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70話 鬼狩りに行こう!
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僕は独断と偏見で、村長さんの訴えを鵜呑みにした。
だってこの言い回しは、冒険者をこの村に招いたことに繋がると、瞬時に把握した。
何より、僕の心境を揺らめかせるのは、鬼に関すること。
僕の師匠、ボズキ師匠は鬼なので、リスペクトできないものがあった。そんな不届き者は、成敗しないといけない責任感がある。早速、リーファさんたちに話に行った。
「と言うわけで、これからオオオニ山に行こうと思うんだけど」
「「やめた方がいいです、ニャア」」
二人は即刻真面目な顔で否定した。
どうやら今回は二人とも乗り気ではない。そもそも戦わないチェリムさんは、この際一旦置いておくとして、リーファさんまでここまで毛嫌いを示すのは、どうしてか。少し踏み込んでみた。
「リーファさん、どうして駄目なの?」
「相手は鬼ですよ。オーガ系だとしたら、私では撹乱しかできません」
「そんなことはないと思うよ」
「仮にオーガだとしたら、なんとかなります。ですが、それ以外でしたら」
「それ以外って?」
「この間の時のような特殊な鬼だった場合です」
リーファさんはこの間の、クロッサちゃんの時のことが頭の片隅に残っていたらしい。
あの時の、何もできなかった無力感を罵られていると感じているに違いない。
しかし、僕はそれを否定し返す。
「リーファさん、大丈夫ですよ。リーファさんは強いじゃないですか」
「強さだけでどうこうなる問題じゃないんですよ」
「恐怖とかですか?」
「それも多少は。ですが一番は、自分の無力さに呆れてしまっているんです。情けない話ですよね」
「そんなことないです。僕はリーファさんのこと、信じてますから」
僕はリーファさんの肩を掴んだ。
真剣な眼差しで、リーファさんの顔を覗き込む。
「天月さん?」
「大丈夫大丈夫。鬼はそんなに怖くないよ。それに、オーガだったらさっさと倒しちゃえばいいんだからさ」
僕はホズキ師匠に教わったことを思い出していた。
鬼であろうがなかろうが、倒さないことはない。
そんな僕の表情は視線とともに、真っ直ぐで、リーファさんは顔を少し赤らめた。如何してだろう。
「はぁー。わかりました。でも、危険な真似はやめましょうね。私たちは、チェリムさんの護衛として雇われているんです」
「それもそうだよ。だってこんなことで命張ってても仕方ないよ」
完全に矛盾が生じていた。
しかしリーファさんはあえてスルーすることにした。僕の言っていることは、時々普通とは遠く離れたもので、理解しようとすることが億劫だった。
「本当に行くのかニャア?」
「はい。すみませんがチェリムさん、明日までこの村にいてくれますか?」
「それはいいニャアが、大丈夫かニャア?」
「はい。なんとかしてみます。それとチェリムさん、もしもオーガを討伐したら買い取っては……」
「お断りニァ!」
チェリムさんの髪の毛が逆立ち、尻尾と爪が怖かった。
僕は何度も瞬きをしてから、もう一度聞いてみたがやはり断られ、仕方なくリーファさんを連れて、山に入っていた。
だってこの言い回しは、冒険者をこの村に招いたことに繋がると、瞬時に把握した。
何より、僕の心境を揺らめかせるのは、鬼に関すること。
僕の師匠、ボズキ師匠は鬼なので、リスペクトできないものがあった。そんな不届き者は、成敗しないといけない責任感がある。早速、リーファさんたちに話に行った。
「と言うわけで、これからオオオニ山に行こうと思うんだけど」
「「やめた方がいいです、ニャア」」
二人は即刻真面目な顔で否定した。
どうやら今回は二人とも乗り気ではない。そもそも戦わないチェリムさんは、この際一旦置いておくとして、リーファさんまでここまで毛嫌いを示すのは、どうしてか。少し踏み込んでみた。
「リーファさん、どうして駄目なの?」
「相手は鬼ですよ。オーガ系だとしたら、私では撹乱しかできません」
「そんなことはないと思うよ」
「仮にオーガだとしたら、なんとかなります。ですが、それ以外でしたら」
「それ以外って?」
「この間の時のような特殊な鬼だった場合です」
リーファさんはこの間の、クロッサちゃんの時のことが頭の片隅に残っていたらしい。
あの時の、何もできなかった無力感を罵られていると感じているに違いない。
しかし、僕はそれを否定し返す。
「リーファさん、大丈夫ですよ。リーファさんは強いじゃないですか」
「強さだけでどうこうなる問題じゃないんですよ」
「恐怖とかですか?」
「それも多少は。ですが一番は、自分の無力さに呆れてしまっているんです。情けない話ですよね」
「そんなことないです。僕はリーファさんのこと、信じてますから」
僕はリーファさんの肩を掴んだ。
真剣な眼差しで、リーファさんの顔を覗き込む。
「天月さん?」
「大丈夫大丈夫。鬼はそんなに怖くないよ。それに、オーガだったらさっさと倒しちゃえばいいんだからさ」
僕はホズキ師匠に教わったことを思い出していた。
鬼であろうがなかろうが、倒さないことはない。
そんな僕の表情は視線とともに、真っ直ぐで、リーファさんは顔を少し赤らめた。如何してだろう。
「はぁー。わかりました。でも、危険な真似はやめましょうね。私たちは、チェリムさんの護衛として雇われているんです」
「それもそうだよ。だってこんなことで命張ってても仕方ないよ」
完全に矛盾が生じていた。
しかしリーファさんはあえてスルーすることにした。僕の言っていることは、時々普通とは遠く離れたもので、理解しようとすることが億劫だった。
「本当に行くのかニャア?」
「はい。すみませんがチェリムさん、明日までこの村にいてくれますか?」
「それはいいニャアが、大丈夫かニャア?」
「はい。なんとかしてみます。それとチェリムさん、もしもオーガを討伐したら買い取っては……」
「お断りニァ!」
チェリムさんの髪の毛が逆立ち、尻尾と爪が怖かった。
僕は何度も瞬きをしてから、もう一度聞いてみたがやはり断られ、仕方なくリーファさんを連れて、山に入っていた。
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