VRMMOのキメラさん〜雑魚種族を選んだ私だけど、固有スキルが「倒したモンスターの能力を奪う」だったのでいつの間にか最強に!?

水定ユウ

文字の大きさ
上 下
21 / 599

◇21 ゲームスキル

しおりを挟む
 市立御鷹高校。
 今日も烈火とお話に夢中の明輝は、やっぱりゲームの話題で盛り上がる。

「へぇー。レベル8かー。結構早く上がったね」
「そうなのかな? 私はあんまり詳しくないから、わからないけど、まだレベル8だよ?」

 大っぴらに広げる烈火。
 すると烈火の口からは、ゲームらしく、

「上がり方は、経験値テーブルに依存しているとか?」
「なにそれ?」

 明輝は、首を傾げるも、烈火はすんなりで、

「次のレベルまでに必要な、経験値の数値だよ。だから、この経験値量が、モンスターが落とす経験値に対しての数値なら、そう言えるんじゃない? って、ごめん、やっぱなし」
「えっ!? は、はい!?」

 明輝は、困惑した。
 すると、烈火は訂正理由を話した。

「えっとね、『Creatures Union』は、経験が経験値だったよー」
「ん? 経験が、何って?」
「だから、経験が経験値。モンスターを倒しても、そのモンスターによって得られる経験値があって、レベルの上がり方も、その人の経験に由来するんだよ」
「へー。よくわかんない」
「だよねー。初見だと、何言ってるか、わからないもんねー」

 烈火は軽く笑いながらだ。
 まるで流すみたいに、平然としている。それを抜きにしても、かなり情報を知ったと、明輝は初歩的なことを学んだんだ。

「でも、そんな子がいるんだね」
「そんな子って?」
 明輝は首を傾げた。
 「とぼけないでよー」と言いたげに、食い気味で突っ込んだ。

「その子だよ、blue nightだっけ?」
「う、うん」
「その子、結構有名だよ。ほら見てよ」

 烈火は、動画サイトにアップされた動画を見せた。
 内容は、生放送の誰かが上げた切り抜きみたい。
 だけど、注目すべきはそこじゃない。投稿した人じゃなくて、タイトルからして、相手の方だった。

 それを見た明輝は、

「この赤丸で囲ってある人が、そうなの?」
「多分。ネットだと結構有名だよ。ほら、見てみ」

 烈火は指を差した。
 明輝はじっと観察すると、カメラの反対側にすぐさま回り込んで、人間離れした動きで、撃ち抜かれていた。

「嘘!」
「まだまだ。本番はこっから」

 烈火は調子を上げた。
 すると、調子を上げて、敵の攻撃を避ける。一発も当たっていないんだ。
 それから距離を一気に詰めると、中距離からの一斉射撃。

 そこから何をするかと思えば、剣で切りつけていた。
 どんな動き!? これ、パソコンのゲームだよね。VRGAMEじゃないんだよね!

 明輝は頭を抱えて、混乱した。
 これってどんな風に練習したらできるんだろう。すっごくわくわくしたんだ。

「ねー。チートみたいでしょ?」
「えっ、これってそうなの!?」

 まさかの真実。
 ちょっと聞かされてがっかりだけど、そんな様子はなかった。
 だけど、

「でもさ、これってチートじゃないみたいなんだよね」
「そ、そうなんだ! じゃあこれって人間技なの?」
「うん。パット……コントローラーじゃ無理だけど、キーボードを超高速で、こうすれば……いたたたた。指、攣っちゃうよ」

 烈火は指を抑えた。
 あんな動き、人間技じゃないけど、極めたらきっと凄いんだろうね。
 でもそれと、Nightと、何の関係があるんだろうか。

「だからねー、この人が、そのblue nightなんだって」
「ま、まさかそれはないよ」
「いやいやー、ほんとなんですってー」

 烈火は、嘘をついていない。嘘をついた顔じゃない。それぐらいわかるし、私、そう言うのを当てるのは結構得意だ。と、明輝は察した。
 すると、

「マジ?」
「そうそう。これがマジなんだよねー。でも、その子との繋がりはわからないから、もしかしたらだけどさ」

 烈火の言うことに確証はない。
 だけど、明輝はそう確信していた。・・・のかもしれない?
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます

まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。 貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。 そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。 ☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。 ☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

『転生したら「村」だった件 〜最強の移動要塞で世界を救います〜』

ソコニ
ファンタジー
29歳の過労死サラリーマン・御影要が目覚めたのは、なんと「村」として転生した姿だった。 誰もいない村の守護者となった要は、偶然迷い込んできた少年リオを最初の住民として迎え入れ、徐々に「村」としての力を開花させていく。【村レベル:1】【住民数:0】【スキル:基本生活機能】から始まった異世界生活。

【完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。

鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。 鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。 まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。 「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。

聖女の力を隠して塩対応していたら追放されたので冒険者になろうと思います

登龍乃月
ファンタジー
「フィリア! お前のような卑怯な女はいらん! 即刻国から出てゆくがいい!」 「え? いいんですか?」  聖女候補の一人である私、フィリアは王国の皇太子の嫁候補の一人でもあった。  聖女となった者が皇太子の妻となる。  そんな話が持ち上がり、私が嫁兼聖女候補に入ったと知らされた時は絶望だった。  皇太子はデブだし臭いし歯磨きもしない見てくれ最悪のニキビ顔、性格は傲慢でわがまま厚顔無恥の最悪を極める、そのくせプライド高いナルシスト。  私の一番嫌いなタイプだった。  ある日聖女の力に目覚めてしまった私、しかし皇太子の嫁になるなんて死んでも嫌だったので一生懸命その力を隠し、皇太子から嫌われるよう塩対応を続けていた。  そんなある日、冤罪をかけられた私はなんと国外追放。  やった!   これで最悪な責務から解放された!  隣の国に流れ着いた私はたまたま出会った冒険者バルトにスカウトされ、冒険者として新たな人生のスタートを切る事になった。  そして真の聖女たるフィリアが消えたことにより、彼女が無自覚に張っていた退魔の結界が消え、皇太子や城に様々な災厄が降りかかっていくのであった。

最悪のゴミスキルと断言されたジョブとスキルばかり山盛りから始めるVRMMO

無謀突撃娘
ファンタジー
始めまして、僕は西園寺薫。 名前は凄く女の子なんだけど男です。とある私立の学校に通っています。容姿や行動がすごく女の子でよく間違えられるんだけどさほど気にしてないかな。 小説を読むことと手芸が得意です。あとは料理を少々出来るぐらい。 特徴?う~ん、生まれた日にちがものすごい運気の良い星ってぐらいかな。 姉二人が最新のVRMMOとか言うのを話題に出してきたんだ。 ゲームなんてしたこともなく説明書もチンプンカンプンで何も分からなかったけど「何でも出来る、何でもなれる」という宣伝文句とゲーム実況を見て始めることにしたんだ。 スキルなどはβ版の時に最悪スキルゴミスキルと認知されているスキルばかりです、今のゲームでは普通ぐらいの認知はされていると思いますがこの小説の中ではゴミにしかならない無用スキルとして認知されいます。 そのあたりのことを理解して読んでいただけると幸いです。

【完結】VRMMOでチュートリアルを2回やった生産職のボクは最強になりました

鳥山正人
ファンタジー
フルダイブ型VRMMOゲームの『スペードのクイーン』のオープンベータ版が終わり、正式リリースされる事になったので早速やってみたら、いきなりのサーバーダウン。 だけどボクだけ知らずにそのままチュートリアルをやっていた。 チュートリアルが終わってさぁ冒険の始まり。と思ったらもう一度チュートリアルから開始。 2度目のチュートリアルでも同じようにクリアしたら隠し要素を発見。 そこから怒涛の快進撃で最強になりました。 鍛冶、錬金で主人公がまったり最強になるお話です。 ※この作品は「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過した【第1章完結】デスペナのないVRMMOで〜をブラッシュアップして、続きの物語を描いた作品です。 その事を理解していただきお読みいただければ幸いです。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

処理中です...