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20話 一つの結末
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あれから数日後。
僕はリーファと正式にパーティーを組んだ。
リーファは死んだ人たちの亡骸を、お墓に埋葬すると、週に一度は手を合わせに行っている。
そんな亡骸だが、この間の雨風の影響か、だいぶ腐敗が進んでいた。
そのせいで、人骨は既に、ボロボロで原形を留めていない。
だけど流石はエルフ。
そのあまりある感受性の高さで、誰がどの亡骸か、瞬時に把握していた。
「ってことがあったんですよ」
「そうだったの。それで、ここ数日はギルドに来られなかったのね」
僕は状況をエレナさんに説明した。
今日は久々に、冒険者ギルドにやって来ていた。
実は僕もこの数日大変だった。
例の骨。
闇の十字軍に関する手掛かりを、国に報告していたんだ。
その功績を認められて、たくさんのお金が貰えたけど、体の疲労感は癒えなかった。
その理由はあまりに顕著で、僕はあの後すぐに洞窟を破壊したんだ。
中にあった人たちの亡骸と、闇の十字軍の男の骨だけを取り除いて、その全てを破壊した。
理由は至ってシンプル。
僕の正体が明るみに出ないための工作だ。
「でも大変でしたよ。まさか、こんなに時間がかかるなんて、思わなかったんです」
「それもそうよね。闇の十字軍なんてワード、今じゃ聞かないからね」
エレナさん曰く、闇の十字軍はとうの昔に解体されたらしい。
しかも解体したのは、三人の冒険者の噂もある。
しかもその三人、素性はわかっていないが、全員奇怪な姿をした人間だったらしい。
いわゆる、亜人というやつだ。
「その人たちが、闇の十字軍を幹部の人たちごと、まとめて吹き飛ばして、事件は収束した。でも世界のどこかでは、復活のために暗躍しているって噂もあるけど」
「それが今回だったんですね。恐ろしいです」
僕はにこやかに笑っていた。
こういう暗い話ほど、笑顔を大切にしないといけない。
不気味と思われても、僕はどう不気味なので、良しとしよう。
「あら? 天月君、目の色が赤いわよ?」
「えっ!?」
それを言われて、我に帰る。
こんなところで大っぴらにこの目を使うのはリスクがある。
危ない危ない。心を平常に保たないと。
「それより、僕は今日は帰ります。それじゃあまた」
僕は速やかに帰った。
それから宿屋さんに戻ると、
「リーファちゃん、一番テーブルにオレンジジュースと、アイスコーヒー。それからオムライスを二つね」
「わかりました」
「三番テーブルに、いつものカレーを運んで」
「はい」
「四番テーブル片付けて」
「わかりました」
かなり忙しそうだった。
エプロンをつけたリーファがテーブルの合間を、次々に渡り歩く。
ここ数日、色々あって開けなかった反動か、今日はいつもの倍以上。
いや、流石に捌ききれない。
「あっ、天月君!」
「ルビーさん。大変そうですね」
僕は何の気なしに言うと、「手伝って」オーラがビシバシ伝わる。
そこで僕も奥のバックヤードに入ると、いつも通りのワイシャツにエプロンを身につけた。
「天月さん」
「リーファさん。大丈夫? どういいの?」
「はい。お騒がせしてしまい、すみません。私、全然平気ですよ」
あどけない笑顔が溢れる。
僕はそれを確認すると、ルビーさんに言われたテーブルに注文を取りに行く。
さてと、今日も忙しくて楽しい毎日の始まりだ。
僕はリーファと正式にパーティーを組んだ。
リーファは死んだ人たちの亡骸を、お墓に埋葬すると、週に一度は手を合わせに行っている。
そんな亡骸だが、この間の雨風の影響か、だいぶ腐敗が進んでいた。
そのせいで、人骨は既に、ボロボロで原形を留めていない。
だけど流石はエルフ。
そのあまりある感受性の高さで、誰がどの亡骸か、瞬時に把握していた。
「ってことがあったんですよ」
「そうだったの。それで、ここ数日はギルドに来られなかったのね」
僕は状況をエレナさんに説明した。
今日は久々に、冒険者ギルドにやって来ていた。
実は僕もこの数日大変だった。
例の骨。
闇の十字軍に関する手掛かりを、国に報告していたんだ。
その功績を認められて、たくさんのお金が貰えたけど、体の疲労感は癒えなかった。
その理由はあまりに顕著で、僕はあの後すぐに洞窟を破壊したんだ。
中にあった人たちの亡骸と、闇の十字軍の男の骨だけを取り除いて、その全てを破壊した。
理由は至ってシンプル。
僕の正体が明るみに出ないための工作だ。
「でも大変でしたよ。まさか、こんなに時間がかかるなんて、思わなかったんです」
「それもそうよね。闇の十字軍なんてワード、今じゃ聞かないからね」
エレナさん曰く、闇の十字軍はとうの昔に解体されたらしい。
しかも解体したのは、三人の冒険者の噂もある。
しかもその三人、素性はわかっていないが、全員奇怪な姿をした人間だったらしい。
いわゆる、亜人というやつだ。
「その人たちが、闇の十字軍を幹部の人たちごと、まとめて吹き飛ばして、事件は収束した。でも世界のどこかでは、復活のために暗躍しているって噂もあるけど」
「それが今回だったんですね。恐ろしいです」
僕はにこやかに笑っていた。
こういう暗い話ほど、笑顔を大切にしないといけない。
不気味と思われても、僕はどう不気味なので、良しとしよう。
「あら? 天月君、目の色が赤いわよ?」
「えっ!?」
それを言われて、我に帰る。
こんなところで大っぴらにこの目を使うのはリスクがある。
危ない危ない。心を平常に保たないと。
「それより、僕は今日は帰ります。それじゃあまた」
僕は速やかに帰った。
それから宿屋さんに戻ると、
「リーファちゃん、一番テーブルにオレンジジュースと、アイスコーヒー。それからオムライスを二つね」
「わかりました」
「三番テーブルに、いつものカレーを運んで」
「はい」
「四番テーブル片付けて」
「わかりました」
かなり忙しそうだった。
エプロンをつけたリーファがテーブルの合間を、次々に渡り歩く。
ここ数日、色々あって開けなかった反動か、今日はいつもの倍以上。
いや、流石に捌ききれない。
「あっ、天月君!」
「ルビーさん。大変そうですね」
僕は何の気なしに言うと、「手伝って」オーラがビシバシ伝わる。
そこで僕も奥のバックヤードに入ると、いつも通りのワイシャツにエプロンを身につけた。
「天月さん」
「リーファさん。大丈夫? どういいの?」
「はい。お騒がせしてしまい、すみません。私、全然平気ですよ」
あどけない笑顔が溢れる。
僕はそれを確認すると、ルビーさんに言われたテーブルに注文を取りに行く。
さてと、今日も忙しくて楽しい毎日の始まりだ。
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