐらいかな。
姉二人が最新のVRMMOとか言うのを話題に出してきたんだ。
ゲームなんてしたこともなく説明書もチンプンカンプンで何も分からなかったけど「何でも出来る、何でもなれる」という宣伝文句とゲーム実況を見て始めることにしたんだ。
スキルなどはβ版の時に最悪スキルゴミスキルと認知されているスキルばかりです、今のゲームでは普通ぐらいの認知はされていると思いますがこの小説の中ではゴミにしかならない無用スキルとして認知されいます。
そのあたりのことを理解して読んでいただけると幸いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる