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◇102 ギルドホームには3人だけ
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ギルドホームに戻ると雷斬がいた。
急須にお茶を入れ、風情のある焼き物の湯飲みの中に注ぐ。
そこにやって来たアキラたちに気配だけで気が付くと、雷斬はにこやかに微笑む。
「おはようございます皆さん。お2人もお茶を飲みませんか? 今入れたばかりの緑茶です。新茶ではありませんが」
「貰ってもいい」
「じゃあ私も貰うわね」
「はい、喜んで」
雷斬は2人の分のカップも揃える。
継ぎ接ぎの絆のギルドホームの中はバラエティに富んでいる。
洋間もあれば和室もある。水洗式のトイレにNightが取り付けたシャワーまで完備だ。
食器類も様々な場面に使える。
雷斬が並べたカップも自分のものは和柄の湯飲み。アキラのものは、白い器に桜の模様が描かれている。ベルのものは風をイメージしたような持ち手が付いていた。
3人だけでも全く違う個性を持っている。
「うわぁ、綺麗な緑」
「新緑の薫る色と匂いね」
「ありがとうございます。色々と入れ方を変えてみたんです」
「そうなんだ。もしかして雷斬って茶道とか……」
「いいえ、そのようなことは習っていませんよ。私の家は剣の流派の家系ですので」
「剣道の先生ってことだね」
「そうです。私の父も兄も私以上に剣の腕に長けています」
雷斬の剣の腕が優れていることの理由がはっきりした。
小さい頃から体に染み付いているので、ゲームの中でも体に伝わる反応が早いんだ。
だけど剣の腕が長けているからと言って戦車は切れないと思う。
アキラは考えていたが、ベルがカップを口から離すととんでもないことを答える。
「何言ってるのよ。雷斬はもうお父さんを越えているでしょ」
「そうなの!」
「そのようなことはありませんよ。私もまだまだ修行の身です」
「家では竹刀の代わりに真刀を振り回しているくせにね」
ベルが教えてくれたのは雷斬の剣の修業方法だった。
真刀って本当に切れる刀のことだ。
そんな危ないものを振り回すとなると、よっぽど腕に長けているんだろう。
「あれ? 驚かないんだ」
「うん、だって凄いでしょ。真刀何て私見たことないもん」
アキラは楽しんでいた。
自分とは全く違う、普通とはかけ離れた話を聞いて胸を躍らせる。
すると雷斬もベルも表情を真顔に変えて、アキラのことを凝視した。
「どうしたの2人とも?」
「いえ、アキラさんは気にならないのですか?」
「何を? 真刀を振り回していることだったら人に危害を加えてなければいいんじゃないのかな。自分の家の敷地内で、しかも誰も怪我していないんだったら藁を切る人もいるぐらいだから」
「それもそうですが……」
「剣で岩を切るみたいな無茶苦茶な話しでもないしね」
アキラがぽつりと口にした。
すると雷斬は湯飲みをテーブルの上に置いて、まじまじと答える。
「いえ、少しぐらいでしたできますよ」
「えっ!?」
「もちろんコツはあります。岩にもそうですが、急所と呼ぶべき一点があるんです。そこに叩き込めば、壊れてしまうんです」
アキラは固まってしまった。
話の矛先をベルにも委ねようとしたが、コクコクと首を縦に振る。
どうやらベルの言っていたことは本当らしい。
「コツなのかな、それ?」
「ベルも似たようなことはできますよね」
「ベルも!」
ベルは自分い話が振られたので仕方なく返す。
何故ならアキラの目がキラキラしていたので、答えてあげた方が喜びそうだった。
「そうね。弓と矢さえあれば」
「それってもう人間の枠組み……ってそれを言ったら昔の人の偉業も説明が付かないよね」
昔の人にできて今の人にできないことはない。
経験を積んだ人なら可能なはずだ。
後はそれに対しての向き合い方、2人は逃げなかったからできるんだと自分なりの結論を付けた。
もちろんアキラにはその覚悟もないし、できるとも思えないけどね。
急須にお茶を入れ、風情のある焼き物の湯飲みの中に注ぐ。
そこにやって来たアキラたちに気配だけで気が付くと、雷斬はにこやかに微笑む。
「おはようございます皆さん。お2人もお茶を飲みませんか? 今入れたばかりの緑茶です。新茶ではありませんが」
「貰ってもいい」
「じゃあ私も貰うわね」
「はい、喜んで」
雷斬は2人の分のカップも揃える。
継ぎ接ぎの絆のギルドホームの中はバラエティに富んでいる。
洋間もあれば和室もある。水洗式のトイレにNightが取り付けたシャワーまで完備だ。
食器類も様々な場面に使える。
雷斬が並べたカップも自分のものは和柄の湯飲み。アキラのものは、白い器に桜の模様が描かれている。ベルのものは風をイメージしたような持ち手が付いていた。
3人だけでも全く違う個性を持っている。
「うわぁ、綺麗な緑」
「新緑の薫る色と匂いね」
「ありがとうございます。色々と入れ方を変えてみたんです」
「そうなんだ。もしかして雷斬って茶道とか……」
「いいえ、そのようなことは習っていませんよ。私の家は剣の流派の家系ですので」
「剣道の先生ってことだね」
「そうです。私の父も兄も私以上に剣の腕に長けています」
雷斬の剣の腕が優れていることの理由がはっきりした。
小さい頃から体に染み付いているので、ゲームの中でも体に伝わる反応が早いんだ。
だけど剣の腕が長けているからと言って戦車は切れないと思う。
アキラは考えていたが、ベルがカップを口から離すととんでもないことを答える。
「何言ってるのよ。雷斬はもうお父さんを越えているでしょ」
「そうなの!」
「そのようなことはありませんよ。私もまだまだ修行の身です」
「家では竹刀の代わりに真刀を振り回しているくせにね」
ベルが教えてくれたのは雷斬の剣の修業方法だった。
真刀って本当に切れる刀のことだ。
そんな危ないものを振り回すとなると、よっぽど腕に長けているんだろう。
「あれ? 驚かないんだ」
「うん、だって凄いでしょ。真刀何て私見たことないもん」
アキラは楽しんでいた。
自分とは全く違う、普通とはかけ離れた話を聞いて胸を躍らせる。
すると雷斬もベルも表情を真顔に変えて、アキラのことを凝視した。
「どうしたの2人とも?」
「いえ、アキラさんは気にならないのですか?」
「何を? 真刀を振り回していることだったら人に危害を加えてなければいいんじゃないのかな。自分の家の敷地内で、しかも誰も怪我していないんだったら藁を切る人もいるぐらいだから」
「それもそうですが……」
「剣で岩を切るみたいな無茶苦茶な話しでもないしね」
アキラがぽつりと口にした。
すると雷斬は湯飲みをテーブルの上に置いて、まじまじと答える。
「いえ、少しぐらいでしたできますよ」
「えっ!?」
「もちろんコツはあります。岩にもそうですが、急所と呼ぶべき一点があるんです。そこに叩き込めば、壊れてしまうんです」
アキラは固まってしまった。
話の矛先をベルにも委ねようとしたが、コクコクと首を縦に振る。
どうやらベルの言っていたことは本当らしい。
「コツなのかな、それ?」
「ベルも似たようなことはできますよね」
「ベルも!」
ベルは自分い話が振られたので仕方なく返す。
何故ならアキラの目がキラキラしていたので、答えてあげた方が喜びそうだった。
「そうね。弓と矢さえあれば」
「それってもう人間の枠組み……ってそれを言ったら昔の人の偉業も説明が付かないよね」
昔の人にできて今の人にできないことはない。
経験を積んだ人なら可能なはずだ。
後はそれに対しての向き合い方、2人は逃げなかったからできるんだと自分なりの結論を付けた。
もちろんアキラにはその覚悟もないし、できるとも思えないけどね。
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