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◇58 メタルの爪は厄介1
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何もないギルドホームで床に座ってゴローンとする、私たち。
ちょっと腰がいた。せめて座布団でも買って来ればよかったと後悔する私、アキラ。
その対面には仰向けで天井を見上げる、フェルノの姿が映った。
「ねえアキラ」
「なに、フェルノ」
「私たち、このホーム買ってからどれぐらい経ったのかな?」
「うーん、まだ二日じゃないかな。そうだよね、Night」
私はNightに話を振った。
するとNightはアキラの顔を見ながら、手に持ったコーヒーのカップを口に近づける。
「そうだな。大体そのぐらいだ」
「じゃあさ、一体いつになったら家具を買うの?」
「それはいつでもいい。しかし、アキラが頼んでしまったものを、今更断れるのか?」
「うっ! それは厳しいかも。向こうは、せっかく言ってくれたのに、できないよね」
「そうだ。しかもまだ何の家具なのかもわからない。にもかかわらず、例えばテーブルを買ってみろ、無駄にリビングにテーブルを二台も置くことになるぞ」
「それは……ちょっとないね」
「うん、ない」
「そうだろ」
確かにと思って納得してしまう。
その方、woodpeckerさん。こと、ピーコさんは大学でも多忙な方らしい。
そのためなかなかログインできないそうだが、きっと素晴らしいものが出来上がるそうなので、期待している。すると、Nightは咳払いをして、話を切り替えた。
「それはそうと、そろそろギルドとしての活動が欲しいな」
「「ギルドとしての活動?」」
「そうだ。ギルドとして、特徴は様々あるが、私たちは主に現地に行っての討伐と採取がメインになる。するとどうだ。ここで一つ、討伐系をしてもいいだろう」
「討伐系って、探索ってこと?」
「そうなるな。私たちの明確な価値はまだ決まっていないが、そうなるだろう」
「そっかー。でも、何を討伐するの?」
「これだ」
この流れは何処かで見たことがある。
そうだ、オロチコンダの時だ。
この流れで、あの苦行を体感したんだ。今回はならないといいけど。
「それで、何を討伐するの?」
「そうだよ。もう毒系はしばらくいいかなー」
「猛毒系ではないが、今回は危険な奴で間違いない」
「「前回も危険だったよねー!」」
変にツッコまれてしまったからか、Nightは微妙な顔になった。
表情が固まっていて、何故か唖然としている。
如何やら、何か勘違いしてしまったみたいで可愛い。
「あー、こほん。それで今回の相手はこれだ」
妙な咳ばらいをされてしまった。
空気を変えたところ、Nightはウィンドウを見せてくれる。
そこには、これまた物騒なクマの名前が書いてあった。
「なになに、メタルクロー・ベアー」
「そのままの名前だね。爪が鋼ってことでしょ?」
「単純に考えればな。しかし、そいつは私たちが今受けられるクエストの中でも、トップクラスに凶暴で、それでいて報酬やランクポイントも高い」
「それはそうかもだけど、絶対一撃死だよね、このタイプ」
「HPが極端に少なく、耐久値がペラならな」
とっても怖いことを言っている。
冷汗が流れそうになるが、フェルノは頭の上で腕を組むと、にやにや笑っている。
「なーんか、面白そうだねー」
「面白いって言うか、何だか怖いモンスターだよね」
「それもそうだな。だが、既に受けてしまった」
「勝手に受けたんかい!」
アキラは盛大にツッコんだ。
しかし、どうしてこうもヤバそうなモンスターばかりなのかと思うと、この世界って過酷なのかな? でも、きっと強くなっているんだと、思うと何だかやる気が満ちていく。
アキラはかなりやる気に満ちていたが、一つ訂正しておくことがある。
この世界は、過酷な面もある。しかし、もっと簡単なクエストは多いので、選んだクエストがいつも当たりで外れなだけだった。どっちなんだって話だが、誰も気にしていない。そう、このメンバーはそれだけ愉快だった。
ちょっと腰がいた。せめて座布団でも買って来ればよかったと後悔する私、アキラ。
その対面には仰向けで天井を見上げる、フェルノの姿が映った。
「ねえアキラ」
「なに、フェルノ」
「私たち、このホーム買ってからどれぐらい経ったのかな?」
「うーん、まだ二日じゃないかな。そうだよね、Night」
私はNightに話を振った。
するとNightはアキラの顔を見ながら、手に持ったコーヒーのカップを口に近づける。
「そうだな。大体そのぐらいだ」
「じゃあさ、一体いつになったら家具を買うの?」
「それはいつでもいい。しかし、アキラが頼んでしまったものを、今更断れるのか?」
「うっ! それは厳しいかも。向こうは、せっかく言ってくれたのに、できないよね」
「そうだ。しかもまだ何の家具なのかもわからない。にもかかわらず、例えばテーブルを買ってみろ、無駄にリビングにテーブルを二台も置くことになるぞ」
「それは……ちょっとないね」
「うん、ない」
「そうだろ」
確かにと思って納得してしまう。
その方、woodpeckerさん。こと、ピーコさんは大学でも多忙な方らしい。
そのためなかなかログインできないそうだが、きっと素晴らしいものが出来上がるそうなので、期待している。すると、Nightは咳払いをして、話を切り替えた。
「それはそうと、そろそろギルドとしての活動が欲しいな」
「「ギルドとしての活動?」」
「そうだ。ギルドとして、特徴は様々あるが、私たちは主に現地に行っての討伐と採取がメインになる。するとどうだ。ここで一つ、討伐系をしてもいいだろう」
「討伐系って、探索ってこと?」
「そうなるな。私たちの明確な価値はまだ決まっていないが、そうなるだろう」
「そっかー。でも、何を討伐するの?」
「これだ」
この流れは何処かで見たことがある。
そうだ、オロチコンダの時だ。
この流れで、あの苦行を体感したんだ。今回はならないといいけど。
「それで、何を討伐するの?」
「そうだよ。もう毒系はしばらくいいかなー」
「猛毒系ではないが、今回は危険な奴で間違いない」
「「前回も危険だったよねー!」」
変にツッコまれてしまったからか、Nightは微妙な顔になった。
表情が固まっていて、何故か唖然としている。
如何やら、何か勘違いしてしまったみたいで可愛い。
「あー、こほん。それで今回の相手はこれだ」
妙な咳ばらいをされてしまった。
空気を変えたところ、Nightはウィンドウを見せてくれる。
そこには、これまた物騒なクマの名前が書いてあった。
「なになに、メタルクロー・ベアー」
「そのままの名前だね。爪が鋼ってことでしょ?」
「単純に考えればな。しかし、そいつは私たちが今受けられるクエストの中でも、トップクラスに凶暴で、それでいて報酬やランクポイントも高い」
「それはそうかもだけど、絶対一撃死だよね、このタイプ」
「HPが極端に少なく、耐久値がペラならな」
とっても怖いことを言っている。
冷汗が流れそうになるが、フェルノは頭の上で腕を組むと、にやにや笑っている。
「なーんか、面白そうだねー」
「面白いって言うか、何だか怖いモンスターだよね」
「それもそうだな。だが、既に受けてしまった」
「勝手に受けたんかい!」
アキラは盛大にツッコんだ。
しかし、どうしてこうもヤバそうなモンスターばかりなのかと思うと、この世界って過酷なのかな? でも、きっと強くなっているんだと、思うと何だかやる気が満ちていく。
アキラはかなりやる気に満ちていたが、一つ訂正しておくことがある。
この世界は、過酷な面もある。しかし、もっと簡単なクエストは多いので、選んだクエストがいつも当たりで外れなだけだった。どっちなんだって話だが、誰も気にしていない。そう、このメンバーはそれだけ愉快だった。
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