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◇217 Deep Skyの戦闘要員
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フェルノは突撃した。
炎を燃やして他のキノコ兵士たちが近づけないようにして、強硬手段で道を切り開く。
「す、凄い火力!」
「感心している場合か。アイツが開けた道を続くぞ」
いつもの考えて戦うでもなく、とにかく突破口を開くことが最優先。
フェルノが炎のゴリ押しで開けた道をアキラたちも使って逃げ出した。
「キノコ兵士たちが炙られていますね」
「不可抗力だ。気にするな」
雷斬は悲しそうな表情を浮かべるが、Nightが一蹴した。
アキラたちはキノコ兵士たちに完全に囲まれる前に逃げ出しせた。
何とかキノコ兵士たちと距離を取り、アキラたちは逃げ出すことに成功していた。
しかしとにかく突っ走ったせいで、景色の変化に気が付いたころには、どの蔵距離が空いているのか、わからなくなっていた。
「はぁはぁ。いやぁ、疲れたね」
「そうだねー。まさかここまで数が多いと、私の火力が無かったら危なかったね」
フェルノはあれだけ派手に炎を使ったのに、全然疲れている様子がない。
アキラもアキラですぐに回復できたが、Nightだけは非常に疲れていた。
「はぁはぁ」
「大丈夫、Night?」
「大丈夫に見えるか? はぁはぁ……ったく、こんなに走ることになるなんて……」
インドアなNightにとってこれだけ走る羽目になるとは思ってもみなかった様子だ。
「でもおかげで助かったでしょ?」
「そうだな。まさか突然の大量発生か……流石に囲まれたらマズかったな」
「そうですね。アレだけの数となりますと、イベントに縛られても仕方ありませんからね」
雷斬でも流石に厳しかったのか、ベルと一緒に逃げ出してきた。
今思えばレベルも40くらいのキノコ兵士たちもいたので、戦わなくて正解だった。
「そう言えばここ何処だろ?」
「そんなもの知るか。恐らくは森の最深部に近いだろうが……ん?」
「如何したの、Night?」
「あそこに誰かいないか? 2人組。しかも片方はマンティだろ」
Nightが口のすると、アキラたちも視線を合わせた。
するとマンティとけみーの2人がモンスターと戦闘している。
しかもただのモンスターではなく、先程アキラたちが戦っていたキノコ兵士たちよりも大きなキノコモンスターだった。
「アレはキノコ兵士たちの親玉だな」
「それじゃあキノコキング?」
もしかしたら大量発生の原因は、キノコキングが攻撃されたからかもしれない。
キノコ兵士たちは侵入者を排除するために、まるで菌類のそれと同じで大量発生したと考えれば、Nightも納得ができた。
「つまりマンティさん達がキノコキングを倒せば……」
「アイツらの暴走も収まって、私たちは安全に帰ることができる。とりあえずここは様子見だ。無暗に近づいて、下手に刺激しない方がいい」
Nightは草むらの陰に隠れて、マンティとけみーの戦いぶりを観戦した。
アキラとフェルノも実況っぽく観戦するらしい。
キノコキングはけみーとマンティの2人を前にして劣勢に立たされていた。
マンティは頭と腕から2本の角を展開。
二又状の角はまるで刃のようで、マンディブラリスフタマタクワガタをモチーフにしているだけのことは合って凶悪だった。
「それじゃあこれで終わらせてあげるね」
マンティは素早く距離を詰めると、両腕から生える2本の角をハサミのように使って、挟み込もうとした。
挟まれたら一貫の終わり。
それがわかっていたからか、キノコキングは図体の大きさを活かして挟まれないように踏ん張る。
「うわぁ、結構やるね」
「僕も手伝おうか」
マンティは思った以上に苦戦していた。
その様子を後ろから見守っていたけみーもキノコキングが手強く、マンティにキノコの胞子を降りかけようとしていることに気が付き、攻め込むことにした。
頭から黒い猫の耳が生え、お尻からは黒い猫の尻尾が生える。
ケットシーを始めとした猫系モンスターの固有スキル、【猫化】で身体能力を強化し、体を柔らかくしたようだ。
若干猫背な姿勢を取ると、体をぐにゃりとまげ、目を凝らした。
まるで猫が一点を見つめている時のようで、青い目が何処かを凝視する。
「何やっているのかな?」
「わからないけど、きっと凄いことに……うわぁ!」
アキラとフェルノは首を捻った。
しかし再び見返した時には、けみーの姿はなかった。
姿が消えたのではない。移動したのだ。
人間離れした動きをケットシーになったことで、柔らかさと反発運動を利用して生み出し、そのまま一気に距離を縮める。
かと思いきや、何故かけみーの体は木の幹を蹴っていた。
それから次の木の幹に長靴を引っ掻けると、そのまま再び枝に飛び移る。
何をしているのか、アキラとフェルノにはわからなかった。
「そういうことか」
しかしNightには意図が伝わっていた。
けみーは三次元的に空間を捉え、キノコキングの死角から攻撃を加えるらしい。
もちろん背後何てありきたりなものじゃない。
けみーはマンティと同じでブレードを両腕に装備すると、キノコキングの真上に鎮座した。
「来るぞ」
「「えっ?」」
Nightに言われて凝視すると、けみーは目を見開きキノコキングの傘の部分にブレードを叩きつけた。
キノコの胞子が直接マンティを襲う前に、時間としても僅か30秒ほどの攻防で決着がついてしまった。
何だあの動きはと雷斬も興味が湧き、刀を触っている。
「今だ、マンティ」
「ありがとうけみー。これでお終い!」
けみーの一撃でキノコキングは完全に手詰まりになった。
するとマンティは容赦なく挟み込み、キノコキングを粒子に変えた。
あれだけの巨体、しかも何か隠し技があったはずなのに、あっという間に倒してしまう。
アキラたちは侮れないなと冷汗を掻くとともに、面白いとも思っていた。
炎を燃やして他のキノコ兵士たちが近づけないようにして、強硬手段で道を切り開く。
「す、凄い火力!」
「感心している場合か。アイツが開けた道を続くぞ」
いつもの考えて戦うでもなく、とにかく突破口を開くことが最優先。
フェルノが炎のゴリ押しで開けた道をアキラたちも使って逃げ出した。
「キノコ兵士たちが炙られていますね」
「不可抗力だ。気にするな」
雷斬は悲しそうな表情を浮かべるが、Nightが一蹴した。
アキラたちはキノコ兵士たちに完全に囲まれる前に逃げ出しせた。
何とかキノコ兵士たちと距離を取り、アキラたちは逃げ出すことに成功していた。
しかしとにかく突っ走ったせいで、景色の変化に気が付いたころには、どの蔵距離が空いているのか、わからなくなっていた。
「はぁはぁ。いやぁ、疲れたね」
「そうだねー。まさかここまで数が多いと、私の火力が無かったら危なかったね」
フェルノはあれだけ派手に炎を使ったのに、全然疲れている様子がない。
アキラもアキラですぐに回復できたが、Nightだけは非常に疲れていた。
「はぁはぁ」
「大丈夫、Night?」
「大丈夫に見えるか? はぁはぁ……ったく、こんなに走ることになるなんて……」
インドアなNightにとってこれだけ走る羽目になるとは思ってもみなかった様子だ。
「でもおかげで助かったでしょ?」
「そうだな。まさか突然の大量発生か……流石に囲まれたらマズかったな」
「そうですね。アレだけの数となりますと、イベントに縛られても仕方ありませんからね」
雷斬でも流石に厳しかったのか、ベルと一緒に逃げ出してきた。
今思えばレベルも40くらいのキノコ兵士たちもいたので、戦わなくて正解だった。
「そう言えばここ何処だろ?」
「そんなもの知るか。恐らくは森の最深部に近いだろうが……ん?」
「如何したの、Night?」
「あそこに誰かいないか? 2人組。しかも片方はマンティだろ」
Nightが口のすると、アキラたちも視線を合わせた。
するとマンティとけみーの2人がモンスターと戦闘している。
しかもただのモンスターではなく、先程アキラたちが戦っていたキノコ兵士たちよりも大きなキノコモンスターだった。
「アレはキノコ兵士たちの親玉だな」
「それじゃあキノコキング?」
もしかしたら大量発生の原因は、キノコキングが攻撃されたからかもしれない。
キノコ兵士たちは侵入者を排除するために、まるで菌類のそれと同じで大量発生したと考えれば、Nightも納得ができた。
「つまりマンティさん達がキノコキングを倒せば……」
「アイツらの暴走も収まって、私たちは安全に帰ることができる。とりあえずここは様子見だ。無暗に近づいて、下手に刺激しない方がいい」
Nightは草むらの陰に隠れて、マンティとけみーの戦いぶりを観戦した。
アキラとフェルノも実況っぽく観戦するらしい。
キノコキングはけみーとマンティの2人を前にして劣勢に立たされていた。
マンティは頭と腕から2本の角を展開。
二又状の角はまるで刃のようで、マンディブラリスフタマタクワガタをモチーフにしているだけのことは合って凶悪だった。
「それじゃあこれで終わらせてあげるね」
マンティは素早く距離を詰めると、両腕から生える2本の角をハサミのように使って、挟み込もうとした。
挟まれたら一貫の終わり。
それがわかっていたからか、キノコキングは図体の大きさを活かして挟まれないように踏ん張る。
「うわぁ、結構やるね」
「僕も手伝おうか」
マンティは思った以上に苦戦していた。
その様子を後ろから見守っていたけみーもキノコキングが手強く、マンティにキノコの胞子を降りかけようとしていることに気が付き、攻め込むことにした。
頭から黒い猫の耳が生え、お尻からは黒い猫の尻尾が生える。
ケットシーを始めとした猫系モンスターの固有スキル、【猫化】で身体能力を強化し、体を柔らかくしたようだ。
若干猫背な姿勢を取ると、体をぐにゃりとまげ、目を凝らした。
まるで猫が一点を見つめている時のようで、青い目が何処かを凝視する。
「何やっているのかな?」
「わからないけど、きっと凄いことに……うわぁ!」
アキラとフェルノは首を捻った。
しかし再び見返した時には、けみーの姿はなかった。
姿が消えたのではない。移動したのだ。
人間離れした動きをケットシーになったことで、柔らかさと反発運動を利用して生み出し、そのまま一気に距離を縮める。
かと思いきや、何故かけみーの体は木の幹を蹴っていた。
それから次の木の幹に長靴を引っ掻けると、そのまま再び枝に飛び移る。
何をしているのか、アキラとフェルノにはわからなかった。
「そういうことか」
しかしNightには意図が伝わっていた。
けみーは三次元的に空間を捉え、キノコキングの死角から攻撃を加えるらしい。
もちろん背後何てありきたりなものじゃない。
けみーはマンティと同じでブレードを両腕に装備すると、キノコキングの真上に鎮座した。
「来るぞ」
「「えっ?」」
Nightに言われて凝視すると、けみーは目を見開きキノコキングの傘の部分にブレードを叩きつけた。
キノコの胞子が直接マンティを襲う前に、時間としても僅か30秒ほどの攻防で決着がついてしまった。
何だあの動きはと雷斬も興味が湧き、刀を触っている。
「今だ、マンティ」
「ありがとうけみー。これでお終い!」
けみーの一撃でキノコキングは完全に手詰まりになった。
するとマンティは容赦なく挟み込み、キノコキングを粒子に変えた。
あれだけの巨体、しかも何か隠し技があったはずなのに、あっという間に倒してしまう。
アキラたちは侮れないなと冷汗を掻くとともに、面白いとも思っていた。
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