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第1章 ティッシュの花
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2月15日
久々に前職の会社の先輩から連絡があり「もしかして転職活動してる?」と聞かれた。どこかからそのような話が伝わったのだろうか。まあ、と適当に答えておいたが、最近は殆ど人付き合いもないというのに、一体どこから漏れた話だろうか。人の口に戸は立てられないものだなと改めて思う。
来週の火曜日、再来週は月曜日と金曜日にも面接が入りそうだ。あんまりバラバラになると派遣のバイトに支障が出るので、出来るだけ集中させたいところなのだが相手の都合次第なので何ともいかない。何はともあれ早いところ内定をとりつけたい。今の願いはそれだけだ。
2月18日
今日はブランド物の香水や化粧品の物流倉庫での仕事だった。午前中は入荷した商品の仕分け、棚入れ作業、午後は外でブロッターの数を勘定して100枚ずつにまとめるという作業をした。寒さは相変わらずだが、それでも陽のあたる場所では太陽の温もりが感じられる一日だった。たったそれだけのことで、心も温かくなる。求める水準をどこに置くかによって、人の心というものは、同じ状況でも幸せにも不幸にも左右されるのがよく分かる。低めの水準を設定した方が生きやすいような気もするのだが、それではじり貧か。上を見ると苦しくなるので、斜めやや上くらいを見ておこう。
2月20日
今日はペットボトルにおまけをつける作業をした。流れ作業の一番最後の「積み」を、一日の内約3分の1担当した。1.5リットルのペットボトルが8本、12kg+αの重さの箱を繰り返し積み上げる作業はかなりハードで、さっそく筋肉痛になった。すぐに痛みが出るのは、まだ若い証だと思うことにする。過度な肉体労働に挑むには、そういう根拠のない前向きさが絶対必要だと思う。心が折れてしまうと力は入らない。
2月21日
今日はブランドの香水・化粧品等の流通倉庫で入荷作業、棚いれ作業等をした。昨日の筋肉痛と疲労を引きずりながらも何とか頑張った。この倉庫はのんびりムードなので助かる。正社員と派遣社員の確執のとばっちりもあったが、なんのそのだ。
明日は、現時点の本命で6回目の面接(今度こそ最終面接!)だ。月曜日と水曜日にも面接があるがこの辺でけりをつけたい。とにかく頑張ろう。
2月22日
都合6回の面接。面接時間も通算6時間を越えたが、結果としてあまりエンディングに近づいている気配がない。今日は何だかまたスタートに戻ってしまったような感じだった。受験者側の勝手な言い草だが、ここまで引っ張られて不合格になるのはきつい。交通費もバカにならないのだ。とにかく全力で頑張って来たので結果を待つのみだが......。来週も2件面接が待っているのでこちらも新たな気持ちで取り組んでこよう。今は面接が途切れてしまうのがとても怖い。
2月24日
明日の派遣仕事は「キャンセル待ち」。片道1時間15分を要する場所まで満員バスに揺られて、もし行ってキャンセルがなければ交通費1,000円をもらって帰ることになる。非常に危うい立場だ。ただ、明日は夜8時過ぎから面接の予定があって、その場所が仕事場から近いので交通費だけでも意味があるかなと考えてエントリーしてみた。
今日は市議会議員選挙に行ってきた。ことのほか寒い一日で投票所の体育館でスタッフの仕事をしていた人たちもきっと寒かっただろう。私と妻が投票所に行った4時半頃の投票率は37%。最終はどの位になったのだろうか。選挙に行ったからといって何かが良くなることもないと思いながら、実はとても切実に何かが良くなることを願っていた。
今日は末娘(小1)のエレクトーンの発表会があり、長女(小4)と一緒にビデオとカメラを抱えて席を取った。客は関係者しかいないが、それでも1000名以上収容できる文化センターの大ホールが相当に混雑していた。まずは3番目に登場ということで長女と共同でビデオとカメラを撮影。その後は最後のフィナーレまでは登場機会なしということなので、しばしの休憩。しばらくは発表に耳を傾けていたが、耐え切れずいつしか爆睡していてフィナーレ直前の講師演奏でようやく目を覚ました。子供の発表会なので決してみな素晴らしいということはないが、それでも一生懸命の証である緊張感や、積み重ねてきた練習の成果というものは心に響くものがある。それは全ての出演者それぞれにある「音」だ。その中には時々「ドキッ」と身体をしびれさせてくれる気持ちの良い「音」がある。特にピアノからはその「音」を感じることが多い。今日は団体でのエレクトーンの発表会だったが、次回(来月)は個人のピアノ発表会がある。また誰かが「ドキリ」とさせてくれることを期待しよう。家族からは誤解を受けているようだが、パパは決してただ爆睡しに来ているわけではないのだ。
今日最後のつぶやき。明日は月曜日。早く正社員になってメリハリのある1週間を送りたいと思いながらも、本当にそれが良いのかとも考える。正社員として毎日満員電車に揺られていたあの頃、丸の内線の四谷(地上ホーム)の乗り換えの時に何故かいつも思うことは、毎日同じ時間にここを歩いて「これでいいのか?オレの人生」ということだった。今、はからずもその生活から離れても答えは出ない。ただこのままでは生活が経済的に破綻してしまうことだけはハッキリとした事実だった。考えたって分からない。今日はもう寝よう。
2月25日
「キャンセル待ち」の為に満員電車と満員バスを乗り継いで現場まで出勤したものの、やはり仕事にはありつけず、無表情なスタッフさんからめんどくさそうに1,000円の交通費をもらった。昨日の段階では交通費だけでも意味があるだろうと思っていたが、よく考えてみれば面接は夜の8時から。ざっと10時間ほどのタイムラグをどうするかまではちゃんと考えていなかった。この寒空の下、どうしようというのだろう。まったくもって間抜けである。
仕方がないのでDVDボックスで時間をつぶすことにした。12時間で2,000円。随分と足が出てしまったがとりあえず気持ちを切り替えた。久々に映画三昧ということで良しとしよう。「ALWAYS三丁目の夕日」と「東京タワー」を鑑賞して、暗く狭い部屋の中で一人で泣いた。いやな涙ではなかったが、泣いてばかりいてもどうかと思い、AVを見て一人で抜いた。ここは元来そういう設定の場所なのだが、それにこれで2,000円というのは何とも贅沢だなと思った。
夜8時、一次面接に行ってきた。面接はいたってオーソドックスかつ礼儀正しく、企業の歴史を感じさせるものだった。さすが今年創業30周年を迎える会社だ。通勤時間が短いというのが何といっても魅力だった。一次面接が合格ならば適性試験があり、それに合格すれば最終面接というステップもきちんと説明してくれて、とても好印象だった。何とかうまくいくことを願いたい。
明日の仕事は先日派遣と社員の対立のあった現場だ。平和な一日であることを祈ろう。幾分風邪気味で少々身体も重いのでドリンク剤でも飲んで寝ることにする。昨夏のようなことになったら大変だ。
2月26日
今日の香水の流通倉庫の仕事は、入荷が少なく、また雨も降っていたので倉庫内で出荷の仕事をした。商品を揃えて梱包して出荷出来るようにする仕事だ。社員1名派遣2名でチームを組んで仕事を進める。チームを組んだ社員さんは仕事の出来る人だったし、もう一人の派遣も顔見知りの要領のいい彼でスムーズに仕事が進んだ。お蔭で平和な一日だった。要領のいい彼は、正社員の仕事が決まって来週からはそちらに行くのだそうだ。派遣の仕事は明日が最後。私は明日面接があって仕事は休みなのでこれでお別れになる。
「早く仕事を決めてご家族を安心させてください」
と励まされる。同じような境遇で同じ時間に同じ仕事をやった者同士。名前を名乗り合うこともなかったが、いつかどこかで出会った時には今日のこの日を、あんな時もあったよなと振り返りたいと思う。しかし、残念ながら今は、その場面をリアルに想像することは出来なかった。
昨日面接を受けた会社から一次面接合格の連絡があった。いいなと思った会社なので少しテンションが上がった。次は3/1に筆記試験だ。明日も一次面接が入っている。とにかく一日も早く仕事を決めて転職日を固めたい。風邪の方は今日の午後にピークを迎えたが、今は少し楽になっている。とりあえず今日もさっさと寝よう。
2月29日
お腹が痛くてまったく集中力がない。病院で生活のリズムを作っていくようにとの指導があって最近胃の具合が良くないという話をしたところ胃腸薬も入れてくれたのだが、飲んだら早速腹痛だ。薬を飲んだからというわけではないのだろうとは思うのだが。明日は筆記試験(適性試験)だ。頑張るためにも早く治さないと......。
(続く)
久々に前職の会社の先輩から連絡があり「もしかして転職活動してる?」と聞かれた。どこかからそのような話が伝わったのだろうか。まあ、と適当に答えておいたが、最近は殆ど人付き合いもないというのに、一体どこから漏れた話だろうか。人の口に戸は立てられないものだなと改めて思う。
来週の火曜日、再来週は月曜日と金曜日にも面接が入りそうだ。あんまりバラバラになると派遣のバイトに支障が出るので、出来るだけ集中させたいところなのだが相手の都合次第なので何ともいかない。何はともあれ早いところ内定をとりつけたい。今の願いはそれだけだ。
2月18日
今日はブランド物の香水や化粧品の物流倉庫での仕事だった。午前中は入荷した商品の仕分け、棚入れ作業、午後は外でブロッターの数を勘定して100枚ずつにまとめるという作業をした。寒さは相変わらずだが、それでも陽のあたる場所では太陽の温もりが感じられる一日だった。たったそれだけのことで、心も温かくなる。求める水準をどこに置くかによって、人の心というものは、同じ状況でも幸せにも不幸にも左右されるのがよく分かる。低めの水準を設定した方が生きやすいような気もするのだが、それではじり貧か。上を見ると苦しくなるので、斜めやや上くらいを見ておこう。
2月20日
今日はペットボトルにおまけをつける作業をした。流れ作業の一番最後の「積み」を、一日の内約3分の1担当した。1.5リットルのペットボトルが8本、12kg+αの重さの箱を繰り返し積み上げる作業はかなりハードで、さっそく筋肉痛になった。すぐに痛みが出るのは、まだ若い証だと思うことにする。過度な肉体労働に挑むには、そういう根拠のない前向きさが絶対必要だと思う。心が折れてしまうと力は入らない。
2月21日
今日はブランドの香水・化粧品等の流通倉庫で入荷作業、棚いれ作業等をした。昨日の筋肉痛と疲労を引きずりながらも何とか頑張った。この倉庫はのんびりムードなので助かる。正社員と派遣社員の確執のとばっちりもあったが、なんのそのだ。
明日は、現時点の本命で6回目の面接(今度こそ最終面接!)だ。月曜日と水曜日にも面接があるがこの辺でけりをつけたい。とにかく頑張ろう。
2月22日
都合6回の面接。面接時間も通算6時間を越えたが、結果としてあまりエンディングに近づいている気配がない。今日は何だかまたスタートに戻ってしまったような感じだった。受験者側の勝手な言い草だが、ここまで引っ張られて不合格になるのはきつい。交通費もバカにならないのだ。とにかく全力で頑張って来たので結果を待つのみだが......。来週も2件面接が待っているのでこちらも新たな気持ちで取り組んでこよう。今は面接が途切れてしまうのがとても怖い。
2月24日
明日の派遣仕事は「キャンセル待ち」。片道1時間15分を要する場所まで満員バスに揺られて、もし行ってキャンセルがなければ交通費1,000円をもらって帰ることになる。非常に危うい立場だ。ただ、明日は夜8時過ぎから面接の予定があって、その場所が仕事場から近いので交通費だけでも意味があるかなと考えてエントリーしてみた。
今日は市議会議員選挙に行ってきた。ことのほか寒い一日で投票所の体育館でスタッフの仕事をしていた人たちもきっと寒かっただろう。私と妻が投票所に行った4時半頃の投票率は37%。最終はどの位になったのだろうか。選挙に行ったからといって何かが良くなることもないと思いながら、実はとても切実に何かが良くなることを願っていた。
今日は末娘(小1)のエレクトーンの発表会があり、長女(小4)と一緒にビデオとカメラを抱えて席を取った。客は関係者しかいないが、それでも1000名以上収容できる文化センターの大ホールが相当に混雑していた。まずは3番目に登場ということで長女と共同でビデオとカメラを撮影。その後は最後のフィナーレまでは登場機会なしということなので、しばしの休憩。しばらくは発表に耳を傾けていたが、耐え切れずいつしか爆睡していてフィナーレ直前の講師演奏でようやく目を覚ました。子供の発表会なので決してみな素晴らしいということはないが、それでも一生懸命の証である緊張感や、積み重ねてきた練習の成果というものは心に響くものがある。それは全ての出演者それぞれにある「音」だ。その中には時々「ドキッ」と身体をしびれさせてくれる気持ちの良い「音」がある。特にピアノからはその「音」を感じることが多い。今日は団体でのエレクトーンの発表会だったが、次回(来月)は個人のピアノ発表会がある。また誰かが「ドキリ」とさせてくれることを期待しよう。家族からは誤解を受けているようだが、パパは決してただ爆睡しに来ているわけではないのだ。
今日最後のつぶやき。明日は月曜日。早く正社員になってメリハリのある1週間を送りたいと思いながらも、本当にそれが良いのかとも考える。正社員として毎日満員電車に揺られていたあの頃、丸の内線の四谷(地上ホーム)の乗り換えの時に何故かいつも思うことは、毎日同じ時間にここを歩いて「これでいいのか?オレの人生」ということだった。今、はからずもその生活から離れても答えは出ない。ただこのままでは生活が経済的に破綻してしまうことだけはハッキリとした事実だった。考えたって分からない。今日はもう寝よう。
2月25日
「キャンセル待ち」の為に満員電車と満員バスを乗り継いで現場まで出勤したものの、やはり仕事にはありつけず、無表情なスタッフさんからめんどくさそうに1,000円の交通費をもらった。昨日の段階では交通費だけでも意味があるだろうと思っていたが、よく考えてみれば面接は夜の8時から。ざっと10時間ほどのタイムラグをどうするかまではちゃんと考えていなかった。この寒空の下、どうしようというのだろう。まったくもって間抜けである。
仕方がないのでDVDボックスで時間をつぶすことにした。12時間で2,000円。随分と足が出てしまったがとりあえず気持ちを切り替えた。久々に映画三昧ということで良しとしよう。「ALWAYS三丁目の夕日」と「東京タワー」を鑑賞して、暗く狭い部屋の中で一人で泣いた。いやな涙ではなかったが、泣いてばかりいてもどうかと思い、AVを見て一人で抜いた。ここは元来そういう設定の場所なのだが、それにこれで2,000円というのは何とも贅沢だなと思った。
夜8時、一次面接に行ってきた。面接はいたってオーソドックスかつ礼儀正しく、企業の歴史を感じさせるものだった。さすが今年創業30周年を迎える会社だ。通勤時間が短いというのが何といっても魅力だった。一次面接が合格ならば適性試験があり、それに合格すれば最終面接というステップもきちんと説明してくれて、とても好印象だった。何とかうまくいくことを願いたい。
明日の仕事は先日派遣と社員の対立のあった現場だ。平和な一日であることを祈ろう。幾分風邪気味で少々身体も重いのでドリンク剤でも飲んで寝ることにする。昨夏のようなことになったら大変だ。
2月26日
今日の香水の流通倉庫の仕事は、入荷が少なく、また雨も降っていたので倉庫内で出荷の仕事をした。商品を揃えて梱包して出荷出来るようにする仕事だ。社員1名派遣2名でチームを組んで仕事を進める。チームを組んだ社員さんは仕事の出来る人だったし、もう一人の派遣も顔見知りの要領のいい彼でスムーズに仕事が進んだ。お蔭で平和な一日だった。要領のいい彼は、正社員の仕事が決まって来週からはそちらに行くのだそうだ。派遣の仕事は明日が最後。私は明日面接があって仕事は休みなのでこれでお別れになる。
「早く仕事を決めてご家族を安心させてください」
と励まされる。同じような境遇で同じ時間に同じ仕事をやった者同士。名前を名乗り合うこともなかったが、いつかどこかで出会った時には今日のこの日を、あんな時もあったよなと振り返りたいと思う。しかし、残念ながら今は、その場面をリアルに想像することは出来なかった。
昨日面接を受けた会社から一次面接合格の連絡があった。いいなと思った会社なので少しテンションが上がった。次は3/1に筆記試験だ。明日も一次面接が入っている。とにかく一日も早く仕事を決めて転職日を固めたい。風邪の方は今日の午後にピークを迎えたが、今は少し楽になっている。とりあえず今日もさっさと寝よう。
2月29日
お腹が痛くてまったく集中力がない。病院で生活のリズムを作っていくようにとの指導があって最近胃の具合が良くないという話をしたところ胃腸薬も入れてくれたのだが、飲んだら早速腹痛だ。薬を飲んだからというわけではないのだろうとは思うのだが。明日は筆記試験(適性試験)だ。頑張るためにも早く治さないと......。
(続く)
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