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◇190 新しい街:モミジヤ
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「つ、着いたー!」
狭い荷車の中から解放されたアキラは、開口一番に両腕を振り上げて叫んでいた。
心の叫びにNightも同情してくれたらしく、うんうんと首を縦に振る。
その隣には雷斬に支えられたベルが町並みを眺めながら、「良いわね」と評価していた。
雷斬も期待以上の景色に「はい!」と声を張り上げた。
「うわぁ、よく寝たぁー! って、何々この景色! 凄い和風だねー」
するとフェルノもようやく起きたらしい。
しかし飛び込んできた瓦屋根の木造建築の並びに素直に驚いていた。
アキラたちの目の前に広がる景色、それはごちゃごちゃした様子のない歴史を彷彿とさせるもので、大きな木造の橋の下には鴨川をイメージしたような川が流れている。
さらには木造の建物が城下町のような佇まいで綺麗に整列していた。
高低差のある町並みにはどこかおどろおどろしさもあるが、その裏には仄めかした噂話を閉じ込めたようにも感じる。
つまり、イメージの中にある教徒がそこに存在していた。
「なるほどな。予想通り、平安時代のような古く奥ゆかしさを全面的に出してきたか」
「でも何だか昔の京都って感じがするね!」
「まあそうだな。今の時代、関西弁や京都弁もなかなか貴重だ。ほとんどが標準語になっている。奥ゆかしさの欠片もないようなものだからな」
Nightは批評を呈した。
しかし雷斬たちの耳には何も入らず、始めて来る町並みに目を奪われてしまっている。
「それじゃあ行こっか」
「おい、私の話は無視か」
アキラはみんなを連れて先に向かった。
Nightは熱弁した内容も全部無視されてつまらなそうだった。
私たちは橋を渡った。
すると風情のある町並みがたくさん現れる。
一見さんお断りそうなお店とか、甘味処、たくさんの十字路や裏路地が広がっている。
「石畳が多いですね」
「それだけ整備されているんだろう。とりあえずどこに行くんだ?」
「どこって言われても、あっ!」
アキラは視線の先に行ってみたい場所が見つかった。
それは高台で、大きな木が咲いている。
あれは紅葉だろうか? 随分と太い幹と、この時期にもかかわらず満開に咲いている。
枯れている様子はなく、煌々とする赤色をしていた。
「アレなんだろう。もしかしてこの町のシンボルなのかな?」
「どうでしょうか?」
「雷斬調べてなかったのね? あんなにモミジヤに行きたがっていたのにね」
「すみません。ですがこの町の象徴のように見えますよ」
「そうだな。アレは……」
Nightがお決まりの調べてきてくれたことを教えてくれようとした。
しかしNightの話を誰かが遮る。
女の声だったが、聞き覚えが全くない。
「あら血っ手紅葉って言うんやで」
「えっ? 血っ手……誰ですか?」
そこにいたのは頭から狐の耳を生やした人だった。
着物を身に付け、刀を差している。
どうやらプレイヤーのようだが、年齢はソウラさん達と近いのかもしれない。
何だか煌々とした目が吸い込まれてしまいそうだった。
「えっと、貴女は……」
「このモミジヤの名所の1つで、赤々として血みたいに見えるやん? そやさかい、紅葉の散り方も散り方やからなー、いつしか血っ手紅葉って呼ばれてんねん」
「は、はぁー?」
ためになる話だった。しかし何だか名前が物騒すぎて素直には見ていられない。
しかしこの人は誰なのか。アキラたちは気になっていたが、フェルノと一緒にアキラも教えてくれたので感謝する。
「あの、教えてくれてありがとうございました!」
「ええって。気にせんといて」
「ちなみに他に何かあるのか?」
「他に? ちょっと待ってな」
Nightは試すみたいに質問を投げかけた。
するとインベントリから何か探していると、「あったあった。これやこれ」といいながら、パンフレットを差し出した。
「モミジヤの名所パンフレット。これがあったら大抵の名所は網羅できるさかい使うてみて」
そう言ってアキラの手に押し込んだ。
どうやらこの町で一般的配っているもののようで、スタットよりも迷いそうなこの米の地図になっていた。
「ありがとうございます。えっと、私はアキラって言います。プレイヤーの方ですよね?」
「そや」
「名前って聞いてもいいですか? 流石にあの人じゃ誰かわからないので」
「せやったらフレンド登録したらええよ。はい、これうちのID。ほなまたな」
そう言って一方的にフレンド登録されてしまった。
何だか強引でちょっと引っかかる人だった。
しかし悪い人ではない。その後ろ姿もピンとしていた。
「不思議な人だったね」
「そうだねー。って名前名前……天狐さん?」
天に狐と書いてあった。読み方は天狐でいいのだろか?
何処か不思議な雰囲気のある人だったが、おかげで目的地もわかった。
「それじゃあ、血っ手紅葉に行ってみようよ」
「そうだな。こんなところで立ち尽くしていても仕方がない」
そう言って、アキラたちは移動した。
まずは高台にある名所を見てみることになった。
狭い荷車の中から解放されたアキラは、開口一番に両腕を振り上げて叫んでいた。
心の叫びにNightも同情してくれたらしく、うんうんと首を縦に振る。
その隣には雷斬に支えられたベルが町並みを眺めながら、「良いわね」と評価していた。
雷斬も期待以上の景色に「はい!」と声を張り上げた。
「うわぁ、よく寝たぁー! って、何々この景色! 凄い和風だねー」
するとフェルノもようやく起きたらしい。
しかし飛び込んできた瓦屋根の木造建築の並びに素直に驚いていた。
アキラたちの目の前に広がる景色、それはごちゃごちゃした様子のない歴史を彷彿とさせるもので、大きな木造の橋の下には鴨川をイメージしたような川が流れている。
さらには木造の建物が城下町のような佇まいで綺麗に整列していた。
高低差のある町並みにはどこかおどろおどろしさもあるが、その裏には仄めかした噂話を閉じ込めたようにも感じる。
つまり、イメージの中にある教徒がそこに存在していた。
「なるほどな。予想通り、平安時代のような古く奥ゆかしさを全面的に出してきたか」
「でも何だか昔の京都って感じがするね!」
「まあそうだな。今の時代、関西弁や京都弁もなかなか貴重だ。ほとんどが標準語になっている。奥ゆかしさの欠片もないようなものだからな」
Nightは批評を呈した。
しかし雷斬たちの耳には何も入らず、始めて来る町並みに目を奪われてしまっている。
「それじゃあ行こっか」
「おい、私の話は無視か」
アキラはみんなを連れて先に向かった。
Nightは熱弁した内容も全部無視されてつまらなそうだった。
私たちは橋を渡った。
すると風情のある町並みがたくさん現れる。
一見さんお断りそうなお店とか、甘味処、たくさんの十字路や裏路地が広がっている。
「石畳が多いですね」
「それだけ整備されているんだろう。とりあえずどこに行くんだ?」
「どこって言われても、あっ!」
アキラは視線の先に行ってみたい場所が見つかった。
それは高台で、大きな木が咲いている。
あれは紅葉だろうか? 随分と太い幹と、この時期にもかかわらず満開に咲いている。
枯れている様子はなく、煌々とする赤色をしていた。
「アレなんだろう。もしかしてこの町のシンボルなのかな?」
「どうでしょうか?」
「雷斬調べてなかったのね? あんなにモミジヤに行きたがっていたのにね」
「すみません。ですがこの町の象徴のように見えますよ」
「そうだな。アレは……」
Nightがお決まりの調べてきてくれたことを教えてくれようとした。
しかしNightの話を誰かが遮る。
女の声だったが、聞き覚えが全くない。
「あら血っ手紅葉って言うんやで」
「えっ? 血っ手……誰ですか?」
そこにいたのは頭から狐の耳を生やした人だった。
着物を身に付け、刀を差している。
どうやらプレイヤーのようだが、年齢はソウラさん達と近いのかもしれない。
何だか煌々とした目が吸い込まれてしまいそうだった。
「えっと、貴女は……」
「このモミジヤの名所の1つで、赤々として血みたいに見えるやん? そやさかい、紅葉の散り方も散り方やからなー、いつしか血っ手紅葉って呼ばれてんねん」
「は、はぁー?」
ためになる話だった。しかし何だか名前が物騒すぎて素直には見ていられない。
しかしこの人は誰なのか。アキラたちは気になっていたが、フェルノと一緒にアキラも教えてくれたので感謝する。
「あの、教えてくれてありがとうございました!」
「ええって。気にせんといて」
「ちなみに他に何かあるのか?」
「他に? ちょっと待ってな」
Nightは試すみたいに質問を投げかけた。
するとインベントリから何か探していると、「あったあった。これやこれ」といいながら、パンフレットを差し出した。
「モミジヤの名所パンフレット。これがあったら大抵の名所は網羅できるさかい使うてみて」
そう言ってアキラの手に押し込んだ。
どうやらこの町で一般的配っているもののようで、スタットよりも迷いそうなこの米の地図になっていた。
「ありがとうございます。えっと、私はアキラって言います。プレイヤーの方ですよね?」
「そや」
「名前って聞いてもいいですか? 流石にあの人じゃ誰かわからないので」
「せやったらフレンド登録したらええよ。はい、これうちのID。ほなまたな」
そう言って一方的にフレンド登録されてしまった。
何だか強引でちょっと引っかかる人だった。
しかし悪い人ではない。その後ろ姿もピンとしていた。
「不思議な人だったね」
「そうだねー。って名前名前……天狐さん?」
天に狐と書いてあった。読み方は天狐でいいのだろか?
何処か不思議な雰囲気のある人だったが、おかげで目的地もわかった。
「それじゃあ、血っ手紅葉に行ってみようよ」
「そうだな。こんなところで立ち尽くしていても仕方がない」
そう言って、アキラたちは移動した。
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