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65話 再度出発
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一度チェリムさんの馬車は町まで引き返し、そこでクロッサちゃんを降ろすと、壊れた馬車を変えた。
それから僕たちは再度出発し、ソトオニ村を目指していた。
今回は前回と違い、少しペースが早い。
このままだと納品に間に合わないからだ。
「既に一日以上過ぎていますからね」
「このまま時間が経つと、レイダー商会に悪い噂が蔓延するかもしれませんもんね」
「はわわ。急ぐニャア!」
チェリムさんは強く鞭を打った。
すると荷を引く馬は急にペースが上がったことに一瞬悲鳴を上げ、僕たちはガタガタと揺れる荷の中で揺すられていた。ペースはあまりに早い。気持ち悪くなりそうだ。
「チェリムさん、もう少しリュウガの卵のことも考えてくださいよ」
「でも急がないといけないニャアよ。それに卵はそう簡単には割れないニャ」
確かに言っていることにはかなり信頼がおける。
僕も知ってはいるが、リュウガの卵は実は割れない。いや、割れないわけじゃないけど、相当の理由がないと、ヒビでさえ入らないらしい。全く恐ろしいよ。そんな中、リーファさんは僕に質問した。卵の中身だ。
「そう言えば、天月さんは卵の中身を知っているんですか?」
「如何してそう思うの?」
僕の喋りの入り方は、あまり心地よいものではない。
しかしリーファさんは全く気にしていないで、僕に質問を投げかけた。その意図だ。
「いえ、天月さんの言うことには全て知っているからこそ答えられる。ような気がするんです」
「そっか。ふーん、それは買い被りすぎじゃないかな。僕は、そんなに知らないよ」
師匠たちから詰め込んでもらった知識を総動員している。ただそれだけだった。
だけどここまでの活躍的に、僕はその知識を総動員してできるだけのことをやっている。
だからこそ、リーファさんには僕が何でもかんでも知っていると思っているみたいだ。
でも、それはない。断言しよう。
僕には師匠たちのような無限に近い知恵はない。経験も浅い。だからこそ、僕は僕自身のことを皮肉っていて、それでありつつ、僕は自分にできること、パフォーマンスを発揮しているに過ぎないでいた。
「ただこの卵の中身は、生き物じゃない。それだけは確かだよ」
「生き物ではないとしたら、一体何が?」
「そうだね。うーん、例えば装飾品か何かとか? お供えするんだもん」
僕ははにかんだことを言ってみた。
するとチェリムさんは、「ぷっ」と面白いのか笑っていた。きっとチェリムさんも、中身を知らないからだ。それよりも。
「チェリムさん、ソトオニ村には後どのくらいで着きますか?」
「そうニャアね。一時間もしたら着くと思うニャアよ」
「「一時間」」
(一時間もこの揺れに耐えるんだ。結構くるかも)
僕は流石にこの振動には耐え難いものがあった。
なんでかって? そんなの決まっている。さっきからおかしいんだ。
「チェリムさん、なんでこんなに揺れるんですか?」
「ニャア? そんなの、下を見ればわかるニァよ」
チェリムさんは不穏なことを言った。
それから意を決して窓の外を覗けば、そこにあったのは……言わないでおこうと、心に強く決めていた。
それから僕たちは再度出発し、ソトオニ村を目指していた。
今回は前回と違い、少しペースが早い。
このままだと納品に間に合わないからだ。
「既に一日以上過ぎていますからね」
「このまま時間が経つと、レイダー商会に悪い噂が蔓延するかもしれませんもんね」
「はわわ。急ぐニャア!」
チェリムさんは強く鞭を打った。
すると荷を引く馬は急にペースが上がったことに一瞬悲鳴を上げ、僕たちはガタガタと揺れる荷の中で揺すられていた。ペースはあまりに早い。気持ち悪くなりそうだ。
「チェリムさん、もう少しリュウガの卵のことも考えてくださいよ」
「でも急がないといけないニャアよ。それに卵はそう簡単には割れないニャ」
確かに言っていることにはかなり信頼がおける。
僕も知ってはいるが、リュウガの卵は実は割れない。いや、割れないわけじゃないけど、相当の理由がないと、ヒビでさえ入らないらしい。全く恐ろしいよ。そんな中、リーファさんは僕に質問した。卵の中身だ。
「そう言えば、天月さんは卵の中身を知っているんですか?」
「如何してそう思うの?」
僕の喋りの入り方は、あまり心地よいものではない。
しかしリーファさんは全く気にしていないで、僕に質問を投げかけた。その意図だ。
「いえ、天月さんの言うことには全て知っているからこそ答えられる。ような気がするんです」
「そっか。ふーん、それは買い被りすぎじゃないかな。僕は、そんなに知らないよ」
師匠たちから詰め込んでもらった知識を総動員している。ただそれだけだった。
だけどここまでの活躍的に、僕はその知識を総動員してできるだけのことをやっている。
だからこそ、リーファさんには僕が何でもかんでも知っていると思っているみたいだ。
でも、それはない。断言しよう。
僕には師匠たちのような無限に近い知恵はない。経験も浅い。だからこそ、僕は僕自身のことを皮肉っていて、それでありつつ、僕は自分にできること、パフォーマンスを発揮しているに過ぎないでいた。
「ただこの卵の中身は、生き物じゃない。それだけは確かだよ」
「生き物ではないとしたら、一体何が?」
「そうだね。うーん、例えば装飾品か何かとか? お供えするんだもん」
僕ははにかんだことを言ってみた。
するとチェリムさんは、「ぷっ」と面白いのか笑っていた。きっとチェリムさんも、中身を知らないからだ。それよりも。
「チェリムさん、ソトオニ村には後どのくらいで着きますか?」
「そうニャアね。一時間もしたら着くと思うニャアよ」
「「一時間」」
(一時間もこの揺れに耐えるんだ。結構くるかも)
僕は流石にこの振動には耐え難いものがあった。
なんでかって? そんなの決まっている。さっきからおかしいんだ。
「チェリムさん、なんでこんなに揺れるんですか?」
「ニャア? そんなの、下を見ればわかるニァよ」
チェリムさんは不穏なことを言った。
それから意を決して窓の外を覗けば、そこにあったのは……言わないでおこうと、心に強く決めていた。
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