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◇36 ピンク色の毛色
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白桃虎を討伐した。
結局最後は倒しちゃったけど、無事に欲しかったものは手に入った。
アキラの手のひらにくっついていたもの。それは、ピンク色をした白桃虎を殴ったことで手に入った毛の一部だった。
「それでこれを如何するの?」
「如何するのじゃないだろ。今回の依頼は、この毛を使って染色液を作ることだ」
「せ、染色液?」
それを聞けば、口を開き切っていた。
何せそんなものどうやって作ればいいかなんてわからない。
と思っていたが、Nightの手の中には小さな透明な瓶が握られている。中には少しドロッとした液体が入っていた。
「それはなに? 水飴みたいだけど」
「水飴? いや、そんなものではないぞ。これは染色液で、この世界では比較的安価で取引されている」
「へえー」
「まあ私のは、自分で採取してきたものだがな」
かなり凄そうなことを言っていた。
つまり自前で持ってきた天然ものてことだ。
いくら安価でも、手に入れるまでの行動が凄すぎる。
しかもその話を聞いていたアキラは、肝心のあまりぼーっとしている。
Nightに対する見方がまた少し変わって、不意に口から言葉が滑っていた。
それを目の前にいるNight本人に伝えてしまった。
「Nightって、結構慎重って言うか、やっぱりまめな性格なんだね」
「やっぱりってなんだ。否定はしないが、私だって妥協はするぞ」
「本当?」
「本当だ。日常生活でもそうでないところでも、私は姿勢を崩さない。私はあくまでも自分が正しいと思う行動をとっているだけだ。そんな他人からのくだらない意見などで動く気はない」
それはまめだとか、利己的だとかじゃない気がする。
もっと、強情で傲慢な考えが滲み出ていた。確かに、Nightなら何でもそつなくこなしちゃいそうだし、手先も器用そうで、今も白桃虎の毛からピンク色だけ取り出そうと、必死にすり合わせている。その結果を見るに、やっぱりまめで慎重な子だった。
「Nightって、やっぱり面白いね」
「なんだ。煽っているのか。受け手は立たないが」
「立たないんだ。でも、それがNightっぽい」
その間もNightの手は確実にすり潰していた。
潰して潰して、液体がピンク色に染まると、毛の色は抜け落ちて透明になり、代わりに色と匂いは液体の中に溶けていた。
「こんなものだな」
「凄い。これで1200円なの!」
「円じゃなくて、ジュエルだがな。まあこんなものだろう。品質も悪くない」
「品質。普通ってこと?」
「いや、状態はいいな」
この世界のアイテムにはレア度が存在するが、人の手が加えられたものには、代わりにS~Fの七段階評価がある。
レア度と同じだ。今回は、Bランクだったみたいで、器用のステータスがものを言うみたいだ。
「とりあえず最低限は上手くいったな」
「Cランク以上だもんね」
「そうだな。とりあえずこれは納品するとして、アキラ一つ言っておくが、私っぽいってなんだ?」
「えっ!? もしかして気にしてた?」
「そうではないんだが……」
如何してもじもじしているんだろ。
もしかして気になるのかな? うん、私にはわかる。
これは絶対に気にしていた。
けれどアキラはそんな彼女を前にして、少し迷ってけど何も言わないことにした。
なんたって、こんな珍しい姿、たじたじで面白いんだもん。
結局最後は倒しちゃったけど、無事に欲しかったものは手に入った。
アキラの手のひらにくっついていたもの。それは、ピンク色をした白桃虎を殴ったことで手に入った毛の一部だった。
「それでこれを如何するの?」
「如何するのじゃないだろ。今回の依頼は、この毛を使って染色液を作ることだ」
「せ、染色液?」
それを聞けば、口を開き切っていた。
何せそんなものどうやって作ればいいかなんてわからない。
と思っていたが、Nightの手の中には小さな透明な瓶が握られている。中には少しドロッとした液体が入っていた。
「それはなに? 水飴みたいだけど」
「水飴? いや、そんなものではないぞ。これは染色液で、この世界では比較的安価で取引されている」
「へえー」
「まあ私のは、自分で採取してきたものだがな」
かなり凄そうなことを言っていた。
つまり自前で持ってきた天然ものてことだ。
いくら安価でも、手に入れるまでの行動が凄すぎる。
しかもその話を聞いていたアキラは、肝心のあまりぼーっとしている。
Nightに対する見方がまた少し変わって、不意に口から言葉が滑っていた。
それを目の前にいるNight本人に伝えてしまった。
「Nightって、結構慎重って言うか、やっぱりまめな性格なんだね」
「やっぱりってなんだ。否定はしないが、私だって妥協はするぞ」
「本当?」
「本当だ。日常生活でもそうでないところでも、私は姿勢を崩さない。私はあくまでも自分が正しいと思う行動をとっているだけだ。そんな他人からのくだらない意見などで動く気はない」
それはまめだとか、利己的だとかじゃない気がする。
もっと、強情で傲慢な考えが滲み出ていた。確かに、Nightなら何でもそつなくこなしちゃいそうだし、手先も器用そうで、今も白桃虎の毛からピンク色だけ取り出そうと、必死にすり合わせている。その結果を見るに、やっぱりまめで慎重な子だった。
「Nightって、やっぱり面白いね」
「なんだ。煽っているのか。受け手は立たないが」
「立たないんだ。でも、それがNightっぽい」
その間もNightの手は確実にすり潰していた。
潰して潰して、液体がピンク色に染まると、毛の色は抜け落ちて透明になり、代わりに色と匂いは液体の中に溶けていた。
「こんなものだな」
「凄い。これで1200円なの!」
「円じゃなくて、ジュエルだがな。まあこんなものだろう。品質も悪くない」
「品質。普通ってこと?」
「いや、状態はいいな」
この世界のアイテムにはレア度が存在するが、人の手が加えられたものには、代わりにS~Fの七段階評価がある。
レア度と同じだ。今回は、Bランクだったみたいで、器用のステータスがものを言うみたいだ。
「とりあえず最低限は上手くいったな」
「Cランク以上だもんね」
「そうだな。とりあえずこれは納品するとして、アキラ一つ言っておくが、私っぽいってなんだ?」
「えっ!? もしかして気にしてた?」
「そうではないんだが……」
如何してもじもじしているんだろ。
もしかして気になるのかな? うん、私にはわかる。
これは絶対に気にしていた。
けれどアキラはそんな彼女を前にして、少し迷ってけど何も言わないことにした。
なんたって、こんな珍しい姿、たじたじで面白いんだもん。
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