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◇95 夏休みなので
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夏休みになりました。
何と期末テストを掻い潜り、明輝は他に誰もいない家の中でご飯を食べていた。
ここからしばらくやることはない。宿題をもこつこつしている。
「さてと、そろそろログインしようかな」
明輝は自室に向かった。
今日から夏休み。みんなきっと暇なんだろうな。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
「あれ?」
ログインしてアキラはギルドホームの異様な静かさに驚いた。
いつもならNightがいるはずなんだけど、今日は誰もいない。
フェルノは部活なことは知っている。
もしかしてみんな忙しくていないのかな?
「でもNightまでいないなんて、こんなことがあるんだね」
ギルドホームの中が静かで暇だった。
文庫本のページをめくる音もしない。
人がいないとこんなに静かなことは、普段1人暮らしの身からすれば知っている。
そこで久々に1人で冒険に出てみることにした。
「よし決めた! 気になってたダンジョンに行ってみよう!」
アキラはギルドホームから出た。
ギルド会館の地下の扉から1階に出ると、町を飛び出していた。
久しぶりに1人で冒険に向かった。
今回は、ある森を目指して歩いている。
何処か神聖な空気を感じる森で、草原を抜け小川を越えると見えてくる。
「あれかな?」
大きな森が広がっていた。
たくさんの葉っぱが付いていて、雲に届きそうだった。
山のように盛ってあるので何処となく立ち入ってはいけない気がする。
「ここが霊龍の森。なんだか静か」
今までに行った何処よりも静かだった。
空気が軽い。アキラにはそう感じる。
これが神聖な空気なのかと、頭の中で考えるものの周りでは別の声が聞こえていた。
「おい、この森の何処かにあるんだよな?」
「そうらしいわ。でもなかなか見つからないわね」
「おいおい、俺なんかここで探して2週間だぜ。まさかガセ情報じゃないだろうな!」
「知らないわよ。でも、何人かはここに来て偶然見つけたって」
寄って集まったプレイヤー達が情報交換をしていた。
私がこの森に来た理由と重なる。
この森には不思議な噂があった。その噂の真相を確かめるため、私はこの森にやって来たんだ。
「って、私は面白そうだから来たんだけどね。流石にあの空気には溶け込めないよ」
話し込んでいるプレイヤー達は血眼になっていた。
この森には不思議な噂があるがそのソースが一体何処からやって来たのかは定かではない。
真相究明のために時間を割いているプレイヤーだっているぐらい、今はミステリースポットになっていた
アキラはそこまで真剣ではないが、ヒントとして攻略サイトに記事が出ていたら嬉しい。
私はそこまで考えて臨んでいた。つまり、楽しむ気満々だ。
「さてと、まずは如何しよう。1人できちゃったから迷うなー」
ここは原点回帰。
Nightにばかり頼りすぎていたマッピングをしながら進むことにする。
この辺りのマップを展開……しようとしたが、表示されない。
「おかしいなー。マップが出ない」
首を捻るアキラに、プレイヤーが話しかけた。
「この森はマップが表示されないんだよ」
「えっ、そうなんだ」
「うんだから地道に足で稼いで埋めていくしかないの。おまけに破壊負荷のエフェクトも掛かっているから、森の木にダメージが与えられなくて道に迷っちゃうこともあるんだよ」
「知らなかった……」
アキラに優しく教えてくれたシカの角を生やしたプレイヤーの少女は、自分の持っていた紙製の地図の複製を渡す。
「はいこれ。道に迷わないように作っておいたんだ。これを使って貴女も埋めてみてね」
「いいの、こんなもの貰っても」
「うん。私たちは攻略班で、未開の地を開拓しているんだ。ぞれじゃあまたね」
そう言って先程の熱い空気に溶け込んだ。
見れば見るほど情熱を注いでいるんだなとわかる。
ごくりと息を飲んだアキラは、1人で貰った地図を頼りに進んでみることにした。
何と期末テストを掻い潜り、明輝は他に誰もいない家の中でご飯を食べていた。
ここからしばらくやることはない。宿題をもこつこつしている。
「さてと、そろそろログインしようかな」
明輝は自室に向かった。
今日から夏休み。みんなきっと暇なんだろうな。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
「あれ?」
ログインしてアキラはギルドホームの異様な静かさに驚いた。
いつもならNightがいるはずなんだけど、今日は誰もいない。
フェルノは部活なことは知っている。
もしかしてみんな忙しくていないのかな?
「でもNightまでいないなんて、こんなことがあるんだね」
ギルドホームの中が静かで暇だった。
文庫本のページをめくる音もしない。
人がいないとこんなに静かなことは、普段1人暮らしの身からすれば知っている。
そこで久々に1人で冒険に出てみることにした。
「よし決めた! 気になってたダンジョンに行ってみよう!」
アキラはギルドホームから出た。
ギルド会館の地下の扉から1階に出ると、町を飛び出していた。
久しぶりに1人で冒険に向かった。
今回は、ある森を目指して歩いている。
何処か神聖な空気を感じる森で、草原を抜け小川を越えると見えてくる。
「あれかな?」
大きな森が広がっていた。
たくさんの葉っぱが付いていて、雲に届きそうだった。
山のように盛ってあるので何処となく立ち入ってはいけない気がする。
「ここが霊龍の森。なんだか静か」
今までに行った何処よりも静かだった。
空気が軽い。アキラにはそう感じる。
これが神聖な空気なのかと、頭の中で考えるものの周りでは別の声が聞こえていた。
「おい、この森の何処かにあるんだよな?」
「そうらしいわ。でもなかなか見つからないわね」
「おいおい、俺なんかここで探して2週間だぜ。まさかガセ情報じゃないだろうな!」
「知らないわよ。でも、何人かはここに来て偶然見つけたって」
寄って集まったプレイヤー達が情報交換をしていた。
私がこの森に来た理由と重なる。
この森には不思議な噂があった。その噂の真相を確かめるため、私はこの森にやって来たんだ。
「って、私は面白そうだから来たんだけどね。流石にあの空気には溶け込めないよ」
話し込んでいるプレイヤー達は血眼になっていた。
この森には不思議な噂があるがそのソースが一体何処からやって来たのかは定かではない。
真相究明のために時間を割いているプレイヤーだっているぐらい、今はミステリースポットになっていた
アキラはそこまで真剣ではないが、ヒントとして攻略サイトに記事が出ていたら嬉しい。
私はそこまで考えて臨んでいた。つまり、楽しむ気満々だ。
「さてと、まずは如何しよう。1人できちゃったから迷うなー」
ここは原点回帰。
Nightにばかり頼りすぎていたマッピングをしながら進むことにする。
この辺りのマップを展開……しようとしたが、表示されない。
「おかしいなー。マップが出ない」
首を捻るアキラに、プレイヤーが話しかけた。
「この森はマップが表示されないんだよ」
「えっ、そうなんだ」
「うんだから地道に足で稼いで埋めていくしかないの。おまけに破壊負荷のエフェクトも掛かっているから、森の木にダメージが与えられなくて道に迷っちゃうこともあるんだよ」
「知らなかった……」
アキラに優しく教えてくれたシカの角を生やしたプレイヤーの少女は、自分の持っていた紙製の地図の複製を渡す。
「はいこれ。道に迷わないように作っておいたんだ。これを使って貴女も埋めてみてね」
「いいの、こんなもの貰っても」
「うん。私たちは攻略班で、未開の地を開拓しているんだ。ぞれじゃあまたね」
そう言って先程の熱い空気に溶け込んだ。
見れば見るほど情熱を注いでいるんだなとわかる。
ごくりと息を飲んだアキラは、1人で貰った地図を頼りに進んでみることにした。
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