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第2章:黄昏時の獅子
■14 黄昏時の決着
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私は〈赤色の魔術師 アルル・フレイム〉に変身した。
すると私の姿も少し変わった。髪は燃えるような灼熱色に変わり、瞳の色も同じ赤眼に。杖の先端の宝玉も真っ赤に染まる。格好とそうだ。全身が赤色に変化していた。
「凄い。変身しても変わるんだ……(ほぼ全て単色なのは気になるけど)」
私は掌を開いたり閉じたりしてみた。
でもこの感じ。やっぱりいいや。
「手札1枚でパワー7000かよ。しかもブレイク数変わってねえって」
「それだけじゃないよ。“カウントブレイク1支払うことで、相手のパワー10000以下のユニオンを1枚選んで破壊して、パワーアップ”!」
私は杖を振り回した。
すると杖の先端から炎が溢れ、放射された。レオの場の〈ゼブライアン〉を破壊したのだ。
それだけじゃない。内側から力が込み上げる。その演出として、真っ赤な炎が私を中心に立ち込めてきた。
「熱っ!」
てか普通に熱いんだけど。
だけど体は痛くない。むしろ炎が私の心をたぎらせてくれる。ように感じだ。
「けどよ。そんな息巻いても、俺に与えられるダメージは変わらねぇだろ!」
「私達だけじゃね。でも、まだ仲間はいるよ!私は〈魔獣 アクアスネーク〉〈魔獣 シルフィーイーグル〉〈使い魔 白猫のミィ〉をコール!」
私は一気に3体のユニオンをコールした。
水みたいに透明な蛇。風を纏った鷲。それから小ちゃな白猫。首には小さな鈴をしている。
「〈白猫のミィ〉のコール時効果!“自分のダメージが7枚以下の時、1枚ドローする”!」
〈魔術師〉がいる時に真価を発揮する〈白猫のミィ〉の効果でさらに手札を蓄える。
正直、未だに手札の重要性はわかっていないけど〈アルル〉の能力のためには必要不可欠な要素なことぐらいは頭に入っていた。
「おいおいマジかよ。って、まだ足りねえじゃねえか」
「そうだよね」
〈白猫のミィ〉はブレイク0のユニオンだ。だからこのターンに与えられるダメージ数は今のところ3+1+1で5点。レオのダメージは4だから、あと2点足りない。だけど、さっきのドローでそんな問題は解決した。
「私は〈白猫のミィ〉を退場させて〈水の魔術師 アクアス〉をコール!」
私がコールしたユニオン。
それは水の中から現れた。水飛沫を盛大に上げて、中から出てきたのだ。
それは黒を基調とした青い帽子とハテナっぽい形をした杖。その中には青い宝玉が収まっていた。で、私のコールしたユニオンの効果。
「〈アクアス〉のカウントブレイク!2枚を裏返して、“自分の場に青のユニオンが存在する時、このユニオンのブレイク+1。さらに、〈フラッシュ〉を使って、後列の〈密林の弓兵〉を手札に戻す!」
私はレオの場を〈レオネス〉以外一掃した。
しかしこれじゃまだ足りない。決定打が足りないのだ。だけどこんな時、私のデッキにはアレがあるじゃないか。
「〈ホワイトブレイク〉!」
「げっ!?そのカード」
「〈アルル〉のブレイク+1」
玲夜さんとの時も大活躍してくれたカード。このカードの効果で〈アルル〉はブレイク4。これで足りる。
「いくよレオ!」
「来い」
私はユニオン達で攻撃した。
手札を使って防御しないあたり、防御カードを持っていないんだ。となるとあとは◆カード。それによっては戦況はひっくり返る。
(お願い)
「ダメージ。……よっしゃ、◆だ!って、〈ダブルドロー〉かよ」
「あ、危ない……」
私はホッと一息、胸を撫で下ろす。
でもまだ油断は出来ない。手札でどうこう出来なくても一発逆転がある。
「〈アルル〉で攻撃!」
「受けるぜ。頼むぞ、ここで……」
私は唾を飲み込んだ。
レオは山札からダメージゾーンに送られるカードを確認する。
1枚目、2枚目と何もなし。重要な3枚目。そこには……
「よっしゃ◆!って、〈ネイチャートラップ〉かよ」
「えっ、えっ、えっ、えっ!?な、なに?」
「遅えんだよ。チッ!俺の負けだ」
「えっ?」
如何やら私が勝ったらしい。
そして対戦が終了した途端、空間が歪んだ。私達は特殊な空間から弾き出されてしまった。そして気がつくと公園の東屋の中。
夕方になっている。と言うかさっきと変わっていない。
「あれ?時間……」
「経ってないよ彩葉!」
「ど、どうして?」
「あの空間はね、空間ごと切り取っちゃうから時間とかの流れも堰き止めちゃうんだよ。だから時間は経ってないんだ」
「そ、そうなんだ。へぇー」
私はファンタジーなことに納得してしまう。いや納得は完璧にはしてないんだけど、正直首を傾げたかった。
で、そんな私にレオは言う。悔しそうに頭を掻いていた。
「いやー負けたわ」
くしゃくしゃになった髪の毛を弄る。
「レオ。最後のって」
「コイツ、〈ネイチャートラップ〉な。コイツは相手のユニオンを2枚まで選んで【捕縛】できんだよ」
「えっ、凄い。あれ、でも?」
「そう。あん時はもう攻撃できるユニオンはいなかったしな。てなわけで、俺の負け。マジでコイツ遅えんだよ」
レオは愚痴を吐く。
そんなレオに申し訳なさそうな目を向けてしまう私だったけど、レオはそんな私の肩を思いっきり叩いた。
「まあ楽しかったからな。あんがとよ、彩葉!」
「う、うん」
「またやろうぜ。そん時は俺が勝つからな」
「私も負けないよ。次も絶対勝つ」
私は大きく頷いた。
するとレオはニカッと笑う。鞄を持ち、沈む夕日を見た。
「ここの景色いいよな」
「うん。素敵だよね」
「黄昏。やっぱ、自分の苗字のやつだと感じ方も変わるもんだな」
レオはそう呟く。
確かにと言うか、沈み行く夕日は綺麗だった。
何だかしんみりしちゃうけど、それもまた風情ってやつだよね。
すると私の姿も少し変わった。髪は燃えるような灼熱色に変わり、瞳の色も同じ赤眼に。杖の先端の宝玉も真っ赤に染まる。格好とそうだ。全身が赤色に変化していた。
「凄い。変身しても変わるんだ……(ほぼ全て単色なのは気になるけど)」
私は掌を開いたり閉じたりしてみた。
でもこの感じ。やっぱりいいや。
「手札1枚でパワー7000かよ。しかもブレイク数変わってねえって」
「それだけじゃないよ。“カウントブレイク1支払うことで、相手のパワー10000以下のユニオンを1枚選んで破壊して、パワーアップ”!」
私は杖を振り回した。
すると杖の先端から炎が溢れ、放射された。レオの場の〈ゼブライアン〉を破壊したのだ。
それだけじゃない。内側から力が込み上げる。その演出として、真っ赤な炎が私を中心に立ち込めてきた。
「熱っ!」
てか普通に熱いんだけど。
だけど体は痛くない。むしろ炎が私の心をたぎらせてくれる。ように感じだ。
「けどよ。そんな息巻いても、俺に与えられるダメージは変わらねぇだろ!」
「私達だけじゃね。でも、まだ仲間はいるよ!私は〈魔獣 アクアスネーク〉〈魔獣 シルフィーイーグル〉〈使い魔 白猫のミィ〉をコール!」
私は一気に3体のユニオンをコールした。
水みたいに透明な蛇。風を纏った鷲。それから小ちゃな白猫。首には小さな鈴をしている。
「〈白猫のミィ〉のコール時効果!“自分のダメージが7枚以下の時、1枚ドローする”!」
〈魔術師〉がいる時に真価を発揮する〈白猫のミィ〉の効果でさらに手札を蓄える。
正直、未だに手札の重要性はわかっていないけど〈アルル〉の能力のためには必要不可欠な要素なことぐらいは頭に入っていた。
「おいおいマジかよ。って、まだ足りねえじゃねえか」
「そうだよね」
〈白猫のミィ〉はブレイク0のユニオンだ。だからこのターンに与えられるダメージ数は今のところ3+1+1で5点。レオのダメージは4だから、あと2点足りない。だけど、さっきのドローでそんな問題は解決した。
「私は〈白猫のミィ〉を退場させて〈水の魔術師 アクアス〉をコール!」
私がコールしたユニオン。
それは水の中から現れた。水飛沫を盛大に上げて、中から出てきたのだ。
それは黒を基調とした青い帽子とハテナっぽい形をした杖。その中には青い宝玉が収まっていた。で、私のコールしたユニオンの効果。
「〈アクアス〉のカウントブレイク!2枚を裏返して、“自分の場に青のユニオンが存在する時、このユニオンのブレイク+1。さらに、〈フラッシュ〉を使って、後列の〈密林の弓兵〉を手札に戻す!」
私はレオの場を〈レオネス〉以外一掃した。
しかしこれじゃまだ足りない。決定打が足りないのだ。だけどこんな時、私のデッキにはアレがあるじゃないか。
「〈ホワイトブレイク〉!」
「げっ!?そのカード」
「〈アルル〉のブレイク+1」
玲夜さんとの時も大活躍してくれたカード。このカードの効果で〈アルル〉はブレイク4。これで足りる。
「いくよレオ!」
「来い」
私はユニオン達で攻撃した。
手札を使って防御しないあたり、防御カードを持っていないんだ。となるとあとは◆カード。それによっては戦況はひっくり返る。
(お願い)
「ダメージ。……よっしゃ、◆だ!って、〈ダブルドロー〉かよ」
「あ、危ない……」
私はホッと一息、胸を撫で下ろす。
でもまだ油断は出来ない。手札でどうこう出来なくても一発逆転がある。
「〈アルル〉で攻撃!」
「受けるぜ。頼むぞ、ここで……」
私は唾を飲み込んだ。
レオは山札からダメージゾーンに送られるカードを確認する。
1枚目、2枚目と何もなし。重要な3枚目。そこには……
「よっしゃ◆!って、〈ネイチャートラップ〉かよ」
「えっ、えっ、えっ、えっ!?な、なに?」
「遅えんだよ。チッ!俺の負けだ」
「えっ?」
如何やら私が勝ったらしい。
そして対戦が終了した途端、空間が歪んだ。私達は特殊な空間から弾き出されてしまった。そして気がつくと公園の東屋の中。
夕方になっている。と言うかさっきと変わっていない。
「あれ?時間……」
「経ってないよ彩葉!」
「ど、どうして?」
「あの空間はね、空間ごと切り取っちゃうから時間とかの流れも堰き止めちゃうんだよ。だから時間は経ってないんだ」
「そ、そうなんだ。へぇー」
私はファンタジーなことに納得してしまう。いや納得は完璧にはしてないんだけど、正直首を傾げたかった。
で、そんな私にレオは言う。悔しそうに頭を掻いていた。
「いやー負けたわ」
くしゃくしゃになった髪の毛を弄る。
「レオ。最後のって」
「コイツ、〈ネイチャートラップ〉な。コイツは相手のユニオンを2枚まで選んで【捕縛】できんだよ」
「えっ、凄い。あれ、でも?」
「そう。あん時はもう攻撃できるユニオンはいなかったしな。てなわけで、俺の負け。マジでコイツ遅えんだよ」
レオは愚痴を吐く。
そんなレオに申し訳なさそうな目を向けてしまう私だったけど、レオはそんな私の肩を思いっきり叩いた。
「まあ楽しかったからな。あんがとよ、彩葉!」
「う、うん」
「またやろうぜ。そん時は俺が勝つからな」
「私も負けないよ。次も絶対勝つ」
私は大きく頷いた。
するとレオはニカッと笑う。鞄を持ち、沈む夕日を見た。
「ここの景色いいよな」
「うん。素敵だよね」
「黄昏。やっぱ、自分の苗字のやつだと感じ方も変わるもんだな」
レオはそう呟く。
確かにと言うか、沈み行く夕日は綺麗だった。
何だかしんみりしちゃうけど、それもまた風情ってやつだよね。
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