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第1章:それは始まりの夢
■7 初めてのOverLink
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あれから少しターンが経った。
私のダメージは4枚。玲夜さんのダメージは6枚。
私のデッキは〈魔術師〉をテーマにしているみたいで、魔法使いとか〈使い魔〉とかが多かった。
対する玲夜さんのデッキは構築済みデッキなのでかなりまとまっていてわかりやすい。〈野獣〉とか〈岩石〉を基調にしているみたいだ。
盤面も私の方が今のところ有利で、これなら勝てるかも。そう錯覚していた。
「よーし、このまま一気に!」
「甘いですよ。勝ちを確信した時ほど、人は錯覚に陥ります。このゲームも同じです。必ずしもカードの強さだけで決まるほど甘いものではここまで続きません」
「えっ?」
「私のターンです。見せてあげますよ。このゲームの真価を、OverLink!」
玲夜さんの目の色が変わった。
さっきまでの優しくて大人しい清楚なイメージが一変した。
「〈炎魔 ファイアゴーレム〉!」
玲夜さんはアバターカードの上にユニオンカードを重ねた。
「これがこのゲームの最大の特徴OverLinkです。アバターカードの上にユニオンを重ねることにより、パワーを持ちます。こうすることで、私はアバターユニオンになります」
「アバターユニオン?」
つまりアバターがユニオンになるってこと?
「そうです。そしてこれがOverLinkしたユニオンに読み与えられる特殊なスキル、Overスキル」
「Overスキル?」
「本来はOverS書きますけどね。細かいことはいいです。そしてファイアゴーレムのスキル、“自分のダメージが4枚以上の時、ターンに1回相手のパワー5000以下のユニオン1枚を破壊。さらにそのユニオンのコストが4以下の時、このターンの終了時までこのユニオンのブレイク+1する”!」
「えっ!?」
じゃあつまりファイアゴーレムのブレイク数は4ってこと?そんなの聞いてないよ!
「ですがOverLinkしたアバターはユニオンなので攻撃ができます。ですがOverLink中は、前列の中央にはユニオンをコールできません。その上OverLinkできるカードにも限りがあり、そしてダメージゾーンのカード枚数がコストに到達していなければ行えません。ですが相手の後列からは攻撃されず、パワーも持っているのでただではやられませんよ」
「そんな……」
「行きます!〈ファイアホース〉でセンターを空けて〈ファイアゴーレム〉で攻撃!」
来た。
でも大丈夫。私のダメージはまだ4だからこれを食らっても8。まだ負けない。
「さらにここでマジック、〈バーストファイア〉を発動します。この効果で私のユニオンを2枚消滅させ、OverLink中のユニオンのブレイク+2。ただし、ダメージゾーンのカードを5枚裏にします。これをカウントブレイクと言います」
いやそんなことよりそんなのって有り?
確かに一発逆転のカードだけどこれを食らったら私のダメージは10になっちゃう。
って、防ぐ手段ないんだけど。
「受けます」
「はい、ではダメージ6を受けてください」
「は、はい」
私は山札の上から6枚をダメージゾーンに置いた。
嘘。こんなにこのゲームって早いんだ。どうしよう。◆のカードもなかったし、このままじゃ……
「まだだよ!」
「えっ!?」
「どうしましたか?」
玲夜さんが心配そうに話しかける。
でも今のは玲夜さんじゃない。その前に聞こえてきたんだ。山札の上から。
(アルル?)
「大丈夫。私がいるから。私は彩葉のパートナーだよ!」
私は意を決してドローする。
喉を滴る唾液は酸っぱい。
山札から引いたカード。それは〈アルル〉だった。しかもちょっぴりあったかい。もしかしたらいけるかも。
「玲夜さん。私、今すごく楽しいです」
「はい?」
「勝ち負けとか興味ないけど、でもできるならできることなら負けるのは嫌だ。だから勝ちますね!」
「やってみてください。ですがこのターンで私に5ダメージ与えられますか?〈ファイアゴーレム〉のパワーは5000ですよ」
「はい、余裕です!」
私は威勢よく答える。
だけどこれは嘘じゃない。今こそこの子を使う時だ。
「行くよアルル。私は〈無色の魔術師 アルル〉をOverLink!」
私はアバターカードの上に〈アルル〉を重ねた。
すると私は不思議な気分になった。ちょっとファンタジーだけど、まるで〈アルル〉と重なったみたいに私が〈アルル〉になったみたいな感覚に襲われる。
「これがOverLink。私が、〈アルル〉?」
「そうだよ彩葉。私達は二人で一人。さあ、私の能力を使って!」
「うん!」
「彩葉さん?」
玲夜さんが心配そうにしている。
だけど大丈夫。私は平気だ。
「じゃあ行きます。〈無色の魔術師 アルル〉の効果、【色彩魔術】!」
「キーワード効果」
「この効果で“山札から別の〈アルル〉をこのユニオンの上に重ね、このターンそのユニオンの力を得ます”!」
私は山札の中から〈アルル〉を探す。
そしてその中の1枚。燃えるような赤い髪と烈火な瞳を持つ未知なる可能性を秘めた〈アルル〉の姿をここに写す。
「私は〈赤色の魔術師 アルル・フレイム〉に投影!」
アルルの姿が燃え上がる。
烈火を纏った姿がそこにある。そうそれは私だ。いや私達だ。これが〈アルル〉の力。私はその凄さの頼もしさを実感したのだった。
しかもこれが5コストの力とは思えないのだった。
私のダメージは4枚。玲夜さんのダメージは6枚。
私のデッキは〈魔術師〉をテーマにしているみたいで、魔法使いとか〈使い魔〉とかが多かった。
対する玲夜さんのデッキは構築済みデッキなのでかなりまとまっていてわかりやすい。〈野獣〉とか〈岩石〉を基調にしているみたいだ。
盤面も私の方が今のところ有利で、これなら勝てるかも。そう錯覚していた。
「よーし、このまま一気に!」
「甘いですよ。勝ちを確信した時ほど、人は錯覚に陥ります。このゲームも同じです。必ずしもカードの強さだけで決まるほど甘いものではここまで続きません」
「えっ?」
「私のターンです。見せてあげますよ。このゲームの真価を、OverLink!」
玲夜さんの目の色が変わった。
さっきまでの優しくて大人しい清楚なイメージが一変した。
「〈炎魔 ファイアゴーレム〉!」
玲夜さんはアバターカードの上にユニオンカードを重ねた。
「これがこのゲームの最大の特徴OverLinkです。アバターカードの上にユニオンを重ねることにより、パワーを持ちます。こうすることで、私はアバターユニオンになります」
「アバターユニオン?」
つまりアバターがユニオンになるってこと?
「そうです。そしてこれがOverLinkしたユニオンに読み与えられる特殊なスキル、Overスキル」
「Overスキル?」
「本来はOverS書きますけどね。細かいことはいいです。そしてファイアゴーレムのスキル、“自分のダメージが4枚以上の時、ターンに1回相手のパワー5000以下のユニオン1枚を破壊。さらにそのユニオンのコストが4以下の時、このターンの終了時までこのユニオンのブレイク+1する”!」
「えっ!?」
じゃあつまりファイアゴーレムのブレイク数は4ってこと?そんなの聞いてないよ!
「ですがOverLinkしたアバターはユニオンなので攻撃ができます。ですがOverLink中は、前列の中央にはユニオンをコールできません。その上OverLinkできるカードにも限りがあり、そしてダメージゾーンのカード枚数がコストに到達していなければ行えません。ですが相手の後列からは攻撃されず、パワーも持っているのでただではやられませんよ」
「そんな……」
「行きます!〈ファイアホース〉でセンターを空けて〈ファイアゴーレム〉で攻撃!」
来た。
でも大丈夫。私のダメージはまだ4だからこれを食らっても8。まだ負けない。
「さらにここでマジック、〈バーストファイア〉を発動します。この効果で私のユニオンを2枚消滅させ、OverLink中のユニオンのブレイク+2。ただし、ダメージゾーンのカードを5枚裏にします。これをカウントブレイクと言います」
いやそんなことよりそんなのって有り?
確かに一発逆転のカードだけどこれを食らったら私のダメージは10になっちゃう。
って、防ぐ手段ないんだけど。
「受けます」
「はい、ではダメージ6を受けてください」
「は、はい」
私は山札の上から6枚をダメージゾーンに置いた。
嘘。こんなにこのゲームって早いんだ。どうしよう。◆のカードもなかったし、このままじゃ……
「まだだよ!」
「えっ!?」
「どうしましたか?」
玲夜さんが心配そうに話しかける。
でも今のは玲夜さんじゃない。その前に聞こえてきたんだ。山札の上から。
(アルル?)
「大丈夫。私がいるから。私は彩葉のパートナーだよ!」
私は意を決してドローする。
喉を滴る唾液は酸っぱい。
山札から引いたカード。それは〈アルル〉だった。しかもちょっぴりあったかい。もしかしたらいけるかも。
「玲夜さん。私、今すごく楽しいです」
「はい?」
「勝ち負けとか興味ないけど、でもできるならできることなら負けるのは嫌だ。だから勝ちますね!」
「やってみてください。ですがこのターンで私に5ダメージ与えられますか?〈ファイアゴーレム〉のパワーは5000ですよ」
「はい、余裕です!」
私は威勢よく答える。
だけどこれは嘘じゃない。今こそこの子を使う時だ。
「行くよアルル。私は〈無色の魔術師 アルル〉をOverLink!」
私はアバターカードの上に〈アルル〉を重ねた。
すると私は不思議な気分になった。ちょっとファンタジーだけど、まるで〈アルル〉と重なったみたいに私が〈アルル〉になったみたいな感覚に襲われる。
「これがOverLink。私が、〈アルル〉?」
「そうだよ彩葉。私達は二人で一人。さあ、私の能力を使って!」
「うん!」
「彩葉さん?」
玲夜さんが心配そうにしている。
だけど大丈夫。私は平気だ。
「じゃあ行きます。〈無色の魔術師 アルル〉の効果、【色彩魔術】!」
「キーワード効果」
「この効果で“山札から別の〈アルル〉をこのユニオンの上に重ね、このターンそのユニオンの力を得ます”!」
私は山札の中から〈アルル〉を探す。
そしてその中の1枚。燃えるような赤い髪と烈火な瞳を持つ未知なる可能性を秘めた〈アルル〉の姿をここに写す。
「私は〈赤色の魔術師 アルル・フレイム〉に投影!」
アルルの姿が燃え上がる。
烈火を纏った姿がそこにある。そうそれは私だ。いや私達だ。これが〈アルル〉の力。私はその凄さの頼もしさを実感したのだった。
しかもこれが5コストの力とは思えないのだった。
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