VRMMOのキメラさん〜雑魚種族を選んだ私だけど、固有スキルが「倒したモンスターの能力を奪う」だったのでいつの間にか最強に！？

◇１４ 早速納品

　アキラは、採取した天然炭木を持って、依頼主の元にやって来た。
　そこは、町の中にあるお店で、大通り沿いから少し離れたところにあった。

「ここかな？」

　アキラはお店の前に来ていた。
　大通りから離れた場所。そこにあったのは、青い屋根の木をくりぬいたような、おしゃれな建物だった。
　看板もかかっている。

「Deep Sky。うん、ここだ」

　間違いなくこのお店だった。
　アキラは、手に入れたアイテムをインベントリから取り出して、お店の扉を開けた。すると、

　カランコローン！——

　喫茶店みたいな音がした。
　今の時代、年代のかなりレトロなやつだ。私の家の周りでも、一軒しか知らない。と、アキラは深く音色に打ち解けていた。

　すると、そこにいたのは一人の女性。
　まだ開店前なのか、忙しなく働いていた。エプロン姿が、可愛い。

「こんにちは、ソウラさん」
「あれ、アキラ。もう戻って来たの？」
「はい。さっき頼まれていた、天然炭木。無事に取ってきましたよ」

　アキラは、袋いっぱいに入れた天然炭木を掲げた。
　あの後、グレーウルフを倒したのに、意識を切り替えた。
　そのおかげで、かなりすっきりした顔になっていた。そう言えば、かなりれBるも上がって、今のところこんな感じ。

◇アキラ
LV６　《ヒューマン》
HP　１１２
MP　１０８

筋力　１０
賢さ　９
敏捷　７
精神　１１
幸運　１２

装備品［武器］普通の剣
装備品［防具］なし

種族スキル　【順応】
固有スキル　【キメラハント】［【半液状化】【甲蟲】【灰爪】］【ユニゾンハート】

　ってな感じだった。
　そのおかげか、かなり戦えている。
　何よりも、精神が目立って伸びていた。如何してかな？

「アキラ、レベルアップした？」
「はい。結構上がりましたよ」
「そっかー。それじゃあこれ」

　アキラは持っていた天然炭木と、報酬を交換した。
　今回は天然炭木計七本で、一本３０ジュエル合計で、２１０ジュエルになった。
　これはかなり安い。
　だけど、

「はい、アキラ。これ」
「これが、報酬ですか？　スチームパンク系のジャケット？」

　アキラが渡されたのは、白いジャケットだった。
　単眼レンズがポケットの中に入って、チェーンで繋がれていた。

　それに加えてかなり軽い。
　白い生地に、ピンクのライン。それに加えて、スチームパンクだけど、明るめで、おしゃれな印象で、灰の臭いはない。

「どう？　これ。かなりのレアアイテムの素材から作ったものなのよ。きっと、似合うと思うわ」
「はい。かなりいいです。私、気に入りました」
「よかったー」

　正直、素材の有無はわからない。だけど、触り心地はいい。
　着てみた。かなりぴったり。こうして新しい服を手に入れました。