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◇211 似ている2人はそういうこと
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アキラたちは椿姫と一緒に街に戻ってきた。
こうして隣に立ってみるとわかるが、クロユリも椿姫もモミジヤの風景に溶け込み過ぎている。
「椿さんの活動拠点は、やっぱりモミジヤなんですか?」
「そうですね。私の格好を見たらわかると思いますけど、私は友達と一緒にこのモミジヤを活動の拠点にしているんです」
「やっぱり。ってことは武器とかも?」
「うーん。私の武器は種族スキルを使うから、あまり武器は多用しないですね」
確かに椿姫は武器の類を所持していなかった。
もしかしたらインベントリに隠しているだけ。クロユリのように暗具使い。
Nightの洞察力と推理力が掻き立てられる。
「そんなことよりさー、今何処向かっているのー?」
フェルノが頭の上で腕を組み、椿姫に尋ねた。
すると「これからギルドホームに帰るんです。皆さんも如何ですか?」と誘ってくれていた。
だけどこの方角、この通り。
アキラたちは見覚えがあるので、もしかしてと思っている。
「あの、椿さんのギルドってもしかしてですけど……」
「えっ?」
椿姫は驚いていた。
何か心当たりがあるのかと想像していたけど、答えは呆気なく現れた。
「おや? 椿に皆さん。ご一緒で、どうかなされたんですか?」
出会ったのはクロユリだった。
やっぱり似ている。アキラたちはずっとクロユリと椿姫の雰囲気や喋り方が似ていると思っていた。
見た目や髪の色は若干違っていて、口調ははっきりとしているけれど何処か間の抜けた様子が椿姫、試すような仕草と薙刀フォームの大人びた雰囲気漂うのがクロユリと見分けていた。
「やっぱり妖帖の雅の人だったんですね」
「そうだけど。もしかして知り合いだったの?」
「ええそうよ。貴女がログインできない間にね」
「むっ。私が悪いのかな? 私の間が悪いのかな?」
「それはいつものことでしょ」
アキラはこう思った。
やっぱりみんなのお母さんだなと。
「それよりさー、2人とも似ているよね?」
「確かに。何だか姉妹みたいですね」
アキラとフェルノは何の気なしに聞いていた。
しかしNightには食い気味に見えたので何も答えないのだが、クロユリは何が面白いのか笑みを浮かべる。
「ふふっ。面白いところに気がつくわね」
「そうだね。でも姉妹じゃないんだよ」
姉妹じゃない? 確かに身長は椿姫の方が10センチくらい高い。
けれど格好は少し似ている。
着物に身を包んでいるクロユリと同じく黒だけどもう少しう動きやすい格好の椿姫。
格好だけじゃない。
何より似ているのはその顔立ちだ。目の辺りなんて、ほくろが無かったら見分けがつかない。
ちなみにクロユリの左目の下に小さなほくろがある。高貴な雰囲気を漂わせる。
けれど本人たちが姉妹じゃないと言っているんだ。
つまり——
「従姉とか?」
「「正解」」
当たってしまった。アキラは口をポカーンと開けてしまった。
フェルノも「なるほどね」と口にしていて、Nightは「まあそうだろうな」とわかっていた反応だ。
「まあそうよね。姉妹じゃなかったら、従姉しかないわよね」
「それにしても似てますよね」
「私たちのお母さんが姉妹だから似ているのかも」
「そうよね。昔から似ていたもの」
知らない人から見たら、2人も大概に似ているとアキラは思ってしまう。
ふと格好の謎も解けてきた。
「だから好きな色とかも似ているんですね」
「「えっ?」」
「ほら、2人とも黒っぽい格好だから」
「「ふーん」」
「あの、違うんですか?」
何故か2人とも反応が鈍かった。
アキラは首を捻ってしまうが、もしかして違うのかな? 単なる偶然なら怖いなと、アキラは思ってしまう。
「昔から黒っぽい服が多かったから?」
「そうね。私たち、大体同じ服を着せられていたかもしれないわね」
「い、今気が付いたんですか?」
「「うん」」
驚いた。クロユリも鈍いのかもとアキラの認識を覆した。
「まあそれはいいとして、椿は天弧を見ていないの?」
「見てないけど。もしかして、またいなくなったの?」
「そうなのよ。ほんと困った子だわ」
「昔からそうだったよね」
椿姫も知っているらしい。
とは言えクロユリはどうして困っているのかな? アキラは瞬きをしていた。
「天狐さんは今日はいないんですか?」
「あの子はログインしているわよ。でも大体姿が無くなるわ」
「そうなんですよね。天狐はいつもいつも、気配を消していつの間にいなくなくなっちゃうんだよね」
2人ともお手上げらしい。
けれどいないとわかると、特に気にしてもいないのか、クロユリはギルドホームの軒先に水を撒き始めた。
「まあいいわ。いないならいないでスルーしましょう」
「スルーしてもいいんですか?」
「天狐は固有スキルで気配が消せるから。それに天狐は自由なんだよね」
「昔からね。本当家が近所じゃなかったら、こんなお節介を焼いてなかったわよ」
何だか愚痴みたいな流れになっていた。
いち早く退散することを決めたNightは「私は行くぞ」と言って立ち去る。
その姿を見たアキラとフェルノも空気を何となく把握すると、椿姫に一言言ってから退散した。
「本当皆さんもそう思いますよね? あれ、皆さんは?」
「もう帰っちゃったよ」
「ええっ!? 聞いてもらおうと思っていたのですが、仕方ないですね」
クロユリはがっかりしていた。
流石に可哀そうなので、椿姫は愚痴を聞いてあげることにした。
こうして隣に立ってみるとわかるが、クロユリも椿姫もモミジヤの風景に溶け込み過ぎている。
「椿さんの活動拠点は、やっぱりモミジヤなんですか?」
「そうですね。私の格好を見たらわかると思いますけど、私は友達と一緒にこのモミジヤを活動の拠点にしているんです」
「やっぱり。ってことは武器とかも?」
「うーん。私の武器は種族スキルを使うから、あまり武器は多用しないですね」
確かに椿姫は武器の類を所持していなかった。
もしかしたらインベントリに隠しているだけ。クロユリのように暗具使い。
Nightの洞察力と推理力が掻き立てられる。
「そんなことよりさー、今何処向かっているのー?」
フェルノが頭の上で腕を組み、椿姫に尋ねた。
すると「これからギルドホームに帰るんです。皆さんも如何ですか?」と誘ってくれていた。
だけどこの方角、この通り。
アキラたちは見覚えがあるので、もしかしてと思っている。
「あの、椿さんのギルドってもしかしてですけど……」
「えっ?」
椿姫は驚いていた。
何か心当たりがあるのかと想像していたけど、答えは呆気なく現れた。
「おや? 椿に皆さん。ご一緒で、どうかなされたんですか?」
出会ったのはクロユリだった。
やっぱり似ている。アキラたちはずっとクロユリと椿姫の雰囲気や喋り方が似ていると思っていた。
見た目や髪の色は若干違っていて、口調ははっきりとしているけれど何処か間の抜けた様子が椿姫、試すような仕草と薙刀フォームの大人びた雰囲気漂うのがクロユリと見分けていた。
「やっぱり妖帖の雅の人だったんですね」
「そうだけど。もしかして知り合いだったの?」
「ええそうよ。貴女がログインできない間にね」
「むっ。私が悪いのかな? 私の間が悪いのかな?」
「それはいつものことでしょ」
アキラはこう思った。
やっぱりみんなのお母さんだなと。
「それよりさー、2人とも似ているよね?」
「確かに。何だか姉妹みたいですね」
アキラとフェルノは何の気なしに聞いていた。
しかしNightには食い気味に見えたので何も答えないのだが、クロユリは何が面白いのか笑みを浮かべる。
「ふふっ。面白いところに気がつくわね」
「そうだね。でも姉妹じゃないんだよ」
姉妹じゃない? 確かに身長は椿姫の方が10センチくらい高い。
けれど格好は少し似ている。
着物に身を包んでいるクロユリと同じく黒だけどもう少しう動きやすい格好の椿姫。
格好だけじゃない。
何より似ているのはその顔立ちだ。目の辺りなんて、ほくろが無かったら見分けがつかない。
ちなみにクロユリの左目の下に小さなほくろがある。高貴な雰囲気を漂わせる。
けれど本人たちが姉妹じゃないと言っているんだ。
つまり——
「従姉とか?」
「「正解」」
当たってしまった。アキラは口をポカーンと開けてしまった。
フェルノも「なるほどね」と口にしていて、Nightは「まあそうだろうな」とわかっていた反応だ。
「まあそうよね。姉妹じゃなかったら、従姉しかないわよね」
「それにしても似てますよね」
「私たちのお母さんが姉妹だから似ているのかも」
「そうよね。昔から似ていたもの」
知らない人から見たら、2人も大概に似ているとアキラは思ってしまう。
ふと格好の謎も解けてきた。
「だから好きな色とかも似ているんですね」
「「えっ?」」
「ほら、2人とも黒っぽい格好だから」
「「ふーん」」
「あの、違うんですか?」
何故か2人とも反応が鈍かった。
アキラは首を捻ってしまうが、もしかして違うのかな? 単なる偶然なら怖いなと、アキラは思ってしまう。
「昔から黒っぽい服が多かったから?」
「そうね。私たち、大体同じ服を着せられていたかもしれないわね」
「い、今気が付いたんですか?」
「「うん」」
驚いた。クロユリも鈍いのかもとアキラの認識を覆した。
「まあそれはいいとして、椿は天弧を見ていないの?」
「見てないけど。もしかして、またいなくなったの?」
「そうなのよ。ほんと困った子だわ」
「昔からそうだったよね」
椿姫も知っているらしい。
とは言えクロユリはどうして困っているのかな? アキラは瞬きをしていた。
「天狐さんは今日はいないんですか?」
「あの子はログインしているわよ。でも大体姿が無くなるわ」
「そうなんですよね。天狐はいつもいつも、気配を消していつの間にいなくなくなっちゃうんだよね」
2人ともお手上げらしい。
けれどいないとわかると、特に気にしてもいないのか、クロユリはギルドホームの軒先に水を撒き始めた。
「まあいいわ。いないならいないでスルーしましょう」
「スルーしてもいいんですか?」
「天狐は固有スキルで気配が消せるから。それに天狐は自由なんだよね」
「昔からね。本当家が近所じゃなかったら、こんなお節介を焼いてなかったわよ」
何だか愚痴みたいな流れになっていた。
いち早く退散することを決めたNightは「私は行くぞ」と言って立ち去る。
その姿を見たアキラとフェルノも空気を何となく把握すると、椿姫に一言言ってから退散した。
「本当皆さんもそう思いますよね? あれ、皆さんは?」
「もう帰っちゃったよ」
「ええっ!? 聞いてもらおうと思っていたのですが、仕方ないですね」
クロユリはがっかりしていた。
流石に可哀そうなので、椿姫は愚痴を聞いてあげることにした。
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