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1章
第12話 スライムジェルを入手しました
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俺とエクレアは草原をひたすらに捜索した。
すると何匹ものスライムの姿を見かける。
青い通常種に赤い火属性種、緑色の回復種に銀色のメタル種。
こう見るとカラーボールのようでとても見栄えが綺麗だった。
「スライムってこんなに種類が並ぶと壮観なんだな」
「そうだね。楽しいよね!」
「それはわからんが、スライムジェルをドロップするかはわからないな」
モンスターを倒すとアイテムを落とすことがある。
基本的には魔石と呼ばれる核だけで、副産物としてアイテムを落としてくれるんだ。
その現象を冒険者の間ではドロップアイテムと呼んでいる。
狙ったアイテムが出ないことは多々あるが、いっぺんに倒してしまうのは暗黙の了解で禁止されていた。
理由は生態系が一気に変化してしまいダンジョンが成長しなくなるからで、それによって収入が安定しなくなると困るからだ。
とは言え、モンスターが大量発生する怪獣夜行や怪物隊列だけは例外だ。
「とにかくまずはスライムジェルだ。一度倒すだけで一瓶は溜まるからな。とっとと終わらせるぞ」
「そうだね。あっ、少し大きめのスライムがいるよ」
「そうだな。大きめのスライムだ」
俺とエクレアは大きめのスライムを見つけた。
青い通常種のようだが、一回り大きかった。ちなみに名前は特にない。
一応的が大きければその分倒しやすい。けれどスライムだからと言って甘く見てはいけない。俺は警戒して弾みをつけてから攻撃しようとしたが、エクレアは剣を抜いて問答無用で叩きつける。
「せーのっ!」
エクレアの抜刀した聖剣が太陽に陽射しを受けて眩く輝きを放つ。
けれど今回は少し弱めだ。それだけじゃない。エクレアも無策ではなく、ちゃんと間合いを読んでいる。
成長しているのか、俺に言われて気にしたのか、動きが軽快だった。
「なるほど、華奢な体を活かして左右に体を避けているのか。考えたな」
「何ぶつぶつ言ってるの! 早く手伝ってよ!」
「戦法はまだまだだな。俺も言えた口じゃないが……しかたない」
俺は腰に携えた剣を抜くと、素早く大きめのスライムを切り裂いた。
すると青い幕が剥がれ中からドロッとした液体が零れだす。
素早く鞄から空き瓶を取り出し零れだした液体を注ぐと、瓶の中いっぱいにスライムが溜まる。これがスライムジェルだ。
「納品アイテムは回収した。後は倒すだけだ」
「凄い。あんな簡単に入手しちゃうなんて。もしかしてカイ君って只者じゃない?」
「どうだろうな。俺はやることをやっているだけだ。手伝いはいるか?」
「ううん。後は任せてねっ!」
カイはアイテムを回収するとコルクの蓋で蓋をする。
その間の間にエクレアは聖剣の力をほとんど使わず、少し大きめのスライムを一閃した。
最初は左右に避けていたが、すぐさま後方に一歩身を引き利き足で地面を蹴り前に出る。
まるで飛び掛かるような素早い動きは女性ながらのバネの力だろうが、そこからスライムの体を踏み台にしジャンプすると剣を振り下ろした。
ここまでの一連の手順をものの数秒でこなしてしまう。
剣士としても大した腕前だ。冒険者ランク3では収まりきらない。
「ふぅ。イェーイ! やったね、カイ君!」
エクレアは一息つくと聖剣を鞘に納めた。
それからピースサインを作ると俺に見せてくる。なんだ俺にもしろと言っているのか。流石に断る。
するとエクレアはピースサインを俺の顔に当ててきた。
人差し指と中指が頬に当たって痛い。
俺もまだ16だが、流石に恥ずかしかった。
「もう、なんでしてくれないの!」
「そんな馬鹿な真似するか。それにお前幾つだ」
「16だけど?」
「まさかの同い年なのか……はぁ」
「どうしてそこで溜息つくの!」
エクレアはオーバーなリアクションをした。
多分楽しませようとしているんだろうが、俺には見え見え過ぎて逆にきつい。
本人は無理していない素のようだが、どうしてもそんな演者感があって気が散る。
本当に太陽のように際限なく明るい彼女を見ていると、俺はもう少し静かでいたと思った。
勇者パーティーのように破天荒だ。
すると何匹ものスライムの姿を見かける。
青い通常種に赤い火属性種、緑色の回復種に銀色のメタル種。
こう見るとカラーボールのようでとても見栄えが綺麗だった。
「スライムってこんなに種類が並ぶと壮観なんだな」
「そうだね。楽しいよね!」
「それはわからんが、スライムジェルをドロップするかはわからないな」
モンスターを倒すとアイテムを落とすことがある。
基本的には魔石と呼ばれる核だけで、副産物としてアイテムを落としてくれるんだ。
その現象を冒険者の間ではドロップアイテムと呼んでいる。
狙ったアイテムが出ないことは多々あるが、いっぺんに倒してしまうのは暗黙の了解で禁止されていた。
理由は生態系が一気に変化してしまいダンジョンが成長しなくなるからで、それによって収入が安定しなくなると困るからだ。
とは言え、モンスターが大量発生する怪獣夜行や怪物隊列だけは例外だ。
「とにかくまずはスライムジェルだ。一度倒すだけで一瓶は溜まるからな。とっとと終わらせるぞ」
「そうだね。あっ、少し大きめのスライムがいるよ」
「そうだな。大きめのスライムだ」
俺とエクレアは大きめのスライムを見つけた。
青い通常種のようだが、一回り大きかった。ちなみに名前は特にない。
一応的が大きければその分倒しやすい。けれどスライムだからと言って甘く見てはいけない。俺は警戒して弾みをつけてから攻撃しようとしたが、エクレアは剣を抜いて問答無用で叩きつける。
「せーのっ!」
エクレアの抜刀した聖剣が太陽に陽射しを受けて眩く輝きを放つ。
けれど今回は少し弱めだ。それだけじゃない。エクレアも無策ではなく、ちゃんと間合いを読んでいる。
成長しているのか、俺に言われて気にしたのか、動きが軽快だった。
「なるほど、華奢な体を活かして左右に体を避けているのか。考えたな」
「何ぶつぶつ言ってるの! 早く手伝ってよ!」
「戦法はまだまだだな。俺も言えた口じゃないが……しかたない」
俺は腰に携えた剣を抜くと、素早く大きめのスライムを切り裂いた。
すると青い幕が剥がれ中からドロッとした液体が零れだす。
素早く鞄から空き瓶を取り出し零れだした液体を注ぐと、瓶の中いっぱいにスライムが溜まる。これがスライムジェルだ。
「納品アイテムは回収した。後は倒すだけだ」
「凄い。あんな簡単に入手しちゃうなんて。もしかしてカイ君って只者じゃない?」
「どうだろうな。俺はやることをやっているだけだ。手伝いはいるか?」
「ううん。後は任せてねっ!」
カイはアイテムを回収するとコルクの蓋で蓋をする。
その間の間にエクレアは聖剣の力をほとんど使わず、少し大きめのスライムを一閃した。
最初は左右に避けていたが、すぐさま後方に一歩身を引き利き足で地面を蹴り前に出る。
まるで飛び掛かるような素早い動きは女性ながらのバネの力だろうが、そこからスライムの体を踏み台にしジャンプすると剣を振り下ろした。
ここまでの一連の手順をものの数秒でこなしてしまう。
剣士としても大した腕前だ。冒険者ランク3では収まりきらない。
「ふぅ。イェーイ! やったね、カイ君!」
エクレアは一息つくと聖剣を鞘に納めた。
それからピースサインを作ると俺に見せてくる。なんだ俺にもしろと言っているのか。流石に断る。
するとエクレアはピースサインを俺の顔に当ててきた。
人差し指と中指が頬に当たって痛い。
俺もまだ16だが、流石に恥ずかしかった。
「もう、なんでしてくれないの!」
「そんな馬鹿な真似するか。それにお前幾つだ」
「16だけど?」
「まさかの同い年なのか……はぁ」
「どうしてそこで溜息つくの!」
エクレアはオーバーなリアクションをした。
多分楽しませようとしているんだろうが、俺には見え見え過ぎて逆にきつい。
本人は無理していない素のようだが、どうしてもそんな演者感があって気が散る。
本当に太陽のように際限なく明るい彼女を見ていると、俺はもう少し静かでいたと思った。
勇者パーティーのように破天荒だ。
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