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◇29 闇夜の墓城2

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 闇夜の墓城シャンベリー。
 なんかちょっとカッコいい。

 アキラとNightはシャンベリーの中に踏み入れると、そこに広がるのは中世ヨーロッパのお城のようだった。

「うわぁ! 本当にお城みたい」
「ここは城で合っているぞ。もともとこの地を治めていた領主が、戦争で亡くなった兵士たちの死を弔うために、ここに広大な墓を置いたんだ」
「お墓を? いい人だったんだね」

 アキラは何の気なしに呟くも、Nightは面白くないのか、話の続きを話した。

「だがそう甘い話でもない。本人は死後、この城の際奥の部屋に自らの遺骨を納めた。それ体、この城には悪霊が住み着くようになった」
「悪霊?」

 首を傾げる。信じていない顔だ。
 しかしNightはまるで気にせずに、話を続ける。

「悪霊と言ってもモンスターだ。この間見ただろ、ミイラのモンスター」
「う、うん」
「あれはマミーと言って、プレイヤーの中でも選択する奴は多い。包帯の中に、何を隠しているかはわからないからな」
「怖いね。でも、味方にいたら面白そう」
「そうか? お気楽な奴だな」

 Nightの感想は、かなりあっさりしていた。
 あっさり餃子並みに、ニンニクが少ない。わからないか。吸血鬼だけにとか言ってほしかったけど。

「餃子みたいなコメントだね」
「吸血鬼だからか?」
「うわぁ! 本当に言ってくれた」
「なにがだ? 別にそれぐらいなら、私は言うぞ」

 もっとお堅い感じかと思っていたけど、如何やら違うみたいでアキラは素直に驚いた。
 それからNightは話を戻すと、墓城の説明に戻す。如何やらお城の中の事らしく、流石はNight、ロケハン済みだ。

 この城の中は三階構造になっている。
 一つ一つの階層が広くて、様々な部屋があるみたいだ。
 その中には厄介なトラップがあるみたいだけど、どんなのがあるのかな。アキラは楽しみにしていた。しかし、

「トラップの類なら、全て解除しているぞ。宝箱も、全て開けて、回収済みだ」
「嘘でしょ!?」
「嘘ではない。そもそもこんなことで嘘をついて何の意味がある? そもそもダンジョンによっては、宝箱の中身が復活するものもあるが、ここはNOだ」

 絶句した。アキラは口を開けている。
 そう言うことは、もう少し早くに言ってほしかった。いや、ちょっと待って。なにか忘れてる。

「ねえNight。Nightはこのお城を探索したんだよね?」
「ああ。それが如何した?」
「何にもないのはわかってたし、探策済みなのも知ってたけど」
「だから、なんだ」
「あれは、なに?」

 アキラは指を差した。
 すると何か浮かんでいる。階段の上、フロア部分にいたのは青白い靄。それは明らかに、敵だった。
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